ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 今回は久々の個人回で曜ちゃん回です。
 そしてR指定描写も久々なので、そのリハビリ回。


欲望と禁断の雨宿り

 

 雨というのは日本古来から伝わる風情の1つであり、俳句や短歌でも悲哀を示す表現としてよく詠まれてきた。俺たち現代人で親しみ深い百人一首が代表例であり、雨を悲愴の比喩表現にして詠んだ歌も多い。つまり雨は昔から人の心の曇りを具現化していた訳だ。現に今を生きる俺たちも、外出する時に外が雨だったらブルーな気持ちになるもんな。雨で嬉しいことなんて、傘を無視して斜めから打ち付ける雨水に服が濡れ、女の子の下着が透けている光景を見るくらいなものだ。

 

 こんな話をしているのだからお察しの通り、現在絶賛大雨が地面を叩いている。灰色の雨雲が上空を覆い殺伐とした世界を感じさせるが、そんなファンタジックな妄想で楽しんでいられたのは家を出る前だけだ。いざ外に出てみると、地面に叩きつけられて跳ね返った水がズボンの裾を濡らしてくるわ、あらぬ角度から侵入してきた雨水に腕を濡らされるわで散々である。これも俺が職員室に忘れ物をしなければ今日出かける必要はなかったんだけどなぁ……。

 

 そんな感じで誰もいない、雨音だけが聞こえる道をトボトボと歩く。秋葉がいれば車を借りられたんだけど、生憎彼女が仕事で使っているので寂しく徒歩勢だ。雨水は冷たいのに気温だけは夏の暑さを冠しているため非常に身体によろしくない。とっとと帰って飯を食って昼寝! それが残りの休日を有意義に過ごす最善手のプロセスだ。

 

 そう思い早足になりかけたその時だった。ふと道端から公園を覗いてみると、屋根の付いたベンチとテーブルのある休憩所に女の子が1人で座っていることに気が付いた。かなり色の抜けた茶髪で、言ってしまえば雨雲の灰色を少し薄くしたような髪。休日なのに制服を着ているのは何故なのか、それよりも遠目でも分かるくらいに頭が濡れているのが気になる。

 

 とにかくあのまま放っておいたら寒さで身体を壊してしまうかもしれないので、俺はあの子の様子を探るため公園に入り休憩所に近づいた。そして近くまで来て分かったのだが、この子は――――

 

 

「曜……?」

「えっ、あっ、せ、先生……」

 

 

 髪が濡れているせいでいつものくせっ毛が垂れていたので、彼女が曜だとは遠目では全然気付かなかった。よく見たら髪だけじゃなくて制服もそこそこ濡れてるし、こんな大雨の中で一体何をやってたんだコイツ……?

 

 

「どうして頭から濡れてんだよ。まさか水溜りをプールと勘違いして飛び込みでもしたのか?」

「千歌ちゃんじゃないんですから、そんなことしませんよ」

「ナチュラルに千歌を馬鹿にしているけど気付いてる……?」

「子供の頃に大きな水溜りによくダイブしてましたから」

「マジかよ。相当アグレッシブだなアイツ……」

 

 

 地方や田舎の子供は野蛮だと聞くが、千歌だと容易にその光景が想像できるので擁護しようにも擁護できない。それにテンションが高ければ高校生の今でもやらかしそうだからなアイツは。

 

 そんな想像をしながらも曜に目を戻すと、ふと気になったことがあった。あれだ、傘がない。これだけ大雨が降ってるのに傘をさしていないなんて、ゲームの縛りプレイ好きなのかと冗談を言ってしまうくらいには不自然だ。それにそこそこ濡れているのにも関わらずタオルやハンカチも持っていない。まあ傘もタオルも持っていればここまで濡れることはないので、濡れている理由を聞くだけ野暮なのかもしれないが。

 

 

