ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 今回からはしばらく日常編が続きます。
 合宿編がかなりのシリアスムードだったので、今回のようなほのぼのとした雰囲気は久しぶりかも。


帰ってきた日常

 俺の朝は早い。海外製の高級ソファに腰を掛け、イギリスの英字新聞を周りに見せつけるように開けて読む。妹特製のサンドイッチとバリスタ顔負けのコーヒーを嗜みながら、冷房が程よく効いた部屋で優雅にくつろぐ。俺の日常はまさに幸福の絶頂。これほどまでに高貴で豊かな生活を送っている奴は、この俺を置いて他にはいないだろう。ソファの後ろには命令すれば何でも言うことを聞く妹メイドもいるし、もはやこの家は皇帝の宮殿と言っても差支えない。ゆくゆくはμ'sやAqoursも加え酒池肉林を堪能し、嗜虐の限りを尽くすのが俺の――――

 

 

「つめたっ!? 楓!?」

「なにさっきから意味分からないこと言ってるの……」

「サラッと心を読むなって」

「いや全部口に出してたからね??」

 

 

 楓は右手に持つ凍らせたペットボトルをくるくる回しながら、ソファに座っている俺をジト目で見下す。なるほど、そのペットボトルを俺の首に押し付けて優雅なひと時を邪魔したって訳か。妹メイドの分際で、ご主人様の快楽を邪魔するとは万死、いや奴隷に堕とされても知らないぞ?

 

 

「言いたいことはたくさんあるけど、まず今は朝の11時だよ? なぁ~にが『俺の朝は早い』んだって話。もうお昼じゃん」

「いやそれは雰囲気を出すための設定であって……」

「それに英字新聞を開いてって、ただタブレットで英語の記事読んでるだけじゃん。あたかも紙の新聞を想像させるような誤解を生む発言をして……全く」

「だ、だからさ、それは――――」

「まあサンドイッチとコーヒーは私のお手製だけど、別にメイドになったつもりはないからね? 確かに私はお兄ちゃんのことは大好きで、できるだけ願いを聞いてあげたいよ? でも命令すれば何でも従うアンドロイドじゃないんだから、もう少し人権を持たせて欲しかったなぁ」

「あ、あの……楓さん?」

「最後に酒池肉林を楽しみたいってなに? お兄ちゃんがご主人様体質なのは私が一番よく知ってるけど、間違っても外でそんなことは言わないでね。一緒にいる私が恥ずかしくなってくるから」

「いつもはブラコン全開で卑猥な発言ばかりしてるくせに……」

「ん? 何か言った?」

「さ、さぁ……」

 

 

 珍しく俺に反抗してくる楓だが、家の中の彼女は意外とドライなのだ。外では俺とのラブラブっぷりを見せつけるためにブラコン発言を連発するが、家の中で俺と2人きりだとダメ亭主を躾ける主婦としての色が強くなる。まあ所構わずブラコンな妹よりも、こうして要所要所で正妻力を見せつけてくれる妹の方が断然可愛いけどね。それに根の部分はいつまでもお兄ちゃん大好きっ子なので、俺に尽くしてくれることには変わりない。いやぁやっぱりそんな妹を彼女にしてホントに良かったよ!

 

 

「バカなことやってないで、早く着替えて」

「どうして着替える必要がある? 今日はオフだぞ?」

「待たせてるから、そこで」

「ん……?」

 

 

 楓が廊下を指さすと、そこには凛と希が俺を手招きしながら待っていた。

 どうしてアイツらがここにいる……? 2人も楓と同じく、俺の優雅な朝を邪魔する気か? まあもう11時なんだけどさ……。

 

 

「なんでお前らがここにいるんだよ?」

「いやね、凛ちゃんと一緒にラーメンを食べに行く約束をしてたんよ。それでたまたま零君の家の近くを通りかかったから、ついでに誘ってあげようかなぁと思ってね」

「謎の上から目線は何故……?」

「いいから早く着替えて出掛けるにゃ! 今から行くところは人気のラーメン店だから、お昼になるとすぐに混んじゃうんだよ」

「メンドくせぇけど、どうせ拒否権はないんだろ?」

「「もちろん!」」

「だから、どうして上から目線なんだよ……」

 

