まず1人目はサブタイから分かるようにあの子なのですが、遂に淫乱バードの汚名を払拭する時が……!?
「ことりちゃん、人生っていうのは何事も経験だと思うんだよ。挑戦意欲を失った人に、未来の道はない。そして道を失った者は社会から外れ、路頭に迷うホームレスみたいに空虚な人生を送るようになっちゃうの。ことりちゃんはそんな人生イヤでしょ? 自分で言うのもアレだけど、これまで穂乃果たちは相当勝ち組な人生を歩んできたんだよ!? だったら更なる勝ち組になるためにも、ここはまたμ'sに入るしかないよ!! ね? 空気をよく読めることりちゃんなら分かるでしょ?? よし、これでメンバー1人確保だね!」
「えぇっと……。とりあえず、顔近いよ穂乃果ちゃん……」
スクールアイドルフェスティバル、通称"スクフェス"に参加するため、穂乃果のメンバー集めが始まった。
既にμ'sは解散しているため、また1人ずつ加入させていかなければならない現状。彼女がまず目を付けたのはことりだ。本人曰く、幼馴染であるため誘いやすく、強い押しには抵抗できないかららしいのだが、動機の大半が不純であるのは黙っておいた方がいいのだろうか。
しかし、初代μ's結成前も穂乃果が最初に誘ったのがことりであり、そして彼女が最初の加入者であった。だから穂乃果としても再加入の一番目はことりがいいと、思い出と共に純粋な気持ちを抱いているのかもしれない。
まあいきなりことりの家に押しかけて、レズプレイを始めようかの如く部屋の隅に追い詰めている様子を見ると、そんな純粋さなど微塵も感じないのだが……。
「お前、よくそんな陳腐な交渉術でメンバー集めをしようって言えたもんだな」
「さっきのは序の口だよ! ここからことりちゃんが高い壷を買っちゃうような、巧みな交渉術を披露しちゃうから!」
「それ、ことりの前で言っちゃうんだ……」
いくら勉学の成績が良くても、根本的なアホさは変わってないのが穂乃果の長所でもあり短所でもある。穂乃果の無茶にことりが圧倒される様子はいつものことだが、海未という制止役がいない今、コイツの勢いを止める奴は誰もいない。俺? 俺はメンバー集めには極力関わらないって決めてるから。μ'sの再結成は穂乃果がやってこそ意味があるのだ。
「ことりちゃん!」
「は、はいっ!」
「もしまたμ'sに入ってくれたら……ごにょごにょごにょ」
「えっ、嘘……!?」
穂乃果は何やらことりに耳打ちをしている。さっきまで歪な交渉をしていたくせに、ことりの反応を見る限りでは今度こそまともな交渉をしているようだ。あの驚き具合は気になるが、これは穂乃果の読み通り、ことりをあっさりと引き入れることができそうだな。こうなってくると、ますます俺がついて行く必要がないと思うんだけど……。
そんな感じで、テーブルに肘を着きながら彼女たちの誘い受けの様子をぼぉ~っと眺めていた。
だがその時、ことりの眼が一瞬鋭く光ったのを見逃さなかった。飢えた獣のように、獲物を震え上がらせる目力を持った眼光。さっきまで穂乃果に押されっぱなしだったことりとは違う。唇をペロっと軽く舌舐りをし、妖艶な眼で俺を見つめる捕食者の顔。今まで幾度となく女の子に手を出してきた俺でも怯んでしまうくらいに、ことりの雰囲気は甘く色っぽく狂気的だった。
そして、ことりは四つん這いで歩きながらこちらへ近付いてくる。高校時代よりも遥かに大人の色気が増した彼女が、そんな姿で歩み寄ってくる様だけでも息を呑んでしまう。豊満な胸の膨らみが、四つん這いになっていることで服の上からでも垂直に垂れているのが分かる。穂乃果に一体何を吹き込まれたのかは知らないが、いつものように淫乱魂を燃えに燃え上がらせているのがことりの様子から見て取れた。
このままだと……逆レイプされる!!!!
