ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 やっとレギュラーキャラを全員出すことができました!


 途中からキャラが多すぎて、誰が話しているのかすごく分かりづらい!!読者様のイメージにスッと入ってこられるようにしたつもりですが、なんせ十数人もいるものですから……

※今更ですが、アニメとは展開が違います。μ'sが残っていたりなど、相違点を挙げればキリがないですが。


アイドル研究部へようこそ!

前回のラブライブ!

 

 入学式直前、生徒会長である穂乃果は新入生に挨拶をするために俺と一緒に講堂へ向かった。そこで穂乃果の我が儘により、久しぶりに恋人と甘いキスを交わした。

 しかしいい雰囲気も束の間、俺の妹である神崎楓が襲来し学院は一気に地獄へ叩き落とされる。ことりと海未と共になんとか楓を撃退した俺たちは、学院の平和を守ることができたんだ。今度こそめでたしめでたし!!

 

 これからずっと一緒なんですけどね……

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 始業式も滞りなく終わり、現在新入生たちはそれぞれの教室で今後の高校生活について、担当の先生からのありがたいお言葉を聞いている頃だろう。さっき講堂を出ていく生徒をぼぉ~と眺めていたが、もう友達を作って仲良く話している者やまだ新しい環境に慣れずそわそわしている者もいた。まぁ、俺はそんな中で可愛い子探しを続けていたんだけどな。

 

 冗談はそれくらいにしよう。講堂前に貼られていた教室分けの用紙を見てみたところ、なんと雪穂と亜里沙は無事に同じクラスになっていた。これでお互いに心細い思いをしなくて済んだな。

 そして一番驚いたのは、同じクラスに楓もいたことだ。まるで仕組まれたかのような、何か作為的なものを感じるが、まさかあの理事長……流石にないよな?これで楓の暴走はあの2人に押し付けられそうでなによりだ。

 

 ちなみに俺、穂乃果、ことり、海未も同じクラスで2年生組も全員同じクラスだ。そうは言っても、2年生は1クラスしかないから当然なんだけど。

 

 

 そして俺は今、一年生教室前の廊下に来ていた。

 

 

「おぉ~!!やっぱ5クラスもあると教室前も賑やかになるな」

 

 

 俺が到着した時には既にホームルームは終わっていたようで、途中で下校する生徒と何度もすれ違った。ちょっと来るのが遅かったか?

 俺がここへ来た理由は、もちろんアイツらに会うためだ。これから一緒にアイドル研究部の部室へ行く約束となっている。

 

 

「あっ、零さん!迎えに来てくれたんですか?」

「わざわざありがとうございます。本当はお姉ちゃんが来るはずだったのに、全く……」

「おぉ、亜里沙に雪穂、さっきぶりだな。穂乃果は生徒会やら何やらで忙しいから、あまりガミガミ言ってやらないでくれよ」

「あれ?珍しいですね、零さんがお姉ちゃんの肩を持つなんて」

「それ、遠まわしに穂乃果を馬鹿にしてないか……?」

 

 

 穂乃果の口グセ、『やるったらやる!!』を行動に発揮できさえすればスラスラと仕事をこなすのに、9割がたはダラダラとしている。生まれた時から一緒にいた雪穂だからこそ、穂乃果のダラけ具合はよく見ているのだろう。

 

 

「零さん!!早く行きましょう!!アイドル研究部の部室、楽しみです!!」

「おっ!!今日は一段と元気いっぱいだな」

「入学式の時からずっとソワソワしてたんですよ。『早く部室に行きたい』って、何度聞いたことか……」

「だってずっと楽しみにしてたんだもん!!あのμ'sの皆さんとお会いする時を!!」

「亜里沙、お前今もの凄く輝いてるぞ」

 

 

 亜里沙の笑顔はまさにキラキラという効果音が似合う笑顔だ。

 あぁ、やっぱり天使の名に相応しい人材だったか。これでことりと花陽とでグループを組めば、男なら鼻血間違いなしだろう。いかん!!想像するだけで自分自身が壊れてしまいそうだ!!

 

 

「あっ!!お兄ちゃんだ!!」

 

「……まだ残っていたのか」

 

 

 そうだ、そうだよ、そうでした!!楓も雪穂たちを同じクラスだったんだ!!姿を見せないからてっきり帰ったのかと思ったがそんなわけないもんな、楓だもん!!