「制服を着てるってことは、学院まで行ってたのか? それか行く途中だったとか?」

「行った後の帰り道ですよ。教室に忘れ物をしちゃいまして……」

「また平日に行った時にでも良かったんじゃないか? どうして休日なんかに」

「それがないと宿題ができないんですよ。しかも忘れ物に気付いたがの今日の朝で、慌てて着替えて外に出たので天気予報を全く見ていなかったせいでこんなことに……」

「なるほど。慌てていたから傘どころかタオルもハンカチも持ってないと」

「そういうことです……」

 

 

 曜は真面目そうに見えて案外抜けてるところもあるからなぁ。授業も真剣に受けているイメージだったが、最近は黒板ではなくてその前にいる俺に目線を集中させていることが多い。授業中に彼女にチラッと目を向けると顔を赤らめて目を逸らすし、真面目なんだかそうでないのかよく分かんねぇ。

 

 

「とりあえず頭だけでも拭いておけ、タオル貸してやるから」

「あ、ありがとうございます……」

 

 

 浦の星の夏服は白。つまり濡れたりでもしたら中身がスケスケになってしまう訳で……つまりこのままだと目のやりどころに困るのだ。

 曜は俺の投げたタオルを受け取ると、少し匂いを嗅いでから頭を拭き始める。そして首周りや腕、やがて袖口に手を突っ込んで制服の下まで拭きだしたのだが、その姿がかなり艶っぽい。男が目の前にいるのにその行為は誘っているようにしか見えねぇぞ……。ちなみに俺は曜の隣に腰を掛けて、女の子が身体を拭く様をジッと見つめていた。いかがわしい気持ちで食い入るようにではなく、どこか色っぽい曜に見蕩れている感じだ。

 

 

「せ、先生? あまりジロジロ見られると恥ずかしいというか……うん、恥ずかしいです」

「俺は存在しないものと思ってもらっていい。だから続けてくれ」

「男の人に身体を拭くところを見られて気にせずにはいられませんって! そんなことで喜ぶなんて痴女くらいですよ」

「えっ、違うの?」

「通報しましょうか……?」

「お、おい! タオル貸してあげたのにそれはないだろ!」

「それとこれとは話が別です。でもまあ……ありがとうございます」

 

 

 帰宅途中に突然雨に降られてナーバスになっているのかと思ったが、通報するだなんだの冗談を言えるあたりそこそこ元気はあるみたいだ。タオルで顔を拭くフリをして、表情を悟られぬようにお礼を言う姿は非常に愛らしい。淫乱だの痴女だの様々な疑惑が流れている曜だが、やはり彼女も純情な女の子なのだ。これがことりや楓だったら透けた服を自ら隠そうなんてしないからな。

 

 だがしかし、その安心は彼女の身体の震えを見た瞬間に打ち崩される。よく見ないと分からなかったのだが、曜の身体は雨に濡れた寒さ故か小刻みに震えていた。恐らく元気に振舞っていたのも、わざわざタオルを貸してもらった身として俺に心配を掛けたくなかったからだろう。寒さを必死で抑えようとしているのが両手を拳にしてギュッと力を入れている様子から伺える。次第に頬も引きつってきたので我慢の限界が来ているのも分かる。いくら身体を拭いても肌に触れる服が乾かないとどうしようもないため、真冬のような極寒に見舞われるのは当然だ。それなのにずっと黙って我慢して、強情なのかそれとも心配を掛けまいとする優しさなのか……。

 

 

「…………寒いんだろ?」

「…………はい」

「やっぱりな。どうして黙ってんだ」

「これ以上心配をお掛けする訳にはいかないと思いまして……」

「予想通りで笑いが出てきそうだよ。お前は生徒で俺は教師なんだら、もっと頼れもっと甘えろ。全然迷惑でも何でもねぇから」

「それでは、お言葉に甘えさせてもらっていいですか?」

「へ……?」

 

 

