ラブライブ!~μ's&Aqoursとの新たなる日常~   作:薮椿
<< 前の話 次の話 >>

290 / 387
 今回は亜里沙&ルビィ回です!
 いつかやってみたいと思っていたμ'sとAqoursの妹キャラのコラボ。メンバー的にも今回は健全に終わりそうな……?


絢瀬亜里沙、妹ができる

 

「妹が欲しいんです!!」

「はぁ……」

 

 

 μ'sやAqoursの子たちから相談を受けるのは今まで何度もあったことだが、その中でも今回の相談が1、2を争うほど意味不明だった。

 何のアポも取らずに部屋に押しかけてきた亜里沙は、テーブルの前でちょこんと正座をしながらベッドに腰掛ける俺に上目遣いで懇願する。もうその体勢だけでも心にグッと来てしまうのだが、それはそれこれはこれ。いつもなら穏やかで澄み切った瞳をしている彼女の目が嘗てないほど意思に燃えている。ただでさえ普段μ'sやAqoursの練習を掛け持ちしてるから休日くらいは休ませて欲しいものだが、意外と強情な彼女は何を言ってもその正座を崩すことはないだろう。

 

 仕方ないから聞いてやるかと思った時、ふと頭を過るのは先日のことりと善子の件。あの時も自分は関係ない話題だと信じてことりの話に耳を傾けたが最後、何故か親鳥に俺とことり、善子が子作りをするという勘違いを引き起こされてしまった前科がある。そのせいも相まって人のお願いをホイホイと聞くのはマズいと脳内がアラートを鳴らしているのだが、まあ亜里沙のことだからそんなことは引き起こされないだろう。これフラグじゃないからな、絶対に!!

 

 そんな訳で、自分が妹のくせに妹を欲しがっている理由を聞いてあげようじゃないか。

 

 

「零くんは私を妹のように可愛がってくれますよね?」

「まあそうだな。妹のようにというか、もう本当の妹同然に接してるつもりだけど」

「そうなんですか!? ありがとうございます!」

「あぁ、どういたしまして」

「えへへ、嬉しいです」

「そりゃどうも」

「はいっ!」

「おう……」

「…………」

「…………」

 

 

 な、何この沈黙!? 亜里沙は喜びを頬に浮かべたまま満足気に浸っているけど、俺はどうしたらいいんだ……?

 

 

「はっ、ち、違います! 私のことじゃなくて妹が欲しいという件です!!」

「いやお前が勝手に自分の世界に耽ってたんだろ……」

「それはそうですけど……。と、とにかく本題です!」

 

 

 開始1分も経たずに己のウブさを見せつけ、磨き上げられたあどけなさをアピールする亜里沙。妹扱いされただけであそこまで幸福に浸れるなんて、おめでたい奴というかいつまでも変わらぬ純粋さで安心したというか……。

 

 

「零くんが私や雪穂たちを可愛がってくれるのを思い出して、妹というのはそこまで愛でがいがあるものなのかと疑問を抱きまして……」

「だからその疑問を解決するために妹が欲しいと?」

「そういうことです。それに、一度でいいからお姉ちゃんになるのが私の夢の1つだったんですよ」

「そりゃ単純にして叶わぬ夢を持ったもんだな」

「でもあの零くんなら! 零くんになら不可能はないと、これまでの人生の中でたっぷり学びましたから!」

「お前、俺に姉と妹を逆転できる力があったら、この世の百合界隈に革命が起きてるぞ……? 姉妹百合なんて偏った趣向のジャンルがメジャーになるくらいにはな」

「し、姉妹百合……?」

「いや、知らないのならいいや……」

 

 

 こうしたオタク界隈の用語が通用しないのが亜里沙だが、よくよく考えてみれば通用する方が異常なのであってコイツが正常なんだよなこれって。まあ逆に亜里沙に百合の知識があったら、元々シスコンな性格も相まってそっち系の道に歩んでいただろうからウブで良かったのかもしれない。百合属性の女の子を男の魅力に堕として篭絡(ろうらく)させる展開も好きっちゃ好きなのだが、いざ初エッチをする時に既に姉との百合エッチで貫通済みでしたぁなんて展開は流石に萎えるから、やっぱりウブで良かったのかもな。

 

 百合の話題はさて置き、亜里沙が妹を欲しがっていた理由は俺に愛でられたかららしい。ふと思い浮かんだ些細な疑問でも解決したがるのは彼女らしいけど、妹の良さをコイツにどう伝えたらいいのか……。雪穂や楓の場合は2人が大人びているからお姉さん役であってもピッタリなのだが、亜里沙の場合はもう妹としか見られない。