 

 楓といい凛と希といい、今日はやたら女の子にマウントを取られる日だな……。さっき女の子たちとの酒池肉林を堪能する夢を掲げていたのだが、今の様子を見る限り支配するどころか逆に尻に敷かれそう……うん、なんか惨めになるから考えるのはやめよう。

 

 

「まあ仕方ねぇから付き添ってやるか」

「はい、行ってらっしゃい」

「は……? いやいやいやいや、お前は行かないのかよ!?」

「『は?』はこっちだよ。こんなクソ暑い日に出かける方がバカでしょ? お兄ちゃん朝から変なことばかり言ってるけど、遂に頭沸いちゃった??」

「今日俺の扱い酷くね!?」

 

 

 なんだろう。もしかして俺は別の世界線、つまりパラレルワールドって奴にワープしちまったのか? そこは女尊男卑の世界であり、例えハーレムを築こうとも男は女の子たちの尻に敷かれる人生を送る世界。それってもう男がストレス解消の道具というか、ただのサンドバッグな気がする。女性たちに搾り取られ続ける性奴隷希望のM男だったら喜ぶのかもしれないが……。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「あっつ……。こんな日に外に出る奴の気が知れねぇわ……」

「でもたまには汗をかかんと、身体が体温調整を忘れて体調を崩しやすくなるんよ。合宿から帰ってきて一度も外に出てないって楓ちゃんが言ってたし、ええ機会なんやない?」

「余計なお世話だっつうの。それに熱中症の方がよっぽど怖いから、冷房をガンガン効かせた部屋にいた方が体調的にもいいだろ。昨今では技術の進歩で冷房代も安くて済むし、いい時代になったもんだよ」

「なるほど、こうしてニートが建設されていくんやね……」

「大学生の夏休みなんてそんなもんだろ」

 

 

 真夏の街中を練り歩きながら、家の中こそ至高理論をこれでもかと言うくらいに主張する俺。人も多いこんな街中を夏の昼間に歩かされていたら、そりゃ反抗の1つや2つしたくなるに決まってんだろ。連日35度超えの猛暑が続いているので、合宿先との温度差はかなり違う。向こうは海が近くにあったし、何より自然に囲まれた避暑地だったために快適で毎日が過ごしやすかった。それが東京に帰ってきてみればどうだ? もう暑さで溶けちゃうよ? それくらい今年の夏の暑さは厳しいのだ。

 

 しかしそんな中でも希は汗1つかいてないし、凛に至ってはラーメンが楽しみすぎて夏の暑さを感じることすらも忘れているようだ。女の子って夏でも常に爽やかそうだけど、暑さを感じにくいのかな?

 

 

「零くんも希ちゃんも早く早く! お店が満席になっちゃうよ!」

「走れと言うのか、この炎天下の中……」

「これで間に合わなかったら、零くんは激辛ラーメン特盛ね」

「こんなクソ暑いなかで激辛食わせるとか鬼かよ……」

「元々零くんが全然起きてこないから悪いんだよ! 1時間も待ったんだから」

「そこまで待ったんなら、家で飯だけ食って帰ればよかったのに……」

「最初はそうするつもりやったんやけど、楓ちゃんから零君が準ニート状態だから無理矢理でも連れ出せって言われちゃってね。自分の恋人がヒモで引き籠りのニート穀潰しオタクなんてμ'sの風評被害にも繋がるやん?」

「なにその罵倒のフルコースは……」

 

 

 やっぱり今日はみんなからの風当たりが強い気がする。まあ楓や希が言っている準ニートというのはあながち間違ってないから、そんな社会の底辺を見下すのは当たり前と言えば当たり前か。それを加味してもみんなサラッと毒を吐くもんなぁ……あれ? このまま尻に敷かれる?? 確かに最近はμ'sの誰とも恋人らしいことをしてない気がする。外が暑いからずっと家に引き籠っている俺のせいなんだけどさ……。

 

 

「あれ? 凛ちゃんに希ちゃん? そして……零くん!!」

「あっ、ことりちゃんだ!」

「どうして俺を呼ぶ時だけテンション高いんだ……?」

 

