というわけで今回は怪しいサブタイトル通り愛さん登場回です。
せつ菜が開始した神崎零大好き合戦も無事(?)に終結し、やっとこさ俺への学校案内が開始された。校舎に入ってから1時間以上が経過しているのにも関わらず、まだ構内のエントランスホールまでしか案内されてないのはあまりにもスローペース過ぎる。歩夢たちが事あるごとに騒ぎを起こすため話が中々先へ進まなかったんだ。もう日が暮れるのは覚悟しておくべきだろうな……。
そして再び校内に入ったわけだが、やはり何度見てもこの広さは圧巻だ。聞けばレコーディングルームやカメラの撮影スタジオ、最先端PC大量配備のコンピュータルームまで完備されており、学科の多い学校の財力を見せつけられる。A-RISEが所属するUTX学園もそりゃ大層ご立派だったがこちらも負けてはいない。生徒不足で廃校が騒がれていたどこぞの学校と本当に同じ高校かと疑ってしまいそうだ。
そんなことを考えながら俺はせつ菜の先導で校内を見て回る。かすみは用事で一時離脱したため、今は歩夢、せつ菜、高咲侑との4人パーティだ。
「学校案内であれば元生徒会長の私にお任せください! いつもは零さんにエスコートされている私ですが、今日は私がしっかりとエスコートしてみせます!」
「零さんを誘ったのは私なんだけど!? せつ菜ちゃんに役目取られちゃった!?」
「せつ菜ちゃん、今日は生徒会の手伝いがあるって言ってなかったっけ?」
「だったらところで油を売っていていいのか? 生徒会の手伝い放り出したら栞子が怒るだろ」
「ま、まぁ来客をもてなすのも生徒会のお仕事ですから……」
「お前そんなに不真面目だったっけ……?」
「今はスクールアイドルとしての優木せつ菜ですから、多少のやんちゃはご理解ください!」
なんかいつもの数倍テンション高いなコイツ。俺と出会ってからずっと目を輝かせてるし。そりゃ好きな人がいきなり自分の学校に来たら嬉しいだろうが、なんつうか圧が凄まじいんだよ。さっきからやたら距離も近いし、男に対してここまで無防備な女子が生徒会長をやっていたなんて考えられない。構内では規律を重んじる秀才キャラでいるようだが、俺の目には『神崎零の熱烈厄介オタク』にしか見えねぇな。
「次は我々同好会の部室へ行きましょう! 誠心誠意おもてなしをさせていただきます!」
「あぁ私の役目がどんどん取られていく……」
「これは歩夢が誰にも負けないご奉仕力でお兄さんをもてなすしかないね。例えばロップイヤーを着けてあゆぴょんをするとか!」
「巷ではそういった喫茶店も流行っていますし、私もアリだと思います!」
「全然アリじゃないよ!? しかもそれって如何わしいお店になっちゃうよね!?」
「お兄さんはどうですか? あゆぴょんメイドにご奉仕されるのって」
「そりゃ女の子に1から10までお世話してもらうのは男の夢だろ」
「だってさ歩夢。お兄さんの夢を叶えてあげよう?」
「し、しないよ!? でも零さんの頼みなら……うぅ」
歩夢の中で葛藤が渦巻いているようだ。歩夢のような可愛い女の子のご主人様になれるなら大金を積んで、更に土下座し懇願する男もいるだろう。まあ俺はそんなことをしなくても逆に向こうからやってくれる立場なのでふんぞり返っているけども。そんなご主人様ポジションにいるからこそ動画ではない本物のあゆぴょんを見てみたいんだ。
「侑ちゃんも一緒にやってくれるならやってもいい……かな」
「歩夢さんがあゆぴょんなら、侑さんはゆうぴょんでしょうか?」
「いいじゃんそれ! やろうやろう!」
「えっ、や、やるの!?」
「もしかして私が断ると思ってた? 長い付き合いなのに読みが悪いよ歩夢。お兄さんみたいなイケメンご主人様のメイドになれるなんて人生で一度あるかないかだよ? そんなのトキメクに決まってるじゃん!」
「そうだね、侑ちゃんはそういう子だったよ……」
薄々分かってはいたけど、高咲って子供みたいに自分のアンテナが立つものには何でも飛びつく性格のようだ。とりあえずやってみて経験をするのは悪い考えどころかむしろいいことだが、今回のみたいに歩夢がその勢いに引き摺られることも多かっただろう。現に今も1人で『どんな可愛い服を着ようか』とか『実際にメイド喫茶に行って勉強した方がいいかな』とか妄想を膨らませている。そういうところは穂乃果や千歌の本能的な勢いに通づるところがあるかもな。
