ラブライブ!~μ's&Aqoursとの新たなる日常~   作:薮椿

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 たまには真面目なお話もどうぞ。

 今回の時系列は零君や穂乃果たちが音ノ木坂学院を卒業した翌月、シスターズが2年生になった直後のお話となります。

 3~4話構成の予定で、視点も場面によって変えていくつもりです。
 今回は1話丸々雪穂視点です。


妹たちの試練

 お姉ちゃんや零君たちが卒業して1ヵ月、音ノ木坂に新しい春がやって来た。

 今年度の入学者は私たちの世代の入学者よりも多く、生徒数の減少で廃校の危機に瀕していた学校とは到底思えない。私たち1年生……じゃなかった、2年生のクラスは6つもあるが、今年度の1年生のクラスはそれ以上という噂だ。これだけ入学者が増えたのも、μ'sの活動を頑張ってきたおかげかな?

 

 とは言っても、μ'sは既に解散しているため、私たち目的で入学してきた人には非常に申し訳ないと思っている。絵里ちゃんたち3人が大学生になってもお互いの予定を合わせることで何とか活動できていたものの、μ'sメンバーの半分が高校を卒業してしまっている現状ではそれは難しい。だから解散の道を選んだんだけど、それを嘆くファンの人も大勢いて嬉しいような悲しいような……。

 

 私としてももうμ'sとして活動できないのは寂しいけど、いつまでも立ち止まっていられない。先輩たちは既に新たな夢に向かって歩き出しているから、私も早く自分の夢を探して先を見据えないと。それにいつまでもμ'sの解散を悲しんでいたら、お姉ちゃんたちに心配をかけちゃうしね。心機一転、今日から頑張ろう。

 

 

「あっ、おーい! 雪穂ぉーっ」

「亜里沙?」

 

 

 桜の花びらが舞い散る音ノ木坂の校門。そこで亜里沙が私に手を振っていた。

 相変わらず亜里沙はいつでも笑顔で、一緒にいるだけでも元気をもらえるよ。さっきは少しナーバスになっちゃったけど、亜里沙を見たら何だか安心しちゃった。

 

 

「おはよう雪穂、今日から2年生だね! 私たち、先輩になるんだよ♪」

「おはよう。先輩って、先輩じゃなかったのって去年だけで、2年前は中学校で先輩だったじゃん……」

「音ノ木坂学院で先輩になるってことが重要なの! あの伝説のμ'sが守り抜いたこの学校で新入生を迎えるなんて、私、今とっても感動してるんだ!」

「いやいや、亜里沙も元μ'sでしょ」

「そうなんだよね……。穂乃果ちゃんたちがキラキラしているところを想像すると、私ってただのファンに戻っちゃうみたい……」

 

 

 さすがは亜里沙、常人では考えないような妄想に浸ってる……。自分もμ'sとして音ノ木坂の知名度上昇に貢献してきたはずなのに、お姉ちゃんたちの話題になると途端にファンとしての目線で話し出す。別にそれでもいいんだけど、新しいクラスでまた周りからド天然って言われるんだろうなぁ……。亜里沙が健気で天然なことくらいは同学年の人なら誰でも知ってることだけど、こうして会話をしてみると想像以上だからね? スマホの画面が割れたことをスマホのスクショで報告してくるくらいだから……。

 

 

「そうだ、クラスだよクラス! そこに張り出されてるから、一緒に見に行こう!」

「そうだね。でも6クラスもあるし、また一緒のクラスになれるかなぁ……」

「同じクラスになれると嬉しいけど、なれなくても一緒にお昼ご飯を食べることはできるし、一緒に帰ることもできるでしょ? それに、また新しいお友達が増えると思うと不安なことばかりじゃないよ」

「あはは、亜里沙ってホントに前向きだよね。その性格だけは見習いたいよ……」

「その性格()()……?」

「い、いや何でもない! ほら、早く見に行こ!」

 

 

 危ない危ない、思わず本音が出ちゃった……。もちろん天然な性格をバカにしている訳じゃないけど、私まで天然になったら誰が亜里沙と楓を止めるんだって話。もはや2人のブレーキ役を自ら買って出てる時点で、私も相当2人に毒されてきてるなぁ。親睦を深められていると喜ぶべきなのか、それとも気苦労が増えると危惧するべきなのか……。

