ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 前々回でμ's勧誘編が終了したので、今回からようやく本編に突入します!
 スクールアイドルフェスティバル編ということで、今後はμ's以外のスクールアイドルも続々と登場予定です!


 まずは2か月ぶりにこの子たちから!


Aqours・オン・ステージ!

 

 スクールアイドルフェスティバル、通称"スクフェス"。

 8月末に行われる、スクールアイドルのためによるスクールアイドルの祭典である。そこでは全国から人気関係なくスクールアイドルたちが集まり、入れ替わり立ち代わりでライブを行う。グループ単体のライブはもちろんスクールアイドル同士でのコラボライブも実施されるため、現在のスクールアイドル界隈では一番ホットな話題なのだ。

 ライブだけではなく、スクールアイドルたちによるゲームやアトラクションなどの企画も同時に開催されるため、俺のような一般人でも楽しめるような祭典となっている。これはライブ等の音楽関係に興味がない人にもスクフェスに来てもらえるように、運営側がバラエティ企画として催すらしい。俺と穂乃果が勧誘活動をしている間にそんな情報が公式から大々的に発表されたので、俺たち若い世代の間で知らない人はほとんどいないだろう。μ'sとA-RISEがスクールアイドル界隈を席捲して5年、スクールアイドルの普及はそれほどまでに広がっていた。

 

 話題のスクフェスに参加する方法は2つある。

 1つは運営側から送られてくる招待状にグループやメンバーの名前、人数など必要事項を記入して参加要請をすること。過去に一度でも運営側が主催していたイベントに参加していればグループの名前が公式に登録されているので、そのグループには漏れなく招待状が送られているはずだ。この時点でも相当な数のグループが該当するだろうから、スクフェス本番ではかなりの人数が参加すると見て間違いない。

 もう1つはこちらから運営側に参加したいと申請すること。過去に一度も運営側のイベントに参加してない場合や、最近結成したばかりのグループでもグループの名前と人数さえいれば誰でも参加可能だ。

 もうお察しかと思うが、スクールアイドルであれば経歴関係なく参加できるため、まさにスクールアイドル戦国時代に相応しいお祭りとなっている。ただでさえ1つ目の参加方法だけでも相当なグループが集まるのに、更に2つ目の参加方法まで加わったら……もう想像するに余りあるなこれ。

 

 そんな感じで、夏休み最後のビッグイベントとしてスクールアイドルたちの祭典が行われる訳だ。

 ちなみにμ'sは解散していたため本来なら招待状が送られてくるはずはない(しかも俺に家に)のだが、何故かμ'sとしてスクフェスへ招待されていることになっていた。運営会社に勤めている絵里の証言では、会社がμ'sに対して招待状を出した記録はないらしいので、ますます謎が深まるばかりだ。

 しかし穂乃果はそんなことを気にせず元μ'sメンバー11人を半ば無理矢理引っかき集め、再びμ'sとしてスクフェスへの参加を意気込んでいる。得体の知れない人から送られてきた招待状で参加するのはどうなのと疑問に思うかもしれないが、逆に参加することで尻尾を掴めるかもしれないという穂乃果の意見もあった。とにかく彼女たちは解散から4年のブランクがあるためカンを取り戻すことに集中してもらい、裏の仕事は俺が引き受けることになった。

 

 とは言っても、運営会社で働いている絵里や希から情報を貰わないと何も動けないので、実際に進展は何もないんだけどな……。

 

 

 そんなジメジメした話よりも、俺が気になっていることはもう1つあった。

 さっきも言ったが、過去のイベントに参加したことのあるグループにはスクフェスの招待状が送られている。つまり、俺の知っているAqours(アイツら)A-RISE(アイツら)Saint Snow(アイツら)もスクフェスに参加するのだろうか? 特にこちらから連絡をしている訳でも、向こうから連絡が来ている訳でもないため真偽は不明だ。だが俺の知っているスクールアイドルの中でもアイツらは特段スクールアイドルに情熱を注ぎこんでいるため、今頃参加申請をしている頃かもしれない。またみんなに会える時が来ると思うと、俺の中でのスクフェスへの期待が更に高まってきたぞ。

 

 

 そんな期待とは裏腹に、現在の俺は文字通りの裏方作業に徹していた。

 先日からμ'sの練習が本格的に開始されたが、4、5年前とは違って部活ではないので学校の備品を使うことができなくなった。つまり飲料水やらタオルやらラジカセやら、練習に必要な小物は全て自前で揃えなければならない。その費用はもちろん俺たちが出す訳で、そして女の子たちに出させるのはちょっとアレな風潮がある訳で、そうなると唯一の男である俺の懐が軽くなる訳で…………あぁヤダヤダ! 男女平等とか謳っておきながら、女性専用車両やレディースデイを設けるこの世の中がヤダ!! 何なら大学生ニートを買出しに放り出すだけでなく、費用をすべて俺持ちにするμ'sはもっとヤダ!!