「ねぇ零くん。本当なの……?」
「な、なにが……?」
「μ'sに入ったら、一日中零くんを好きにしていい権利を貰えるって、本当なの?」
「は、はぁ!?!?」
「何をしても抵抗しないって約束らしいよね? まあことりとしては零くんから手を出してもらう方が興奮するんだけど、お人形さんになった零くんをことりが好き勝手するのも、また一興だよね……♪」
ちょっと間があった後の"♪"マークほど怖い語尾はない。四つん這いになったことりは俺の眼前にまで迫っており、クスクスと卑しい笑みを浮かべて俺の目をじっと見つめてくる。そのため、女性特有の艶っぽい不気味さをこれでもかというくらいに感じていた。
しかし今はことりよりも、した覚えのない事実無根の約束を漏洩させているアイツに文句を言わなければ……。
「おい穂乃果、お前俺を売りやがったな!!」
「仕方ないじゃん、ことりちゃんが素直にウンって頷かなかったんだから。奥の手を使うしかなかったんだよ」
「奥の手を使うのが早すぎる!! どれだけ浅い位置にあるんだよ……」
「零君さぁ、アニメとかで敵キャラが主人公たちをナメて掛かるような、よくある展開くらい知ってるでしょ? それって大抵その敵キャラが油断して、主人公たちに負けちゃうんだよね。最初から大技を炸裂させていれば良かったのにって、疑問に思わない? それと一緒だよ。だから奥の手の出し惜しみはしないの!!」
「微妙に説得力あるから腹が立つ……」
そもそも話、その奥の手自体が嘘と偽りで塗り固められている事実を指摘したい。確かにことりを誘い出すなら、俺を引き合いに出せば100%釣れる。三角形の角の数が3つという事実なんかよりも遥かに確定的な事項なのだ。まさか穂乃果の奴、メンバー全員を同じ方法で釣ろうって算段じゃねぇだろうな……? そう考えれば俺を無理矢理に連れ出した理由も納得できるから……。
だが反撃の糸口がない訳ではない。妙に現実を突きつけるようであまり手としてはよろしくないのだが、現実的だからこそ直面しなきゃいけない課題がある。
「ことり。俺を好きにする以前に、お前にはやらなきゃいけないことがあるだろ?」
「まぁ、そうだけど……」
ことりはファッションデザイナーとして海外で働くことが決まっており、現在そのために英会話を学んでいる最中なのだ。特に大学4年生は就活も終わり暇になる時間も多いため、ことりはその空き時間を英会話レッスンに費やすことが多い。またそれだけでなく、海外のファッション事情を常に追い続け、あっちの土地で即戦力として活躍できるように今から勉強を始めている。そんなことは向こうへ行った時に一から教えてくれるのだが、ファッションに熱を入れる彼女だからこそ、自分のファッションセンスは自分で開拓したいのだろう。
だからこの事情を汲み取ると、ことりを安易にμ'sに誘うのは必ずしも正しい選択とは言えない。もちろん穂乃果も彼女の事情は知っているので、それでもμ'sに勧誘するのはそれだけ彼女と一緒にまた同じステージに立ちたいのだろう。そう考えれば、穂乃果が俺を売ってまでことりを仲間にしたい気持ちも多少は分からなくもない。どちらが正しいのか間違っているとかは存在しないため、全ては穂乃果とことりの判断に委ねられている。俺は彼女たちが間違った選択をしないように時たま口を挟むが、基本は見守るだけだ。今後の展開を加味して言っておくけど、
「夢のために努力を惜しまないのか、それともみんなと一時的な夢を掴みに行くのか。どっちか決めろ」
「………………フフッ♪」
「な、なんだよ急に笑って……」
「答えなんて、もう決まってるから」
「そうなのか。どっちなんだ?」
ことりの表情は一寸の迷いもなさそうな笑顔で、むしろ『どうしてそんな分かりきったことを聞くの?』みたいな煽りすら含まれているようだった。
「どっちかだけじゃない、両方の夢を掴むんだよ! 零くんがことりたちみんなを彼女にしたのと同じで、夢は全て掴み取る!! それに何かを手に入れるために何かを捨てるなんて、零くんが一番許さないでしょ♪」
「お前……」
なるほど、そういえばそうだったな。俺が貫き通してきた信念を、まさかことりから聞かされるなんて想像してもいなかった。自分で言うだけでは分からないけど、他人の口から聞くとなんて無謀な信念だと思ってしまう。