 曜は返事も聞かず、俺の身体に密着するように擦り寄ってきた。さっきはあそこまで謙遜していたのにいきなり身体にもたれ掛かってきて驚いたが、こうして密着してみると彼女の身体が思った以上に冷たかったのが分かったので曜自身もかなり深刻だったのだろう。俺の服をギュッと掴んでまで俺の人肌を感じようとしている。俺はそれに応えるように腕を曜の身体に回してこちらに引き寄せてやると、想像よりも遥かに彼女が震えていることも分かった。

 

 

「やっぱり、この天気じゃ服は中々乾かないみたいだな」

「そうですね。いくら身体を拭いても寒いです……」

「まあ落ち着くまでずっとこのままでいいから」

「はい……ありがとうございます」

 

 

 曜は俺の右腕に顔を埋める形で更に強く抱きついてきた。心なしか彼女の顔が少し熱くなっている気がするが、やっぱり人肌というのは凍てつく寒さにも効果的らしい。それにさっきまで1人ぼっちで寒さに耐えてきたから、こうして誰かが隣で支えてくれている心の余裕と暖かさもあるのだろう。

 

 そしてここまで密着されると、曜の自己主張の激しい2つの胸に俺の腕が挟まれている訳で……。俺が曜を暖めてあげないといけないのに、逆に俺が興奮で暖まってしまいそうだ。ドキドキしながら彼女に目を向けてみると、依然まだ乾いていない白の制服が雨に濡れ、その奥にある水色の下着が思いっきり透けているのが俺の性欲を助長させる。彼女は身体の芯から寒さに襲われているのだろうが、俺は段々と欲情による熱が身体に湧き上がっていた。

 

 ここまで見えているのならもう脱いでしまっていいと思うのだが、せっかく俺を心の拠り所にしてくれている曜にそんな無粋な発言はできない。まあ言ったら言ったで別の意味で熱くなれるのかもしれないけど……。

 

 

「先生……」

「どうした? まだ寒いのか?」

「服が濡れて冷たいので……脱いでいいですか?」

「えっ……? 今なんて……?」

「服が肌に擦れる度に冷たいので、脱いでいいですか?」

 

 

 ま、まさか自分から進言してくるだと!? まだ付き合いも長くないので流石に俺の心を読む能力はないと思うが、これもことりと出会ってしまったが故の症状なのだろうか。それともあまりの寒さに頭が回らなくなっているのか。どちらにしてもまともな女の子が取る行動ではない。確かに服が濡れて肌に触れると冷たいのは衣類越しで密着している俺でも分かるが、もしかしたら本人からしてみたら結構深刻なのかもしれない。雨は降っているが気温は夏の蒸し暑さなので、脱いだ方が快適なのは多分間違いないのだが……。

 

 

「先生、脱がしてもらえませんか……?」

「は、はいぃ!?!?」

「さっきから寒さで手がかじかんで動かないんですよ」

「マジ……?」

 

 

 本当なのか嘘なのか。手がかじかんでと言っているが、さっきまで俺の服をギュッと握っていたことは忘れた方がいいのだろうか。そんなことよりも、美少女を俺の手で強制ストリップショーを開演できることの方が衝撃だ。俺の手もかじかんでいるかのごとく震え始める。まさか麗しいリアルJKの制服を、この歳にもなってまた脱がせられるとは思っていなかったらな……。

 

 再び曜の濡れ濡れの姿に目を向ける。あまり乾いていない制服が肌にベッタリとくっついている箇所もあり、主に胸元が顕著だ。だから彼女の鮮やかな水色の下着が既に脱いでるだろってくらいに目視できる。今のままでも十分にエロいのだが、曜の考えでは濡れ濡れの制服を脱いだ方が寒さから解放されるらしい。だったら彼女の意思を汲み取ってあげるのが教師としての努めなのではないだろうか? 相変わらず俺の理性なんてものはペラっペラだとつくづく思うよ……。

 