 

 

「あっつ……」

 

 

 俺はタオルやら飲料水やらの日用品が入ったビニール袋を持ちながら、太陽が燦々(さんさん)と照りつける道をトボトボと歩いていた。確かに俺はμ'sの復活に賛成した身だが、高校時代のようにマネージャーとして手伝うとは言ってない。なのにアイツら(花陽や亜里沙など良心はいるが)は俺を勝手にマネージャーに抜擢し、こうして裏方作業を命じてきやがった。彼女たち曰く、夏休みに入って家に引き籠ってばかりだから運動しなさいとのこと。そもそも、こんなクソ暑い中で運動しなくても俺は運動不足にならない自信がある。何故かって? それは夜の運動を――ゲフンゲフン! とにかくとっとと荷物を持ち帰って、冷房の効いた部屋でゴロゴロと過ごしたいものだ。アイツらの練習はカメラ付きドローンでも飛ばして部屋でちゃんと見ておくからさ。

 

 やる気のなさが極限まで低下した昼下がり。あまりにも日差しがキツ過ぎて限界を感じてきた俺は、道端の自動販売機で飲み物を買うことに決めた。

 

 

「あれ? 小銭が500円しかねぇじゃん。そういやこれを買う時に細かい小銭をピッタリ払っちゃったんだっけ……」

 

 

 特に計算はしていないが、財布に入っている小銭を見たらピッタリ購入金額分払える時ってなんか嬉しくならない? 会計をしている時はまさにそんな感じだったのだが、結局コンビニ等で細かいのが足りなくなって札を崩すハメになることがほとんどなんだけどな。これぞ日常のちょっとした虚無感だ。

 

 まあ500円玉ごとき崩すのに抵抗はないため、何の躊躇いもなしに自販機の賽銭口に500円を投入しようとする。

 その時だった。

 

 

「わぁっ!!」

「うぉああああああああああっ!?!? って、あっ!? 500円が!!」

 

 

 突然後ろから誰かに驚かされたのだが、その事実よりも驚かされた衝撃で俺の指から500円玉が落ち、そのままコロコロ転がって自販機の下にボッシュートしてしまった。思いがけない&理不尽な金の失い方に、もはや驚くよりも怒りが込み上げてくる。俺は咄嗟に後ろを振り向き、ただでさえ軽い俺の財布を更に軽くしやがった張本人の正体を確認する。

 

 こんな悪戯を仕掛けるバカにはじっくりとお灸を据えてやる必要が――――――えっ!?

 

 

「お前……千歌!?」

「えへへ、来ちゃいました♪」

 

 

 俺の500円玉を奈落の底に葬ったのは、かつての俺の教え子である高海千歌だった。彼女の通う浦の星女学院へ俺が教育実習生として出向いた時に知り合ったスクールアイドルでもある。

 しかし彼女は静岡の内浦に住んでいるはずなのに、どうして東京にいるんだ……? いや、今はそんなことよりも……。

 

 

「お前、俺の500円返せ!!」

「あぁ、もしかして手が滑って落ちちゃったんですか? でも500円くらいいいじゃないですか、もういい大人なんですし!」

「500円あればな、牛丼で一食分を賄えるし、プライズ価格のAVや薄い本だって買えるんだよ!!」

「ちょっと見ない間に小さな男性になりましたねぇ先生。そんなことじゃモテないですよぉ?」

「いや、もう十分にモテてるから」

「誰に?」

「ん」

 

 

 俺は千歌に向かって指を差す。

 するとさっきまで余裕そうな素振りを見せていた彼女が、一瞬にして顔を赤く染めた。こんなことで簡単に取り乱すとは、やはり彼女もまだまだ高校生の子供だ。まあそんなウブな反応が単純にして至高なんだけども。もはやμ'sはこんな反応をしてくれる奴の方が希少になってしまったので、こうして羞恥心で顔を染めてくれるのが物珍しくて仕方がない。浦の星にいた頃は何気なく見ていた千歌のこの表情だけど、東京に帰ってきて改めて分かったよ。純粋なのはいいことだってな……。

