ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 今回は花陽と凛が登場します!
 それ以上に零君が大変なことになっちゃったり……


スケベの中のスケベ王(前編)

 

「いやぁまいったまいった!! まさか零君が飲んじゃうとはねぇ~♪」

 

 

 俺の目の前で謝罪をする秋葉だが、顔も笑ってるし声も嬉しそうで全く気持ちが伝わってこない。どう考えても確信犯である。俺は女の子の笑顔が何よりも好きなのだが、コイツのこの笑顔だけはこの先一生好きになることはないだろう。むしろこの憎たらしい顔面を殴ってやりたくなる。

 

 そんな訳で、俺はまたしても秋葉に妙なおクスリを飲まされてしまった。まあ飲まされたっていうより、冷蔵庫の中に置いてあった明らかにお茶らしきモノを自分の飲んじまったんだけどな。そんなの誰でも勘違いするだろ……ていうか、俺は家の中であっても安息の地はない訳!?

 

 

「でもさぁ、今のあなたは可愛いよぉ零君♪ なんたって――――犬なんだから!」

 

 

 そう、秋葉の謎のクスリによって俺の姿は犬に変えられていた。しかもまだ幼いチワワ程度小型犬で、もちろん人間の言葉を話すことはできない。コイツに言いたいことはたくさんあるのだが、どう頑張ってもワンと高い声で鳴くことしかできないのがもどかしいところである。だから鳴けば鳴くほど秋葉に『可愛いねぇ』と皮肉を言われるだけなので、必然的に黙ることしかできないのだ。相変わらずコイツのすることはストレスしか溜まらねぇな……。

 

 

「私ね、小型犬を飼うのが夢だったんだよ! でも研究室は薬品臭いから飼えない。だから考えたの、零君を犬にしちゃえば問題ないってね♪」

 

 

 問題大アリどころか問題しかねぇよ!! どうして毎回毎回俺が犠牲になる訳!? もういっそのこと人工人間を作成してソイツを実験台にすればいいじゃん。世界の頭脳と言われた秋葉なら、人工人間くらい簡単に作れるだろ。

 

 

「ちょっと抱っこさせてね」

 

 

 秋葉に腰を掴まれると、気付いた時には既に彼女の腕の中にいた。赤ちゃんを優しく抱っこするように、よしよしと頭を撫でながら抱きかかえられているので非常に恥ずかしい。

 それにだ、秋葉の胸は他の女性に比べれば格段に豊満である。まるで男に揉まれるために大きくなったようなおっぱいは、こうして軽く抱っこされているだけでもその感触が全身に伝わってくる。小さい頃から研究しかしてないクセに無駄に育ちやがって……。

 

 弟の俺から見ても超絶美人な秋葉は世界を羽ばたく研究者だ。そうなればもちろん彼女のおっぱいは世界中の男の欲情を唆る訳で……。そして彼女は男に全く興味がなく、唯一興味がある男は俺のみ。俺はこの事実と現在抱っこされている事実の2つに謎の優越感を感じていた。本当はコイツに介抱されるなど屈辱を味わうはずなのに、やはり女性のシンボルの心地よさには抗えないみたいだ。

 

 

「どうどう零君? その姿じゃこんなことをされていても何も言い返せないでしょ? でしょ~♪」

 

 

 だからその悪魔のような笑顔がウザイったらなんのって!! 秋葉得意の煽り口調を聞くと優越感に浸っている場合ではないと思い知る。そうだよ、今までの恨みもあるし、少しここで仕返しでもしてみるか。世界の欲情を唆る胸に包まれているんだ、この機会を逃す手はない。それにコイツは意外にもエロいことが苦手で、もう5年前になるがベッドに押し倒した時は思いっきり押し返された記憶がある。しかも純情少女のように顔を紅潮させて。だからここは犬になって抱っこされているこのシチュエーションを存分に利用させてもらうぞ。

 

 

 俺は抱っこされている中で前足2本を突き出すと、秋葉の無駄に育った果実のような胸をこね回すように弄った。

 

 

「ひゃっ!! れ、零君なにしてんの!? んっ、ああっ、ちょ、調子に乗らないで!!」

 

 

 よしっ、効いてる効いてる! このまま俺が今まで味わった屈辱を全て性欲に変えてお前に感じさせてやるからな!

