スクフェス編では中学生と高校生になってロリ成分は消えちゃいましたが、今回の時系列は零君が高校を卒業した直後なので、ちゃんとロリロリですよ(笑)
「お兄様、ご卒業おめでとうございます!」
「おにーちゃん、卒業おめでとう!」
「あ、あぁ……」
どうしてコイツらはいつも俺のベッドに潜り込んでくるのだろうか……? アポさえ取ってくれれば普通に出迎えるのに、コイツらと会う時の大半は自分のベッドの上だ。女子中学生と小学生をベッドに侍らせているこの絵面、事情を知らない人に見られたら即通報ものだろう。もちろん俺は何も悪くないのだが……。
そんな訳でまたロリっ娘たちに絡まれているのだが、今回は純粋に俺の高校卒業を祝ってくれているらしい。いつもは覚えたての性知識を俺に披露してばかりなので、今回ばかりは安心かな。そもそも男のベッドに上がり込んでいる時点で安心していいのかどうかは分からないが、(恐らく)純粋なコイツらのことだから、そんなことは気にしちゃいないだろう。
「祝ってくれるのはありがたいけど、来るなら来るって言えよな……」
「だって、おにーちゃんにサプライズしたかったんだもん! それにプレゼントもあるしね」
「プレゼント?」
「はい。愛しのお兄様にどんなプレゼントを渡せば良いか、去年から2人でずっと考えていました」
「去年って、それはありがとうとしか言いようがないけど……」
コイツらが俺にプレゼントを渡す画策をしているなんて、にこから聞いたこともなかったぞ。恐らく口止めされていたのだろうが、数か月にも渡ってプレゼントを厳選してくれたとなると単純に嬉しいな。中学生と小学生なのでお金がかかったものではないだろうが、逆に高価なモノを渡されても恐れ多いだけなので、多分2人の手作りの何かだと推測する。ほら良くあるじゃん、子供がお父さんの似顔絵を描くってことが。それに数か月もかかったということは、それなりの創作物だと思うんだ。
なんだろう、久々にコイツらに安らぎを感じた気がする。いつもは2人に引っ掻き回されっぱなしだから、久々に子供っぽいことをする2人を見ることができた。こうやって普通にしていれば可愛いのだが、コイツらの場合どこで覚えたての性知識を披露してくるか分からねぇからなぁ……。
「という訳で、プレゼントです!」
「えっ……? い、いや、どれ……?」
「もうっ、察しが悪いなぁおにーちゃん。プレゼントは、わ・た・し・た・ち!」
「えぇ……そんなご飯にする? お風呂にする? それとも私……? みたいなノリで言われても……」
「おかしいですね。思春期の男性の約8割はロリコンだというデータがあるのですが……」
「俺を含めた全世界の思春期男子に謝れ……」
あぁ、やっぱりこういった展開になるのね……。いつも思うけど、俺が女の子に対して安心を覚えた時って大抵そのフラグをへし折られるよな。いやμ'sを相手にするのなら別にいいんだけど、ロリ系2人を相手にするのは倫理的にさ……?
「そもそもなんですけど、お兄様は私たちを手に入れたいとは思わないのですか?」
「そうだよそうだよ! 普通の男だったら、目の前にいる少女を自分好みに染め上げて、身体の芯まで貪り尽くしたいって思うはずなのに」
「お前らの中で男は全員獣かよ……」
「しかも、私たちはただの少女ではありません。従順で幼気で、それでいて貧乳で、更にはロリ。しかも自分の先輩の妹だなんて、これほどまでのステータスを持っている私たちを見て何とも思わないなんて、もしかしてお兄様……ED??」
「その質問、答える必要ないよな……?」
つうか、コイツらは自分たちが持っているステータスを熟知してたのか。どうせにこやμ'sの面々からの入れ知恵なんだろうが、元々押しの強いコイツらに余計な知識が身に付くと厄介なことこの上ない。全く、相手をするこっちの気にもなって欲しいよ……。
こころもここあも、男の前で身体を差し出すことがどれだけ重要なことか分かっていない。大好きな人に構ってもらいたいから、とりあえず自分の身体をエサにしておけば引っかかるだろう的な考えだとは思う。そんなお茶目なところが可愛いと微笑むべきなのか、それとも男を誘惑する危険性を教えてあげた方がいいのか。どちらにせよ、また俺はコイツらと戦わなければならないってことだ。
「お兄様が困ってしまうのも分かります。いきなり私たちを差し出されても、どう使っていいのか迷いますよね」
「いや、それ以前の問題だと思うけど……?」
「だから、最初は無難に花束を渡そうと思ってたんだよ。でも、おにーちゃんって知り合い多いし、花束なんてたくさん貰うでしょ?」
