ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常2~   作:薮椿

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 璃奈とエマがこの小説に同時出演するってことはこのネタをやらざるを得ないと思いました(笑)

 そんなわけで今回は璃奈回です!


表情もなければおっぱいもない!!

 結局あの後は歩夢たちの作ってくれた昼飯を全員分たらふく平らげた。食ってる途中でもみんなが抱き着いたまま離れてくれなかったため、何故かみんなに食べさせてもらうという赤ちゃんプレイにまで発展したのは内緒だ。四方八方から俗に言う『あ~ん』攻撃を一身に受けたため食い切るのに時間がかかってしまったが、それでも美味しくいただけたのはコイツらの愛情があってこそだろう。みんな将来いつ俺に嫁いでも問題なさそうだ。

 

 長かった食事も終わり俺への学校案内が再開される。午前中は次から次へ騒動に巻き込まれたためか学校周りとエントランスホールくらいしかまともに見て回れていないので、そろそろ同好会の部室や練習場を紹介して欲しいもんだ。まあこの学校は設備も充実していて内装も近未来的だから歩き回っているだけでも飽きないのがまだ救いか。

 

 午後から運動部のサポートがあると言ってこの場から抜けた愛を除き、歩夢、エマ、高咲の面々で校内を練り歩く。

 

 

「歩夢さっきからずっとニヤニヤしてるよ? お兄さんに手料理を食べてもらったのがそんなに嬉しかった?」

「そりゃもう『あ~ん』って零さんに食べさせてあげたこととか、なんか新婚さんみたいだったし……えへへ♪」

「表情緩み過ぎでしょ……ね、エマさん――――って、エマさん?」

「…………はっ、な、なにかな侑ちゃん?」

「さっきお兄さんとの食事シーンを妄想してましたよね……?」

「えぇっ!? どうして分かったの!?」

「いや歩夢と同じ顔だから嫌でも分かるって……」

 

 

 歩夢とエマはさっきから前を見て歩いていないというか、いや向いてはいるんだけど完全に自分だけの世界に入り込んでしまって妄想に現を抜かしている。心ここに在らずという言葉がお似合いだが、俺が顔を覗き込んでみると途端に顔を真っ赤にして慌てた様子を見せる。もはや辞書の『恋』という言葉の欄にコイツらの表情を載せておけば誰でも意味が理解できそうだな……。

 

 そんな中、高咲は訝しげな顔で俺を見つめていた。

 

 

「お兄さん、エマさんが来てから頻繁に胸見てますよね……」

「なんだ藪から棒に。まぁそりゃ見るだろ、男だもん」

「否定したり誤魔化さないのがお兄さんらしいですね……」

「そ、そんなに私の胸が気になるんですか……?」

「制服の上からでも分かる手に吸い付くだろう大きさ。男の大きな手でもたっぷりと鷲掴みにできるボリューム。エマ特有のふんわりとした雰囲気から胸の柔らかさも伝わってくる。これだけ見るべき要素を並べたら十分か?」

「うわぁ……ソムリエっぽくてなんかキモい……?」

「おいおい見くびるなよ。ただ人より女の子の胸を触る機会が多いだけだ。俺の人徳が成せることだな」

「お兄さんって本当に俺様系ですよね。女性の敵と思われてもおかしくないですよ……」

 

 

 それで嫌われているんだったら俺の周りにこんなに女の子はいないって。それに高咲も何だかんだ俺と仲睦まじく(?)話をしてくれるので、内心俺のことを嫌ってはいない……と思う。そもそも俺から変態精神を奪ったらそれこそ完璧超人になってしまうから、そのようなマイナス要素があった方が帳尻が合ってちょうどいいんだよ。

 

 

「胸が大きいと肩が凝ったり男性にジロジロ見られていいことがなかったんですけど、零さんに褒めてもらえるのであれば悪くないかなぁ~って。むしろ零さんが求めてくれるのであれば――――どうぞ!!」

「どうぞってこんなところで!?」

「わ、私だってエマさんには敵わないけどそれなりにはあるつもりです!!」

「なんのアピールだよ!? てか仮にもスクールアイドルなんだから校内でそんなこと叫ぶなって!」

「こうなったのお兄さんのせいですから」

「なんで!? 最初に話を振ってきたのはお前だろ!?」

 

 

 火を点けたのは俺だが、油を撒いたのは高咲だ。なのにコイツはこの期に及んで無関係者を装い周りの目から逸れようとしてやがる。

 てかコイツもそこそこに胸あるくせに――――とか言ったらかつてないほど冷たい目で見られるんだろうな……。

 

 

「あっ、れ、零さん……?」

「お前……璃奈か?」

 

 