 

 俺の予想通り秋葉は顔を一瞬で真っ赤に染め、胸を弄られる慣れない刺激を必死に耐えていた。声を出さないように意識はしているようだが、胸が大きいと感じやすくもなるのかもう漏れ出す声が卑しいことこの上ない。それに俺が女の子の胸を弄るテクニックを甘く見てもらっては困る。日常的にμ'sメンバーの胸を触っているからこそ成せる技、とくと全身で感じてもらおう。そもそもコイツはその手に刺激に一切耐性がないため、わざわざ本気を出す必要もないがな。

 

 

「も、もうっ! れ、零君ダメだって……!! んんっ!!」

 

 

 この嬌声を聞くとやはり秋葉も女の子なんだなぁと実感する。大学生の頃もいい大人だったが、社会人になってより美麗さが増したというか色気に磨きがかかったと思う。そんな彼女を攻めるからこそ俺の仕返しも捗るってものだ。

 

 

「んっ、あっ、ん……こ、こんのぉ……いい加減しろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

 秋葉は快楽に耐えながらも力を振り絞り、犬となった俺の首根っこを片手で乱暴に掴んだ。その後、俺が気付いた時には目の前に青空が広がっていた。さっきまで部屋にいたのだが、ここはどう見ても外――――そう、俺は秋葉に部屋から外に投げ飛ばされたのだ!!

 

 

「あ゛ぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁああああああああああああああああああああ!!」

 

 

 これはゲームじゃないの!! だから2階から外に放り出されたら全身打撲で死ぬんだよ!! そのところ分かってんのかあの女!!

 

 そんな俺の心の叫びは誰にも届くはずがなく、無慈悲にも綺麗な放物線を描いて自由落下する俺の身体。まさか犬のままこの生涯を終えるなんて思ってなかったなぁ……あぁ、どうせ死ぬならたくさんの女の子のおっぱいに挟まれてされて圧死したかった。男にとってそれほど極楽浄土な死に方はないだろう。こんなことなら秋葉のおっぱいをもっと堪能しておくべきだった!!

 

 もうすぐ身体が地面に叩きつけられる、その時だった。俺の身体は予定よりも早く()()に衝突する。生きているうえに痛みもほとんどないから硬い道路上でミンチになるのは防がれたのだろう。そんなことよりもこの柔らかさ、そして優しい温もりを感じる人肌。それに何より、さっき秋葉に抱っこされていた時と全く同じ感触を感じるのだがそれは―――――

 

 

「だ、大丈夫子犬さん??」

 

 

 この全身を包み込むような人肌の持ち主は顔を見なくても分かる。花陽だ、小泉花陽だ!!

 顔を上げてみるとまさにその通りで、突然犬が落ちてきてビックリしたのだろう驚いた顔で俺の顔を覗き込んでいた。

 

 そういや今日遊びに来るって言ってたな、犬になった騒ぎで顔を見るまで忘れてた。今が丁度その時間だし、まさに運命が俺に味方をしたとしか思えない。あと少しでも集合時間が遅かったら、今頃夏の日差しが照りつけて鉄板のようになっている道路に焼かれ、ジューシーなこんがり肉となっていただろう。

 

 

「かよちんナイスキャッチだにゃ!! でもどうして空から子犬さんが……?」

 

 

 この独特な猫語、そうか凛が隣にいるのか。

 声のする方に目を向けると、花陽の親友である星空凛も俺の顔を覗き込んでいた。そのあと俺が落ちてきた軌道上を目で辿っていき、やがて俺の家の二階の窓に行き着く。そこには顔を真っ赤に燃え上がらせ、今でも快楽と戦っているであろう秋葉が二階の窓から顔を覗かせていた。

 

 何故そんな表情でこちらを眺めているのかそう不思議に思っていた凛だが、俺の転落事件の真相を確かめるため道路から大声で秋葉に問いかける。

 

 

「あっ、秋葉さんだにゃ! あーきーはーさーーん! この子犬さん、秋葉さんの家から落ちてきたと思うんですけどーー!!」

「し、知らなわよ!! 多分その子は神様があなたたちへ向けた贈り物に違いないわ!! 零君は今急用で出掛けてしばらくいないから、その間しっかり面倒を見るのよそれじゃあね!!」

「ちょっと!? まだ話は終わって――――って、窓閉めちゃったにゃ……」

 

 

 羞恥心に襲われている自分を見られることで更なる羞恥心に見舞われるためか、秋葉は言いたいことだけ言い放つと家に引きこもってしまった。そもそも自分が撒いた種でそうなったんだから自業自得だろ……。

 

 

「それで……この子どうしよっか?」

「零くんが用事から戻ってくるまで、凛たちで面倒見てあげようよ!」

「そうだね。秋葉さんも事情があるみたいだし」

 

 

 やっぱ優しいなぁ花陽と凛は! μ'sの中で誰と同棲するかと言われたら、間違いなくこの2人と住むのが一番安全で最も無難な選択だと思う。他の奴らはクセがあると言ったら申し訳ないが、明らかに常時貞操の危機を感じざるを得ない奴らもいるからな。家に帰ってこの2人が笑顔で迎えてくれたら……あぁ、妄想だけでも癒される!

