ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 合同合宿編、15話目
 いつの間にかAqoursのシリアス担当になっていた梨子回。遂に本音と本音がぶつかり合います。


ハーレム離反!?

「あぁ~いい湯だった。帰る前にもう一度入りたいから、朝風呂にでも行くかな」

 

 

 善子にご主人様としての品格を教えてやった後、俺は1人貸切の温泉を堪能して旅館内をふらついていた。夏と言えども19時を回ると夜も更けており、外へ出てみると心地よい潮風により夏とは思えないくらいの涼しさを感じる。想像以上に涼しくて湯冷めしてしまいそうだけど、その寒暖差が癖になっちゃうのが人間ってものだ。ほら、冬に部屋をちょっと暑いくらいに暖かくしてアイスを食べたくなるあの現象だよ。身体には悪いだろうが、一時の快楽に身を捧げたくなるのは人間の性だから仕方がないだろう。

 

 そんな不健康な情事に身を任せていると、旅館の中庭の先に竹の柵で仕切られた細い道のようなものがあることに気付いた。辛うじて2人並んで歩けるような細い通路で、成人男性より少し高い植木と竹の柵で囲まれた和風旅館にありがちな並木道だ。花丸の相談を受けた場所も中庭だったのだが、ダンジョンの隠し通路みたいに道が見えづらかったので全く気が付かなかった。現にこの道、電飾が一切施されていないので、満月の夜と言えども背の高い植木が月光を遮断してしまいかなり暗い。下手をしたら女の子が汚い男に襲われるシチュエーションとして使われていそうだ。

 

 そして少し歩くと、薄っすらと女性の人影が見えた。こんな辛気臭いところに、しかもこんな暗闇の中に佇んでいるなんて相当な陰キャに違いない。まあそんなことを言ったら自分もだけど、俺は興味本位で入ってるだけだからね。女の子がこの道に迷い込んでいるから助け出して惚れさせようとか、そんなことは一切思ってないから。また誰かのハートを射止めてしまうと、μ'sのみんなからの目線が怖いからさ……。

 

 そんなことよりも、目の前の女性の人影だ。その人影は道の途中に設置されている竹で作られた椅子に座っているようなのだが、全然動かないのでもしかして霊なのではないかと勘違いしそうだ。まあ幽霊だったとしても、女の子なら惚れさせちゃえば俺の勝ちだ。現に一度、淫乱な幽霊ちゃんに付き纏われたことがあっただけでなく性交渉まで求められたことがあった。

 

 その人影の形は長い髪に華奢な身体付き、ペンとノートを持って夜空を見上げてぼぉ~っとしている。どこかで見たことがある造形だと思い少し近づいてみると、予想通り俺の見知った子であった。

 

 

「梨子?」

「ひゃぁっ!? せ、先生!?」

 

 

 えらく高い声で叫びやがったなコイツ。他の誰かに聞かれてたら通報されそうなくらいの本気のビビり声だった。でもこんな暗闇の中で男に声をかけられたら、そりゃ誰でもビビるか。そもそも全く動かずに長い髪の女の子が闇の中に佇んでいる方が狂気さを感じる。梨子の方こそ自分のせいでここが心霊スポット扱いになりそうだって自覚して欲しいよ。

 

 

「お前、こんな暗いところで何してんだ?」

「作曲のインスピレーションを浮かばせるために旅館の周りを散歩していたら、たまたまこの道を見つけちゃって。気が付いたらここに……」

「音楽のことを考えてたら我を忘れてたってか。芸術を身に宿す偉人みたいに奇抜なことしてんな……」

「あはは……もしかして、私のこと探してました? 何か用事でも?」

「いや、ここに来たのはたまたまだよ。偶然立ち寄った先に幽霊もどきがいたって訳だ」

「私、そんな風に見えてました……?」

「あぁ、見つけてしまった瞬間に呪い殺されると思ったくらいには」

 

 

 嘘です。女の子がこの道に迷い込んでいるから助け出して惚れさせようとか、もう幽霊でもいいから心を奪ってやろうとか考えたりしてました。幽霊姦なんて新ジャンルを開拓……とまではいかないけど、温泉によって火照った身体によって少しテンションが上がっていたのは内緒だ。