 そして俺は、自分でも知らぬ間に曜の制服のボタンに手をかけていた。確かに触れてみると制服は冷たく、早急に脱がなければ寒さで体調を崩しかねないくらいだ。俺は彼女の制服のボタンを上から1つ、また1つとゆっくり外す。ボタンを外し制服の裂け目が広がっていくたびに綺麗な肌色が見え始め、透け越しで眺めていた下着もようやくお出ましする。久々に見るリアルJKの下着姿、しかも文字通りの濡れ場という超絶なシチュエーションを加味すれば過去にない状況なので思わず息を呑む。

 

 無我夢中で曜の制服のボタンを外していると、いつの間にか全て外し終えていた。雨で制服がベッタリと湿っていたためか、下着も相当水気を帯びているようだ。しばらく半裸の曜に釘付けとなっていたが、彼女が再び口を開いたことで意識が現実に引き戻される。

 

 

「まだ……終わってないですよ」

「いいのか……? このままだと俺……」

「いいですよ。先生が見ている前で脱いだ方がそのぉ、身体も熱くなりますし。現に今も汗をかきそうなくらいなんですから……」

 

 

 俺はもうそれ以上の話は耳に入っておらず、既に彼女の下着に手を伸ばしていた。

 最初からこの展開を図っていたとは思えないが、曜は雨に見舞われた災難と俺と出会った僥倖を最大限に利用している。元から少し思考が淫乱寄りになっていたとはいえ、彼女の方から勇気を出して誘ってくれているんだからそれに応えるのが男ってものだろう。それにちょっと触るだけだ。恋人同士でもないのにがっついたりしないよ、多分だけど……。

 

 フロントホックを外すと、水色の下着が落ち行く花びらのように身体を伝ってひらりと落下する。

 そして遂に、渡辺曜の生双丘が初めて俺の目に顕現した。女子高生とは思えないほどの発育っぷりで、そのボリュームは同じJK時代の花陽かそれ以上に匹敵する。更に水泳をやっている影響か身体付きもよく腰のくびれも細いため、その豊満な胸がより際立って大きく見えた。そんな肌色に輝く乳房の先端は綺麗な桃色であり、寒さと緊張からか少し立っている。また制服は着たまま、つまり半裸という姿がより加虐心を唆られる。

 

 いてもたってもいられなくなった俺は、曜の肩を掴むとそのままゆっくりとベンチに押し倒した。曜も一切抵抗することはなく、俺の無茶な行動をあっさりと受け入れる。しかしその目は寒さに襲われていた時の虚ろな目とは全く逆、俺を一点に見つめる成されるがままのオンナの目となっていた。そんな艶っぽい彼女を見ていると、俺の中で更なる嗜虐欲求が高まってくる。周りからひたすら雨の音しか聞こえないのも、この2人きりだというムードの誇張に更に拍車をかけていた。

 

 そして俺の手は、曜の胸に吸い寄せられるように引き付けられる。両手の計10本の指を震わせ、胸の先端を包み込むようにして彼女の胸を鷲掴みにした。

 

 

「ふぁっ! んっ!」

「わ、悪い。触っていいなんて言ってないもんな……」

「い、いえ続けてください。いい感じに身体も暖まってきているので……」

 

 

 許しが出たのでこのまま乳搾りを続行する。スクールアイドルの女の子ってどうしてここまで胸が柔らかいのか、大きいのにこの張りと弾力を維持させるのは相当難しいはずだ。なのに俺の知り合う女の子たちはみんな大きさといい形の良さといい、更には感度といい男を悦ばせる要素を全て兼ね備えた最強のおっぱいを持ち合わせている。曜の胸も計10本の指が程よく食い込むくらい柔軟性に富み、手のひらで先端を刺激してやると卑しい吐息が絶え間なく漏れ出すなど感度も良好だ。

 

 

「あっ、んっ……はぁ」

 

 