でも、だからこそ掴み甲斐があるというものだ。別に貪欲でもいいじゃないか。何かを手に入れるために何かを捨てるなんて勿体無い。貪欲に全てを勝ち取って、我が物にして、むしろ向こうからこちらに依存させるくらいに執着する。それが俺の、そして俺に感化されたμ'sの流儀だ。こう聞くと相変わらず捻じ曲がってるよな、俺たちって。もう5年も12股を続けてるから今更だけど。
「それじゃあ、ことりちゃんμ'sに入ってくるの!? 穂乃果ともう一度ステージに上がってくれるの!?」
「もちろんだよ! 幼馴染の穂乃果ちゃんの頼みだもん、断れるはずがないよ♪」
「で、本音は?」
「零くんをことりのお人形さんにして一日中繋がっていたいとか、抵抗できないことに
「やっぱりそっちか!!」
二者択一はどちらの選択肢も選べと言ったのは俺だが、その選択だけは取って欲しくなかったと切に思う。まあそっちの方がことりらしいっちゃことりらしいけど……。
かつてそのおっとりぽわぽわな雰囲気や、聴く者の眠気を誘うあまあまボイスでμ's内の天使と言われてきたことりだが、今はその面影は一切ない。もはや堕天使どころか人間をも下回る低俗な生き物に成り下がっていた。しかしそんな性格を発揮するのは俺の前だけで、大学の友達や英会話担当の教師など、日常生活ではむしろ今まで通りのことりを
俺は思う、ことりをこのままの淫乱ちゃんでスクフェスの舞台に立たせていいのかと。
スクフェスにはμ'sだけじゃない、全国からスクールアイドルが集まってくる。その中でもμ'sはA-RISEと並んでスクールアイドルの先駆者であり先輩なのだ。その見本となる先輩が、果たしてこんな性格だと世にバレたら……。高校生だったら変態でも多少可愛気もあるものの、ことりも俺たちと同じ21歳の大人だ。大人に色気が増したとは言え、あまり無秩序に淫乱さを振りまくと少々痛々しい。これからスクールアイドルとしての感を取り戻すために練習は必須だが、コイツにはもう1つやるべきことがありそうだ。
「穂乃果ちゃん! μ'sに入ったから、早期予約特典を貰ってもいいんだよね?」
「う~ん、そういう約束だったし……仕方がない!」
「オイ、だから人を勝手に売り物にすんな。それに、ことりがμ'sに入るにはそれなりの条件がある」
「条件……?」
意気揚々と俺を逆レイプする気満々だったことりだが、俺の口からμ'sに入ること自体を咎められてキョトンする。逆レイプすることに関しては抵抗されると思っていたのだろうが、まさかμ'sに入るための線引きがあるとは思っていなかったのだろう。
「まずその性格を治すことだ。高校生の時よりも淫乱思考が強くなっている性犯罪予備軍のお前を、スクフェスという全国区に放つ訳にはいかねぇからな」
「えぇ~? だってことりがこんな性格になっちゃったのは、零くんが骨の髄までことりを調教したせいでしょ?」
「それはそうだけど、想像以上だったんだよ。お前の場合は特にな……」
「唇も胸も下のおクチも零くんにメチャクチャにされて、もう零くんの手以外では感じることができなくなっちゃって、そしていつの間にかことりは、零くんの言いなりになる性奴隷に……」
「言いなりってなんだ!? 毎回ノリノリじゃねぇか自分!!」
俺がことりをこのままμ'sに加入させたくない理由が分かってもらえただろ? こうして勝手に妄想を膨らませて所構わず発情しそうになるこの性格を、スクフェスの現場で発揮させたくないのだ。いくら周りに対して清楚な自分を演じているとは言っても、既にいつ素が爆発して性の悪玉菌が世に放たれるか分からない。もはや危険なラインを踏んでしまっているので、早急なる治療が必要である。踏みそうではなくて踏んでいるところがミソだ。つまり、デッドラインからつま先が少しでも前へ出てしまえば、世間のことりのイメージがガラリと変わってしまうだろう。
「穂乃果は今のことりちゃんでもいいと思うけどなぁ~」
「お前は自分の隣で踊る奴が猥褻物でもいいのか?」
「ひっどーい零くん!! ことりをなんだと思ってるの!?」
「お前を言葉で具体的に表すと、放送禁止用語を連発しなきゃいけないから言えねぇよ。もはや存在自体がR-18なんだから、今のままじゃステージに上がることすらできねぇだろ」
「ヒドイッ!? 今ままで散々ことりの身体を弄んできたくせに、飽きたら蔑んで捨てるなんてヤリチンさん過ぎるよぉ……」