 

 俺は梨子の横に腰をかけると、ふと彼女の持っていたノートが目に映る。そこには何も書かれていない、夜の闇でも隠し切れない真っ白のページが広がっていた。

 

 

「あれ? 何も書いてねぇじゃん」

「はい、ちょっと別の考え事をしていて……」

「悩み事でもあんのか?」

「えぇ、まぁ……先生のことなんですけどね」

「お、俺……?」

 

 

 女の子たちの悩み事で自分が標的にされると、気付かぬ間にまた何かやらかしてしまったのではないかと心配になってくる。そもそもこの合宿中にやらかしたのは梨子の方であり、カバンを間違えて持って行った海未に自分の妄想を綴ったノートを見られ恥辱の底に堕ちた。しかもノートの内容が腐女子とレズ御用達のイラストだったため尚更ダメージが大きい。そんな彼女を見ていると、物静かに佇んでいるコイツが別人に見えるよ。

 

 まさか海未に自分の裏の趣味がバレたショックで、抑えきれないオタク精神を更生したいとか言うんじゃねぇだろうな……。

 

 

「周りに人もいないし、こんな状況だから単刀直入に言いますけど」

「へいへい」

「みゅ、μ'sの皆さんと付き合ってるって本当なんですか!?」

「う゛っ、あ゛ぁ!? ゴホッゴホッ!!」

「だ、大丈夫ですか!?」

「はぁ、はぁ……な゛っ……はぁ……」

 

 

 梨子の思いがけない質問に、まるで喘息発作を起こしたかのように咳き込んでしまう。それだけではなく意識がぶっ飛んだかのような感覚に陥り、心臓もあり得ないほど爆速で鼓動しているため、この歳になって寿命を迎えたかってくらい気が動転していた。さっき夜の潮風に当たっていい感じに身体が冷めてきたのに、彼女の衝撃発言で再び身体に熱が宿ってしまう。平静を保てなくなった影響で冷汗が半端なかった。

 

 どうしてコイツが俺とμ'sの最大の秘密を知っているのか? どこで俺たちの関係を知ったのか? 梨子自身はどう思っているのか? 聞きたいことは山ほどあるが、まずは落ち着くことが重要だ。挙動不審ではまともな受け答えができず、かえって梨子を不審がらせてしまうかもしれないからな。

 

 それにしても、いつかはこの時が来るとは思ってたけど、なにも合宿中に来なくてもいいだろ……。それに俺の未来図では自分からAqoursのみんなにμ'sとの関係を語る予定だったから、彼女から切り込まれたことで余計に戸惑ってしまった。もうこの時点でも梨子は俺を不安そうな目で見ているので、1%の疑問もなく納得させないと本人の気が済まないだろう。分かった、覚悟を決めるよ。

 

 

「話すのが憚られるのであれば、無理に話してもらわなくてもいいですよ。なんか、とても訳アリみたいですし……」

「いや、ここでハイ終わりなんて言ったら気になってしょうがないだろ? どこまで知ってるのかすらも知らないけど、聞きたいことがあるなら全部話すよ」

「いいんですか? 一気に体調が悪くなった気がしますけど……」

「気にすんな。今はもう刑事に真実を暴かれて、崖の端で動機を語る犯人みたいな清々しい心境だから」

「それ、語り終えた後に崖から落ちて自殺する展開ですよね……」

 

 

 不思議なもので、あれだけ精神的に追い詰められていたのに吹っ切れると心が一気に軽くなった。これまでずっと心に溜め込んでいた蟠りが解放されたので、そりゃそうもなるか。いつの間にか冷汗も身体の火照りも収まっていたので、ようやく梨子とまともに会話できそうだ。いつもは女の子たちの奇抜な行動に驚かされることはあっても精神ダメージを負うことはないから、さっきは一撃必殺技を喰らったかのように戦闘不能になるところだったよ。

 

 