 

 

「もしかして迎えに来てくれたの!?嬉しいなぁ~~♪やっぱ兄妹は一心同体だよね♪」

「だ・か・ら!!言葉の意味履き違えてるから!!それに、俺は雪穂と亜里沙を迎えに来たんだよ」

「雪穂と亜里沙?誰よその女!?」

「いや、ここにいるから…………って2人共呆然と立ち尽くしてる!?」

 

 

 確かに普段猫かぶってるコイツの本性を見たら、そうなっちまうのも仕方ないわな。雪穂たちの様子を見る限り、教室ではおとなしかったのだろう、そのせいで楓のこのはっちゃけ具合に驚くのも無理はない。

 

 

「え~と……さっき『お兄ちゃん』って言ってませんでしたか?」

「紹介するよ、俺の妹の……」

「妻の神崎楓です♪よろしくね♪」

「つ、妻って……えぇ!?」

「信じるな亜里沙!!コイツの許されない冗談だから!!それにお前も、亜里沙は純粋なんだから軽い嘘も禁止だ!!」

「純粋……?フフフ……いいこと聞いちゃった♪」

 

 

 ヤバイ!!やはりコイツを亜里沙に巡り合わせたのは失敗だったか……

 これから楓によって亜里沙が黒に侵食されると思うと……ブルブル!!天使は何としてでも俺が守らなければ!!悪魔なんかに手を出されてたまるか!!

 

 

「絢瀬亜里沙です!!やった、早速お友達が増えた!!」

「高坂雪穂です。よろしくお願いします」

 

 

 いつになくハイテンションな亜里沙と、いつもと同じクールなテンションの雪穂。

 俺はこの時悟った。これは……このメンバーだと雪穂が苦労人になることを。強く生きろよ、雪穂……俺も天使が侵食されないよう全力でサポートするから。

 

 

「絢瀬に……高坂……?」

「そうか、お前は知らなかったか。亜里沙が絵里の妹で、雪穂が穂乃果の妹なんだよ」

「へぇ~……じゃあ私たちはシスターズってことだね!!」

「し、シスターズ!?」

「すごくいいと思います楓さん!!」

「楓でいいよ、私も亜里沙って呼ぶから。よ~し!!シスターズ結成だぁ~!!」

「わ~い!!」

 

「えっ、えぇーー!?」

 

 

 ハイテンションで謎の組織を立ち上げた楓、それに便乗して笑顔で拍手する亜里沙、そして一人だけテンションについて行けず蚊帳の外の雪穂。入学初日でこれとは、雪穂の奴前途多難だな。

 

 

「じゃあ私も部室に行こうかな」

「ダメだ」

「なんでさ!?まさか、私と一緒にいるところを誰にも見られたくないとか?きゃぁ~~お兄ちゃんったら私を独り占めしたいだなんてぇ♪」

「だから言ってねぇって……この会話何回するんだよ……」

「なんか、すごいですね……」

「これからは楓を任せたぞ、雪穂」

「えぇ!?私がですか!?」

 

 

 そう言えばツッコミ役って、一学年に2人いるよな。

 俺たち3年生組は海未とことり、新2年生組は真姫と花陽、大学生組は絵里と……希とにこはボケにもツッコミも両方こなせるか。だが新1年生組は雪穂しかいない。亜里沙も純粋すぎて楓に簡単に流されそうだし、このままでは雪穂が過労死してしまいそうだ。

 

 

「楓、お前は家に帰れ。今日荷物が全部届く予定なんだろ?それなのに家に誰もいないわけにはいかないからな」

「うぅ~~……まぁ荷物が届かないと、お兄ちゃん写真集も見られないしね」

「おい今なんつった!!聞き捨てならない言葉が聞こえたぞ!?」

「じゃあ早速お宝を拝みに行きますか!!じゃあねぇ~お兄ちゃん、雪穂、亜里沙」

「ばいば~い!!」

 

 

 亜里沙だけが楓に手を振り返し、俺と雪穂はホッとした気持ちでその場で突っ立っていた。ふと雪穂を見てみると、楓とあまり絡んでいないはずなのにかなりの疲労が溜まっているようだ。表情を見て察するに、『あぁ、これから私どうなるんだろ』って思ってんだろうな。ドンマイ☆

 

 

「よし、厄介者も追い払ったことだし俺たちも行くか」

「「はいっ!!」」

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「零さん、1つ聞いてもいいですか?」

「ん?どうした亜里沙?」

 

 

 アイドル研究部部室へ行く途中、亜里沙が俺に質問を投げかけてきた。

 2、3年生はもちろんのこと、新入生もほとんど校舎に残っていないため廊下は閑散としている。入学式の賑やかなムードもようやく落ち着いてきたって感じだな。

 