 

 

「あっ、あぁ今日は暑いなぁ~。暑すぎて顔が熱くなっちゃいましたよぉ~……」

「バスの中でおっぱいを見せてくれたお前が、今更惚けるのか……」

「あ、あのことまだ覚えてたんですか!? 忘れてくださいよ!! 先生が帰った後も夜な夜な思い出して寝られない時があるんですから!!」

「へぇ、案外可愛いところあるじゃん」

「~~~~ッ!?!? せ、先生なんて嫌いですぅ!!」

 

 

 あぁ~この反応だよこの反応! 人にもよるけどμ'sの連中なんて純粋に褒めたら照れ隠しにパンチが飛んできたり、淫語混じりのセリフで返されたりと散々だからな。女の子が純粋な反応をしてくれる時こそ、俺が優位に立っていると実感できる。これがことりや楓だったりしてみろ。俺の独壇場どころか、壇上すら用意されないから。

 

 

「千歌ちゃーん! どこにいるの……って、あっ、いた!」

「曜ちゃぁ~ん……」

「千歌ちゃん!? どうしたの顔真っ赤だよ?」

「この人にイジメられたぁ~」

「えっ!? や、やっぱり都会の男性はケダモノで不審者ばかり――――ん? せ、先生!?」

「よぉ。久々に会って不審者とはご挨拶だな」

「いや、間違ってないから謝りませんけど」

「急に辛辣になるなよ……」

 

 

 もはやAqours内でも俺が不審者だって扱いになってんのか……? あれだけイケメンで劇的な告白をして別れたのにそれはないだろ……。

 でも思い返してみれば、教育実習生新任初日で痴漢をしたりラッキースケベに遭遇したりと、平和な日常を送っていた彼女たちにとっては激動の日だったに違いない。そう考えれば俺が滞在していた3週間は、田舎でほのぼのと平和ボケしている彼女たちにとっては刺激満載だっただろう。それは同時に、俺がその平穏を破壊する悪魔であり不審者だったことを裏付けていた。

 

 だが今は久々にコイツらと会ったとか、不審者だと罵られようがどうでもいい。俺のやるべきことはたった1つだ。

 

 

「という訳で、早く500円返せ」

「教育実習生とは言え、元先生が元生徒に対してカツアゲって虚しくなってきません?」

「俺はそんな感情論には流されない人間なんだ。いくら泣き落としを目論もうが、ぶりっ子で可愛い姿を見せつけてきたとしても、俺は借金取りのごとく地の果てまで追いかけるからな。人生は金、つまりそれを無下にした罪は重いんだよ」

「「大人げない……」」

「あのさ、もうちょっとギャグっぽくツッコミを入れてもらっていい?? そんな淡々としたツッコミをされると、クズを演じてる俺がマジモノのクズみたいじゃん!!」

「屋上で複数の女の子に向かって告白した人が言っても……」

 

 

 確かに、それを言われてしまうとぐぅの音も出ない。それ以前にμ'sのみんなと付き合っている以上、多股をしている最低クズ野郎の汚名は一生剥がれることはないだろう。まあそれは世間体から見ただけの肩書であって、俺が特段その汚名を嫌っている訳じゃない。むしろその汚名を誇りにするくらいの気概で女の子たちを守っていく。他人ばかりの周りからどう思われていようがどうでもいい。俺は自分の隣にいる女の子たちから愛されればそれでな。

 

 

「先生が屋上で言ってくれた告白の言葉、千歌はよく覚えてますよ! 『何度も言うが、俺はお前たちのことが大好きだ』……えへへ、今でも思い出すたびに胸がキュンキュンしちゃいます♪」

「バカ! こんな道端であの日の再現すんな!!」

「私もしっかり記憶に刻み込まれてますよ! 『魅力的になったAqoursを、またいつか俺に見せてくれ。その時に迎えに行くから、絶対に』……あの時の先生、とってもカッコよかったです!」

「だからやめろって! 熟年夫婦が一番恥ずかしい瞬間って知ってるか? 我が子にプロポーズのセリフを質問された時なんだよ! 今まさにそんな気持ちだわ!!」

「『1人1人でも輝いて、そして9人としても輝ける。そんなお前たちを、俺は見たい』……」

「現在進行形で嫌いになっちゃってるよお前らのこと!! ていうかよく一字一句正確に復唱できるなお前ら!!」

 

 