「さて、聞きたいことはたくさんあるだろうけどまずは俺から質問させてくれ。どうしてお前が俺とμ'sの関係を知っている?」

「それは……先生のお母様が話してくださったんです。はっきりと聞いた訳じゃないんですが、話を聞く限りではそうじゃないかって思えちゃって……。私の勝手な想像かもしれませんが」

「秋葉だと思ったら母さんだったのか。あっ、もしかしてお前が俺の家に来た時に」

「そうです。先生のお母様がいたってだけでも驚いたのに、それ以上に先生のことを聞かされて何が何だか理解するのに苦労しましたよ……」

 

 

 そりゃそうだ。母さんは世界的に羽ばたく女優であり、そんな有名人がいきなり目の前に、しかもその人の口から自分の恩師の浮気性を語られて理解しろって方が難しい。梨子が思い悩むのも無理はないってことだ。

 

 

「恐らくだけど、母さんが言ったこともお前の想像も全部合ってるよ。俺はμ'sのみんなを恋人にした」

「やっぱりそうなんですね。でもどうしてそんなことを?」

「みんなが笑っていられる世界を作るためには、こうするしかなかったんだよ。俺に恋をしてくれる女の子たちを、誰1人として悲しい思いをさせたくないんだ」

「だからってそんな非道徳的な……」

「失望したか?」

「まぁ、改めて聞かされると……。でもどちらかと言えば非現実的過ぎて驚いている、って気持ちが大きいですけど」

「分かってるよそんなこと。俺自身も我ながらヤバいことをやってると思ってるし、実際にお前にバレて気が狂いそうにもなったしな」

 

 

 Aqoursのみんなには秘密にして隠していたからこそ、バレた時の衝撃が大きかった。色んな覚悟や決心をして12股なんて環境を作ってきたけど、心のどこかではやはり最低なことをしていると自覚があったんだ。そりゃ後ろめたいことがなかったら、あんなに咳き込んだり息絶え絶えになることなんてないからな。むしろ俺にもまだまとも精神が残っていたんだと喜ぶべきだろう。ていうか、そう思わないと冷静ではいられない。

 

 そういや、俺とμ'sの関係にここまで疑問を抱いている人は梨子が最初かもしれない。俺たちの関係を知っている秋葉や母さんは歓迎ムードだったし、理事長やヒフミトリオも特段追及しては来なかった。つまりこれまでが如何に恵まれた環境だったかを今思い知らされ、12股を否定する存在に初めて出会ったのだ。自分たちが今までぬるま湯にどっぷり浸かっていたことを実感する。

 

 実際に梨子の表情は訝し気だ。言ってしまえば犯罪者が隣に座っているんだから、むしろ突き放さず話し合いに持ち込もうとしている時点で彼女も相当な覚悟を持っている。千歌や曜のような感覚派ではなく頭脳派だからこそ、自分の腑に落ちるまで俺と向き合う気だろう。

 

 

「どんな理由があれ、先生のやっていることは許されることではないと思います」

「あぁ、そうだな。誰が見ても最低最悪なことをやってるよ」

「それが分かってるならどうして……」

「例え周りから非難されようが、守りたかった子たちがいるんだよ。みんないっぱい悩んだ、数え切れないくらい迷った、たくさん泣いた。そんなみんなと俺が辿り着いた結果が今なんだ。だからどんなに非人道的であろうとも、俺たちは誰1人として今の関係に後悔なんてしてないよ」

「愛さえあれば関係ないよね、って考えですか?」

「関係ないってのはちょっと語弊があるな。気にしてなきゃ、さっきの俺みたいに取り乱さないだろ」

「こんな最低なことをしているんですから、いい気味ですよ全く」

「お前、案外攻めてくるな……」

 

 

 梨子の様子を見る限り完全に納得をしたとは言い切れないが、とりあえず確固たる意志を持っていたことは認めてくれたみたいだ。もし何の考えもなしに『ノリで12股してましたぁ~』なんて言ったら、今頃梨子は俺に失望してこの場から立ち去っていただろう。そして淀んだ心のままスクフェスに挑めるはずもなく、Aqoursは梨子1人の離反で出場を辞退していたに違いない。そうならないためにも、俺は最初から本音を全て吐き出すと決めていたんだ。

