ラブライブ!~μ's&Aqoursとの新たなる日常~   作:薮椿
<< 前の話 次の話 >>

293 / 389
 曜&にこ回の後編です!
 そして今回は前編の内容を零君視点で物語を展開していきます。もちろん+αの展開もあるので、曜とにこのバトルを最後まで見届けてもらえればと思います!


変態とは高貴の名

『せんせ~! 湯加減はどうですか~?』

「いい感じだぞ。ていうか、自動保温があるんだから湯加減は一定だろ』

『あはは、でもお風呂に入ってる人に言ってみたくなっちゃうんですよね』

 

 

 曜が脱衣所から声を掛けてきた。もしかしたら一緒に入るのかなと期待していたのだが、彼女にそこまでの積極性はまだないみたいだ。

 俺は湯船に浸かりながら、今日一日で溜めに溜め込んだ疲れを一気に洗い流す。今日はずっとAqoursの練習を指導していたのだが、今回の練習には指導役補佐としてにこも参加していた。どのスクールアイドルよりもアイドルに賭ける魂が熱い彼女の指導は、Aqoursのみんなだけでなく俺にも火の粉を巻き散らしやがった。しかし現在絶賛夏休みニート生活をしている俺にその指導は耐えられるはずもなく、こうして風呂でリラックスして昇天してしまいそうなくらいクタクタになっている。

 

 それにしても、この湯船の大きさは何とかならないのか? 明らかに1人で入るには大きく、成人男性の俺ですらスペースを持て余しているためJKのアイツらにとってはかなり居心地に違和感があると思う。そもそもこの一軒家自体、千歌たち9人が共同生活できるほど部屋の広さもあり数も多い。こんな豪華な家を用意したのは秋葉らしいのだが、千歌たちの話によれば相談したら即この家を貸してやると提案されたそうだ。その豪遊さは秋葉の性格でもあるので今更驚きもしないが、流石に家を用意するのは相当金も掛かるし何より時間が掛かる。それなのに相談されて即この家を渡したということは、もしかしてあらかじめ用意していた……とか?

 

 そう考えてしまうと、だったら何のためにとまた色々頭を悩ませなければならない。でも今はアイツのことを考えるよりも疲れを取ることが先決だ。実家の風呂よりも格段に大きいためまったりと落ち着くことはできないのだが、女の子たちが毎日この風呂に代わる代わる入っていると思うとちょっぴりリラックスできなくもない。女の子の体格であれば2,3人同時に入ることも可能なので、そこでどんなことが行われているのか想像するだけでも一晩を明かせそうだ。まあウチの子たちはそこまで百合百合しい展開には発展して……ないよね?

 

 教え子で変な妄想をしてしまうのはそこはかとない背徳感があるのだが、さっきも言ったけど今は疲れを取ることに集中しよう。風呂の中で変に興奮してしまったらそれこそ疲れが溜まるし、それ以前に筋肉痛になりそうなくらい動き回ったので興奮する体力もない。それに最初はキングサイズのバスタブに緊張して居心地が悪かったのだが、こうしてしばらく湯に浸かっていると逆にこのだだっ広い風呂を1人占めしている優越感が沸いてくる。そう思うとゆったりとリラックスできるので、風呂の暖かな湯加減も相まってこのまま夢の世界へ旅立ってしまいそうだ。

 

 

 ――――と、ウトウトしていた俺の目を覚まさせたのは脱衣所からの物音だった。

 脱衣所の扉が開いた音はしなかったので、恐らく曜がまだ中で作業をしているのだろう。さっき洗濯機のボタンの音が聞こえたから、多分俺たちの洗濯物を洗ってるのかな? そういやAqoursの共同生活にはいくつか決まり事があって、その中の1つに千歌たちが毎日交代制で担当する洗濯当番なるものがあると聞いたことがある。なるほど、つまり今日の洗濯担当が曜って訳ね。てっきり俺の入浴シーンを覗き見る変態行為をしようとしていたのかと思ったぞ。でもあの曜に限ってそんなことはしないよな、うん。

 

 

 そう信じていたのだが、今度はさっきとは打って変わって脱衣所から一切の物音がしなくなった。洗濯機を回す音はもちろん、そもそも脱衣所には誰もいないかのように静まり返っている。一応風呂場の扉越しに脱衣所のいる人の影は薄っすらと見えるので、その場に曜がいると思うんだけど……何してんだアイツ?