 

 俺たちは道沿いにある雑貨屋から出てきたことりとたまたま鉢合わせた。ことりの奴、凛と希の顔を見た時は思いがけない出会いにきょとんとした面持ちだったのに、俺の顔を見るなり急に笑顔になり始めるんだから不気味なもんだ。ことりの笑顔にちょっとゾクッとするあたり、俺も相当コイツに毒されてきたと思う。俺以外の男だったらその笑顔を見るなり即ノックアウトしそうなものだが、コイツのことだ、笑顔の裏で何を考えてるのか分かったもんじゃねぇから。

 

 

「零くんが外にいるなんて珍しいね。どういう風の吹きまわし?」

「楓に家から追い出され、コイツらに無理矢理引っ張り出されたんだ」

「ふ~ん。確かに、自分の恋人がヒモで引き籠りのニート穀潰しオタクなのは嫌だもんね」

「お前もかよ!? もしかしてさっきの会話盗聴してた!?」

「ん~? なんのこと~?」

 

 

 さっきから太陽より明るい笑顔を崩さないことり。でも魔性の笑顔は彼女の言葉に胡散臭さを漂わせる。ゆったりとした言葉遣いなのが逆に疑わしさを増幅させており、さすがμ'sの中でも屈指の不思議ちゃんと言うべきだろうか。コイツの発言次第では、穂乃果や凛がまともに見えること多々あるからな……・

 

 

「そうだ! ことりちゃんも一緒にラーメン食べに行かない?」

「ラーメンかぁ……うん、いいねそれ! 暑い日だからこそ熱いものが食べたくなるんだよね」

「さっすがことりちゃん、分かってるぅ~」

「でもことりちゃんって、ラーメン食べてるイメージあんまないなぁ。そもそも食べたことあるん?」

「さすがにあるよ~! ね?」

「いや、ねって俺に言われても……」

「ね?」

「…………そ、そうだな」

 

 

 勢いに抗えず咄嗟に肯定しちゃったけど、俺だってことりがラーメンを食ってるところを見たことがない。ありもしない記憶を強制的に植え付けようとしてくるなんて、そんじゃそこらのヤンデレでもしないだろう。洗脳型のヤンデレなんて新ジャンルを今まさに開拓しようとしていることりだった。

 

 

「ことりちゃんって上品なモノばかり食べてるイメージで、ウチら一般庶民が口にするモノなんて食べなさそうなイメージやもんね」

「つまり、ことりちゃんはゲテモノ嫌いってことかにゃ?」

「えぇ~ゲテモノも大好きだよぉ? ねぇ~零くん?」

「なぜ俺の下半身を見る……」

 

 

 それはゲテモノではなく、女の子を牝に変貌させるモンスターだ――――て、こんなことを言ったら俺もことりレベルになるからやめよう。そもそもこれから飯を食いに行くって言うのに、どうしてこんな汚い話をしてるんだ……? 希はことりの言ったことの意味が分かっているのかクスクス笑ってるし、天然な凛は首を傾げているため、もはやこの流れを止める奴は誰もいない。ストッパーとなる海未や真姫がいないと危険だよ、μ'sってグループは。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 無事にラーメンを食すことができた俺は、ことりと一緒に街中をぶらついていた。凛と希は別の用事があるらしく、ラーメン屋の前で別れて今に至る。

 それにしても、コイツと2人きりなんて珍しい気もするな。そもそもμ'sと一緒にいると必然的に複数人でいることが多いので、こうして誰かと2人きりで街を歩くなんてことは久しぶりだ。デートのつもりはさらさらないけど、隣にいる淫獣はこれでも俺の恋人。一応これもデートになるってことか。こっちは淫獣を散歩させてる気分だけどね。

 

 

「2人きりだね……」

「そうだけど、またよからぬことを考えてんじゃねぇだろうな?」

「よからぬことって、例えば??」

「今まさにお前が考えてるようなことだ」

「だったら大丈夫だね! 今晩零くんと一緒にどこのホテルに泊まろうかなぁって考えてただけだから!」

「お前の大丈夫の基準が分かんねぇよ……」

 