「まぁ人脈は人並み程度だけど、このご時世で花束を貰うことなんてほとんどないだろ。実際に1つも貰ってないし……」
「もしかしたらそうだと思って、私たちと花束を同時に渡すことにしたんだよ!」
「はぁ? 花束なんてどこにもねぇじゃん」
「何を惚けてるんですか? 女の子には、みんな花びらが付いてますよ♪」
「お前ら、どこでそんな言葉を学んできた……」
ネットが発達している時代だからこそ、こんな子供でも性知識をいつでも好きな時に学べる。コイツらのようにませたガキが増えたのもその影響かもしれない。
その知識を披露するのは最悪いいとしても、コイツら学校でも今と同じような会話をしていたりするのだろうか……? 覚えたての言葉をすぐに使いたがる性格は年相応なのだが、せめてその性格を発揮するのは俺の前だけにしてもらいたい。いや、ヤンデレ風にコイツらを独占したいとかじゃなく、コイツらの会話に苛まれる不幸な人たちを憐れんでのことだ。
「安心してね、おにーちゃん! 花びらは花びらでも、私たちのはびらびらじゃないから! まだ咲いたばかりのつぼみだよ!」
「安心するしない以前に、お前らがびらびらだったら公序良俗的にマズいだろ。いや、今の会話だけでも相当だけどさ……」
「思春期の男性の約8割は処女厨だというデータがあります。お兄様も多分に漏れずそうなのでしょう」
「勝手に決めんな……」
「それではもしですよ? もし仮に私たちとエッチすることになったとして、私たちが処女か非処女、どっちが興奮できますか?」
「その質問は答える必要あんのか……?」
「あります! もしお兄様が非処女厨だった場合、この買ってきたゴーヤで私とここあの下を――――」
「な゛っ、分かった分かった! 処女厨でいいからそれ片付けろ!!」
「おにーちゃんは処女厨っと。いやぁ嬉しいなぁ♪」
「逃げ場がない……」
どの選択肢を選んでもハッピーエンドに向かうルートが見えないんだがそれは……。
ぶっちゃけて言ってしまうと、そりゃどうせ相手をするなら初物の女の子がいいに決まってる。純潔をこの手で散らしてやったという証を自ら刻み込みたいんだ。もちろん、こんなことはコイツらの前では言わないけどさ。言ったら最後、どれだけコイツらが暴走するのか分かったもんじゃねぇからな……。
「そんな訳で、お兄様は目の前のお花を好きなだけ散らし放題です。男性は小学生の頃、道端に綺麗な花が咲いていると踏み潰したくなる衝動に駆られたと聞きます。それは単なるイタズラではなく、純潔の女性を穢したいという無意識的な行動だったのでしょうね。つまり、そんな男性は将来が有望ということです」
「俺がツッコミを入れる前に完結させやがった……」
「お兄様の子供の頃はやんちゃ坊主だったと、お姉様から聞いています。まだ性知識の『せ』の字も知らない同級生を、毎日家に誘って食っていたとかいないとか……」
「いや食ってねぇし! それに俺とにこが知り合ったのは2年前なのに、どうして俺の過去を知ってるんだ……」
またしてもこころとここあの知識に俺のあることないことが植え付けられていく。コイツらは良くも悪くも純粋で、しかも姉であるにこのことを俺と同等以上に慕ってるから、アイツの言うことなら何でも信じちゃうのがこれまた困りものだ。どうやらにこ以外のμ'sの面々からもあらぬ知識を埋め込まれているみたいだし、その火種を消す役目は俺だってこと分かってんのか……?
そういや、この2人について疑問に思っていたことがある。
そもそもの話、どうしてコイツらは俺に懐いているのだろうか? 2人はまだ小学6年生と中学1年生の幼子なので、よく遊んでくれる近所のお兄ちゃん的な感覚で懐かれているのかもしれない。ま、流石にこんな小さい子が明確な恋愛感情を持つ訳ねぇか。最近はマセガキたちが多いから中学生でもデートなりエッチなりは普通だって聞くけど、仮にも純粋の皮を被っているこの2人に『恋』は程遠いだろう。
「おにーちゃん? どうしたの私を見つめて? そんなに見つめられると恥ずかしいよ……えへへ♪」
こうして余計なことを口走らなければいい子たちなんだけど、コイツらからしてみればどんな猥談でも世間話レベルなんだろうなぁ……。今みたいに頬を染めながら笑顔を向けてくれるだけでいいのに、覚えたての性知識をドヤ顔で披露されると暖まっていた空気が一瞬で凍り付く。猥談を仕掛けてくるのも、俺の反応を見て楽しんでいるとか、俺に構ってもらいたいとか、そんな感じなんだろうか?