 よく考えてみろ。俺や絵里に懐く生粋のお兄ちゃんお姉ちゃんっ子であり、背もシスターズの中では一番低くお人形のような愛嬌がある。そんな彼女をお姉さんとして見られるかと聞かれたら、それはもう否と答えるしかない。だから亜里沙に妹がいる妄想の時点で俺の思考はギブアップなんだ。

 それに彼女は大学生なのだが、さっきも言った属性を加味すると到底大学生には見えない。いつも一緒にいる雪穂と楓が美形の部類だからこそ、彼女の幼さがより際立って見えるのだ。

 

 

「お願いです! 私にお姉ちゃんの気分を味わわせてください!」

「おいおい、それって俺がお前の弟になれってことか?」

「それはそれで……ちょっと興奮しちゃいますね」

 

 

 ヤバイ、亜里沙が変なプレイに目覚めようとしている……!? 年上の男を自分の弟に仕立て上げて興奮するって、そんなの特殊性癖以外の何物でもねぇぞ……。

 ただでさえ周りに変な性的趣味を持ってる奴が多いのに、良心の1人である亜里沙がそっち方面に引っ越してしまったら心の拠り所がなくなってしまう。だからここは何としてでも別の手を考えなければ。それに俺だって今まで妹扱いをしてきた亜里沙がいきなりお姉ちゃんになったら、もうどう接していいのか分かったものではない。俺の姉は手の掛かり過ぎるあの悪魔1匹で十分だから。

 

 でも俺以外の誰かを亜里沙の妹として抜擢する場合、雪穂と楓はやっぱり亜里沙の姉としてのポジションが似合うし、花陽や凛は同じグループの先輩だからどうしても彼女の妹として見られない。そもそもμ's内の年齢で考えると彼女は最年少グループに属するから、μ'sメンバーの誰を妹ポジションに当てても違和感だ。しかしコイツよりも年下となると……ん? あっ!

 

 

「いるじゃん、丁度いい子が」

「えっ? 妹になってくれそうな人がいるんですか?」

「なってくれるかどうかは分からないけど、妹属性を兼ね備えていてかつお前より年下という好条件の奴なら1人いるぞ」

「そんな……私の妹になるために生まれてきた子がいるなんて!」

「そいつの生き甲斐が妹属性だけみたいに言うなよ……」

 

 

 自分に妹ができそうだと希望を持ったせいなのか、亜里沙のテンションが妙な方向に高くなっている。姉の絵里もそうだけど、真面目そうに見えて斜め上の方向に思考がぶっ飛ぶことは絢瀬姉妹ではよくある話だ。まあコイツの場合はド天然過ぎるところもあるけど……。

 

 

「そういやアイツら今日は練習休みだって言ってたな。だったら電話をしたらこっちに来てくれるかも」

「本当ですか!? でしたら是非お願いします! もう誰かを愛でたくて愛でたくてウズウズしてるんです!!」

「愛でるのはいいけど、そんな勢いで迫って来られたら妹ビビっちゃうから」

「あっ、そうですよね。ここはお姉ちゃんらしく、毅然とした態度で接しないと」

「あまり堅苦しくても困るだろうから、いつも通りで頼むな」

 

 

 やっぱりどこか力の入れどころを間違っている亜里沙だが、こんな調子で本当に妹(となってくれる子)を呼び出していいのだろうか……? いくらコイツが天然だと言っても、天然だからこそ収拾しにくい事態に陥ることがある。頼むから俺がツッコミ役に回って過労死してしまう展開だけはやめてくれよ? どうも最近そんな役回りばかりなような気がするが……。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「ほ、本日はお招きいただきありがとうございましゅ! あっ、噛んじゃった!?」

「いらっしゃい。そんなに畏まらなくてもいいぞ?」

「い、いえ! ただでさえ手土産も何もないのに、来るのが遅れて申し訳ないです……」

「お気遣いありがとな。でも頼むから一旦落ち着いてくれ。今にもお前、沸騰して蒸発しそうだぞ?」

 

 

 ご丁寧にお辞儀をしながらも肝心なところでヘマをするのは、これぞ黒澤姉妹の一角だと改めて思い知らされてしまう。

 玄関先でそわそわしながら立っているのは、Aqoursメンバーの中で最も背が低く妹キャラ抜群の黒澤ルビィだ。彼女こそ亜里沙よりも背丈が小さくデフォルトで妹属性を兼ね備えているからこれほど亜里沙の妹に適任な子はいない。しかも小心者で守ってやりたくなる可愛さがあるので、妹を愛でたがっていた亜里沙にとってはピッタリの妹役だろう。

