ギャグアニメの設定はこの小説にも取り入れやすいので、また何かの記念回の際には他のアニメのパロディもやってみたいですね!
『ミッション:
6時間以内に女の子のパンツを覗け!!
報酬:パンツを見た女の子の好感度+100』
さて、このギャルゲーは速攻で電源を落として今すぐにでも売りに行こう。
そんなことができたらどれだけ嬉しかったことか。俺自身にギャルゲーの機能が仕込まれているので嫌でもこの現実から抜け出せない。どうしたらこの症状が治るのか、そもそも治る方法があるのかなど、過酷な現実と向き合いながらも考えていたのだがもうそれどころではなくなってきたぞ……。
見ての通り、謎のミッションが予告なく開始されている。6時間以内に女の子のパンツを覗くという、今時のギャルゲーでも安直すぎて批判を受けそうなミッションだなこれ。ギャルゲーでもエロゲーでもいつまでに女の子と仲良くなれと命令を下されることはあるが、こんな短時間で犯罪を犯せと言ってくるのは恐らく秋葉の趣味だろう。
正直な話、こんなミッションなんて達成する必要はない。期限までに女の子とイベント起こさないとフラグが立たないとか、そのような制約はあるかもしれない。だがパンツを覗いて好感度が上がるかと言われたら、もちろんそれは否だ。それに好感度+100の基準も不明であり、最大値がどれくらいかも分からないのにリスクの大きすぎるミッションをこなす方が間違っていると思う。俺はあまりその手のゲームに触れたことはないのだが、明らかに地雷だと分かってるミッションに飛び込む気はさらさらないぞ。
――――――と、さっきまではそう思っていた。実はこのメッセージの後に、こんな不吉なメッセージが表示されたのだ。
『このミッションを達成しない場合、ゲームオーバーになります。ゲームオーバーになるとこれまでの人生がリセットされ、お母さんのお腹の中からやり直しになるので気を付けて☆』
いや、『☆』じゃないんだが……。
このメッセージを見た瞬間に俺の顔は真っ蒼になっていたことだろう。秋葉は時空を操る人間だとは思ってないが、俺の世界を一晩でギャルゲー化したのでもしかしたらもしかするかもしれないという懸念があった。万が一のことを考えてしまうと、パンツを覗くことの1つや2つは過去に経験済みなので、ミッション達成に体力を割いた方が遥かに精神的もいい。冗談だとは思うけどね、悪魔であるアイツが何をしでかすのか、付き合いの長い俺でも分からないからな……。
てな訳で、俺は曜と別れた後にそんなことを考えながらまた住宅地の方へと戻っていた。
さっきまでは女の子に出会わないようぼっちを極める予定だったのだが、今回の目的は全くの真逆。女の子に出会ってパンツを覗く、これだけだ。ちなみにパンツを
その作戦を考慮すると、パンツを覗きやすいのはよくスカートをよく履いていることりやにこ、亜里沙、Aqoursだったら梨子やルビィになる。コイツらに運よく出会えればいいものの、他の子と出会ってしまうとまた選択肢の恐怖に怯えながらゲームを進めることになる。ギャルゲーよろしく自分の携帯が何故か使えないので、出会いに関してはもう運を天に任せるしかなかった。ギャルゲーだったらどこに誰がいるのか、マップを見れば分かるのになぁ。
すると、いきなり運命の巡り合わせがやって来たのか、後ろから肩を軽く叩かれた。
この辺りで俺を知っている人と言えば、もうμ'sやAqoursしかいない。俺は期待を込めて後ろを振り向く。
「やっほ! こんなところで奇遇やね、零君」
「希か……」
「ちょっ、テンション低くない!?」
そうだよ。よりにもよって希に出会ってしまったことに、俺は軽く絶望してんだよ。まあ無数にいる知り合いの女の子から、希望の子とたまたま出会うことの方が難しいんだけどさ。だからといって俺の知る女の子の中でも一番隙を見せなさそうな彼女が相手となると、今回はミッションの消化を諦めた方が良さそうだ。
ちなみに希は珍しくスカートを履いているが、さっきも言った通り彼女は隙を見せなければこちらの不審な挙動にも敏感なため、故意にラッキースケベを起こしてパンツを見るという行為が成功するとは思えない。ミッションも達成できなければ脳内選択肢にも惑わされるはめになるので、こりゃ地獄だぞ。希と2人きりの状況でそんなことを思ってしまう日が来るとはな……。
「零君、目付きがイヤらしいよ……? ウチのスカートばかり見て、どうせどんなパンツ履いてるんだろとか思ってるんじゃない?」