「ヤリマンには言われたくないんだけど……」
「零君の人でなし!!」
「なんで穂乃果まで怒ってんだよ!?」
人でなしも何も、皆さんに事実をしっかりと偽りなく伝えるのが報道者の責務というものだ。他のμ'sのメンバーも大概キャラの濃いメンツが揃っているが、ここまでμ'sの加入を危惧しなきゃいけないのは後にも先にもことりだけだ。更生させようのない淫乱だからってずっと放置してたら、将来どんな男に食われるか分かったものじゃない。特に海外へ進出することりのことだ、向こうで余計な男に捕まらないためにも今の間にピンク色の脳を薄味にしてやらないと。これでも真面目に考えてるんだぞ俺は。
「ことりはこんなにも零くんのことを想っているのに、毎晩零くんに嬲られる夢ばかり見てるのに……」
「喜んでいいのかそれは……」
「いつか零くんにやって欲しいことノートをまとめてるのに……ほら」
「なにそのピンクのノート!? 外見だけでもムードが伝わってくるから怖いんだけど!?」
「どれどれ? 穂乃果に見せて!!」
「あっ、穂乃果ちゃん……」
穂乃果はことりの手から明らかにヤバそうなピンク色のノートをひったくると、ベッドに乗り上げそのノートを何の躊躇いもなく開く。最初は普通のことが書いてあったのか、穂乃果も頷きながら読み進める。だが、次第に顔色が悪くなっていき、顔面がみるみる真っ赤に染まっていった。
そこまで性知識のなく、かつ耐性のある穂乃果がここまで悶えるとは、一体何が書いてあるんだあのノート。隣ではことりがクスクスと怪しい笑みを浮かべてるし、下手なエロ同人よりも過激な内容が描かれていることは間違いなさそうだ。
そう考えると、俺がここにいるのは相当マズイのではないだろうか……? 言ってしまえばここは南家の根城であり、敵の本拠地なのだ。ことりの部屋は可愛い人形やクッションで綺麗にコーディネートされているが、どこに武器(大人の玩具とかデスノートとか)が隠されているか分からない。しかもことりは臨戦態勢に入っており、その卑しい目線はずっと俺を見つめたまま逸らすことはない。彼女を更生させようと意気込んだのはいいものの、もうコイツのペースに飲み込まれそうだ……。
「あっ……あぁ……あ゛ぁぁ!!」
「穂乃果? ちょっと嘔吐いてるけど大丈夫かよ……」
「こ、こんなことを零君にされたら、穂乃果じゃ絶対に耐えられないよぉ……」
「おいことり、アレに何が書いてあるんだ!? 穂乃果の様子がただ事じゃねぇぞ!?」
「穂乃果ちゃんにはまだ早かったかぁ。人の欲望を無闇に覗き見るなってことだよね♪」
「こえぇよ!! 何が書いてあるのか気になるけど見たくねぇ……」
どうして自分の裏の性癖を暴露してもなお笑顔でいられるのか理解に苦しむが、これが現在の南ことりなんだから仕方がない。もはや穂乃果は布団を被ってしまうほどに羞恥心を隠せないようで、それだけあのノートの凄まじさが伺える。ただでさえR-18に最も近い存在なのに、更にエスカレートしてR-18Gに持ち込むのだけはやめてくれよ。
「ことりは零くんと今のままの関係がいいけどなぁ~」
「まあお前とこんな関係になったのは俺のせいだけどさ、正直やりすぎたと今でも思ってるよ」
「本当にヤりすぎだよ零くんは。大学に入ってからというもの、高校生の時に抑えていた理性のリミッターが外れちゃったもんね!」
「おい、その話はここでするな!!」
「キャンパス内でも穂乃果ちゃんと海未ちゃんの目を盗んでエッチしたり、カラオケでもトイレに連れ込んで声を上げないように強要したり、ことりの部屋では調教しながら攻めてくれて……♪」
「えっ、なにその話!? 穂乃果知らないんだけど!?」
「だから言うなって言っただろ!!!!」
「それなのにことりを弄ぶだけ弄んで……。もう零くんじゃないとイケない身体に開発されちゃった……」
ここへ来て明らかにしてはならない事実を大量に放出し、さっきまで顔を真っ赤にして布団に包まっていた穂乃果も、その衝撃的な真実に思わず布団から首を出してしまうほどだった。
ちなみにさっきことりが話した内容は全て真実なので、俺に弁解の余地はない。あぁみんなの言いたいことは分かる。あれだけAqoursに対して真摯に振舞っていたのに、μ'sに対してはまさに獣じゃないかと。その通りだよ!! 俺だって男なんだから、恋人相手にエッチなことをしたいって思うのは当然だから!!