 

 私と亜里沙はクラス表が張り出されている掲示板までやって来た。だけど、やはりと言うべきか人が多い。クラス発表は学校のイベントの中でも1、2を争うくらいにビッグなイベントだ。だからなのか、クラス発表を見終わった後でも一喜一憂したり友達と話し込んだりして、中々掲示板から離れない人が多い。これだといつになっても掲示板を確認できないかも……。

 

 

「あ゛ぁあああああああああああああああああ!?!?」

「うわっ!? ど、どうした亜里沙、急に??」

「同じ! 同じクラスだよ雪穂!」

「えっ、見えるの? ここからクラス表が?」

「うん、自慢じゃないけど目はいい方だから。それよりも、また同じクラスだよ雪穂! しかも楓も!」

「そ、そうなんだ……」

 

 

 亜里沙は私の両手を掴んで上下に大きく振り回す。

 また2人と同じクラスになれて私も嬉しいはずなのに、亜里沙のテンションの上がり方が異常だからそっちに気を取られてしまう。さっきは別々のクラスになってもそれはそれでいいみたいなことを言ってたけど、やっぱり同じクラスになれることに越したことはなかったのか、亜里沙は少し涙目になっている。やっぱり健気だよね亜里沙って。いや、私の感受性が欠如しているだけかもしれないけど……。そういや、零君によく『クール』だって言われてる気がする。これでも1年間スクールアイドルをやってたんだけど、まだ表情が硬いのか私……。

 

 すると、突然亜里沙が私の手を振り回すのをやめた。

 いきなりどうしたのかと思ったら、彼女は私の肩越しに誰かを見つめているようだ。私もその場で首だけ振り返ってみると、そこには私たちのよく見知った顔があった。その人の存在を確認するなり、亜里沙が声をかける。

 

 

「楓! おはよう!」

「ん……? あぁ、おはよう……」

「もうクラス表見た? なんと私たち、また同じクラスなんだよ! 6クラスもあるのに、これは奇跡だよね♪」

「そうだね。ま、どうでもいいけど……」

 

 

 なんだろう、楓の様子がおかしい気がする。楓は亜里沙のようにいつでもテンションが高い訳じゃないけど、彼女の魅力は私たち女子でも思わず振り向いてしまうほど。女子力の塊とも言っていい楓は、いつも周りに憧れを抱かせるほどの存在感を放っている。1年間ずっと側にいた私が言うんだから間違い。

 

 でも今の楓は、一言で表すなら()()。いつも感じるオーラもその欠片すらも全くなく、亜里沙がいなければ私は楓に気付かずスルーしていただろう。それくらい、目の前の彼女は存在感がなかった。私たち以外にも周りにたくさんの生徒がいるけど、誰1人として彼女を認識していない。そう思ってしまうほどに暗いオーラを醸し出していた。

 

 

「それじゃあ私、先に行くから」

「えっ、同じクラスなんだから一緒に行こうよ――――って、行っちゃった。どうしたんだろうね、元気がないみたいだけど……」

「私にもよく分からないけど、掲示板の前にたくさんの人が騒ぎ倒してるのが気に食わなかった……とか? ほら、楓って些細なことでも毒を吐くことあるし」

「そうなのかなぁ……? よしっ、あとで聞いてみよう!」

「そうだね」

 

 

 人に毒を吐いたり馬鹿にしたりするのが楓の性なので、掲示板の前で動かず騒いでる人たちを見て少し苛ついていたのかもしれない。楓は感情的になりやすいので、些細なことでも感情の起伏が激しくなることがある。そういう時は時間を置くと何事もなかったかのようにケロッとしていることが多いので、今はそっとしておいた方がいいのかも。

 それに、新しい環境になったことでストレスが溜まる人は多いと聞く。亜里沙のように前向きに心機一転できる人もいれば、楓のようにストレスから苛立ちを感じる人もいるだろう。だからこそ、今は1人にしてあげるのが一番だと思う。

 

 

 

 

 ――――――と、そう考えてしまって後悔したのは、もう少し先のお話。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「ちょっ、ちょっと亜里沙。引っ張らなくても普通に歩けるから」

「だって、楓さっきすぐに帰ろうとしていたよね? 先輩たちから呼び出しがあったのに、無視するなんてダメだよ」

「もう……」

 

 

 始業式とその後のホームルームを終えた私たちは、先輩たちからの呼び出しにより理事長室に向かっていた。

 私たち3人に連絡が来るってことは間違いなくμ's絡みだとは思うんだけど、さっきも言った通りμ'sはもう解散したし、一体どんな用事で呼び出されたんだろう……? 