 

 ちなみにルビィは俺の家に来ることに相当緊張したのか、もう到着しているのにも関わらず目を回して気絶しそうになっている。インターホンを鳴らされてドアを開けた時から彼女の顔は発熱したかのように真っ赤となっており、俺の家への到着が遅れたのも極度の緊張が原因だったとすぐに察せた。恐らくここに来る前に彼女の心の中では壮大なドラマがあったのだろう。男性と全く触れ合いがなかったルビィのことだ、道中で男性の家に行ったらどう振舞ったらいいのかをずっと自問自答していたに違いない。まあ今の様子を見る限りでは、結局その答えは出なかったみたいだけど……。

 

 

「あっ! もしかしてAqoursの黒澤ルビィさん!?」

「ひゃぁっ!? ……って、μ'sの絢瀬亜里沙さん……ですよね?」

「もしかして、私の妹になってくれるのってルビィさんなんですか?」

「えっ、妹……?」

「えっ、そういう手はずだったと思うんですけど……」

 

 

 亜里沙とルビィはお互いがお互いの発言内容を理解できておらず、頭に"?"マークを浮かべながら首を傾げる。そりゃそうだ、だってルビィを呼び出す時に何の理由も説明してねぇもん。そもそも『亜里沙の妹になってやってくれ』なんて意味不明な理由を話したら、それこそ電話越しにいるルビィが困惑してしまうだろう。だからこうして呼ぶだけ呼び寄せて、あとは2人が出会った時に説明しようと思ったのだ。そのせいでルビィは理由もなしにいきなり男の家にお呼ばれされたため、ここへ来る道中に多大な緊張感との無駄な格闘を強いられてしまった訳だが……まあ許してくれ。これも手間の削減だ。

 

 だから突如として妹になれと宣告されたせいか、ルビィは直前まで抱いていた緊張すらも忘れてポカーンとするばかりだった。

 

 

「あのぉ……先生? これは一体どういうことでしょうか……?」

「言葉通りの意味だ。亜里沙がどうしても妹が欲しいって駄々を()ねるから、お前が妹になってやってくれってこと」

「つまり……ルビィは売られたってことですか!?」

「言葉悪いなオイ!? お前が適任だからこうして任命しただけだ!」

「なぁ~んだ、零くんが説明していなかっただけなんですね。てっきり私の妹になることを拒否されたのかと思っちゃいました」

「あれ? もう妹をすることになってる……!?」

 

 

 ルビィのことだから俺のお願いを拒否することはないと思うのだが、万が一を兼ねるという意味でも敢えて電話では理由を説明せずこうしてこの場に彼女を召喚した訳だ。そうなれば後はテンション爆上げ中の亜里沙が強引にルビィを誘導してくれるので、俺はただ見ているだけで事が済むという完璧な算段となる。特に押しに弱いルビィであれば、大好きな先輩であるμ'sメンバーのお願いを無碍にすることなどできるはずがないのでこの作戦は効果的なのだ。決して俺が楽をしたいわけじゃないぞ? いや本当に。

 

 でもこのままではルビィが神崎零不審になりかねないので、ちょっとくらいはフォローを入れておいてやるかな。その後は疑似姉妹2人きりでイチャイチャするなり百合プレイをするなりご自由にどうぞ。

 

 

「そういうことだ。ルビィ、ここは亜里沙の欲求を満たすのに協力してくれないか?」

「そ、それは別にいいんですけど……」

「けど?」

「亜里沙さんの妹になったとして、妹としてどう振舞えばいいのか分からなくて……」

「ルビィさんはいつも通りで大丈夫ですから! いつものように皆さんに抱きしめられたり頭を撫でられたりして、恥ずかしがっている様子を見せてくれればそれで!」

「いやそんな激しい寵愛は受けてませんから!?」

「激しい……のか?」

 

 

 ルビィの言う通りいくらマスコットキャラとは言えどもそこまでの寵愛を日々受けている訳ではない。だがその寵愛の仕方が激しいかと言われると……俺が思うにソフトな部類だと思う。ハグやナデナデ程度が激しい部類だったとしたら、男女のあれな行為は果たしてどのような部類に属するのだろうか……? そもそもルビィにそっち系の知識がどれだけあるのかは知らないが、少なくともド天然の亜里沙に比べたら穢れているとは思う。だってネットでその手の情報や知識は蓄えているって言ってたし、もしかしたらロリビッチ系かもしれないぞ。もし本当に彼女がロリビッチだった場合、ダイヤの精神的ダメージが半端ないだろうが……。