それにしても、この2人って会話のテンポが良くそれだけで仲の良さが伝わってくる。俺の知っている幼馴染メンバーは数あれど、ここまで息の合った引っ張り引っ張られ具合はコイツらが一番かもしれない。まぁ歩夢的にそれがいいのか悪いのかは別として……。
「いいですよね幼馴染。私と零さんも幼馴染のようなものですし、お二人のような関係になれたら……」
「アイツらのようにか……。女の子同士の幼馴染って妙に百合百合しいから俺じゃとても真似できないぞ」
「確かにアニメや漫画でも、女の子たちの幼馴染はレズっ気がある子たちが多い気がします。そういえば歩夢さんと侑さんも……」
「えぇぇっ!? 私たち普段からそういう目で見られてたの!?」
「お互いに正妻アピールをすることがありますよね? 歩夢さんは『侑ちゃんは昔はこうだったから~』とか、侑さんも『歩夢はこんな子だから~』とか! お互いがお互いに対して昔から知っているアピをしているので、てっきり他の女性を入り込めないようにしているのかと思いました」
「そんなことしてないから!! ねぇ侑ちゃん?」
「えっ、歩夢裏切ったの……?」
「ゆ、侑ちゃんまさか……」
「冗談だって♪」
「もうっ!!」
世間的にはこういうのをイチャイチャしてるって言うのだろうか。ただ仲が良いように見えても女の子同士が仲睦まじく会話をしているだけで百合と呼ばれるこの世の中、そこに男1人介入した時点でボコボコに叩かれる世知辛い世の中でもある。もしかしたら俺がここにいること自体に怒っている百合好きもいるかもしれないな。
そんな百合談義をしている中、遠くの廊下からこちらに勢いよく走ってくる子がいた。
「あっ、零さんだ! 私が求めてる時にいてくれるなんて運命感じちゃうよ!」
「えっ、愛? ちょっ、どうして腕組むんだよ!?」
「いやちょっとばかり助けて欲しいなぁ~ってね!」
「はぁ?」
同好会メンバーの1人、宮下愛が突然こちらに駆け寄ってきたと思ったら、周りに同好会の仲間がいるのにも関わらず俺の腕に絡みついてきた。歩夢もせつ菜もいきなりの出来事に目を丸くして驚いているが、一番驚いているのは俺だ。女の子たちにはそれなりに好意を持たれている俺だが、公衆の面前で出会い頭にここまで密着されたのは初めてだ。ご自慢のスタイルの良さのせいで、俺の目測推定Gカップの巨乳がこれみよがしに押し付けられているため調子を乱される。
そういやさっきコイツ助けて欲しいとか言ってたような? もしかしてまた厄介なことに巻き込まれるんじゃねぇだろうな……?
「愛さんそんな羨ま――――大胆な!? 私たちはスクールアイドルでここは校内なんですから、もっと節度を持たないと……」
「お前もさっき俺にくっつきそうなくらい近い距離で歩いてただろ……」
「いやぁ今日のところは許してよせっつー! こうしないと誤解されちゃうんだよ」
「零さんに引っ付いているこの状況こそ勘違いされそうですが……」
「そういえば愛ちゃん、さっき零さんに助けて欲しいって言ってたよね? 何か困りごと?」
「歩夢とゆうゆもいたんだ。てことは、この状況は結構マズいかも……」
「えっ、もしかして私たちが何かしちゃった……とか?」
「えっ、いやゴメンゴメン! そういうことじゃなくてね、なんか愛さんね――――――レズ認定されてるみたい……」
「「「「はぁ!?」」」」
まるでさっきの会話を聞いていたかのようなネタ被りだが、どうやらこっちの方は深刻のようだ。なんかさっきから周りを気にしているし、ここまで挙動不審なコイツを見るのは初めてかもしれない。いつもは同好会のムードメーカーであり、コミュ力もMAXで明るい笑顔も絶やさない愛がここまで何かに怯えてるのは大変珍しい。
「レズってお前、まさかそっちの毛があったのか。ギャル系のくせに女に興味があるとか新境地開拓し過ぎだろ……」
「違うよ!? いつも助っ人をしている部活の子にアッチ系の本を書いている後輩がいてね、最近目を付けられてるんだよねぇ……」