 

「零さんはμ'sでどんなお仕事をされているんですか?」

「仕事かぁ~……みんなの写真を撮って思い出作りかな」

「それ個人的な趣味ですよね?」

「うぐっ!!雪穂……この世には分かっていても言っていいことと悪いことがあるんだぞ。先輩からのお言葉だ」

「相変わらず"変態"さんなんですね」

「さっきの文脈からどう読み取れば変態になるんだよ!!俺はただみんなのあんな姿やこんな姿を見たいだけだ!!」

「最後、思いっきり欲望出ていましたよ……」

 

 

 これが、新入生に高校生活初っ端から『変態』呼ばわりされる最上級生の図である。

 こうなったら、これから雪穂や亜里沙の憐れもない姿を写真に収めて夜使ってやるからな!!覚悟しとけ!!

 

 

「本当にそれだけなんですか?お姉ちゃん、零さんがいてくれてすごく助かったって言ってましたけど」

「絵里がそんなことを……嬉しいけど、俺はただ見てるだけだ。歌もダンスも知識がないし、素人目でちょっかいを出してるだけなんだよ。でもまぁ唯一挙げるとすれば……」

「挙げるとすれば……?」

 

 

「……別に対したことはなかった。それより早く行こうぜ!!みんなが待ってるから」

 

「は、はい……」

「零さん……?」

 

 

 2人は顔を見合わせて首を傾げていた。

 唯一挙げるとすれば、俺と元μ'sメンバー9人が争った"あの惨劇"。正直μ'sに対してしてやれたことって、その一件ぐらいしか胸を張るところはないんだけどな。しかもそれは済んだ出来事だ、今はこの2人に話す必要がない。文字通り地獄だったからな、あの9日間は。

 

 

 そして俺たちはアイドル研究部部室前にたどり着いた。

 

 

「この扉はお前ら2人で開けるんだ」

「えっ?私たちがですか?」

「あぁ、入ったらバシッと一発芸頼むぜ!!」

「どうしよう雪穂!?私、何も考えてないよ!?」

「零さん!!亜里沙に余計なこと吹き込まないでください!!」

「す、すまん!!ここまで純粋だったとは……」

 

 

 天使の素質がありますね、亜里沙さん。これはことりや花陽以上の純粋無垢さだ。今すぐお持ち帰りして抱き枕にしていい匂いに包まれて眠りたいが、大天使様にそんな無礼は許されない。

 一瞬、亜里沙とも付き合えたらなぁって思ったが、すぐに振り払った。でもこれ以上付き合うのは本格的に危ないかもしれない。妄想だけは色々と浮かび上がるのになぁ……

 

 

「いくよ、雪穂!」

「う、うん!」

 

 

 そして2人は部室のドアノブに手を掛け、ドアを開け放った。

 

 

「「「「「「「「「アイドル研究部へようこそ!!」」」」」」」」」

 

「「!!」」

 

 

 

 

 部室から9人の歓迎の声が聞こえてきた。

 俺たちは他の部活と違って勧誘をしないことにしたため、雪穂と亜里沙は唯一の新入部員となる。もう顔も名前も知っているし肉親の奴もいるが、新たなμ'sのメンバーを歓迎したいというみんなの提案だった。

 

 ん?あれ?9人……?

 

 

「絵里、希、にこ!?なんだお前ら来てたのか!?」

 

 

 やけに部室がいつも通りだと思ったら、旧μ'sメンバーが集結していた。絵里たちが卒業して狭く感じていた部室も、久しぶりに窮屈でかつ華やかに見える。

 

 

「なんだとはご挨拶ね。にこたちが来ちゃいけないっていうの?」

「別にそんなこと思ってないけど、今日来るって言ってたっけ?」

「亜里沙と雪穂ちゃんと、そしてあなた以外にはね」

「なんで俺に内緒なんだよ……」

「いや~零君の驚く顔が見られると思ってね。そうしたら案の定零君のビックリした顔……ウチ笑ってしまいそうや。写真撮っておけばよかったなぁ♪」

 

 

 この俺を騙すとは……これはオシオキとして「ワシワシMAX」でみんなを昇天させるしかない。

 ワシワシMAXとは、希の得意技である「ワシワシ」を究極的に極めた者だけが会得できる技だ。女の子の背後に素早く忍び寄り、胸を刺激してその気持ちよさで昇天させる。男も別の意味で気持ちよくなれる技なのだ。