 

 まあそれ以上特段気になることもなく、再び湯に浸かりながらリラックスする。

 だがその時、扉越しに見えていた曜の影がいきなり激しく動き始めた。

 

 

『ひゃっ――――う、ぐっ!!』

 

 

 な、なんださっきの声!? まるで突然背後から不審者に口を抑えられたような籠った声だが、これは助けに行った方がいいのだろうか……? だがこの格好では全裸で飛び出すことになるため、それはそれで俺も不審者扱いされてしまうだろう。でもそれではもし曜が危機に立たされていた場合に取り返しのつかないことになるため、ここは俺も公然猥褻罪に問われること覚悟で飛び出した方がいいかもしれない。

 

 

『んっ、んーーっ!!』

 

 

 これって、本格的にマズい展開……?

 しかしよくよく考えてみれば、脱衣所で女の子を抑え込むというのも変な話だ。この家には曜以外にも千歌たちがいる訳だし、どこから忍び込んだにしろ誰にも見つからず脱衣所まで来るのは難しい。そもそもここで曜を抑え込んだところで、こんな広い家を女の子1人抱えたまま誰にも見つからず脱出するなんて到底無理だ。

 

 そう考えていたのも束の間、脱衣所から曜以外の声が聞こえてきたので俺は静かに耳を傾ける。

 

 

『んっーー!!』

『分かった分かった。放してあげるから大人しくしなさい』

『ぷはっ! い、いきなり何をするんですか!?』

『だーかーら!! 静かにしなさいって言ってるでしょ!?』

『いや、にこさんも相当騒がしい気が……』

『あっ……ったく、これだからイマドキのJKは……』

『関係ないですよねそれ……』

 

 

 あ、あれ? 扉越しだから声が籠って聴こえるのだが、この声は明らかににこの声だ。もう5年以上一緒にいるんだから、少々声が変わっていたとしても彼女の声を聴き間違えるはずがない。

 ということは、さっき曜を抑え込んでいたのはにこってことか。だとしたらどうしてそんなことやってんだアイツ……? それに俺が風呂に入る前に全員洗濯物を出したはずなので脱衣所に用はないはずだ。それにさっきから2人で会話をしているみたいだし、どうやら曜が不審者に襲われているという俺の心配は杞憂に終わったらしい。

 

 

『…………』

『えぇ~と、目が怖いんですけど……』

『アンタ、今さっきにこが中学生っぽいって思ってたでしょ?』

『え゛っ!? ど、どうしてそれを……って、言っちゃった!?』

『やっぱり! もう何度も同じような想像をしている人に出会ってきたから雰囲気で察せるのよ。特ににこのことを微笑ましく見つめている人は、十中八九にこを子供だと思ってたんだから。現に今回もそうだし』

『い、いやぁ別にバカにしてはないんですよ? むしろそれだけ若々しいってことで!』

『それは今のにこが若くないって言いたい訳!? 大人になった今のにこが!!』

『あ……』

 

 

 コイツら俺が風呂場にいるって知っていて会話してんのかな……? しかも声ダダ漏れで会話が筒抜けだし……。

 ちなみに言っておくと、にこは最低でも中学1年生に間違われたことがあるから。更に言ってしまえばことりに幼稚園児の制服のコスプレを着せられて、彼女の趣味爆発写真集に載せられた黒歴史まで存在するから。そりゃ後輩のスクールアイドルに子供扱いされたら怒っても仕方ないわな。

 

 

『話題を戻しますけど、どうしてにこさんは脱衣所に? 出し忘れた洗濯物があるとか?』

『惚けるんじゃないわよ。さっき持っていこうとしていたでしょ?』

『う゛ぇ!? な、何のことでしょうか……』

 

 

 も、持っていく? 何を??

 確信を突かれたかのように、曜の声が怯えに怯えていた。まだ話の全容が見えていないため何が起こっているのかは分からないが、会話の流れ的に俺のトラブル感知センサーがビンビン反応している。また俺の関係ないところで俺の話題で盛り上がり、知らず知らずの間に巻き込まれて俺に災厄が降りかかるパターンの奴だこれ。風呂の中でもリラックスできないのか俺の日常は……。

 

 