「零君!! ことりちゃんとそんなにヤってたなんて、穂乃果聞いてないんだけど!?」
「そりゃ言わねぇだろ普通! 誰が好き好んで変態プレイをしたって他人に漏らすんだよ!!」
「エッチなことはみんな平等って約束だったよね!? ことりちゃんだけ明らかに回数多くない!?」
「それはことりが事あるごとに誘惑してくるのであって、俺は悪くないというか……」
「じゃあ穂乃果も誘惑する! そしてキャンパス内でエッチしたり、トイレの中で無声プレイするんだから!!」
「お前、自分で何言ってるのか分かってる!?」
「モテモテだね零くん♪ ことり、嫉妬しちゃう……」
「こうなった元凶はお前だろ!!」
ことりの更生を目的としていたのに、事実が明るみに出てしまってはみんなとヤる回数が増えてしまい逆効果だ。しかもそれによって第二第三の南ことりが出現し、μ's内の淫乱思考度が限界を振り切りそうなのは目に見えている。
どこで道を見誤った……? やっぱりことりとこっそりヤってたのがいけなかったのだろうか……? いやでも、こんな可愛い子に誘惑されたらホイホイついて行かない方がおかしいだろ。しかも世間でもスクールアイドルやメイドとしてファンも多いことりが相手なんだぞ? そんな彼女を俺の手で好き勝手できると聞いたら、手を出さないのは男としてどうかと思うんだ。それにキャンパス内やトイレって、背徳感があってムード満載で素敵じゃん?
まあその話はさて置き、この状況をどうしようか。特段ことりを贔屓していた訳でもないが、穂乃果の言い分も分からなくはない。12人平等宣言をしたのは俺だから、ここは責任を持って……持って……ヤるの? 穂乃果を満足させるために、今から? マジ……?
「さっすが零くん! 男の責任で腹を括ったみたいだね!」
「待てことり、どこへ行く気だ!?」
ことりはウィンクをすると、突然自室のドアを開ける。
そして、一階にいる母親に話しかけるように大声を出した。
「お母さーーーーんっ!! ちょっとギシギシうるさくなるけど、我慢してねーーーーっ!!」
『いいけど、お隣さんに聞こえるような声で喘いじゃダメよ?』
「大丈夫!! 声が漏れてもいいように、最近防音の壁紙に張り替えたからーーーーっ!!」
『分かったわ。なら零君と存分に楽しんでらっしゃい♪』
「ありがとーーーーっ!!」
な゛っ、なに勝手なことやってんだこの淫乱鳥親子が!! 親鳥も親鳥であっさり許可出してんじゃねぇぞ!? しかも性行為をするために壁紙を張り替えたって、どれだけ俺と交わることに情熱を注いでるんだって話だ。あぁもう、ツッコミどころが多すぎて疲れる……。
「やっぱりこの家はダメだ。精神が犯されてる奴らしかいねぇ……」
「今から犯されるのは零くんの方だけどね♪」
「もうお前を更生させるのは諦めるよ。世間にその痴態がバレて、冷たい目で見られて来い」
「う~ん、そんなプレイも……あり、かなぁ♪」
「よし、もう本格的に諦めるわ」
そうだったな、手遅れな奴に手を差し伸べても無駄だよな。ことりはもうこのキャラでこそ輝けて、そして本当の自分を発揮できるんだ。むしろ中途半端に更生させて本領を発揮できないことりを観せるよりも、敢えてこの色気と煩悩満載のキャラで売っていった方がいいのかもしれない。ほら、変態ビッチキャラって常に一定の人気があるじゃん? もう淫乱の片鱗を隠し通すのは無理なんだし、だったら隠す必要もなく前面的に売り出していけばいい。正直苦肉の策だが、時には俺の手でも解決できないことがあるんだよ。
「諦めるってことは、ことりがμ'sに入るのを認めてくれるってこと?」
「致し方ないな。まあ何だかんだ言っても、お前がいなかったらμ'sはμ'sじゃねぇから」