 

 一般人が考えるホテルとコイツが考えるホテルではまるで意味合いが違ってくる。ことりの脳内に浮かんでいるホテルは間違いなくあっち方面のものであり、それをよからぬことではないと言い放つその度量が凄まじい。こうしてちょっと会話するだけでも彼女の淫乱性が垣間見えると言うか、いつどんな危険な発言をするか分からない底知れぬ存在だと察することができるだろう。

 

 こんな真昼間から道の真ん中でホテルの話をするなんて、人は変わるもんだな。出会った頃も掴みづらい奴だとは思ってたけど、当たり前だが今ほどではない。少しばかり長い思春期が続いているだけなのか、もう根底からこのキャラに変貌してしまったのか。真実は誰も知る由がない。

 

 

「そういやお前、1人で何をしてたんだ? さっき雑貨屋から出てきたよな?」

「使えるものがないか探してたんだよ」

「使える? 何を?」

「…………知りたい?」

「いや、急に知りたくなくなった」

「えぇ!? 零くんから聞いてきたのに!」

 

 

 そりゃね、さっきの変な間から察するに、碌でもないことを考えているのはお見通しだ。そんな時は下手に付き合わずにスルーする。これが脳内お花畑ちゃんと付き合う際に最も重要なことだ。不思議ちゃんのペースに飲まれたら、どれだけ精神力を磨いたとしても耐えられるはずがない。いい加減この淫獣とも長い付き合いなんでね、変態の扱いについては達観してるよ。

 

 

「あら、零に、ことり?」

「真姫ちゃん!? わぁ~こんなところで会うなんて奇遇だね!」

「え、えぇ。もしかして、デート?」

「いや、ちが――」

「そうなんだよ! 今日は朝起きた時からずっと一緒なの!」

「おい……」

 

 

 なんで堂々と嘘つくのこの子は。それに起きた時からって何だよ? 明らかに昨晩ヤってた発言してんじゃねぇか……。

 別に誰とデートしようが俺の勝手だし、誰かの許可がいる訳でもないけど、こうしてμ'sの誰かと2人きりでいる時に別のメンバーに会うと僅かばかり気まずさがある。もはやそんなことを気にする関係ではないとお互いに認知しているんだけど、どこか気さくになれない気持ち分かるだろ? つまり、今の状況がまさにそういうことだよ。

 

 

「真姫。一応言っておくけど、ことりが言ってることは事実無根だからな」

「知ってるわよそんなこと。夏の日にあなたが家を出たがる訳がないし、どうせ楓に背中を蹴られて外出させられたんでしょ? その途中でことりと出会った。違う?」

「さすが西木野先生。賢い子は話しやすくて好きだよ」

「零がヒモで引き籠りのニート穀潰しオタクって知ってれば、誰にでもできる推理よ」

「………なぁお前ら、もしかして示し合わせてる??」

「はぁ? 事実を言ったまでに過ぎないわ」

「いつにも増してきっついなぁお前……」

 

 

 今日は俺に対する当たりが強いμ's一行だが、真姫だけは平常運転だ。そもそも日常会話でも言葉選びに棘があるので、この程度の罵倒はもう慣れっこだったりする。つうか、女の子からの罵倒が当たり前だと思っているこの日常を満喫してる自分が怖いよ……。

 

 それにしても、みんなどうしてこんなクソ暑い日に外にいるんだ? ここ1ヵ月くらいずっと炎天下の中で練習を続けてきたから、この程度の暑さなど苦に感じていないのかもしれない。俺の場合は家に引き籠っていたからこそ、いざ外に出た時に余計に暑く感じられるのかも。

 

 

「真姫ちゃんも一緒に遊ぶ? 時間があればだけど」

「好意は嬉しいけど、今日は図書館で勉強する日なの。だから2人で楽しんできなさい」

「夏休みも勉強漬けなんて、医学の道って厳しいんだな。つうか自分の家で勉強すりゃよくね? あんな無駄にデカい家なんだから、1人になれるスペースくらいいくらでもあるだろ」

