零君の世界が完全無欠になりつつありますね(笑)
※先日ハーメルンにアンケート機能が実装されたので、後書きのあとに設置してみました。
記念すべき第1回は『シスターズの中で妹に欲しいのは?』
是非ご投票をお願いします!
「おはようございます! 零さん!」
「あ、あぁ、おはよう……」
朝飯の前に顔を洗おうと洗面所に立ち寄ったら、何故か両手にタオルを持ったルビィがいた。嬉しそうな笑顔で挨拶をしてきたので、俺がここに来るのをずっと待っていたのだろうか……?
ルビィまで来ているとなると、Aqoursのメンバーが俺の家に集結していると考えて間違いないだろう。いや来てくれること自体は嬉しいんだけど、アイツらの振る舞いは寝起きにしては刺激が強すぎる。そのせいか起床してから数十分経ってる今でも朝飯にありつけない始末。もし仮にたくさんの女の子たちと一緒に暮らし始めたら、毎日こんな感じの朝になるのか……? 毎日が波乱どころの話じゃねぇな……。
「顔を洗って身も心もスッキリしましょう! 零さんが来る前に水の温度を適温にしておきましたから、すぐ洗っちゃっても大丈夫ですよ!」
「気が利くのはありがたいけど、テンションたけぇなお前……」
「そうですか? ルビィはいつものルビィですよ?」
いやいつものお前はもっとオドオドしてるだろってツッコミはしちゃいけないのか? もちろん元気なのはいいことなのだが、ルビィのオーラが嘗てないほどの威圧感なので少し怖気づいてしまう。確かにここ最近で積極的な性格になってはいたけど、ずっと笑顔で洗顔を勧めてくるため怪しい勧誘かと勘違いしてしまいそうだ。洗顔クリームとかの押し売りのために俺の家に来たんじゃないよな?
まあルビィのことだから、さっきの千歌たちみたいに大騒ぎにはならないだろう。
そう思って洗面台の水を流し、ここまでのツッコミ地獄のせいで脂汗が乗った顔を綺麗にする。どうして寝起きも間もないのにここまで汗をかいてるんですかねぇ……。
「零さん、タオルをどうぞ!」
「あぁ、ありがとな。つうか、どうしてそんなに気前いいわけ? 申し訳ないけど顔くらい1人でも洗えるっつうかさ」
「えっ、でもμ'sの皆さんから聞きましたよ? 零さんはメイドモノが好きだから、日常生活を甲斐甲斐しくお世話をしてくれる女の子に萌えるって」
「な゛っ、また人の性癖を勝手に暴露しやがって! 誰だよそんな告げ口した奴!?」
「楓さんと秋葉さんが言ってました。零さんのお部屋をお掃除するついでにパソコンの中身を見たら、メイドモノの動画や画像がたくさんあったって」
「アイツら……!! ていうか、どうして俺のパソコンのパスワードを知ってんだ……」
そう疑問に思ったものの、秋葉ならばどんなセキュリティのかかったパソコンでも突破は容易だろう。μ'sとAqoursの合同合宿の時はスマホに盗聴器を仕込まれてたし、アイツが家に戻ってきたことで俺のプライベートが崩壊してないかこれ……? 唯一誰にもバレないのは俺の脳内ハードディスクしかないが、最悪その思考すらも何故の発明品で読み取られそうなので、もはや俺に逃げ場などなかった。
「メイドさんが好きだと聞いたので成り切ってみたのですが、迷惑でしたか……?」
「いや、性癖が性癖なだけにドストライクだよ。ま、ロリっ子メイドも悪くないんじゃないか」
「そ、そうですか? だったらこの先も――――」
「それじゃあ金髪ハーフメイドはど~お?」
「うぉっ!? ま、鞠莉!?」
鞠莉は俺の背後から首元に腕を回す形で抱き着いてきた。そのせいでコイツのあらゆる柔らかい部分が俺の背中に当たっている訳だが、いくらなんでも生身の感触が強すぎる。コイツまさか、服を着てねぇのか!?