ま、こういうことはストレートに聞いてみるのが筋ってもんか。
「なぁ、お前らってどうして俺に固執するんだ? なんか好感度が上がることしたっけ? こころに至っては出会った頃なんて、俺と遭遇したら防犯ブザーを鳴らしてたよな?」
「そんな昔のことは忘れました。大切なのは今。今ここに芽生えている愛こそ育むべきものなのです」
「忘れたって、まだ1年半くらいしか経ってねぇだろ……」
「私はおにーちゃんに一目惚れしちゃったよ! おねーちゃんから聞いてた以上に、カッコよくて頼りになって、変態さんだったんだもん」
「最後のは褒めてねぇだろ……。でもそれって、単なる憧れとかそういうのじゃねぇの? やっぱり、お前らに恋は早かったか」
「早くないよ! 私、おにーちゃんのことが好きだもん!」
「そうですね。そうでなければ、私たちが男性に身体を許すはずありませんから」
「好きだから身体を差し出すって考えもどうかと思うが……」
考え方は極端だが、意外にも自分たちが恋をしてるって自覚はあるみたいだ。だからと言って俺がどうこうできる訳じゃないが、コイツらが本気なんだったら俺も相応の覚悟で答えてやらなければならない。1年前のμ'sみたいに、女の子の気持ちを知りながらもスルーしたらどうなるのか、身をもって知ってるからな……。
「どうしてそんなこと聞くの? もしかして、私たちを貰ってくれる気になったとか!? そっかぁ~私たちも今日から非処女かぁ~♪」
「初めては痛いらしいですが、お兄様のためなら我慢できます。むしろお兄様は私のことなんて気にせず、好きな時に好きなように使ってくれてもいいんですよ?」
「だから、どうしてお前らは恋人になる=非処女になるって発想なんだ……。そもそもお前ら、子供がどうやってできるのか知ってるのか?」
「お、お兄様……!?」
「お、おにーちゃん……!?」
「な、なんだよ? そんな分かり切ったことを聞くなってか?」
「女の子に子供の作り方を聞くなんて……」
「セクハラですよ」
「こんな時だけ常識人ぶってんじゃねぇ張り倒すぞ……」
セクハラは相手の意に反する性的言動を行うことを指すが、それは男から女性だけでなくその逆も然りだからな? つまり、俺はこの2人が襲来するたびに毎回幼女からセクハラをされている訳だ。幼女2人からのセクハラとかその筋の男からすると興奮モノだろうが、生憎だが俺にロリ好きの趣向はない。以前に服が濡れて透けているコイツらの服を見てしまったことがあるが、それは男の生理現象だから仕方がないってことで。
「冗談はさて置き、子供の作り方なんて弁えてますよ」
「その年でどう弁えるんだ……」
「そうは言っても最近知ったんだけどね~。でも繋がるだけで子供ができるなんて、意外と簡単なんだね」
「簡単って、それこそ簡単に言うなよな……」
「あそこまで簡単にできると、普段の日常生活でも気を付けなければいけませんね。例えば、私が階段から足を滑らせて落ちた時に、下にいた男性の股間に股がブッスリ――――みたいな展開があり得ますから」
「それに、満員電車に乗ってる時とか大変だよ。車両が揺れたら、男の子のあそこがうっかり入っちゃうかもしれないでしょ?」
「お前らは露出狂しかいない世界に住んでんのか……」
そんなシチュエーションばかり思いつくなんて、AVやエロ漫画の見すぎだろ……。どうやら矢澤家にはコイツらの手が届く範囲でR-18モノが転がっているらしいので、とてもじゃないが年頃の女の子が3人いる家とは思えない。矢澤家がそのような惨状になったと聞いてから俺は1度も訪れたことがないのだが、まぁ訪れようとは思わないよな……。
「よ~しっ、おにーちゃんもやる気になったことだし、そろそろ始めよっか?」
「お兄様、不束者ですが、これからもよろしくお願い致します」
「うぉおおいっ!! 何で脱ぐんだよ!?」
「おにーちゃん、もしかして着衣プレイがお好み?」
「ふむ、CMNF派ですか」
「だから、そんな言葉どこで覚えてくるんだよ……」
『CMNF』=『Clothed Male and Naked Female』。つまり、着衣の男性と裸の女性という意味なのだが、この世でその言葉を知ってる奴の方が少ないと思うぞ……。こうやって解説してるだけでもなんか恥ずかしいし……。
そんな訳で、こころとここあの卒業祝いは気持ちだけ受け取ることにした。今日から非処女になれると謎に意気込んでいたコイツらには悪いが、もう少し大きくなってから出直してこい。せめて、猥談が日常会話にならないレベルの大人になるまでな……。
μ's編の最終回の直後にも彼女たちのメイン回を描きましたが、その話を読むと今回の彼女たちとややギャップがありますね。どちらかと言えば、今回の方が純粋さが欠けて、淫乱度が上がってる気がする……
新たに☆10評価をくださった
hirohirosanさん
ありがとうございます!