 やはり恋する乙女というのはいい意味でも悪い意味でも執着が激しいらしく、もうあの告白から1か月以上経っているのにも関わらず俺の告白のセリフを覚えきっている千歌と曜。正直そんなくだらないセリフを覚えるのに脳内メモリ割くくらいなら、英単語の1つや2つでも覚えた方がよっぽど身のためになる。まあこの場合、ゲームの用語はすぐに記憶にこびり付くのに、英単語や古語が頭に入らないのと同じ理論かもしれない。

 

 

「告白暴露大会なんてどうでもいいから、早く500円返せ。でなけりゃ身体で払うハメになるぞ?」

「うわぁ先生、流石にそのセクハラはドストレートすぎて引きますよ……」

「もう教育実習は終わったんだ。教師という柵から解放されたからには、もう容赦しねぇから」

「やっぱり東京って怖い!! お店に入ったら最後、財布が空になるまで買い物をさせられるんですよね……?」

「それはお前がまだ入れない大人の店の話だから心配すんな」

 

 

 そういえば田舎から上京してきた女の子が、怪しい店の客引きとは知らずホイホイ勧誘されて入店し、中にいた汚らしい男に犯される同人誌とかAVがあった気がする。今の千歌たちはまさにその上京してきた女の子であり、この2人はまだしも花丸やルビィなんかは性格的に相当危険だと思う。その2人は特に東京の雰囲気に飲まれやすいから、もしかしたらその内…………いや寝取られモノは背徳的だけど、身近な女の子で想像するのはそれこそ心が痛むのでやめておこう。

 

 

「500円玉って、自販機の下に入っちゃったんですよね?」

「あぁ、そうだけど」

「それなら私が千歌ちゃんの代わりに取ってあげますよ! 身体が柔らかい方が腕も奥まで届くと思いますし」

「さっすが曜ちゃん! 毎日先生のためにトレーニングしてるだけのことはあるよ!」

「えっ、俺のため?」

「ちょっ、ち、千歌ちゃん!!」

「トレーニングって、どんな……?」

「そりゃあ、先生も身体が柔らかい方がいいですよね♪」

「もうっ、500円拾ってあげないよ!? このまま先生に身体を差し出す!?」

 

 

 何の話をしているのかは知らないが、1つ言えることは千歌の脳内がそこそこピンク色に染まっていることだ。実際に運転手以外が乗っていない無人バスで、千歌と一戦交えたのは記憶にも新しい。その一戦を仕掛けてきたのが千歌本人だから、その頃からヤバイ匂いはプンプンしてたんだけどな。さっきまで純粋な反応を示してたのはまさかのフェイクか……?

 

 そして曜も俺が教育実習をしていた当時からヤバめな面影があり、千歌ほど大胆でないものの雨の日の公園での出来事は多分一生忘れない。Aqoursから口淫をされた回数は数あれど、何気に彼女がトップバッターなのだ。一度ことりと出会ってしまった反動なのかは知らないけど、恋愛と同時にそっちの方向にも妙な積極性を持ち始めている気がする。そもそも俺のためにどんなトレーニングをしているのか、その内容が知りたいんだけど……。

 

 

「あはは、ゴメンゴメン。あとでアイス奢ってあげるから♪」

「その奢る金を俺に渡せば万事解決なのでは……?」

「仕方ない、それで手を打ってあげましょう」

「わーい!」

「聞いてねぇし……」

「それじゃあ始めますか」

 

 

 曜は自販機の下に屈みこむと、試しに軽く腕を自販機と地面の隙間に突っ込んでみる。だがそれでは500円玉の位置にまで手が届かなかったのか、今度は上半身を地面に着ける体勢となって腕を更に奥へと伸ばす。

 

 野外で四つん這いになっている女の子を見るだけで相当ドキッとする絵面だが、俺の興奮を瞬く間に煽ってきたのは曜の胸だ。高校二年生にしては発育の良い彼女の胸は、上半身を地面に着けている影響でその形が思いっきり潰れているのが分かる。しかも夏場で薄着のせいか、潰れた胸の肉が身体と地面の間から少しはみ出しているのが何とも性欲に来る。もちろん着衣状態なので生肉ではないのだが、思いがけないラッキーハプニングにもはやこの光景だけで500円以上の価値はあるだろう。何ならファンが数万数十万払ってでも拝みたいこの光景を500円ぽっちで拝んでいるんだから、それなりに気分も高揚していた。

 

 しかも、上半身が地面に着いているということは、当然ながら下半身はこちらに突き出ている。そうなればもちろんスカートの中身が見えそうになる訳で、というか俺が目線を少し下げれば完全に中身を拝むことができる訳で。毎日トレーニングをしている成果であろう引き締まった綺麗な脚と太ももを見ていると、普通の健全男子なら我慢できない訳で。しかも曜が腕を伸ばすたびに身体が動き、おしりがフリフリと揺れるのでこちらを誘ってくる訳で。更に先程のおっぱいがはみ出ている事故とスカートの中身が見えそうな事故を合体させると、それは襲ってくださいと言わんばかりの光景な訳で!!