 

 

「で?お前ら大学は?」

「今日は講義が午前中だけだったのよ。今は特に部活もサークルも入ってないしね」

 

 

 この事実を知れば驚くかもしれないが、絵里も希もにこも同じ大学に通っている。学部はそれぞれ違うのだが、一年生だから取る授業もほとんど同じで3人ワイワイやっているらしい。

 まさかあのにこがねぇ……秋あたりから絵里と希にみっちり仕込まれたお陰だな。にこも穂乃果みたいにやれば伸びる極端な性格だ。もちろん"やれば"だが……

 

 

「じゃあ改めて。雪穂、亜里沙ちゃん!!入学おめでとう!!」

「ありがとうございます!!」

「あ、ありがとう……」

 

 

 μ'sのリーダーである穂乃果が代表して、新入生2人にはなむけの言葉を送る。亜里沙はそれに元気よく応え、雪穂は自分の姉からエールを、少し顔を赤らめながら受け恥ずかしそうに頷いた。冷静そうに装っても、嬉しそうな表情は隠せないみたいだな。

 

 

「おい雪穂、顔赤いぞぉ~」

「な゛っ!?そ、そんなことないですよ!!」

「ホントだ!!我が妹がここまで立派になって、お姉ちゃんは嬉しいよ!!」

「お、お姉ちゃんだけには言われたくないよ」

「ガーーーン!!!!」

 

 

 雪穂も結構なツンデレさんなのかな?それなら真姫と共にツンデレデュエットが組めるかもしれない。扱いが大変そうなグループだなオイ!!それにこの2人、Sっ気も大いにあるから奴隷になりたい人も多そうだな。

 それにしても穂乃果……どれだけ妹から慕われていないんだ。確かにいつもの様子を見る限り、コイツがμ'sのリーダーだとは誰も思わないだろう。小さい頃も海未にガミガミ言われていたのだろうか。

 

 

「亜里沙ちゃんもおめでとうだにゃ!!」

「ありがとうございます凛さん。憧れのμ'sに入ることができてとても嬉しいです!!」

「うぉお~、すごくキラキラしてるにゃ!!まぶしぃ~~」

「まるでアイドルを語っている時の花陽みたいね」

「えっ!?私もあんなにキラキラしてるかな?」

「えぇ、ついでに2時間拘束されるぐらいにはね……」

 

 

 亜里沙は部室に入ってからずっとキラキラした笑顔で部室内や俺たちを順繰りに見つめてる。そんな輝いた顔で見られると、さっきまで雪穂と亜里沙によからぬことをしようと考えていたのが重罪に思えてくる。これでは俺流新入生歓迎会ができないじゃないか!!

 

 

「私、嬉しすぎて今からでも練習したいぐらいです!!」

 

 

 まぶしぃいいいいいいいいい!!亜里沙が眩しすぎて俺の邪な心がどんどん浄化されるぅうううううううううううう!!ゴメンなさい!!天使様!!俺もう変態行為やセクハラをしませんからぁあああああああ!!

 

 

「折角ですし、本日の練習に2人も参加してはどうですか?」

「いいんですか!?雪穂、私たちも一緒にやろうよ!!」

「で、でも着替えなんて持ってきてないよ?」

「じゃあ一旦家に帰って、もう一度部室に集合でどうだ?」

「珍しいですね、零がそこまでやる気をだすなんて」

 

 

 失礼な奴だ。俺はみんなの薄着の練習着によって見出される、くっきりとしたボディラインを拝みたいだけだ!!そして今回から雪穂や亜里沙も加わるというのに、やる気を出さずにいられようか?もちろんテンションMAXだ!!

 

 

「よ~し!!練習前に、みんなで新入生歓迎会といこうじゃねぇか!!さぁ、みんなでこれを着るんだ!!」

 

 

 俺は部室に隠してあった"とある衣装"をここにいる人数分、つまり12人分の衣装を取り出した。部室のどこに隠してあったの?という疑問は封印しておいてくれ。

 

 

 

 

「「「「「「「「「「「「め、メイド服!?」」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 さぁ!!突然ですが、μ'sメイド喫茶の開店です!!

 

 




 12人も同じ部室にいるんじゃねぇぞ!!作者である自分が大変だろ!!(笑)

 新生μ's結成まであと少しです。今までと同じ短編集になるまでもうしばらくお待ちください。あと1人のメンバーは?


 次回はまさかのメイド喫茶編!?零君と共に鼻血対策を(笑)


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