「確かにそうだけど、やっぱり自分の家は家なのよ。だから気分転換をするには外に出るしかないって訳」

「ことりも真姫ちゃんの真面目さを見習いたいというか、その集中力が欲しいよ」

「私だって特段集中力が高い訳じゃないわよ? やりたいことだから好きでやってるんだし、それはことりも同じでしょ?」

「ことりの場合は勉強というより、英会話のレッスンって言った方がいいかな。とにかく経験を積むことを意識してるんだ」

 

 

 …………なんだろう、コイツらの意識高い系の会話は。自分たちの未来に向けて切磋琢磨しているんだからもちろんバカにはしないけど、俺だけ会話に取り残されている感がヤバい。俺も教師の道を歩み始めたと言えばそうなのだが、ことりや真姫と比べたら大して頑張ってもいないし苦労もしていない。ステージ上の彼女たちはもちろん輝いているけど、こうした日常会話でも眩しく感じることがあるからたまに直視できないことがあるよ。

 

 

「零くん? どうしたのさっきからぼぉ~っとして」

「しゃきっとしなさいよ。あなたが夏バテになったらAqoursや虹ヶ咲のみんなが心配するんじゃない?」

「大丈夫。生まれつき健康だけはいいからさ」

「そうやって油断してる人が熱中症で倒れるんだから。気を付けなさいよ」

「その時は真姫に看病してもらうよ。俺、一度でいいから美人の女医に甲斐甲斐しく看病してもらうのが夢なんだよ」

「くっだらない」

「おいおい、人の夢を一刀両断するな」

「なんか私が医者になる夢があなたの下劣な夢のサポートをしてるみたいで、なんか癪になってきたわ……」

「2人の夢を同時に叶えることができるんだ、そんな効率的なことはないだろ」

 

 

 女の子をたくさんモノにすればそれだけ色んなシチュエーションを試せるので、今の俺の立場を考えるに少しくらい夢を見させてもらってもいいだろう。恋人が美人の女医で、しかも強く懇願すればそこそこ言うことを聞いてくれるツンデレちゃんなんて、真姫以外にいないんじゃねぇか?

 

 

「だったらことりもメイド姿で零くんにご奉仕するもん! 朝から晩まで、晩から朝までずっと!」

「お前いつ寝るんだ……」

「零くんに寝ろって命令されるまでだよ。なんたってご主人様の付き人メイドさんだから、ことりの行動はご主人様によって決めてもらうの」

「愛されてるわね、あなた」

「いや重すぎるわ……」

 

 

 今はこうして降り注がれる重い愛にビビっているが、ひとたびその状況に慣れればそれが日常化するんだろうなぁと渋々思う。だってμ'sのみんなが純粋だった頃と現状を比べると、むしろ純粋だった頃の方に違和感を覚えるくらいだから。そう思うと日常に慣れるって怖いな。俺のこれからの日常はAqoursも虹ヶ咲も入ってくるだろうから、もしかしたら想像以上に奇想天外な日常が待ち受けているのかもしれないぞ……。

 

 

「あれ、みんな揃ってどうしたの?」

「穂乃果ちゃん!?」

「穂乃果……」

「あれ、零君もいるなんて珍しい! ヒモで引き籠りのニート穀潰しオタクは卒業したんだね」

「本当に、罵倒に慣れるってのも怖いよな……」

 

 

 そうだった、俺には"今"やるべきことがあるんだった。未来のことはもちろんだが、今はとりあえず汚名を払拭するところから始めよう。せめてμ's以外にその汚名が拡散しないように阻止しなければ。

 

 なんか俺の日常って、人から見れば完全に非日常な気がする……。

 




 シリアスな雰囲気も執筆している分にはいいのですが、やはりどこか刺々しくなっちゃうので、今回のようなふざけた雰囲気の方が執筆していても格段に楽しいです! 皆さん的にはどっちの雰囲気の方が好きなのでしょうか?


 これからしばらくの間、投稿間隔に間が空くかもしれません。日常生活が忙しくなってきたのでリアル優先ということで、何卒宜しくお願い致します。



新たに☆10評価をくださった

猫船さん

ありがとうございます!
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小説執筆のやる気と糧になります!

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