 

 

 そうだよ、さっきも言ったけど俺はもう教師じゃないんだ! だから教師だから生徒に手を出しちゃいけない云々でもう迷わなくてもいいんだよ!

 えっ? 教師と生徒以前の問題だって? 性欲を失った男に魅力はないんだよ。はい論破。

 

 

 俺は一歩後ろに下がり、曜の様子と同時に千歌の様子を伺う。彼女は曜の手を500円玉に誘導する役割を担っているので、誰も俺を監視している者はいない。つまり曜のこちらに突き上げられた下半身、もっと言えばスカートの中をのぞき放題ってことだ。大人になった今でもこうして思春期の頃と同じことで興奮できるなんて、もう俺の思春期は一生終わらないかもしれない。それでもいいじゃないか、いつまでも若さを保てるんだからさ。

 

 そして、あとは目線を下すだけ。

 現役女子高生の生パンなんて教育実習で女子高に行った時すら滅多に見られなかったので、今この瞬間がいかに俺の欲求を滾らせているか分かるだろう。せっかく女子高に行ったのに田舎だからか清楚な子が多く、パンチラすらまともに拝めなかったその悔しさをここで全部発散してやる!!

 

 

 そう意気込み、目線を下げた――――――はずだった。

 

 

「わっ!!!!」

「うわぁああああああああああっ!?」

「きゃあっ!?」

「先生!? 曜ちゃん!?」

 

 

 目の前が暗い。一体何が起きたんだ……?

 いきなり後ろから驚かされて、その勢いで身体が前に倒れてしまったようだ。あれ? さっき俺の前にはおしりをこちらに突き上げた曜がいたんだよな? と、言うことは……俺の目の前に広がるこの白い布地、そして僅かな汗の匂いと妙に大人の匂いがする、その正体は――――――!?!?

 

 

「ふぇ……えっ!?」

「こ、これって、曜のおし―――――」

「せ、先生のバカぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「ぶがぁ゛あ゛ああああっ!!」

 

 

 俺は状況を察した曜に蹴り上げられ、軽く宙を舞ってそのまま地面に叩きつけられる。もはやこれまで幾多のラッキースケベからの制裁を受けていたためか、これくらいの衝撃では身体に何の支障もない。この状況に慣れて支障がないことを誇るべきなのかは別として……。

 

 そして地面に転がる俺の顔を覗き込む、金髪のチャンネーが1人。

 

 

「フフッ、先生のスケベ体質は相変わらずね! まさか一直線で曜のおしりに突撃していくなんて♪」

「鞠莉、お前の仕業か……」

「あったり~♪ みんなもいるよ!」

「みんな……? あ˝っ……!!」

 

 

 鞠莉の目線の先には、俺を冷めた目、呆れた目、顔を赤くしながら見ている子たちが集まっていた。

 そう、Aqoursのメンバーである。それぞれ三者三様の反応を示しながらも、無言で訴えかけてくる圧力はみんな揃いに揃っていた。

 

 あぁ、そういえばこれが神崎零先生だったな……と。

 

 

 

 

 さぁて、再開していきなり波乱な訳だが――――――どうしよう!?

 

 

 

 

 To Be Continued……

 




 本編では久々にAqoursの出演でしたが、前回のコラボ回にも出演していただけあってそこまで懐かしい感じはしないかも……?

 スクフェス編は一応μ'sをメインに進行していきますが、Aqoursもそれなりに出演させられたらいいなぁと思っています。もちろんA-RISEやSaint Snow、そしてまだ見ぬスクールアイドルも登場予定なので、その子たちとμ'sの絡みも期待していただければと。

 あと2週間ちょっとでサンシャインの2期も始まるので、私の小説でAqoursのキャラを思い出しておくのもいいと思います! えっ、性格がピンク色だって? そんな馬鹿な……(笑)



新たに☆10評価をくださった

由夢&音姫love♪さん

ありがとうございます。!

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