 廊下の真ん中で騒いでいると、曲がり角から突然きし麺ピンク髪のロリ少女――天王寺璃奈が現れた。ぶっちゃけてしまうとコイツの素顔をあまり良く見たことがなかったため、最初は璃奈だと気付かなかった。ロリ体型と特徴的な髪から何となく察したのだが、どうやらビンゴだったようだ。

 

 本人もいきなり俺とエンカウントしてビビったのか、一瞬で手で顔を覆う。

 

 

「あわわわ……ちょ、ちょっと待って、ボードを用意するから」

「いやそのままでいいだろ。素顔、可愛いじゃん」

「えっ、あっ、う、うん、ありがとう……」

「それでもまだ手で隠すのな……」

「だって恥ずかしい……」

 

 

 顔を手で隠してはいるが、その隙間からでも顔が赤くなっているのが分かる。表情を出せないから『璃奈ちゃんボード』なるもので顔を隠すのがコイツの常なのだが、今の羞恥に塗れている様子を見るに感情を出せている気がする。ライブやメディアの前でも素顔を隠しているため彼女の本当の顔を知っている者は意外と少なく、俺もその1人だったりする。さっき曲がり角の出会い頭で一瞬顔を見えたのだが、別に隠すほどでもなくむしろめちゃくちゃ美少女だった。だからもう一度見てみたい。

 

 

「璃奈ちゃん私たちの前だとボードを外して会話ができるのに、お兄さんとはできないんだ」

「恥ずかしすぎて無理。目を合わせても無理。そもそも会話をすること自体、気持ちが変に舞い上がっちゃって無理」

「零さんが好きな故なんだよね。この前なんて零さんの写真を写したスマホと睨めっこして慣れようとしていたんですけど、写真に負けちゃったんですよ璃奈ちゃん。可愛いですよね♪」

「エマさんそれ言わない約束……」

「いやそれは結構なことだけど、どこで写真を手に入れたんだよ……」

「確か歩夢ちゃんが――――」

「な、なんのことでしょう分からないですね~あはは……」

「おいどこで手に入れた……」

 

 

 歩夢は俺と目を合わせないが、明らかに目が泳いでいるのでそれなりの違法手段で手に入れたのは間違いなさそうだ。前も言ったけど、やっぱりコイツ少しヤンデレの気質あるよな……。入手経路は聞いたらそれはそれで闇が深そうだから敢えて追及するのは避けよう。

 

 それにしても璃奈の奴、俺の写真相手でも睨めっこに負けるとは。それはもう表情を出せないのではなく羞恥心のような気もするが、一度街中でエンカウントした時もコイツは恥ずかしいからと俺の前でボードを外さなかった。ボードを着けている時はそこそこ饒舌だから人とのコミュニケーションは好きなんだろうけど、これだといつまで経っても『俺』を克服できないだろう。

 

 そして璃奈は恥ずかしい過去を暴露され動揺しながらも、カバンから表情が書かれたボードを取り出して顔の前に持ってくる。それでようやく俺と向き合った。

 

 

「やっぱ表情が見えないってのは喋りにくいな……」

「喜怒哀楽ならボードで表現できる。それに紙を素早く捲れば表情変化にも対応できるし大丈夫」

「それでも俺はお前の素顔が見たい」

「それはまだ難しい。むぅ……エマさんみたいな身体だったら表情が見せなくてもスキンシップ出来るのに……」

「ええっ!? 私みたいな身体って……そういうことだよね?」

「そういうこと。零さんはおっぱい星人だから」

「あのな、否定はしないけどただおっぱいを押し付けるだけで俺が惹かれると思ったら大間違いだぞ」

「なんで? おっぱい、好きでしょ?」

「好き」

 

 

 己の欲望には逆らえないため即答してしまったが、俺に女体を差し出せばホイホイ釣られる時代は終わった。高校時代の思春期MAXの時期ならそれでも良かったかもしれないが、俺だって今は大学生。しかも数多の女の子と付き合っているため女体なんて慣れに慣れ過ぎている。だから少し巨乳だからってそれでスキンシップを取ろうなんて片腹痛い。まぁエマくらいの大きさであれば多少は靡くかもしれないが、それはそれ、これはこれだ。

 

 

「エマさんはどうしてそんなに胸が大きいの? 何をしたらそうなったの?」

「そ、そんなこと言われても何もしてないというか、成長の過程で勝手にこうなったとしか……」

「くっ、これが持つ者だけに許された余裕……」

「確かに胸があればお兄さんを誘惑できるし、璃奈ちゃん的にはステータスなのかも。ね? 歩夢」

「私に振るの!? ま、まぁ零さんが喜んでくださるのなら大きくてもいいかなぁって……」

「ここには理想的な体型と規格外体型しかいないから、貧乳ド陰キャの私がいる場所がない……」

「お前少し自暴自棄になってないか……?」

「表情もなければおっぱいもない!!」

 