 

 だがそんな癒しよりも、どちらかといえば卑しい気持ちになっていた。

 落下を受け止めてくれた花陽には悪いのだが、さっきから胸元で抱っこされているためやっぱりおっぱいがこう……ね? 完全に花陽の胸を布団にして寝転がっている状態で、しかも腕に包まれる温もりが余計に身体中を火照らせてきやがる。全身に押し付けられているのがおっぱいだと思えば思うほど発情指数が高まってくるので、このまま抱っこされているだけでは満足できるはずがない。

 

 命の恩人に対して恩を仇で返すかのようだが、どうせ子犬になってるんだから俺だってバレないんだ。せっかくいいポジションにいる訳だし、このチャンスを活かす以外の方法はないだろう。このまま犬にされたことを恨むより、むしろ犬にされたことで巡ってきたチャンスを正々堂々と悠々自適に楽しむべきだとは思わないか? 俺はそう思う。だから触る。OK?

 

 あっという間に性欲に溺れた俺はまたしても小さな前足2本を構え、花陽の胸に押し付け弄り回した。

 

 

「うひゃぁっ!! ちょっと、な、なにぃ……!!」

 

 

 やっぱり触りなれているおっぱいだからこそ、犬になっても全く違和感なくこねくり回すことができる。むしろ小さい前足だからこそ花陽の豊満おっぱいを十分すぎるほどに堪能することができ、同時に柔らかくもずっしりとした胸の重量感を感じられていつもとは違う興奮を味わえる。それにちょっと触っただけなのにこの感じ方は、日頃の俺の調教の賜物だろう。

 

 俺は前足で花陽の下から上へすくい上げるように押し上げる。子犬になっているせいか力が全く入らないのでおっぱいの重量感に負けてすぐに足を下ろしてしまったのだが、その際にぷるんと大きく胸が揺れる様を見て俺に更なる興奮が滾る。夏だから生地の薄い服を着ていることもあって、服の上からでも十分におっぱいを楽しむことができた。

 

 

「ひゃっ!! んんっ……!!」

「どうしたのかよちん、さっきから変な声出して!?」

「こ、子犬さんが腕の中で暴れて……」

「もしかして抱っこされるのが苦手なのかな?」

「多分そうみたい……」

 

 

 おおっ、ここは天国か!? これだけ大層におっぱいを触ってセクハラをしても、花陽も凛も子犬がただ暴れているだけとしか思っていない。しかもご都合主義のように勘違いまでしてくれている。性欲旺盛な健全男子にとってこれほど夢のような状況がかつてあっただろうか。まあ俺だったら彼女たちを軽く誘惑するだけで胸などいくらでも揉めるのだが、そんな面倒な工程を一切省いていきなり羞恥プレイを仕掛けることができるのは子犬の強みでもある。もうこのまま犬のままでもいいような気がしてきたぞ……。

 

 

「苦手だったら名残惜しいけど下ろしちゃおっかな。ゴメンね、無理矢理抱っこしちゃって」

 

 

 いやいや待て待て!! 全然嫌がってないから!! むしろこのまま永遠に花陽の胸の中で生涯を過ごしてもいいくらいなんだけど!?

 

 なんて心の中で叫んでも、どうせ犬語しか喋れないので無駄である。かと言ってここでワンワン吠えたり再び胸の中で暴れでもしたら、また抱っこされるのが嫌だと的外れな勘違いをされてしまうだけだ。ここは素直に諦めて地面に下ろしてもらうしかない。あぁ、短かったな俺の天国旅行……。

 

 そして俺は本当に地面に下ろされ、地べたを這いつくばる子犬と化してしまった。どうせなら胸は触れないけどずっと花陽の抱っこされていたかったものだ。一応その状況だけでも胸をベッドにして寝ることくらいはできただろうし。

 

 

「零君が戻ってくるまでどうしよっか?」

「う~ん……あっ、そうだ! せっかく来たんだし、浦の星女学院に行ってみようよ! もしかしたら零くんに会えるかもしれないしね!」

「急に行って迷惑にならないかなぁ……。勝手に学院に入っていいのかどうかも分からないよ?」

「大丈夫大丈夫! 元μ'sの星空凛ですって言えば、凛たち有名人だし通してくれるにゃ~♪」

「なんだろう、職権乱用に近い気が……」

 