「なるほど、お前が百合同人のネタにされてるのか。で? 誰とのカップリングだ?」
「ゆうゆ」
「ゆうゆって、もしかして高咲?」
「えぇっ!? どうして私が愛ちゃんと!?」
「その子曰く、同い年の女の子同士、かつ身長差カップルが最近のマイブームらしくて、それで日々私とゆうゆの妄想が捗ってるとか何とか……。そのせいでその子から獲物を捕食しそうな目線で毎日見られてるんだよねぇ……」
「そういえば、私も最近背筋に悪寒が走るときがあったかも……」
この世にはとんだ性癖の持ち主がいたもんだな……。女の子同士なら分かるけど身長差に美を感じるのは流石の俺でも理解できねぇ世界だ。身長差が自然である男女ならまだしも、それに百合要素を加えるとは……うん、なんかAqoursの梨子が好きそうなジャンルかな。
身長差で言えば確かにこの2人は歴然で、愛のスタイルがいいのも相まって高咲が一回り小さく見える。この場合は愛が女子高生の平均より高いと言った方がいいのか。どちらにせよギャル系の高身長女子と無邪気な低身長女子なのでとても同学年同士とは思えない。そう考えると同人のネタとしてはこれ以上にないってくらい魅力的な逸材なのかも。俺には到底たどり着けない境地だけど。
「まさか愛ちゃんと侑ちゃんがそんなことになっていたなんて……」
「もしかして歩夢さん、愛さんに嫉妬ですか? 愛しの幼馴染を奪われて、今まで眠っていたヤンデレとしての本性が目覚める展開来ちゃいます!?」
「せつ菜ちゃんどうしてそんなに嬉しそうなの絶対に楽しんでるよね!? それに私また愛が重い設定!?」
「いや最近そういったドロドロ展開のアニメを一気見しちゃいまして! そうだ、歩夢さんも一緒に見てみます? ストーリー構成やキャラ心理描写の描き方が凄まじくって!」
「歩夢にそれを見せたら、なんか間接的に私の寿命が縮みそう……。刺される的な意味で」
「私そんなに猟奇的に見える!?」
「歩夢がゆうゆのことを寝取ってくれたら私も楽になるのになぁ~」
「それだと今度は侑さんが病んでしまうのでは?」
「展開ややこしいなぁオイ……」
冗談でも学園昼ドラのようなやり取りをしているから百合同人作家に目を付けられるんじゃねぇのか……?
とりあえず今回は女の子同士の話で俺は蚊帳の外っぽいから妙なことに巻き込まれなくて安心――――と思ったが、騒動の中心である愛に抱き着かれている以上そうはいかないらしい。確かに少し視線のようなものを感じるので、コイツらが百合同人のネタするために観察されてるってのは間違いなさそうだな。どうしてこうも続々と俺に騒動を持ち込むかねコイツらは。
「なるほど、つまりお前は男の俺と仲が良いことをアピールして、自分が同性愛者であるという偏見を払拭しようってわけか?」
「そうそうその通り! さすが零さん察しがいい! と言うことで、今日は1日私の恋人ってことでよろ~♪」
「えっ、こ、恋人って何もそこまでしなくても……」
「お堅いぞせっつー! 私こういうことはカタチから入るタイプだからね!」
「零さんの恋人、零さんの恋人、零さんの恋人、零さんの恋人、零さんの恋人……」
「歩夢が壊れた時計みたいに同じこと繰り返してる……」
愛は俺と恋人ごっこをする気満々のようで、腕だけでなく指も恋人繋ぎで絡めてくるし、自分のスタイルの良さを活かしてその健康的な身体を俺に押し付けてくる。明らかに男の本能を誘った動きだが、男女問わず友達も多いコイツのことだ、どうすれば男が喜ぶかくらいは心得ているのだろう。ただいくら男慣れしている愛の策略だろうと、こっちだって女の子を相手にするのは日常茶飯事だから慣れている。だからボディタッチを激しくしたところで俺には――――――
効くんだなこれが。そりゃね、こんな陽キャギャル美少女に言い寄られて期待しない男は男じゃないだろ。合法的に女の子の身体を楽しめるんだ、それが例え電車内でも学校内であっても身を委ねないのは損だ。逆にそういった状況だからこそ余計に興奮できるってのもあるけどね。
「俺の恋人になるってことは、例えフリでもそれなりの覚悟はしておけよ。俺の隣いる=何をされても文句は言えないってことだから」