『動揺し過ぎでしょ……。もうその反応が全てを物語ってるわ』

『そ、そそそそそんなことする訳ないじゃないですかぁ~!! だって大切な恩師なんですよ!? しかも男性の下着を取ろうなんて、そんなのただのへんた――むぐっ!!』

『だから、静かにしないと零に気付かれちゃうでしょ! それにね、この目で一部始終を見たんだから弁解の余地なんて最初からないのよ』

『んっ、んーーっ!!』

 

 

 おい。曜の奴、さっきなんつった?? 男性の下着を取ろうとしたとか聞きたくないことを言っていた気がするんだが、俺の空耳だと信じたい。でもにこが俺に気付かれるかもと言った時点で信じるも信じないも、曜は男の下着を狙っていたことになる。そしてこの家の中で男は唯一俺だけ。つまり、曜が目を付けていたのは確実に俺の下着ということだ。

 

 前言撤回。事実が公になった今でも信じたくないのだが、まさか曜の性格がここまで捻じ曲がっていたとは……。確かにいきなりしゃぶってきたりプール内で抱き着いてきたりとこれまでも積極的な行動が多かった彼女だけど、遂に来るところまで来てしまったようだ。そういや内浦にいる時にことりの講座を受けていたから、その影響で心に穢れが滲み出たのかもしれない。表では如何に清楚でも、裏で何をやっているか分からないという典型的な例だなこりゃ。

 

 そして意外にも俺は曜の性格が変貌した件について、そこまで驚いてはいなかった。そのような性格はμ'sの連中で見飽きるほど見てきたので、今更危機感を抱きながら驚くことでもない。それに遅かれ早かれ、彼女はこちらの道を歩みそうだと薄々ながら感じていたりもした。

 でもとうとうAqoursでも変態ちゃんが現れちゃった事実に、今後汚染が広がっていく怖さとツッコミが大変になる気苦労は絶えないけど……。

 

 

『下着を盗もうとしてた人に情けを掛けるつもりはないけど、アンタさっきから顔真っ赤よ? 大丈夫?』

『ら、らいじょうぶれす……』

『全然呂律回ってないし、下着を見てただけでどれだけ興奮してんのよ……。ただの変態ね』

『それだけは聞き捨てなりません!!』

『いきなり素に戻るんじゃないわよ……』

『私はただ先生の着替えだけは別で洗おうと思ってただけですよ……。ほ、ほら、年頃の女の子はよくお父さんの洗濯物と自分の洗濯物を一緒に洗いたくないって言うじゃないですか!』

『誰がお父さんよ先生でしょうが。それにそんなことを想うのは思春期になりたての中学生くらいよ』

 

 

 この構図、にこが曜よりも常識人になっている状況に違和感MAXだ。

 にこと言えば亜里沙に調教モノの同人誌を渡した悪女であることは記憶に新しい。高校時代でも妹のこころとここあにR-18本を見られてしまう失態を犯したり、俺の剛直を模したディルドのオークションに参加したりと、ことりに隠れがちだけどμ'sの変態ちゃん筆頭の子なのだ。ことりや楓と違うのは、普段の日常では体裁を取り繕って至って真面目を貫いていること。でも1人になった時や俺と2人きりになった時は潜んでいた性格が表に顕現し、見るも無残な痴女アイドルと化す。しかも今のように平然と何食わぬ顔で変態を貫くため、その堂々たるやこっちが圧倒されるほどなのだ。

 

 しかしどんなに平然を装うが変態は変態なので、そこは擁護できないが……。

 それだからこそ、にこが曜を諭している展開が不自然極まりないのだ。自分の方が圧倒的に変態度が高いくせに、後輩に対して強気に出るとは情けねぇなぁオイ。もうツッコミを入れる気も起きないくらい呆れちゃうよこれ。

 

 

『とにかく、にこは自分の用さえ済めばそれでいいから。アンタも精々欲望は抑えることね』

『へ……? って、ちょっとちょっとちょっとちょっとちょっと!! 平然とし過ぎですよね!?』

『なによもう。μ'sではよくあることだから』

『よくあるんですか!? あのμ'sの皆さんが!?』

『あのね、アイドルに幻想を抱くなと良く言われてるでしょ? 表向きでいい顔をしている人ほど、裏では汚いことをやってるものなんだから』

『それを白昼堂々と言い張れるのが凄いですよ……。しかも自分のことなのに……』

『手に入れたいモノは取捨選択せずに全て掴み取れ。アンタも零の生徒だったんだから、その言葉くらいは知ってるでしょ』

『うっ……』

 

 