 

 さっきから2人が何か喋っているが、今の俺はおっぱいを触ったことによるムラムラとした欲情が未だに収まらず、自らの性欲ばかりを気にしていた。浦の星に教育実習に来てからというもの常習だったセクハラ行為も数えるくらいしかこなしておらず、そのせいで最近日常生活でも性欲が溜まりやすかったのだ。Aqoursのみんなが薄着の練習着で汗水垂らしている光景を見るだけでも身体が疼き、そろそろどこかで発散しなければヤバイ状況に陥っていた。

 

 それがさっき巡ってきた花陽のおっぱいチャンスにより解消されようとしていたのだが、大して堪能していない間に地面に下ろされ中途半端な発散で終わってしまった。人間より数倍性欲の強い動物に変幻してしまったせいもあるだろうが、とにかくどこかで興奮を感じたい! そして性欲をぶちまけたい!!

 

 

「ほら、子犬さん行くよ!」

 

 

 凛に呼ばれ、俺は正気に戻る。さっき小耳に"浦の星"という言葉を挟んだので恐らく学院へ向かうのだろう。正直に言って、俺はどこかへ行くよりもとっととイキたいのが本音だ。まあそれももちろん彼女たちに伝える術がないんだけどね……。とりあえず2人と一緒に歩きながら性欲の打開策を考えよう。最悪犬の状態で発散しなくても、元の人間に戻り次第この2人を襲えばいい。むしろそっちの方が楽だ。

 

 そう考えつつも人間に戻るのはいつになるのか、このクスリの効力がいつ切れるのかも分からない。

 更に暑い夏の日差しを全裸同然の身体で受け、しかも無駄に毛の長い犬に変化させられているためそこそこの暑さを感じる。全く、もうちょっと世界の中心である俺を気遣ってはくれませんかねぇ太陽さんや。

 

 

 そして何も考えず、太陽を睨みつけようとして顔を上げる――――

 

 

「――――!?!?」

 

 

 俺の目に衝撃的な光景が映し出された。

 何度も言っているが俺は子犬となって地面をよちよちと凛たちの隣歩いている訳である。こうして見ると意外と人間の女の子って背が高く、当然俺は彼女たちを見上げる形となるのだが……そこで見えるんだ、凛のスカートの中身が、これでもかと。

 

 俺は凛のすぐ隣を歩いているため、目を上げればそこには桃源郷が映し出されていた。決して短いスカートではないのだが、俺の背丈が小さすぎて余裕で覗くことが可能だ。そして当然スカートの中は生パンであり、そこから伸びる太ももとショーツからはみ出すおしりのお肉が歩くスピードに合わせて卑しくぷるぷると振動している。しかも夏の暑さのせいか、少し汗が付着していてまるで自ら欲情して濡らしているように見えるのがこれまた艶かしい。

 

 更に言ってしまえば、下からスカートを覗き込んでいると盗撮モノによくある"逆さ撮り"を想像してしまって余計に背徳感が湧き上がってくる。普段は盗撮動画でしか味わえないあの真下からのアングルを、今まさに自分の目で体験しているのだ。現在世間で流行っているVRなんかクソくらえと思うほどの臨場感に、俺の目は凛のスカートの中身をより力強く凝視する。同時に興奮によって滾っていた血液が、自分でも感じるほど暴走して身体を駆け巡っていた。

 

 身体が熱い……。ちなみに夏の"暑さ"ではなく、身体の芯から吹き出す燃えるような"熱さ"である。これは確実に今まで我慢していた性欲が深淵から目覚めようとしている。教育実習生だから例え女子高だろうが変態行為はしないと心の決め、今まで性欲を溜め込んでいた代償がここで全て払われようとしている。凛が歩くたびにスカートの中の太ももが揺れ、小さいショーツがずれたり元の位置に戻ったりを繰り返して奥が見えそうになったりならなかったりと、俺の欲求を爆発四散させるには十分な光景だ。

 

 もう舐めてもいい? 凛のスカートの中に飛びついて脚を舐めてもいいよね? だって高校時代から性欲旺盛だった俺だよ? そんな俺が女子高に来て女の子にあまり手を出していなかったんだから、それくらいのご褒美は貰ってもよくない?