 

 ちなみに楓は亜里沙に手を引かれて無理矢理歩かされている。今日は午後から入学式があるため、2年生と3年生は午前中で下校だ。だから楓はそそくさと帰ろうとしていたんだけど、そこを亜里沙に捕まって現在に至る……というわけ。結局、楓の様子は朝から変わることがなく、今でもどんよりとした雰囲気。ここまでテンションの低さが続いてる楓は久しぶり。というか、見たことがないかも。

 

 そんなことを考えながら理事長室の前の廊下に差し掛かると、部屋の前には既に先輩たちが集まっていた。

 

 

「あっ、来た来た! 雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん、楓ちゃん、こっちだよ!」

「り、凛ちゃん! 理事長室の前なんだから、大きな声を出しちゃダメだよ」

「あ、あはは、ゴメンかよちん……」

「全く、今日の凛はテンション高すぎるのよ。3年生になっただとか、新入生がたくさんいるだとか、それのどこがいいんだか……」

「逆に真姫ちゃんのテンションが低すぎるんだよ。もっとないの? こう、先輩として堂々と振舞いたいとか」

「別にどうでもいいわよそんなこと。それに、あまり騒がしくし過ぎると新入生に子供だって思われるわよ。今のあなたみたいにね」

「むぅ~! 真姫ちゃんは何事にもドライ過ぎるんだにゃ!」

「ま、まぁまぁ、2人共落ち着いて。ここ、理事長室の前だからね……?」

 

 

 なんだろう、花陽ちゃんに凄く親近感が湧いちゃう……。相変わらず先輩たちは仲が良いけど、普段の私たちも同じように見えていたりするのかも。亜里沙がよく分かんないことを言って、楓も意味分かんないことを言って、そして私が落としどころを決めると。私の苦労は多いけど、それはそれで楽しかったりするんだよね。そうは言っても、最近はそのような会話どころか、3人で集まること自体が少なくなっちゃったけど……。

 

 

「とにかく、早く行きましょう。理事長によれば、私たちに何かお願いしたいことがあるみたいだから」

「お願いしたいこと……?」

「詳しい話は理事長室で話すって言ってたから、割と重要な依頼なのかもね」

 

 

 真姫ちゃんはそう言いながら理事長室のドアをノックし、自分の名前と私たち全員が揃った旨を伝える。すると、部屋の中から『どうぞ』と入室を促す声を聞こえた。真姫ちゃんは理事長室のドアを開けて中に入り、私たちもそれに続く形で入室をする。

 

 そういえば、理事長室ってこの1年間で1度も入ったことがなかったな。学校って無駄に部屋や教室の数が多いから、3年間で1度も訪れない場所もいくつかあると思う。生徒からしてみれば理事長室なんて特にそうで、問題児が連行される場所というイメージしかない。ちなみに零君やお姉ちゃんは何回か来たことがあるって言ってたけど……まぁ、妥当かな。

 

 初めて入るお高くまとまった部屋に私たちは少し緊張しながらも、花陽ちゃんが理事長に話を切り出した。

 

 

「あのぉ……私たち、どうして呼ばれたんでしょうか?」

「その件についてだけど、単刀直入に言うわね。μ'sとして、新入生歓迎会でライブをして欲しいの」

「「「「「「ライブ!?」」」」」」

 

 

 驚いた。まさかμ'sに正式なライブの依頼が来るなんて。

 でも、μ'sは既に解散している。それは音ノ木坂の理事長でもありながら、ことりちゃんの母親でもあるこの人なら分かっているはず。なのにどうしてもう一度ライブを……?