 μ'sではよくあることって何だよ!? 確かに服や下着が紛失することは過去に何度かあったんだけど、それは楓が古くなった俺の衣類を処分してくれいるのかと思っていた。だけど実際は闇ルートで取引されており、それがμ'sの手元に渡っていると……? うわぁ凄く知りたくなかったそんな裏社会!? これからは自分の洗濯物は自分で洗濯するようにするか……。

 

 それにしても曜の奴、なに核心を突かれたみたいな反応してるんだ。どこからどう聞いてもツッコミどころが満載なのに、そこで口籠ってしまうあたり『私は変態です』とアピールしてるようなもんだぞ?? 別に俺の下着を持ち去ろうとしていた彼女の味方をする訳じゃないけど、このままにこに言い包められて平和(偽り)に解決する展開だけは俺の気分的に許せない。

 そしてにこもにこで自分に表裏があるとしっかり自覚してるんだな。元々高校時代から営業スマイルが得意だっただけに、2つの顔を使い分けるのは彼女の得意分野だ。だからと言って真面目アイドルモードと痴女モードでは、ギャップがあり過ぎてこっちが困惑しちゃうくらいだけど……。

 

 

 さて、俺は今の今まで風呂場でアイツらの会話を延々と聞き続けていた訳だが、そろそろ何かアクションを起こしてみようと思う。さっきも言ったけど、このまま俺の下着を円満に持ち去られるのは避けたいんだ。しかもさっきから自分勝手な主張を垂れ流すコイツらにお灸を据えてやらないと気が済まないため、制裁の意味を込めて何かしらのアクションを実行したい。さぁて、よくも人の下着を玩具にして遊んでくれたなこの女狐共……。

 

 

『それじゃ、にこは行くから』

『あ、あの……』

『なによ? 早く行かないと零がお風呂から上がっちゃうでしょうが』

『そのぉ……わ、渡しません』

『え?』

『その下着は私のモノですから!!』

『いや零のモノだけどね……』

 

 

 悲報。渡辺曜、遂に開き直り変態を大っぴらに宣言する。もしAqoursに日常生活の密着取材のオファーが来たとしても、ファンにコイツのプライベートは見せられねぇな……。

 

 曜が性癖を暴露したので、遂に変態vs変態のタイトルマッチが開催された。片やもう4年以上も変態の汚名を背負ったアイドル。片や今さっき変態候補生から変態に昇格したばかりのビギナー変態。実力の差も経験の差も圧倒的なのだが、ビギナー変態特有のウブさはプロフェッショナル変態に思わぬダメージを与えられる可能性がある。例えばビギナー変態がプロフェッショナル変態の忘れてしまっていた純粋な心を思い出させ、思い出に浸っている間に追撃するとかな。

 

 ――――って、どうでもいいわそんなこと!! いい加減に俺の下着で遊ぶのはやめようなお二人さん……?

 

 

 俺は2人の身勝手な行動に水を差すため、風呂場の扉の手を掛けた。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 これまでの人生の中で、人間から目玉が飛び出るというグロデスクな光景を見たことがない。

 だがたった今、未体験だった経験がキャリアありに昇華した。にこと曜の2人は風呂場から出てきた俺を見て、まるで未確認生物を発見したかのように驚く。その際に俺の下着を盗もうとした罪悪感なり、何故このタイミングで俺が登場したのかという違和感なり、下着で争っているところを聞かれていたかもしれないという恐怖なり、様々な感情を抱えていたと思う。そのせいで心臓がはち切れるくらいにビックリしたのだろう、比喩表現ではない『目が飛び出る』を生まれて初めて目撃した。2人は一言も声を発さず、その場で硬直したままただただ俺を見つめている。

 

 ちなみにちゃんと下半身にタオルを巻いているからね? これでも公然猥褻罪に問われるかの瀬戸際で怪しいところだが、隠すところは隠しているので少なくとも即通報の流れにはならない……はず。とりあえずさっきからこの世の終わりみたいな顔をしている曜と、頬を紅潮させながらも俺の下半身ばかり凝視する痴女丸出しのにこに声を掛けてみる。

 

 

「おい、どうして2人揃ってここにいるんだ?」

 

 

 まずは何も知らない体で質問をしてみる。

 にこはともかく、曜はいい子だから無様に隠し事なんてしないはずだ。ここでしっかりと謝って自分の罪を償うと言うのなら、俺はにこへの説教だけでこの場は免じてやる。これでもし自分は何もしていないと貫き通したら、その時は練習着の胸元にでかでかと『変態』と書くからな?? 曜の程よく育った胸の膨らみの部分にそんな文字を書かれたら、もはや道行く男の注目の的になるだろう。おっぱい的な意味でも変態的な意味でも……。