 

 しかし抱き着いたり頭を撫でる行為が激しいと言い張るあたり、まだまだ彼女の中で性行為というものが確立されていないのだろう。高校生のくせにその程度の知識でいいのかと思ってしまうが、何も会得しなければならない知識ではないので彼女には是非このままでいて欲しいものだ。中には性知識皆無の純粋無垢少女に性的行為をして相手の反応を楽しむ変態野郎もいるくらいだから、無知キャラというのも一種のステータスになるかもしれない。

 

 

「とりあえず立ち話もあれだし、家の中に入れよ」

「お、おおおお邪魔します!!」

「相変わらずそのあがり症は治ってねぇんだな」

「男性の家にお邪魔すること自体も初めてですし、いきなり妹になれと言われてもう何が何やら……」

「そりゃまあ……ドンマイ」

 

 

 よくよく考えてみれば、理由も説明もなしにいきなり異性の家に引き摺り込まれ、更にマイシスターを強要されてるんだからルビィでなくても困惑するわな。でも亜里沙の勢いに圧倒されたとは言えども、こうして素直にお願いを引き受けてくれたのは正直助かったよ。さっきも言ったが亜里沙は意外と強情なところがあるから、もしルビィを妹役に抜擢できなかった場合は今日一日を潰してでも他の手段を探すはめになっていただろう。

 

 ともかく、姉となった亜里沙と妹となったルビィの奇妙な姉妹生活の幕が上がった。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「姉妹の第一歩として、まずはお互いの呼び方からですね!」

「は、はい! よろしくお願いします!」

 

 

 これから本格的に本日限りの姉妹生活が始まる訳だが、今のこの2人はどうも他人行儀感が否めない。

 まず同い年には基本タメ口の亜里沙だけど、年下でスクールアイドルの後輩でもあるルビィに対して思いっきり敬語を使っている。彼女は特段気にしてもいないし元から礼儀正しいので俺も不可解に思わないのだが、割と意外な一面だったりするので正直驚いた。

 そして案の定と言うべきか、ルビィもまだ緊張の糸を張り詰めたままだ。彼女も千歌やダイヤと同様にμ'sの大ファンの1人。そのμ'sメンバーの1人が自分の目の前に、しかもしばらく自分の姉として君臨することになったんだから戸惑ってしまうのも分かる。まずはその緊張を解さないと妹として振舞うことは到底できそうにもねぇな……。

 

 それにしてもこの2人、色々と共通点があって既視感を抱くことがある。

 まず2人がどちらも妹キャラだってことが1つ。そして性格も似通っているところがあり、程度の違いはあれど純粋で天然であることには変わりない。更に作っていない自然なあざとさが共通の特徴でもあって、妹キャラに置き換えてみれば雪穂や楓が兄や姉の世話焼きタイプの妹である反面、彼女たち2人は守ってやりたいタイプの妹である。その点を踏まえると2人は似た者同士なので、もしかしたら姉妹として成り立たないのかも……。だって同じ性格の姉妹なんてあまり有り得た話ではないから、これも亜里沙がどれだけの姉力を発揮できるかに掛かってるな。

 

 

「私、もし妹ができた時のために妹の呼び方は既に決めていたんです!」

「おう、それは随分と無駄なことを議決してたんだな……。いやまあ今しがた役に立ってるけど」

 

 

 もしかしたら亜里沙の奴、自分に妹ができるためには親が何をしなければならないか知らないんじゃないか……? 妹が欲しい願望を自分の家族にどれだけ話していたのかは知らないが、もしその相談を絵里や親御さんが受けていた場合は絢瀬家の人たちに同情しちまうよ。彼女は至って純粋で真面目だから真っ向から咎めることもできず、とりあえず一時凌ぎのために適当なことを言ってなあなあに回避するしかない。だったら絢瀬家の人たちのためにも、ここで亜里沙の欲求を十分に満たしてやらないと絵里たちの精神が崩壊してしまうぞ……。

 

 