 

 もちろんだが、梨子を言い包めて俺の意見を正当化させようなんて思っちゃいない。自分が如何に非道徳で非人道なことをやっているのかを認め、相手に知ってもらい、その上で自分の意志を話す。結局のところ納得してくれるかどうかは相手次第なのだが、かといってこちらの意志を偽る理由にはならない。それにその相手が梨子だからこそ、全てを知ってもらいたかったんだ。もしかしたら、いや確実に俺は彼女をその最悪最低に巻き込むんだから。

 

 

「腑には落ちましたが、理解はできません」

「12股してる男の考えなんて、理解しろって方が難しいよな」

「理解をするには、先生とμ'sの皆さんと過ごした日々を1から10まで知った人じゃないとできないでしょうね。だから今の私には、先生がどんな思いでこんな行動に出たのか測りかねます」

「別に誰かに理解されたいとか思ってねぇよ。そもそも相手を説得できるほど込み入った理由がある訳でもない。ただμ'sのみんなを全員幸せにしてやりたかった、ただそれだけなんだから」

 

 

 結果的に取った選択肢が非現実的であっただけで、そこに至る過程は俺の一途な想いからだった。そしてその気持ちを誰かに押し付けて、無理矢理にでも納得してもらおうなんて思っちゃいない。ただ1つだけ、勘違いをして欲しくないだけだ。俺たちは何も考えず、流れのままにこんな関係になったのではないってこと。それだけ分かってもらえれば、あとはどう思われようが相手の勝手だ。

 

 その時、梨子はこれまで以上に真剣な面持ちで俺の目を見つめてきた。また俺に質問を投げかけてくるのだろうが、その質問こそ彼女の中での核心だと察した。恐らく、ここの返答次第でバラバラだったパズルのピースを隙間なく埋めることができるか、それとも更にぐちゃぐちゃにして修正不能の状態になるか。それは俺の受け答え次第だ。

 

 

「一番聞きたかったことがあるんですけど」

「なんだ?」

「μ'sの皆さんは今、幸せですか?」

 

 

 やはり核心だった。

 だけど、愚問でもあった。

 

 

「幸せだよ、みんな」

 

 

 当たり前だ。もはや全世界の全人類が一般教養レベルで知っていてもおかしくはないってくらい当たり前のことだった。

 紛うことなき事実だが、梨子にとってはそこが一番の懸念点だったのだろう。現に今も疑わしそうな顔をしている。さっき自分の意見は別に納得してもらわなくてもいいと言ったが、これだけは納得させておきたい。μ'sを幸せにするってのは俺の最大命題であるから、そこだけは疑いを持って欲しくないんだ。

 

 

「合宿中にμ'sを見て何も感じなかったか?」

「楽しそう、でしたね。自分の周りはみんな先生の恋人なのに、違和感を覚えたりはしないのでしょうか……」

「まあ5年もこんな関係を続けてるから、違和感どころかそれが日常なんだよ。つうか周りにいる女の子たちがみんな同じ人の恋人なんて、いちいち考えてねぇと思うんだよアイツら」

「そんなものなんですかね?」

「そんなもんだよ。現状を当たり前のように受け止めているってことは、何の不満もないってことだ。俺たちはみんな常に一緒だから、誰かが不満を持てばそれだけで日常が崩壊する。特に緩急にない日常だけど、逆にそんな平穏が幸せを表してるんだよ」

 

 

 μ'sのみんなと付き合っていることで、何か特別なことが起きているのかと聞かれたらそうではない。付き合う前と後で心の距離は近くなったが、それで毎日が特段変化した訳でもない。でも普段の日常が変わらないからこそ、俺たちの間に何の柵もないってことが分かるんだ。大きな事件が起きて、その解決の末に結ばれるとか、そんなドラマやアニメのような展開はいらない。ただ毎日をのんびりと一緒に過ごせる。それだけで俺たちは幸せなんだよ。