「いいねいいねそのご主人様気質! 愛さんそうやってグイグイ引っ張ってくれる人が大好きなんだよね。零さんの隣にいるといつも楽しませてくれるから居心地いいよ!」
「そりゃ俺と付き合えるなんて女の子としては最大のステータスだからな。それに恥じないくらいの楽しみは与えてやるよ」
「友達と遊んだり部活の助っ人をしたり、もちろんスクールアイドルをするのも楽しいけど、零さんと一緒にいるときは他では味わえない体験ばかりできるからドキドキしっぱなしだよ!」
「どうせ今まで恋愛には興味なかったんだろ? だったら俺が『愛』ってやつを教えてやる。それでそのドキドキの意味が分かるはずだ」
「愛さんに愛を教える……あはは! 愛だけにって?」
「せっかくいいムードだったのに台無しにするなって。いやギャグが好きなのは知ってるけどさ……」
愛は自分が楽しんだり相手を楽しませることが好きな女の子。その行動理念は俺と似たところがあるため割とウマが合う。部活の助っ人をしたりスクールアイドルをしたりと多趣味だが、唯一恋愛沙汰には全く触れて来なかった模様。だからこそコイツは自分に近しい男である俺に興味津々なのだ。持ち前のコミュ力の高さで異性を何度勘違いさせてきたのかは分からないが、男性との会話でドキドキしたのは俺が初めてらしい。最初から俺の手付けだと公言しておけば百合ネタにされることもなかっただろうに……。
ま、それはそれとして、さっきから隣でめちゃくちゃ笑っている奴がいて気になるんだが??
「ぷっ、あはは!! 愛と愛をかけて愛だけにって……あはは!!」
「高咲、お前まさかあのダジャレ程度で……?」
「侑ちゃん、小さい頃から笑いのツボが赤ちゃんレベルなので……」
「ますますコイツのことが良く分からん……」
さっきの愛の放ったギャグ。別に大したものでもなかったのに高咲は腹を抱えて笑い転げる。年上の俺に物怖じせずからかってきたり言いたいことをズバッと言える図太さあり、幼馴染の歩夢を積極的に俺とコミュニケーションを取らせようとする積極さあり、笑いのツボが幼い子供っぽところあり。コイツもコイツでキャラ強すぎて逆に掴みづれぇよ……。
「ということで、今から愛さんとデートに行こ! 男女でラブラブしているところを見せつければ、もう百合ネタにされることもなくなるっしょ!」
「ちょっ、ちょっと待って愛ちゃん! 零さん今日は
「さっきやたら『私』を強調してませんでしたか……? それに私も元生徒会長として零さんの学校案内に同席する予定があったりなかったり……」
「お兄さんって本当にいつでもどこでもモテモテじゃないですか。女の子たちに取り合いをさせて今どんな気分ですか?」
「別にいつものことだが?」
「何その澄ました顔!? この人この状況に慣れてる……!!」
そりゃ女の子に囲まれる生活を伊達に5年以上続けてないからな。もはやこれが日常的過ぎて何も思わないせいか、『どんな気分』と聞かれると逆に困ってしまう。毎日顔を洗ったり歯磨きをしたり風呂に入ったり、そんな感覚で誰かしらの女の子と一緒にいるからどう思うとかどう感じるとかないんだよ。
「だったらみんなで校内デートすればいいじゃん! 零さんがいるから女の子同士じゃないし、それで完璧!」
「俺は別にいいけど、そこまでするほど同人のネタにされるのがイヤなのか? 自分が標的になってないからお前の気持ちは分からないけど」
「百合好きの子の妄想に付き合わされるこっちの身にもなってみてよ。『愛さんが攻めで侑さんが受けの方がいいですか?』とか『もし侑さんに告白するとしたらどんな言葉をかけてあげますか?』とか『愛さんがキスするとき、小柄な侑先輩が背伸びをしてくれるんですよ! 女の子がキスするために背伸び! 堪らないですね!』とか、こんな話ばかり聞かされてるんだから」
「それはなんつうか……御苦労」
「知らないところで私妄想のタネにされ過ぎじゃない!? さっきの話を聞いて背筋がより一層凍ったんだけど……」
「同人界隈は如何に妄想を膨らませるかのスキルが重要ですから、その人の職業柄であれば重要なことなんですけどね……」