「おいおい、それは過小評価だぞ。お前らがどんなパンツを履いているのかなんて、実際に見なくてもそれぞれの好みから判別できるから」
「気色悪っ!!」
「ネタだよネタ! そんなド直球に引かれるとは思ってなかったからさ……」
いつもの俺ならパンツの種類やら色やら柄やら、あらゆる想像をしていただろう。だが今は状況が状況であり、パンツ自体はどうでもよく単にパンツを拝めればそれでいい。邪な気持ちや卑猥なことは一切考えていない、至って純粋な気持ちなのだ。
ここはいっそのこと、希に話を聞いてもらうのが一番手っ取り早いかもしれない。彼女なら肝っ玉も精神力も強いので、パンツを覗く使命に課せられていると言っても幾分かは真面目に聞いてもらえるだろう。俺が女の子に連絡を取れない以上、希に協力してもらうのがミッション達成の近道だ。もしこのままミッションが達成できず6時間が経過すると、どうやら精子だった頃から人生やり直しになるらしいからな……。
「希。俺はとある事情で、あと6時間以内に女の子のパンツを覗かなければならないんだ」
「そんなことを真顔で言えるなんて、さすが零君は半端ないなぁ。女の子って、具体的には?」
「μ'sだったらことりやにこ、亜里沙。Aqoursだったら梨子とルビィかな」
「パンツを覗きやすそうな女の子を考察してる時点で、かなりドン引きなんやけど……」
「安心してくれ。卑しい気持ちは一切ないんだ」
「ほうほう。それじゃあ好きな女の子に悪戯したくなる、例のアレ? 零君がそこまで女の子に分かりやすい愛情を見せるなんて……」
「いや、パンツを覗きたいことと恋愛感情は全く関係ない」
「曇りのない顔でゲスいこと言うね」
そりゃそうだ。だって俺は生きるか死ぬかの境目にいるんだから。これまで女の子のパンツは至高の一品だと思っていたのだが、今の俺にとってはただの布であり言ってしまえばそこらの雑巾と変わらない。だから早く見せろとは言わないが、事態は一刻を争っているのもまた事実。
あぁ、こんなバカなことで躍起になってると高校時代を思い出すよ。最近はめっきり減ったからなぁこんなこと。
しかし俺の読み通り、希は取り乱さず俺の話を聞いてくれた。取り乱したと言うよりかは若干引き気味だったのだが、この際人生がやり直しにならないんだったら何でもいい。そのためには多少の恥も覚悟の上だ。
――――その矢先、いつも通りの選択肢が俺の視界に映し出された。
Q.誰のパンツを覗く?
1.ことり
2.にこ
3.亜里沙
4.梨子
5.ルビィ
6.希
いやいや、最後の選択肢おかしいからね? これがもし本当のゲームなら6番の選択肢を選んで今後の展開を眺めたいところなのだが、自分の未来が左右されるこの状況で遊びを入れたくはない。そう考えると、これからギャルゲーの主人公に酷な選択肢を選ばせるのはやめよう。バッドエンドルートを選ばされる主人公の気持ちがようやく分かったから。
で、この中で誰を選ぶかだが――――――まあ一番無難そうな梨子にしようと思っている。ことりとにこはラッキースケベどころか選択肢の内容が淫猥になること確定なので論外。亜里沙とルビィはまだ穢したくないので候補外とすると、残りは梨子しかいない。別に彼女を穢したいとゲスな考えを抱いている訳じゃないが、この中では最も無難な会話ができるのは彼女だけだからだ。
でも勘違いしないで欲しい。さっきも言ったがパンツを覗いて剥ぎ取ったりとか匂いを嗅ぐとか、そういった変態な気持ちは一切ないんだ。俺はただ自分の未来を守るために、純粋な思いで動いている。こう言うとやけにカッコよく聞こえるな……。
「手数をかけて申し訳ないが、梨子に連絡をしてくれ。俺のところへ来いってな」
「えっ、それくらい自分ですればええやん?」
「電話できないんだ。神によって封じられてるから……」
「なにそれ中二病?」
「違うわ!! 電話番号教えるからさっさとかけろ!!」
曜との会話でもそうだったけど、また中二病扱いされちゃったよ……。だって仕方ないだろ、このゲームに関する設定は喋れないようにプログラムされているっぽいからさ。だからこそ早急にこのゲームをクリアしないと。そもそもそのクリア方法ってのが未確立なんだけどさ……。
とりあえず希に梨子の電話番号を教え、彼女を俺の元へ召喚する手筈を整えてくれた。これで梨子が用事で来られないという最悪の事態は回避できたので、危なげながらも第一関門は突破できた。どうして女の子を呼び出すだけでここまで神経を使わなきゃいけないのやら……。
~※~
「せ、先生!」