「お前どこから湧いて出た!?」
「失礼ね! 私もルビィと一緒で零のメイドさんになってあげてるんじゃない! これをジャパニーズご奉仕って言うんだっけ?」
「主の背後から抱き着くメイドがどこにいるんだよ!? ってか服を着ろ!!」
「えっ、着てるけど?」
「は……?」
横目で見てみると確かに何か着ている。だが明らかに普通の服ではなく、白と黒のフリルにガーターベルト、そして頭には光輝くカチューシャ。なるほど、ルビィとは違ってちゃんと格好からメイドに成り切ってるって訳ね。それでも鞠莉の胸や太ももの感触が凄まじく伝わってくるので、そのメイド服の生地はかなり薄いらしい。露出も多いし、もはや完全にAV玩具じゃねぇか……。
「うぅ、ルビィももっと胸があれば零さんにご奉仕ができたのに……」
「いやいや、こんな奴に対抗しなくてもいいから。お前は純粋なメイドさんを目指してくれればそれでいいんだよ。ていうかそれが普通だ」
「こんな奴とか言っちゃって、本当はエッチなメイドさんが大好きなくせにぃ~♪ 持ってるメイドの動画は全部R-18だって話だけど、そこのところどうなのかなぁ~」
「ぐっ……!!」
「やっぱり男の子っておっぱい魔人なのね。もう、エッチなんだから♪」
鞠莉は俺を背後から抱きしめながら、またしても俺しか知り得ない事実を耳元で囁いて来る。鞠莉が知っているってことは、楓と秋葉は俺のパソコンに保存されている動画を逐一チェックしているのだろうか? そう考えるだけでも怖気が走るし、それをドSの権化である鞠莉に知られてしまったのも最悪だ。だからこそこうしてメイド姿(超薄着)で煽って来るのだろうが……。Aqoursの脳内にはお花畑が広がりつつあるけど、その中でも最も花が活発に咲き誇り、手入れが大変なのは間違いなく鞠莉だろうな……。
その分、ルビィのお花畑は見ているだけでもほのぼのとして安心するよ。コイツのお花畑だけは身を挺してでもμ'sのような淫乱色に染められないようにしないと。
だが、そんなルビィは自分の胸を抑えてわなわな震えていた。
「確かにルビィに胸はありません。お姉ちゃんも控えめですし、ルビィに未来がないことも分かっています」
「いやそこまで卑屈にならなくても……」
「でも、でも……!!」
「お、おい!? 何いきなり脱いで――――!!」
「小さいのも需要はあるって、にこさんから教えてもらいましたから!!」
「ちょっ、感情的になって脱ぐな! 後で思い出して死ぬほど後悔するぞ!?」
「あ~あ、ちゃんと大きいのも小さいのも愛してあげないからこうなるんだよ?」
「お前のせいだろ……」
顔を洗いに洗面所に来ただけなのに、どうしてこんな騒ぎになってんだよ……。
ちなみに暴走したルビィはほぼ下着姿になりかけていたのだが、とりあえず真っ裸を曝け出す事態は阻止することができた。阻止している最中も鞠莉が持ち前の巨乳でルビィを煽るものだから、彼女を落ち着かせるのに相当の時間を要したのは内緒だ。
金髪巨乳ハーフがメイド姿で抱き着いてくれるシチュエーションも、ロリっ子メイドが自ら脱いでくれるシチュエーションも、こんな騒がしいムードじゃなければ大歓迎なんだけどな……。
~※~
「おはよう零くん♪ 今日も気持ちのいい朝だね」
「おはよう零。起きるのが遅いわよ、今何時だと思ってるの?」
「お前ら、よくのうのうと人の家でくつろげるな……」
ようやくリビングに到着したのだが、そこにいた面々を見て不安と呆れに苛まれる。
人の家のソファに座り、優雅かつ呑気に朝食を嗜んでいることりとにこ。千歌たちがあんな行動に出たのはアイツらの思考回路がピンクに染まりつつあるってのもあるだろうが、今朝の件に関してはコイツらが原因だと言っても過言ではない。あることないことばかりアイツらに吹き込みやがって、そのせいで自分の家なのにも関わらず、ベッドからリビングに到着するまで何十分かかったか分かったものじゃない。ここまで女難に苛まれるのも、たくさんの女の子を自分のモノにした宿命ってことで無理矢理納得するしかないか……?
いや俺が苦労してるのに、コイツらが済ました顔で飯を食ってる様が許せないから、そう簡単に割り切れねぇって!!