 口から吐息が漏れ出しながら、曜は身体をビクビク震わせて俺からの刺激に耐える。震えるたびにその大きな胸も俺を挑発するように弾むのでなんとも艶かしい。

 

 Aqoursの子たちは全体的にエロい身体付きの子が多いが、曜なんてまさにその筆頭である。浦の星が女子高だからまだいいものの、共学だった場合は男子連中から毎晩のオナネタにされること間違いなしだろう。それでもこんな乱れた彼女を見られるのは俺だけ。そう思うとμ'sの女の子たちとこんなことをやっている時と同様に、スクールアイドルで活躍している子を自らの手で乱れさせている優越感が半端ではない。この子は俺のモノ、俺の手で気持ちよくなっているんだとサディスティックな欲求が高ぶる。

 

 そしてしばらくの間、『俺が曜の胸を弄る⇒曜が刺激に当てられ声を漏らす』のループを続けていた。その途中、彼女が独り言のような、息にも近いような小さな声で俺に話しかけてくる。

 

 

「嬉しいです、先生にこうしてもらえて……」

「本当にそう思ってんのか……? 考え方が痴女そのものだぞ」

「もうそれでもいいですよ別に。誰かに必要とされるのならば……」

「どういうことだ?」

「私がスクールアイドルを始めたきっかけは、千歌ちゃんの手助けをしたかったからです。でもそれだけだった。みんな具体的な目標があるのに、私だけは惰性でスクールアイドルを続けている感じがしちゃって……」

 

 

 そうだったのか。そういやAqoursの顧問をしているくせに、みんながどのような経緯でスクールアイドルを始めたのか千歌以外の子たちからは初めて聞いた。μ'sのほとんどのメンバーも加入する前はそれなりの葛藤を抱えていたが、Aqoursも同じような子たちがいるみたいだ。彼女たちともっと親密になるためにも、いずれまたそのような話をしてみるのもいいかもな。

 

 そしてこの話にはあまり関係のないことだが、俺が胸を露出させた半裸の曜を押し倒しているこの構図で、しかも真面目な話をしているというシュールさがヤバい。曜が呼吸をするたびにその大きな双丘が上下する様に目を取られ、微妙に意識を持っていかれるのがもどかしい。とにかくできるだけ話に集中しよう。本来あまり心中を吐露してくれない曜が心を打ち明けてくれているんだから。

 

 

「でも先生が来てから思ったんです。先生のために頑張ることを目標にしようって」

「どうして俺なんかのために……?」

「…………まだ言えません。でも先生に褒めてもらいたいから、歌って踊っている私を見て欲しいからじゃダメですか?」

 

 

 まだ真の本心を打ち明ける勇気はないようだ。だが曜からここまでの好意を伝えられるなんて初めてだから、俺はそれが嬉しかったりもする。さっきも言ったけど、曜はあまり自分から想いを漏らすタイプじゃないからな。

 

 それにしても、俺のためにスクールアイドルをするとはもう告白に近い告白にしか聞き取れない。狙っているのかそうでないのかは知らないが、案外積極的というかストレートに想いをぶちまけられたから少し驚いた。

 

 

「俺の存在がお前の糧になるのなら、いくらでも俺なんかを夢の偶像にしてもらってもいい。それに俺も曜の歌って踊っている姿は大好きだから、いつまででもは無理だけど可能な限りその輝きを見ていたいって思うよ。お前が俺を求めてくるのなら、なおさら俺もお前を求めるよ」

「ありがとうございます。今までこっそりと先生のために頑張ってきたので、こうして直接言うことができて心も楽になりました。服も脱いでますし、開放的になってるからですかね」

「そんなジョークを言える余裕があるなんて、まだまだ弄られ足りないようだな」

「もっと……触りたいですか? 私の身体……」

「いいのか?」

「フフッ、もうダメです。もう十分に暖まったので、目的は達成されました」

「生殺しかよオイ……」

 

 