「おぉ、梨子。急に呼び出して悪いな――――って、やけに顔赤くないか?」
「そりゃそうですよ! い、いきなりデートとか……」
えっ、デートとか一言も言ってないはずなんだけどなぁ。もしかして希の奴、ただ呼び出すだけでいいって言ったのに余計なことを付け加えやがったな。
でもそのおかげか、梨子がおめかしをしてきてくれたので服装は短いスカートのワンピースだった。口が裂けてもスカートを履いて来いと変態丸出しの台詞は言えなかったので、これは希がグッジョブといったところか。
そしてここで、もう何度目か分からない選択肢が俺の目の前に現れる。
Q.梨子の服装を褒めろ!
1.肩と腋が丸出しのエロい服だな。袖口から手を入れてみたいよ。
2.薄着すぎて、いつでも脱がしてくださいと言ってるようなもんだぞ?
3.あまりにも薄着だから全裸かと思ったわ。
どれも褒めてねぇだろ!! 最近やっと梨子が俺に対する好感度を上げてきているってのに、これだとどの選択肢を選んでも好感度が地を突っ切っちまうじゃねぇか……。
でもよく考えてみれば、ラッキースケベの対象に選んでいる時点で好感度を気にする方が野暮ってもんだ。それに俺が母さんの腹の中に転生してしまったら、それこそ梨子の好感度どころの話ではない。最悪好感度は取り戻せる。だって梨子が抱いていた俺の好感度なんて、出会った当初はマイナスからのスタートだったんだから。それをたった数か月でデートをする仲になったんだから、多少の無茶は彼女も許してくれるはず。ていうか許せ。
よし、それなら選ぶ選択肢は3番にしよう。どれを選んでもジョークで誤魔化せるのだが、最も弁解しやすいのがこれだから。
「あまりにも薄着だから全裸かと思ったわ」
「ぜっ!? ぜ、ぜぜぜ……そ、そんな風に見えます……?」
「いや、見えないけど」
「はぁ!? どっちなんですか!? ま、まさか、私をからかって……」
「ジョークだよジョーク! いかにも俺が言いそうなジョークなんだから、そこまで気にするなって」
「女の子の服を全裸みたいとか、褒め方が変態すぎますよ……」
それはこのゲームを開発した秋葉に文句を言ってくれ。俺はただ選択肢の導きによって無理矢理言わされているだけで、決して薄着の彼女を全裸だとは――――――と、ここで思考が途切れる。
梨子の服は肌色寄りベージュのワンピース&スカートなのだが、その色がやけに彼女の肌の色と酷似しているため全裸に見えなくもない。こうして隣にいると服を着ているとはっきり分かるのだが、彼女とすれ違ったり遠くから見た人によっては全裸に見える可能性はある。さっきはジョークと否定したが、あながち間違ってないのかもな……。
「まあ先生がそんな性格だってことは承知の上なので許します。それで? 今日はどんな御用でしょうか?」
「あぁ、別にこれといった用事はないんだ。お前に会いたかったから、それじゃ不満か?」
「ふぇっ!? そ、そうなんですか私と2人で……へぇ……」
梨子は俯きながら右手で髪をくるくると回して弄っている。いつもならそんな幼気な様子を見て微笑ましく思うのだが、今日の俺は女の子のパンツを覗き見るだけの存在。女の子に対して愛情を持っていては、とてもじゃないがラッキースケベを自ら引き起こすことなんてできない。あまり梨子の気持ちを考えているとデートを楽しみにしてくれているところ申し訳ないと心が痛くなってくるので、ここからは人間の心を捨てよう。変質者、セクハラ魔、性犯罪者――――もうどんな汚名を着せられようが、心を失った俺には何を言っても無駄だから。
そして俺は梨子とデート(もどき)をすることになった。パンツを覗くならこちらから覗きに行くよりも自然に覗ける状況を作るのが望ましい。それを考慮するとパンツ覗きの定番中の定番、階段がベストスポットだ。この街で急な階段があるところはただ1つ、μ'sが練習でもよく使用してた神社前の長い階段である。特に行く当てはないと言ったのだが、俺は最初からそこへ行くと決めていた。
そうこうしている間に階段の入口にやって来る。もう後戻りはできないので、ここからは何も考えず脳死状態で作戦を実行するしかない。エロいことなど考えず、ただパンツを覗くことだけに集中しよう。
「すまん。靴紐が解けたから先に行っててくれ」
「えっ、別に急いでないので待ちますけど……」
「いやぁ俺って靴紐結ぶの下手くそでさ、時間が掛かっちゃうんだよ」
「そうなんですか? それじゃあ私が結んであげますよ」
「ほぇ?」
ちょっ、意外な展開で早速俺のプランが崩れちゃったんだけど!?