「おい楓、秋葉、どうしてコイツらの飯まで用意した? 余計な害虫は追い返せって言ったろ」
「私たちが用意したんじゃなくて、Aqoursのみんなが用意してくれたんだよ。お兄ちゃんにサプライズしたいから、今日来ることは内緒だったんだ」
「それでAqoursが来るって事前に知っていたμ'sのみんなも来たんだよね。でもそのおかげで、朝はとってもお楽しみみたいだったじゃない♪ 零君の愉しそうな声がここまで響いてたよ」
「あまりにも発生したイベントが多すぎるだろ……。2階から1階のリビングに来るまでに何十分かかってるか分かってんのか? どんな広い豪邸だって話だよ全く……」
しかし冗談抜きで、みんなと一緒に暮らそうと思ったら豪邸クラスの家が必要になるだろう。ただでさえ今のこの家にいる人数だけでも多いのに、ここにまだ来ていないμ'sやAqoursのメンバーが入ってきたらそれこそ家がパンクする。実際にμ'sのみんなと俺の家で同棲生活をした時はあまりにも人口密度が高すぎて、この家のどこへ行っても誰かしらがいる状態だったからな。
「害虫だなんてヒドいなぁ~零くんは。ことりはAqoursのみんなを教育してるだけなんだから。零くんのお傍にいる以上、零くん好みの女の子にならないといけないからね♪」
「いや手を加えて人工物にしなくてもいいから。天然のままでいいんだよ別に」
「先輩が後輩を指導するのは当然でしょ? それにあの子たち、積極的になったとは言ってもにこからしてみればまだまだなのよねぇ~。だから今までよりももっと積極的になるように、アンタが悦ぶことを教えてあげたのよ」
「それが余計だって言ってんだよ。それにデマを吹き込むのは指導でも何でもねぇだろ……」
「嘘は女のアクセサリーなのよ」
「それらしいこと言っても俺の心には響かねぇからな……」
最初から分かっていたことだが、やはりコイツらに"反省"の二文字はないみたいだ。まあμ'sを代表する脳内ピンクちゃんたちだから、何かをしでかしたから反省をするって考えすらないのだろう。Aqoursにあることないことを吹き込んで、自分たちはのうのうと飯を食ってるその強固なメンタルに思わず感心しちゃうくらいだ。
「いやぁ~それにしても、家に帰ってきて良かったよ! 零君と一緒にいると毎日が飽きないもん。研究室に籠って陰キャしてた頃と比べると、毎日の楽しさが段違い!」
「一応言っておくけど、お前も騒動の種の1種だってことを忘れるなよ」
「これでも自分の欲求をかなり抑えてる方だよ? その欲求が解放されたら……ねぇ?」
「こえぇよ!! お前が来たことで、楓がめちゃめちゃ可愛く見えるな……」
「か、かわっ!? もうお兄ちゃんったら、朝から告白だなんて気が早いよぉ~♪ 分かった、先にベッドへ行ってて。カラダ、洗ってくるから……♪」
「前言撤回してもいいか……?」
別に卑猥な意味で可愛いと言った訳ではなく、秋葉の悪魔的性格を鑑みるに、楓のやらかすことなんてまだまだ可愛いと言いたかったんだ。それを歪曲して近親相姦と捉えるあたり、楓の思考のヤバさは秋葉に劣ってないんだけどな……。楓とは一緒にいる時間が長すぎて感覚がマヒしてたよ。
秋葉については以前から言及している通り、家に戻ってきてから性格が丸くなった。そう、これで丸くなったんだよ。まあ自分の研究室すらまともに掃除できないズボラ女が妹と一緒に家事をしているってことだけでも進歩だろう。この前までは秋葉が家に帰ってくる=何かをやらかすと相場が決まってたからな。だからこれでも随分丸くなってくれた方だ。
「そういや、果南と花丸はどうした? アイツらの姿だけ見てないけど」
「あぁ、あの2人なら今――――」
「ただいま帰りましたー!」
「あっ、帰ってきた」
玄関から声がしたので見に行ってみると、練習着姿の果南と花丸がタオルで汗を拭きながら靴を脱いでいた。
そういや果南は毎朝ランニングを欠かさないって言ってたな。しかも千歌が言うにはそのランニングは日課にしてはかなり過酷で、それをAqoursの中でも随一の運動音痴ちゃんが付き合ってることに驚きだ。現に花丸の顔が今にも死にそうになってるけど、たかがランニングごときにどんな地獄を味わってんだよ……。
「零さん、おはようございます!」
「おはよう。朝っぱらから御苦労なことで」
「どこへ行こうとも、朝になると身体を動かしたくなっちゃうんですよ」
「それはそれは健康的で何より。どうして花丸が巻き込まれてんのか知らないけど……」
「いや、これはマルから果南さんにお願いしたんです。これからの目標を達成するためには、もっとたくさん練習をしないといけない。なので、まずは体力を付けなければと思いまして」
「なるほど、それで自ら地獄に飛び込んだ訳か……」
「地獄って……」
そりゃ大量の汗と激しい吐息を見れば、ランニングがどれだけキツかったのかなんて想像するに余りある。しかしこれだけ疲れているのにまだ動けること自体が花丸にとって大きな成長だろう。俺が浦の星で顧問をやっていた時は、最初のストレッチの時点でノイローゼになってたからな……。
それにしても、女の子の疲れた姿ってどうしてこうも嗜虐的欲求を唆られるのだろうか。首筋に滴る汗、艶めかしい吐息、火照った頬、汗で張り付いた服がボディラインを強調――――まるで性的行為の途中かのような風貌に、思わず息を飲まざるを得ない。正直に言ってしまうと、俺がμ'sやAqoursの練習を見学する目的の5割はこの光景を見るためと言ってもいい。さっきまで散々女の子たちのことを脳内ピンクだのお花畑だのと罵ってきたけど、まあ見事にブーメランが突き刺さってるよな……。でも仕方ないだろ、気になるんだから!