 

 

「これからも皆さんを、幸せにできますか?」

「できるよ、絶対に」

「その根拠は?」

「俺だからだよ」

「は……?」

 

 

 さっきまで真剣な口調だった梨子の口から、1オクターブ高い声が漏れ出す。そうだよな、多分彼女がこれまで生きてきた中でも最も意味の分からない返答をされたんだから、そんな反応をするのも無理はない。

 

 

「先生だから、皆さんを幸せにできる……ってことですか?」

「そうだよ」

「いや、そうだよって言われても……」

「絶対にできる。μ'sも、Aqoursも、()()()()も」

「……? とにかく、先生の言い分は不明瞭です」

「俺だからって理由じゃ満足できないかなぁ……」

 

 

 何の実績もなく『俺だから大丈夫』なんて言っても信じちゃもらえないだろうが、俺はこれまでμ'sを幸せにし続けてきた実績がある。それを踏まえて信じてもらいたかったのだが、やっぱり梨子は手強い。彼女だけではなくAqoursはみんな繊細ゆえに悩みや迷いがあったりすると深く考え込む子が多いから、過去の実績があったってAqoursの子たちを上手く懐柔できるかは分からないのかもな。

 

 でも、やるしかない。

 好意を向けられたら受け止める。それが例え複数の女の子からであっても。それが神崎零の恋愛ってもんだろ?

 

 

 すると、梨子は趣にその場で立ち上がった。

 さっきまで不審な目で俺を見ていたのに、いつの間にか微笑みに代わっていた。この一瞬で、彼女の中で心境の変化があったのだろう。

 

 

「どうした……?」

「納得も理解も、増してや満足なんてもっての外ですが、先生ならば大丈夫って安心感が生まれてくるのはどうしてでしょうね?」

「……なるほど。それは、お前が俺のことを自分の思ってる以上に信頼してくれているからじゃないのか?」

「そうかもしれません。話をする前は先生に対して少しですが失望していた部分もありました。でも、先生は先生なりにμ'sの皆さんのことや私たちに向き合ってくれていたんですね」

「俺が所構わず女の子に手を出す変態とでも思ってんのか……」

「え゛っ!?」

「いやなにその『今更何言ってんのコイツ』みたいな顔!?」

「今更何言ってるんですか……」

「おい、ちょっと引いただろお前!!」

 

 

 まあこうやって気持ち悪がられるところも含めていつもの日常ってことか? いや俺は全然納得できないけどね……。

 でも、何とか梨子に話を聞いてもらえてよかったよ。こんな機会でもないと話すタイミングなんてないし、現に彼女は俺に不信感を抱いてたからそんな気持ちを持ったまま合宿を終えたくもなかったしな。もちろん梨子が俺とμ'sの関係に納得したとは思っていない。だけど俺は貪欲だから、いつか梨子も俺の手で――――――

 

 

「とりあえず、悩み事を全部吐き出せてスッキリしました」

「そりゃ良かったな。俺は冷汗をかいたから、もう一度温泉に入りなおさないといけないけど……」

「ご一緒しましょうか?」

「えっ、ホント!?」

「なに子供みたいに喜んでるんですか、冗談ですよ♪」

「おい……」

 

 

 この瞬間、俺は決心した。

 やはり梨子はこの手で堕とさなければならないと……。

 

 見てろよ。12股の最低男の実力、そう遠くない未来に見せつけてやるからな。

 




 零君の選択をここまで咎めた女の子は梨子が初めてだったりします。自分が好きになった人に恋人が12人もいたら、そりゃ疑心暗鬼にもなりますよね(笑) 今回は何とか梨子の追及を逃れられましたが、千歌たちに秘密を明かす時も一筋縄ではいかないようです。

 次回は妙に参戦フラグが立っていましたが、虹ヶ咲回です。
 なんとメンバー全員が大集結します!


新たに☆10評価をくださった

ぴょこさん

ありがとうございます!

まだ評価を付けてくださっていない方、是非☆10評価を付けていってください!
小説執筆のやる気と糧になります!

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