俺はしゃがんで靴紐を持ちながら頭の中で必死に代替プランを練るが、既に梨子は俺の前まで接近していた。
そして、彼女も俺と向かい合うように腰を降ろす。
野外で元教え子に靴紐を結んでもらうという非常に恥ずかしいこの構図。ここからどうやってパンツを覗くためのラッキースケベ展開に持ち込もうかと考えていたのだが、神の恵みかそれとも必然だったのか、この一瞬で転機が訪れた。
梨子の服装は何度も言うようにワンピース&スカートなのだが、夏場なせいもあってそのスカートの丈はかなり短い。そんな恰好をした子が腰を降ろし、しかも片膝を着いた状態であるため、スカートがどうなっているのかはもうお察しのこと。スカートの絶対領域の"絶対"を乗り越えたその先、純白の布切れ――――パンツが丸見えとなっているのだ。これまではラッキースケベを演出しようとしていたのだが、まさか本当のラッキースケベが訪れるとは、やっぱり俺ってギャルゲーの主人公か??
「先生? どうしましたか?」
「あっ、い、いや……」
ワンピースの梨子に靴紐を結ばれながら、スカートの中が丸見えで上目遣いで心配されるこのシチュエーション、ヤバくないか? これこそギャルゲーの立ち絵に相応しく、本物のゲームだったらホーム画面のギャラリーからいつでもこの構図のイラストが拝めることだろう。
そして俺は重要なことに気が付く。パンツを覗き見ることができたってことはもしかして……。
『ミッション:
6時間以内に女の子のパンツを覗け!!
達成!!
報酬:パンツを見た女の子の好感度+100』
やっぱり! 最初はどうしたものかと戸惑っていたのだが、俺の主人公属性のおかげでラッキースケベにも恵まれて助かったよ。とにかく今後はパンツのことを考えないで済むと思うと、幾分かは気が楽になるな。いやぁ良かった良かった!
「せ、先生!? こっちに倒れて……!!」
「えっ……!?」
ミッション達成で安心していたのも束の間、全身の力が完全に抜けきっていた俺はいつの間にか身体が前に倒れようとしていた。当然目の前には靴紐を結んでくれている梨子がいるため――――――
「うわっ!?」
「きゃぁっ!」
気付いた頃には自分の身体を制御することは叶わず、そのまま梨子を押し倒す形で倒れてしまった。
そして、俺の両手には何やら柔らかい感触が伝わってくる。右手は梨子の胸を、左手はスカートの中、つまり秘所を覆っているパンツをそれぞれ握りしめていた。これぞラッキースケベと言わんばかりのシチュエーションで、彼女の胸や秘所を弄っている感覚はもちろんあるのだが、それ以上にここまで綺麗な流れでこのシチュになったことに何故か感心していた。
「ひゃぅ……せ、先生ぇどこを触ってるんですかぁ……」
「わ、悪い!」
やべぇ、また梨子の好感度がガタ落ちになってしまう。出会った当初の彼女は俺のセクハラ行為を厳しく取り締まっていたため、今回はその頃の鬼神さが戻り正義の鉄槌を喰らわされることだろう。まあいいよ、殴られても。ミッションを達成した俺に怖いモノなんてない。それにさっきも言ったが、好感度はまた取り戻せばいいしな。
―――――――と、思っていたのだが……。
「先生、最初からこれが目的だったんですか……?」
「違う。たまたまだ」
予想に反して梨子がしおらしい態度だったので、俺も思わず素の対応をしてしまった。意外にも好感度が地の底という訳でもなく、どちらかというと変わってない気がする。思い出してみると、ミッション達成の報酬は『パンツを見た女の子の好感度+100』だった。まさか、本当にその報酬が適用されたとでもいうのか? いくら俺の世界がギャルゲーだとしても、梨子たちからしてみれば現実の世界に変わりはない。だから女の子の好感度の操作をするなんてできるはずが――――
ここで、このゲームを決する選択肢が現れる。
Q.梨子に愛の告白をしろ!