「妹がルビィさんだから、呼び方は――――ルビィたん!」

「ふぇっ!?」

「ぶっ!? お、おいっ、どうしてそんなにオタク調な呼び方なんだよ」

「えっ、でも参考資料にはこう呼ぶと喜んでもらえるって……」

「聞くだけ無駄だと思うけど、それどんな参考資料なんだ……?」

「楓から借りたモノなんですけど……あっ、これです」

「持ってきてんのかよ。なになに……」

 

 

 亜里沙はカバンから1冊の本を取り出すと、その表紙を俺たちに見せつける。

 どう見ても裸エプロンであるピンク髪の女の子が、表紙の全面に映っている時点で嫌な予感しかしないのだが……。

 

 

「『押しかけ妹妻~幼女の妹と禁断の2人暮らし~』……って、なんじゃこりゃ!?」

「あ、あわわわわわわわわわわわ……!!」

「正直に言ってしまうと中身を見るのは恥ずかしかったんですけど、楓がこのくらいの知識は蓄えておいた方がいいと……」

「やっぱりアイツと友達やめた方がいいんじゃないのか、マジで」

「でもこの本のおかげで妹の良さは伝わりました!」

 

 

 ド天然な性格が災いしているのか、やっぱり観点がどこかズレているぞコイツ。妹好きになって姉になりたいと思うだけなら結構だけど、明らかにR-18である本を読んでもなおその感想しか出てこないと言うのは天然過ぎるのにもほどがある。ほら、もっと兄妹の禁断の性行為を見て恥ずかしかったとか、こんなモノを渡してきた楓に憤怒するとか、そっちの反応の方が自然だろう。それなにも関わらず亜里沙はこの本を見て妹持ちの姉になりたいと思ったんだから、コイツの思考は俺たちとはねじれの位置に存在すると疑う余地がない。

 

 そして俺の想像通りの反応をしたのがルビィだ。顔を赤くし、泡を吹いて気絶しそうになっているためこの反応こそが天然というものだろう。だがルビィは本のタイトルだけで内容を察しているようなので、少なくともそっち系の知識は蓄えているらしい。こうなってくると、マジモノの純粋な天然キャラっていないような気がしてきたぞ……。

 

 

「という訳で、ルビィさんには今日一日私の妹さんになってもらいますね!」

「そ、その本の表紙を見せつけながら言わないでください! それじゃあルビィが裸のエプロンを着るみたいじゃないですか!!」

「…………? 妹って裸のエプロンで兄や姉にご奉仕するのが普通じゃないんですか? 楓にそう教えられましたけど」

「楓による洗脳が着々と進んでるな……」

「でもこの本に出てきた妹さんはルビィさんに似ているんですよね。髪色の系統もそうですし、何より高校生なのに幼い身体をしていてルビィさんにそっくりです♪」

「笑顔で期待されても、ルビィは本に描かれてることなんてできませんから!!」

「あっ、でもこの本の子は胸が大きいので、ルビィさんとはちょっと違いますね」

「余計なお世話です!!」

 

 

 当初亜里沙に妹が欲しいと相談された時は、妹を愛でたいとしか言っていなかったからあまあまな百合展開を望んでいるのかと思っていた。だが蓋を開けてみれば願望が180度異なっており、手に持っているエロ同人に描写されていることを自分でも実行したいと望んでいる。だが亜里沙にはどんな行為がエロいのかが分からず、それに対する羞恥心さえも鈍感なため本人は至って真面目なのがこちらの対応を困らせてくる。やはり純粋ってのも一種の罪だと思うんだよな俺……。

 

 今回は亜里沙とルビィが主役だから面倒なことにはならないと思っていたが、どうもそう上手く事が運ぶことはなさそうだ。変な性知識を携えてルビィを淫乱妹に仕立て上げようとするその計画は、ことりの画策する陰謀と全くドス黒さは変わらない。もちろん亜里沙は薄い本に影響されただけで純粋に妹が欲しいとしか思っていないので、彼女自身に邪な気持ちはないんだろうけど……。

 

 俺に休息をくれ、休息を!!

 

 

 

 

To Be Continued……

 




 亜里沙とルビィがメインなので平和なお話になると思ったそこの人、亜里沙のド天然ぶりは常識すらも凌駕するのです(笑)

 先日のサンシャインのアニメでもルビィと理亞の妹コンビが活躍したので、かなりタイムリーな最新話だったと思います。いつかシスターズにルビィや理亞も含めたお話を執筆してみたいものです!


 次回は亜里沙&ルビィ回の後編。
 亜里沙の持っていたバイブル(『押しかけ妹妻~幼女の妹と禁断の2人暮らし~』)の実力が発揮される時!?



※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。