 

 

「…………」

「曜?」

 

 

 どうやら後ろめたい気持ちはあるようで、この調子だと素直に自白してくれそうだ。やっぱりAqoursのみんなは純真でいい子たちばかりだから、人が風呂を入っている時を見計らって下着を盗む低俗行為なんてする訳がない。それに彼女は俺が3週間かけて育て上げた大切な教え子なんだ。俺が育てた子が変態になるなんてあるはずもなく、むしろ俺に似た誠実さを兼ね備えて最強に見えるから。

 

 よしっ、それじゃあにこに雷を落とす準備でもしておこうか――――

 

 

「………あっ、そうだ! 洗濯の途中だったんだ忘れてましたぁ♪」

「…………は?」

「いやぁ~今日は先生やにこさんの洗濯物もあるので、1回の洗濯では洗い切れなかったんですよねぇ~」

「…………まだどの洗濯物も洗濯していないように見えるが?」

「やだなぁ~先生。お風呂場から聞いていた訳じゃあるまいし」

「聞いてたっつうの! 1から10まで全部な!!」

「ふぇ……? えぇえええええええええええええええええええええええええっ!?!?」

「あんな大声で叫び倒していたくせに、聞こえてないと思う方が無理あるだろ……」

 

 

 なるほど、お前はそんなことを言っちゃうのか……。

 これで曜の罪は公となり、その大罪を償う必要が出てきた訳だ。素直に吐いていれば許してやったものの、自分が変態という事実を隠し通して純真を振舞うのは正直死刑よりも罪が重い。にこのようにその性格を前面に押し出せとは言わないが、『変態』の名はそこまで軽いモノじゃないからな? 変態を自覚しているのならその変態に誇りを持って振舞って欲しいものだ。もちろんやり過ぎは良くないけどね。

 

 そして、未だに無関係を装っているもう1人の方はどうしてやろうかな……?

 

 

「あっ……あ゛ぁ……」

「あ~あ、彼女ショートしちゃったじゃない。ちゃんと責任を持って彼女を解放してあげるのよ。それじゃあにこは行くから」

「おい……」

「なに? そんな恰好で襲ってくるとかいい度胸じゃない。流石のにこでも、後輩がいる手前でセックスなんてできないわよ?」

「冷静だなお前、人の下着を持ち去ろうとしておきながら……」

「その証拠はどこにあるのよ?」

「だから聞いてたんだよ!! この耳であることないこと全てな!!」

「あら、ガールズトークに聞き耳を立てるとは紳士が聞いて呆れるわね」

「よし。その態度は自分がどうなってもいいってことだな? 滅茶苦茶にされても文句はねぇってことだよな? ん?」

「ちょっ!? その恰好で迫ってくるのは……!! やっ、らめ!」

 

 

 このあと無茶苦茶セッ――――教した。下着を盗む行為を全く罪と思っていないのもプロフェッショナル変態ゆえなのだろうが、変態を乗り越えて逆に常識人の地位に返り咲いた俺にとってはただの盗難事件だからな? 強気な態度の変態ちゃんには容赦しないから、身も心もたっぷりと反省させなければ……。

 

 そしてにこが無駄に喘ぎ声を上げるので、我に返った曜がまた気絶しそうなくらいにオーバーヒートをしてしまうのはまた別のお話。

 更にその騒ぎを聞きつけたAqoursメンバーが脱衣所に集結して、半裸の俺を見てまたショートしそうになったのも別のお話。

 




 今回は割と話の構成が割と変則的で、1つのお話を2人の視点で描く形式でした。私の小説は基本零君の一人称なので、女の子側がどう思っているのかを知りたかった人は多いのではないでしょうか? まあ私もその1人なんですけどね(笑)
特に恋愛関連のお話では零君と女の子側どちらの心情も描きたいと思っているのですが、流石に同じ話でそこまで話数を積み重ねられないのが辛いところです。

 今回の話の構成はいかがだったでしょうか? 好評ならばまたいつかこの形式で執筆してみようと思います。


 次回は久々にストーリー進行。μ'sメンバーにAqoursメンバー、そしてPDPのメンバーも登場予定です。


※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。