「だからこそデートをするんだよ! ゆうゆも零さんと一緒にいればあらぬ視線から解放されるって!」
「私が、お兄さんと……?」
高咲と目が合った。まだ出会って数時間なのにいきなりデートはハードルが高いんじゃないか? 俺はいいけど高咲はどう思っているのか。電車内での一件があったとはいえ特に俺に対して嫌悪感を抱いている様子もなく、逆にずっと楽しそうにしているためもしデートをしたとしても気まずくはならないだろう。むしろ普通に楽しめると思う。別にお互いに恋愛感情を抱いているわけでもなく、かといって他人で済ますにはおかしいくらいの仲にはなっている微妙な距離感。そういえば女の子とそんな仲になったことってなかったな。
「零さんと付き合ったらあ~んなことやこ~んなことされちゃうよ?」
「知ってる。見るからに言動も何から何まで肉食系だもん」
「私は肉食系男子って好きだけどね! ということでまず何からする? 同性愛者って疑われないようにキスでもする?」
「展開がはえぇよ……」
「キ、キス……校内デートした挙句にキス……キス……キス……」
「元生徒会長として校内でふしだらな行動は……。でも零さんとの接吻チャンスをみすみすスルーするわけには……。それに私、今はスクールアイドルとしての優木せつ菜ですし……」
「オイ何故かみんなとやる前提になってね?」
もちろん可愛い女の子とできるのであればやぶさかではないが、こんなところで、しかも複数人と連続なんてロマンティックな雰囲気もあったもんじゃねぇな。俺は特段ロマンチストではないが、男としてそれなりに女性に最高の形での思い出を作ってやりたいと思っている。これでもただの女好きではないんでね。だからこそ既にやる気満々なコイツらに対して困っているわけだが……。
「そりゃ私たちが百合営業してるなんて思われたくないし、ここは零さんに踏ん張ってもらわないと!」
「わ、私も零さんとならいつでも……そのぉ、零さんがイヤでなければですけど……」
「スクールアイドルの優木せつ菜、ここは一世一代の覚悟で臨ませていただきます!!」
「えぇ……。なんか毎回最後は俺に委ねられてる気がするぞ……」
「キース! キース! キース!」
「うせぇぞ高咲。まずはお前からやってやろうか?」
「通報する準備はいつでもOKです!」
「煽り力たけぇよなお前って……」
もうキスをしなければいけない雰囲気になっているんだけど、校内デートの予定じゃなかったっけ? デート開始直後いきなりキスをするってどこのDQNカップルだっつうの。コイツらにとってキスってそんなに安いものなのか、それとも好きな男に対してだからこそ積極的なのか……。
「ここで零さんとキスしないと愛さんレズ同人誌のネタになっちゃうなぁ~。ゆうゆにキスを迫る愛さんってシチュエーションが校内に広まっちゃうんだろうなぁ~。言わばそう、愛・ラブ・侑ってね!」
「ぷっ、あははははは!!」
「オヤジギャグと高咲のマヌケな笑い声でテンション下がったから、また今度な」
「えっ、うそぉ!?」
「恨むなら自分のギャグセンスを恨むんだな」
「「えっ……」」
「お前らマジで凹んでんじゃねぇよ……」
これでムードもへったくれもないキス祭りは回避された。俺的にはそれで良かったのだが、どうやら本気にしていた歩夢とせつ菜は絶望に満ちた表情をしている。気持ちは嬉しいけどこんなことで落ち込むなんてどれだけ俺に人生をかけてんだよ……。
でもこれだけ俺と密接に絡めば下手に百合思考が校内に蔓延することもないだろう。なければいいんだけどな……。
To Be Continued……
愛さん勉強もスポーツもできるし、料理もできるしで完璧スペックなことに驚きました。これだけの要素があればこの小説でも色々ネタにできそうなので、アニメで惚れたのも相まってまた登場させたいキャラになりました!
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今後の小説執筆の糧となります!
また評価を入れていただいた方のコメントはしっかり確認しております!
虹ヶ咲編以降に評価をくださった
佐倉行李さん、れい君ですさん、ゲルミンさん
ありがとうございます!