 

 

「あなたたちが考えていることは分かっているわ。μ'sは解散したのに、どうして今更またライブの依頼をされているんだろう、こんなところかしら?」

「え、えぇ、そうですけど……」

「理由を話すと打算的と思われるかもしれないけど、あなたたちには率直に話すわ。今年は去年以上に入学者が多いでしょ? だからこそ、新入生歓迎会はこれまで以上に豪華なイベントにしたいと、先生や生徒たちから提案があったのよ」

「なるほど。だから私たち元μ'sにもう一度ライブをしろ、ということですか」

「そう。μ'sはもはや音ノ木坂の伝説と呼ばれているから、新入生歓迎会を豪華にするためにはあなたたちの協力が必要不可欠だと考えたの。もちろん、解散したばかりのあなたたちを再び引っ張り出す真似をしたことは謝るわ。だけど、新しい音ノ木坂がより良いスタートダッシュを決めるため、今回だけでいい、あなたたち6人でライブをして欲しいの」

 

 

 確かに理事長の言う通り、学院側の打算的な部分は見え見えだ。『音ノ木坂=μ's』という方程式はもう切っても切り離せないものだし、それが世間にも深く浸透している。だから新入生歓迎会にμ'sが出てきたとなれば新入生は盛り上がるだろうし、何よりSNSで歓迎会の様子が拡散されれば、世間に学院を大きく宣伝できる。つまり、学院側にとってμ'sの出演は得でしかない。もちろんμ'sを学院のための引き合いに出すってことだから、理事長が謝った理由も分かるよ。みんなで決断してグループを解散したのに、それを大人の事情で復活させようとしているんだから。

 

 でも、私はそれでもいいかなぁと思ってる。新入生を歓迎するという意味ではμ'sを出演させるのが得策だろうし、何よりまたみんなとライブができるのは嬉しい。しかも『ラブライブ!』のようにグループ同士で競い合う訳でもないから、気軽にライブができるのも良い点だ。

 

 

「凛はいいと思うよ! ねぇみんな、やろうよ!」

「うん、私も賛成かな。新入生があれだけたくさんいたら、やりがいもあるよね」

「はいはい! 私もやりたいです! また雪穂と楓と、先輩たちと一緒にライブできるなんて夢みたいだよ♪ ねぇねぇ、雪穂はどう?」

「そうだね、やっていいかも」

「ま、他のみんながこれだけやる気だったら、私も賛成せざるを得ないわね」

「真姫ちゃんってば、またそんなこと言っちゃってぇ~。ホントはやりたくて仕方がないんでしょ?」

「な゛っ、り、凛!!」

「あはは、やっぱり図星……いや、冗談だって♪」

 

 

 どうやら、亜里沙も先輩たちもみんなやる気みたいだ。真姫ちゃんも表面では仕方ないという雰囲気を出してるけど、先輩の性格を考えるに凛ちゃんの言う通り素直になれていないだけだろう。凛ちゃんや花陽ちゃん、亜里沙は予想通りで、その3人は理事長の話を聞いている途中から既に目を輝かせていたくらいだ。そうやって好きなモノを素直に好きと感情表現できるのが羨ましいよ。私の性格はどちらかと言えば真姫ちゃん方面の人間だからね……。

 

 こうして私たち5人の意思表明はできたけど、音ノ木坂に残っているμ'sのメンバーはもう1人いる。

 ここまで一切の会話に参加していなかったけど、彼女の意思はどうなんだろう――――――って、あれ?

 

 

「か、楓? どこに行くの?」

 

 

 私の隣にいた楓はいつの間にか姿を消し、振り向くと彼女は既に理事長室のドアに手をかけていた。私は思わず彼女に声を掛ける。

 楓が勝手な行動をするのはいつものことだけど、ここまで協調性がないのは珍しい。それに表情を見るだけでも不機嫌そうで、如何にも帰りたいと言いたげだった。

 

 

「どこへ行くのって、私は不参加だから帰るだけだよ」

「不参加って、どういうこと……?」

「別に私がいなくてもμ'sとしてはライブできるでしょ? それに穂乃果先輩たちがいない時点でそもそも人数は欠けてるんだし、もう1人いなくなったくらいでは支障はないと思うけど」