「ことりちゃんがいて、海未ちゃんがいて、みんながいて、そして零君がいて……それこそがμ'sだよ!!」
「うんっ、また一緒に頑張ろうね、穂乃果ちゃん! 零くんも!」
「よーーしっ、これで1人確保だ!!」
なんやかんやあったけど、結局ことりはμ'sに加入しましたとさ。
ちなみに言っておくけど、俺はことりを拒んでいた訳じゃない。それなりに彼女の未来と、そのピンク色に染まりきった性格を心配していたからこそなんだ。まあその後にことりから思いっきりしっぺ返しを貰った訳だが……。
「人員が確保できたんなら、ここに長居は無用だ。次に行くぞ」
「…………ちょっと零君、何か忘れてない?」
「な、何を……?」
「ことりちゃんと余分にエッチした回数だけ、穂乃果にもやってくれるって約束だったよね……? 依怙贔屓はよくないよ」
「お前さっき俺の家では抵抗しそうになってたくせに、どうして今はそんなやる気なんだよ……」
「えっ、さっき? 俺の家で? どういうこと!?」
「あっ、やべっ」
口を滑らせたと悟った時にはもう遅し、ことりが俺の眼前にまで迫ってくる。俺にはもうここからの展開が容易に想像できるのだが、その打開策は一切思い浮かばない。このまま身を委ねてしまうのは負けた気がするので選択肢にはなかった。だったらどうする? 四方八方は穂乃果とことりに阻まれているので、退路は作れそうにもない。
「さっき穂乃果ちゃんにヤっただけ、ことりにもヤってくれるんだよね?」
「じゃあ穂乃果は今までことりちゃんと隠れてエッチした分だけ、零君にエッチしてもらうからね!」
「だったらことりは穂乃果ちゃんにエッチした分だけ、零くんにエッチしてもらうから!!」
「だったら穂乃果はことりちゃんにエッチした――――」
「無限ループじゃねぇか!! どれだけ俺の精巣を痛めつける気だよ!?」
「その時は精力増強剤をたくさん飲んで、スタミナ付けよ♪」
「そんな疲労困憊の状態でセックスして楽しめんのか……?」
当人たちもやる気、親鳥も許容。つまり、周りには敵しかいない。
流れに身を任せるのは1つの手ではあるんだけど、俺はもっとこう、ロマンチックさを求めているんだ。穂乃果に対するヘソ舐めは特殊だったにしても、俺は己の性欲が膨張しない限りは女の子に手を出すことはない。今のこの状況のように、ロマンの欠片もなく無理矢理誘ってくるようでは話にならん。俺は痴漢プレイのような背徳感を味わいたいんだよ。
―――――って言っても、コイツらは聞く耳を持たないんだよなぁ……。
「ほら零くん! ことりたちの間に服なんて無粋なモノは必要ないよね? ほら脱いで脱いで!」
「ちょっ!? そんなに引っ張るなって!!」
『ことりーー? お風呂、沸かしておいた方がいい?』
「ありがとうお母さん! あと5分くらいで入るからーーっ!!」
「何考えてんのあの親鳥!? しかも5分って、どれだけ俺が早漏設定なんだよ!?」
「まあまあこれからもメンバー集めに行くんだし、なるべく手っ取り早くパパッとね!」
「そんな事務的にされても困るんだけど!?」
無事ことりがμ'sに再加入したが、その代償はあまりにも大きかった……(精巣的な意味で)
To Be Continued……
ことりが持っていた零君とやりたいことノートの中身は、晒すとR-18の世界にダイブしてしまうのでご想像にお任せします(笑)
次は誰がヒドイ勧誘をされるのか、次回をご期待ということで!
Aqours編の最終回前後編で☆10評価をくださった
もか→☺暇さん、Dashootさん、銅英雄さん、Ψ(海未推し)さん
ありがとうございます!
☆10評価、感想お待ちしています!