「零さん、どうしたんですかぼぉ~っとして?」
「あ、あぁスマン。来てもらったのに起きるのが遅くて悪いなと思ってさ、あはは……」
「まだ9時ですし、普通だと思いますけど……。それよりもこちらこそアポを取らず突然来ちゃってゴメンなさい。千歌がどうしても零さんを驚かせたいって言うものですから」
「ま、アイツらしいな。でもどんな形であれ、またお前らと会えて嬉しいよ。むしろこっちからお礼を言いたいくらいだ」
「千歌もそうですけど、花丸ちゃんもずっと楽しみにしてたんですよ。ランニングをしている時も、ずっと零さんの話題ばかりでしたから」
「か、果南さん! それは言わない約束ずら!! それに果南さんだって、例え練習着でさえ零さんに見せる服はちゃんと選ばないとって、今日の電車に遅刻しそうになったくせに!」
「えっ、あっ、そ、そんなことあったっけ~?」
「マルたちが迎えに行かなかったら確実に遅刻してたずら」
「へぇ、果南もちょっと抜けてるトコあるんだな。可愛いじゃん」
「か、可愛いって……!! も、もういきなりそんなこと言わないでくださいよ……」
"可愛い"って短い単語なのに、それだけで女の子を悶えさせることができるんだから最強の武器かもしれない。普段はデレを表に出さない善子や果南すらもこの通り、顔を紅くして動揺させることができる。特に果南はお姉さんキャラの色合いが強いので、こうして手玉に取れると沸き上がる愉悦が半端ない。もちろんそんなドSな用途でなくとも"可愛い"はコイツらを端的に表せるから、出し惜しみする理由なんてないだろう。
それにしても、遅刻しそうになるくらい俺に会うのを楽しみにしてくれていたのか。よく考えれば、俺の日常生活って右を見ても左を見ても女の子だらけだもんな。もうそれが日常になっていて忘れてたけど、こうしてわざわざ遠方からたくさんの女の子たちが来てくれる状況もかなり異質だ。今日は今朝からやたら騒がしかったけど、たくさんの女の子に囲まれているこの状況を楽しんでいる自分もいる。なんだんだ言って、俺の脳内お花畑も花が満開なのかもな。
「とにかく、早くシャワー浴びてこい。その恰好だと目のやり場に困る。ずっと見ていてもいいって言うならそうさせてもらうけど」
「「えっ、あっ……」」
果南と花丸は全てを察したようで、自分たちが汗も滴るイイ女になっていることに気付いたようだ。9月になったとは言ってもまだ気温は夏を引き摺っているため、朝でもそこそこ蒸し暑い。そんな中で地獄のランニングをすればどれだけ汗をかくのかはもうお察しのこと、2人の薄い練習着はピッタリと身体に張り付き、Aqoursの中でもトップクラスに張った双丘がほぼ生身と同じ形となって浮き彫りになっていた。
それに2人の練習着が白地のせいで、目を凝らさなくとも下着の色も模様もくっきりと見える。
うん、いい絵だ。
「も、もう早く言ってくださいよ!!」
「しゃ、シャワーを浴びてくるので、ここで失礼します!!」
2人は胸を腕で隠しながら物凄い勢いで風呂場へ向かったが、あれだけの体力が残ってるってことは地獄のランニングの成果が出ているようだな。何より何より。
つうか顔を真っ赤にして胸を抑えつけながら逃げたら、それこそ性的な目で見られるって分かってねぇのかな? まぁ今日のところは大目に見てあげるけどね。
でも、もう少しだけあの光景を堪能すれば良かったと、俺は今更ながら後悔していた……。
To Be Continued……
2階の自室で起床してから、1階のリビングに到着するまでにたくさんの女の子と出会う系主人公、神崎零。もはやハーレムを極めすぎて、自分の手に負えなくなってそうな……()
次回、μ'sとAqours勢揃いのグランドフィナーレ!
零君の究極のハーレムが遂に――――!!
新たに☆10評価をくださった
アストレアさん
ありがとうございます!
もうすぐ最後なので、まだ評価を付けてくださっていない方は是非☆10評価をお願いします!
第1回のアンケートが実施中なので、皆さん是非ご投票をお願いします!
できれば毎話投稿時にアンケートを実施し、その結果の発表を次回投稿時の後書きで発表するつもりです。
よろしければ小説の感想のついでに、『このキャラに票を入れました』という旨を描いてくださると嬉しいです!
Q1. シスターズの中で妹に欲しいキャラは?
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高坂雪穂(真面目系クーデレ妹)
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絢瀬亜里沙(おっとり系天然妹)
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神崎楓(淫乱系ブラコン妹)