「そ、それはそうだけど……」

 

 

 楓の言っていることは最もだ。μ'sとしてライブをすればいいだけだから、私たちが6人集まる必要はないという主張も理にかなってはいる。

 でも、どこか納得できない私がいた。6人揃ってライブがしたいというのは私のワガママであり、やりたくない人を巻き込む必要はない。それは分かっているけど、腑には落ちない。それ以上に、私はどうして楓がいきなりこんなことを言い出したのかが分からなかった。いつもは誰にも負けなくらいライブを楽しんでいたのに……。

 

 恐らく私が何を言っても、今の楓の意思を変えることはできないだろう。だから、理事長室から去る楓の背中を見つめることしかできない。

 

 

「待ちなさい」

「真姫先輩……。なんですか? 不参加の人がここにいても意味ないでしょ」

「別に参加を強制するつもりはないわ。でも、不参加の理由くらい教えてくれてもいいでしょ。ここにいるみんなは、あなたと1年間一緒に同じグループとして活動してきた仲間じゃない」

「…………どうでもいいですよ、そんなもの」

「練習時間の心配なら、これまでやった曲を6人用にアレンジするだけだから問題ない。ステージのポジションも6人程度なら簡単に組める。それに解散からブランクが長くないから、あなたの体力なら練習も余裕のはずよ。何をするにも時間はかからないわ」

「だから、どうでもいいですよ。話が済んだのなら、もう帰ります」

「ちょっと待ちなさい!」

 

 

 楓は真姫ちゃんの制止を振り切って、理事長室から去った。

 さっきまではμ'sとしてもう一度ライブができると知り、みんな和気藹々としていたのに、今は楓の唐突の不参加宣言により雰囲気が重くなってしまった。私の気持ちと同じく真姫ちゃんも楓の不参加には納得がいっていない様子。確かに、私も不参加の理由は知りたいと思っていた。だけど、楓は何も話さなかった。想像は全くつかないけど、やっぱり何かあったのかな……。

 

 

「ともかく、これはお願いであって強制ではないわ。だから、あなたたちで結論を出してちょうだい。遅くても2日後までにはね」

「分かりました。みんな、行くわよ」

「真姫ちゃん、いいの? 凛は楓ちゃんとも一緒にライブがしたいにゃ……」

「それはここで話し合う問題じゃないわ。理事長、失礼します」

「えぇ。いい答えを期待しているわ」

 

 

 真姫ちゃんに半ば強制的に促され、私たちは理事長室を後にした。

 楓はお調子者だけど、情に厚い人だってことは私たちが一番良く知っている。だからこそ、あそこまで冷たい態度を取る彼女が不思議でならなかった。そう、私たちがこれまで紡いできた友情や絆が、全部嘘だと言わんばかりに……。

 

 

「やっぱり私、楓のことが気になります! 行こう雪穂、楓のところに!」

「えっ、今から?」

「楓に悩み事があるなら、すぐに解決してあげないと。友達として! ほら、早く!」

「亜里沙、いきなり走り出さないで!? 分かったから手を放して!」

「あっ、ゴメン。では皆さん、楓のことは私たちに任せてください」

「えぇ、頼んだわ……」

 

 

 こうして、私と亜里沙は楓の元へ向かった。

 そして、これはまだ始まり。この時の私は、まだ楓が抱く気持ちに一切気付いていなかった。

 

 

 

 

To Be Continued……

 




 またシスターズのお話かよって思う方も多いと思いますが、私が好きな子たちなので許してください(笑)

 そもそも今回のお話はスクフェス編の時から描きたくて、ずっと暖めていました。でもスクフェス編はAqoursや虹ヶ咲がメインだったのでμ's関連の話は出すことができず、最終回を迎えた後すぐにシリアスな話を持ってくるのもどうかと思い、ここまで貯蔵していました(笑)

 私としては珍しくラストシーンまでの構想は大雑把に練ってあるので、従来よりもコンスタントに投稿できると思います。3~4話の長編になる都合上、バンドリ小説との投稿順が変わるかもしれません。

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