 

 そう決心した俺は花陽との話に夢中になっている凛の隙を突いて、足並みを少し遅らせ彼女の一歩後ろに下がる。このまま太ももに飛びついて、汗に塗れて艶やかになっているあの太ももを舐めずり回すんだ。それに例え抵抗されたとしても、子犬の姿になっている現状では子供のイタズラ程度にしか思われない。つまり絶好のチャンス、絶好のシチュエーションなのだ。

 

 

 しかし、運命は俺の味方をしてくれない。凛のスカートの中に狙いを定め後ろ足を踏ん張ったその時、突如俺の身体が宙に浮いた。訳も分からず身体をジタバタさせながらパニクっていると、俺の耳元で花陽と同じ程度のふんわりとした声が聞こえてきた。

 

 

「子犬さん、怖い顔してどうしたの?」

 

 

 顔を上げると、そこには花丸の顔がドアップで映っていた。怖い顔って、俺どんな顔でスカートの中を凝視していたんだ……。

 

 そんなことよりも、今まさに花丸に抱っこされている事実の方がよっぽど重要だ。花陽以上の小柄な花丸だが、そのくせ胸の大きさは彼女とそれほど変わらない。そんな本日三度目となるおっぱいお布団に、もう俺の身体がその感触を覚え勝手に落ち着こうとしていた。おっぱいお布団が日常になるって、もうその生活のどこに不便があるのか。もう本当にこのままでもいい気がしてきたぞ……。

 

 

「ルビィちゃん見て見て! この子犬さん可愛いずら♪」

「ホントだ! でも飼い主はどこにいるんだろう……?」

 

 

 隣にルビィもいたのか。いつもは身長の関係で2人を見下ろしているが、今は俺の目に大きく映る彼女たちを見上げる形となっているので少々変な感覚がする。体格の違いで普段は女の子に全身を抱きしめられることがない(というかできない)せいもあるだろう。

 

 そういや、こんなことをしていると花陽と凛に置いてかれてしまう――――ん? 待てよ? 花陽と凛、花丸とルビィ。この組み合わせって――――

 

 

「子犬さーーん!! どこ行ったのーー?」

「もしかしなくても、迷子になっちゃったのかにゃ?」

 

 

 ほら、やっぱり2人が探しに来た。ということは、当然――――

 

 

「子犬さんってもしかしてこの子のことですか?」

「あっ、そうです! 見つけていただきありがとうございます!」

「いえ、マル……いや私が可愛いと思って勝手に捕まえちゃったので……って、あれ?」

「ど、どうかしましたか……?」

 

 

 花丸は花陽とその隣にいる凛の顔を交互に見つめながら何かを勘ぐっている。それはルビィも同じみたいで、こっそりと携帯を取り出してこそこそと調べ物をしていた。花陽と凛の興味も子犬となった俺ではなく、花丸とルビィの2人に注がれているようだ。多分だけど4人が4人キョトンとした顔をしているので、相手を見たことはあるけど一瞬誰だか思い出せない現象に陥っているんだと思う。

 

 そして俺は、今後の展開が容易に想像できた。

 

 

「あっ、あ、あ……!!」

「どうしたずらルビィちゃん!?」

「は、花丸ちゃん!! この人たち、この人たち……みゅ、みゅ、みゅ……μ'sの……!!」

「μ's……? あっ…………あぁあああああああああああああああああああっ!!」

「ぎゃっ!!」

 

 

 花丸は驚いたのと同時に顔に手を当てたため、抱っこされていた俺はそのまま地面に落下した。ビックリすることは予想してたけど、いきなり振り落とされるなんて聞いてねぇぞ……あぁ痛い痛い腰打った!!

 

 

「そう言えば、内浦にはスクールアイドルがいるって聞いてたような……」

「り、凛ちゃん! この子たち、私たちが昨日ライブの映像を見てた――――Aqoursのメンバーだよ!!」

「え…………? え゛えぇええええええええええええええええええええ!?!?」

 

 

 こうしてほんわか4人組は、地面に転がった俺を挟んで邂逅した。

 ていうか驚く前に助けてくれませんかねぇ……。

 

 

 

 

To Be Continued……

 




 本来なら前編の時点でりんぱな組とるびまる組の絡みをもっと書きたかったのですが、序盤に秋葉さんの描写を入れてしまったせいで後編に続きます。久々に可愛い秋葉さんを書きたかったんです!!

 次回は性欲が収まらない零君がりんぱなるびまるの4人に……?



新たに☆10評価をくださった

ネモフィラさん、ユニオンジャックさん、こーひぃじゅーすさん

ありがとうございます!

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