 さっきまではかなりナーバスだった曜だが、微かな微笑みを見せてくれるくらいには元気になったようだ。しかし目の前で女の子が胸を丸出しにしているこの状況、少し触っただけで終わりなんて俺の性欲を1%も満たせていない。またこの前みたいに性欲を捌ききれずに、花丸とルビィ(あの時は子犬だったが)の時のように女の子を襲ってしまうかもしれないぞ。

 

 

「そんなに気持ちよくなりたいんですか、先生……」

「そりゃなりたいと言えばなりたいだろ。おっぱいを見せつけてくる女の子がいて、ここで引き下がる男の方が珍しいって」

「本当に自分の気持ちに従順ですよね先生って。でも、好きですよそういう男性。私を先導してくれる男性だと特に」

「好きなのはそういう男じゃなくて、まさに俺なんじゃないのか?」

「そうとも言いますね♪ それじゃあお話に付き合ってくれたのと、タオルを貸してくれたお礼として――――」

「お、おい曜!?」

 

 

 曜は突然身体を起こすと、半裸姿のままテーブルの下へと潜り込んだ。そして俺の脚の間に入り、手を俺のズボン、具体的には下半身のチャックに手をかけた。

 

 

「お前……」

「今のところはこれくらいしか先生へのお礼が思いつきません。それにさっき先生の手で気持ちよくしてもらいましたし、今度は私の番です」

「…………」

「するのは初めてなのでぎこちないかと思いますが、私の口なんかで気持ちよくなってもらえるのなら嬉しいです」

 

 

 そして曜は俺の返事を聞かず、手にかけていたチャックを降ろし始めた。

 

 

 それから……。

 

 

 それから――――――

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 雨はさっきよりも強くなり、雨水が地面を叩く音だけが耳に聞こえてくる。雨雲も更に濃霧となっており、俺の心のざわつきと焦燥感、空虚な気持ちなどを具現化しているようだ。

 ちなみに曜は持っていた傘で帰っていった。俺が傘を渡して帰らせたと言った方が適切か。いくら身体が暖まったとはいえ、濡れた服をそのまま着続けると風邪を引きかねないからな。ちなみに彼女は俺とは対照的に、どこか満足したような表情だった。

 ズボンは元の位置に戻っているが少々乱れており、さっきまで俺の下半身で何が起こっていたのかがよく分かる。俺はベンチに腰が抜けたようにダラダラと座りながら、ぼぉ~っと休憩所の屋根を見つめていた。もちろん頭の中は先程行われていた()()()()()でいっぱいなのだが。

 

 

「あぁ、やっちまったなぁとうとうAqoursのメンバとも……」

 

 

 これこそまさに賢者モードと言わんばかりの放心状態だった。

 俺はただ曜からの奉仕に身を預けていただけなのだが、教師と生徒関係というとてつもない背徳感とリアルJKに奉仕させているという嗜虐心の両方が俺の性欲を高ぶらせ発散させてくれた。

 

 

「エロかったなぁ……アイツ」

 

 

 曜は俺を求めていたが、これでは俺がアイツを求めてしまいそうだ。

 また曜との関係が親密になったことを喜びつつも、次はいつやってくれるのだろうと少々期待もしている俺のなのであった。

 

 それにしても――――

 

 

「どうやって帰ろう……」

 

 

 土砂降りの雨、失われた傘、賢者の中の賢者モード。

 うん、もう少しだけ休むとするか……。

 




 久しぶりにR-17.9描写を執筆したのですが、Aqours編に入ってからはあまりこのような回がなかったためか情景描写に苦労するシーンがいくつかありました。これも本編が雨の中で、少し暗い雰囲気だったからそのせいですかね?? とりあえず曜以外のAqoursメンバーにももちろんこんな機会は訪れるのでご安心(?)を!

 次回は『新日常』の二周年記念として特別編を投稿します! その内容は次回までのお楽しみということで。

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