1.好きだ!
2.付き合ってくれ!
3.結婚しよう!
どうしてここへ来て選択肢の内容がどれもまともなんだよ!? これまでみたいに遊び心があったらまだ弁解の余地やジョークで誤魔化せたものの、これじゃあ直球過ぎて相手に勘違いさせることすらもできねぇじゃん! ミッション達成で好感度が溜まったからって、いくらなんでも告白イベントが早すぎる。しかも梨子の胸と秘所を弄っているこんな状況で告白なんて、本当に成功するのかよ……。
しかし俺は選択肢を選ぶことを強いられているので、この3つ以外の言葉を発することはできない。仕方がないので、中でも一番無難そうな1番を選ぼう。避けようのないイベントだしこの際だ、梨子の反応を見て無理矢理にでもこのゲームを楽しんでやる!
「好きだ!」
「へ? す、すすすす好き!? わ、私のことがですか!?」
「ま、まぁそういうことになるかな……」
「それって恋人として付き合ったあと、結婚しようってことですよね!? 赤ちゃん……先生の赤ちゃんを私が……!!」
「え~と、梨子さん。やけに話が飛躍してませんかねぇ?」
未だに俺の手は梨子の胸と秘所に当てられているのだが、彼女はその事実すらも忘れて真っ赤になった顔を両手で覆っている。しかも押し倒されたままである状況なのにも関わらず、セクハラされている羞恥よりも告白された喜びを感じているようだ。まあその喜びも、勝手に妄想が飛躍して勝手に興奮しているだけなのだが……そこは本人が幸せそうなので黙っておこう。梨子はテンションが妙な方向に上がってしまうことがたまにあるが、その時の彼女には何を言っても無駄だからな。
すると突然、梨子は俺を押しのけてふらふらと立ち上がった。正気に戻ったのかと思ったがそんな様子はなく、むしろ興奮が絶頂を迎えて居ても立っても居られないといった感じだ。
「す、すみません! 身体が熱いので、今日はもう帰ります!」
「そ、そうか。それは仕方ないな……」
「そうですね! 仕方ないですよね……うふふ」
「うわぁ、すっげぇ嬉しそう……」
「それではまた!」
「あ、あぁ……」
梨子はテンションの高さを周りに振り撒きながら、陽気にこの場を去っていった。本人が幸せそうならそれでいいと言ったが、これ後からどうやって誤解を解こうかな……? あそこまでテンションが上がるほど好感度が高かったことに驚きだが、それ以前に告白に対する返事がもらえていないのでこのゲームはまだまだ続きそうだ。俺は何のためにセクハラしながら告白したんだよ……。
そして、俺の視界にやけに豪華なメッセージウィンドウが表示された。
『ゲームクリアおめでとう!
体験版はここまで。続きは【人生版ときめきメモリー(R-18)】をプレイしてね♪』
クリアなのかよ!?
しかもエロゲーに続くギャルゲーとはまた斬新な……いや、感心したら秋葉に負ける気がするのでダメだ。
ん、待てよ? もしかして、今度はR-18版をプレイさせられるとか……ないよな?
実は私はそこまでギャルゲーに触れたことがないので、ギャルゲーのお約束要素を回収しきれたかは微妙なところですね(笑) それでもいつもとは違った雰囲気のお話を味わってもらえたかと思います。
次回からは再び本編に戻りまして、虹ヶ咲のメンバーである
新たに☆10評価をくださった
IOSgotyuumonnさん、シルベさん、 新撰組一番隊隊長沖田総司さん
ありがとうございました!
まだ評価をつけてくださっていない方は、この300話記念を機に是非とも評価を残していってください! こちらのやる気も出ます!(笑)