 

 璃奈は『怒』のボードを前面に向ける。コイツの喋り方はトーンが一定で起伏がないのだが、今は普通に興奮しているのが声だけで分かる。今こそ感情が表に出ているだろうからボードを剥ぎ取る時なんだろうけど、流石の俺でもそこまで畜生ではない。それに素顔を見せる時は自分の意志で見せて欲しいもんだ。

 

 

「胸を大きくするためには、男性から揉まれるのが一番ってよく言われるよね。そこのところどうなんですかお兄さん?」

「どうして俺に聞く……」

「いやぁ~触り慣れてるって話だったから知っているのかと思って」

「慣れてるって言われたらそうだけど、大きくなる原因は分かんねぇよ。好きな男に揉みしだかれたら性的興奮から女性ホルモンが多く分泌され、その影響で胸が大きくなるとかじゃねぇの? 知らないけど」

「そ、そうなんだ……」

「もしかして歩夢、今想像した? お兄さんに触られるところを想像した??」

「ふぇっ!? し、してないしてないしてない!!」

 

 

 いや、顔の紅潮具合を見るに絶対に良からぬ妄想をしていたなコイツ。性格は紛うことなき清楚キャラなのに中身がアレってのはどこぞの淫乱バードを思い出すな。アイツのような歩く変態にはなって欲しくないというか、ならないように俺が努力しよう。

 

 高咲が言っていた男に胸を揉んでもらう理論は昔からあるが、それは別に間違っちゃいないと思う。科学的根拠はないが、好きな男に触られるためならバストアップ術を試すという気概が起きるだろう。それで胸が大きくなれば結果オーライなのだ。

 

 

「なるほど……。ということで零さん、私の胸を触って」

「あぁ分かった――――って、今なんつった??」

 

 

 璃奈の爆弾発言に場の空気が変わる。口調が淡々としているから思わず適当に返答してしまったが、よくよく言葉を辿っていくとまさか自らセクハラを求めるとは……。璃奈の発言に歩夢たちも唖然としている。

 

 

「好きな男性に触られたら大きくなる理論が合っていれば、零さんに触られたら私の胸が大きくなるってこと。だから触って」

「と言われてもなぁ……」

「私の胸は零さんのモノ。つまり私が触ることを許可している以上、何も迷う必要はない。それにいつもの零さんなら女の子のおっぱいを好きにできるのなら鼻の下を伸ばして飛び込んでくるのに、ここで躊躇する理由が分からない。Why?」

「だ、だったら私も自分の胸に自信がないから零さんに触ってもらいたいなぁ~……って」

「歩夢お前、さっきそれなりにあるって豪語してなかったか……?」

「私だって零さんのお好みのサイズになるまで触っていただいてもいいです……よ?」

「お前はもう十分だろエマ……」

 

 

 なんか流れで俺が豊胸手術をしてあげるみたいになってるんだけど……。いや触ること自体は大歓迎だが校内でやるべきことじゃないだろ……。

 エマはもちろん歩夢も胸はそれなりにある部類なのに、ここに来てまだ豊胸しようとする謎の向上心。全ては俺のために求めていることだから嬉しくはあるんだけどさ。

 

 

「据え膳食わぬは男の恥と言いますから、ここはお兄さんも男を見せるしかないですよ」

「あのな、客人としてこの学校に来てるのに余計な不祥事は起こせねぇだろ……」

「女の子が恥を忍んで頼んでるんですよ? しかも女の子が自らのカラダを差し出してお願いしている。これを拒むとか男性器付いてるんですかぁ?」

「あん? 先にお前の胸揉むぞ」

「は? 普通にキモいのでやめてもらっていいです……?」

「まぁそれが一般的な反応だよな……」

 

 

 あまりにも簡単に女の子の胸を揉める状況だから感覚が麻痺していたが、高咲の反応こそまさに普通だ。俺から揉ませてくれとお願いすれば触らせてくれるし、逆に女の子たちが自ら触らせようとするこの状況が異質だと改めて実感した。俺たちが如何に日常の皮を被った非日常を繰り広げているのか、高咲を通じて思い出したよ。

 

 

「歩夢さんの胸もエマさんの胸も触っちゃダメ。今は私の強化回で、ここで自分の胸を強化しておっぱい魔人にリベンジを挑む激熱展開なんだから」

「別に私は胸の大きさで戦おうなんて思ってないんだけど……」

「胸が大きくなるとメリットしかない。貧乳を見下すマウントが取れる。貧乳で悩まなくていいから心に余裕ができる。零さんに注目される。零さんを誘惑できる。零さんにおっぱい枕として使ってもらえて一緒に寝られる」

「後半はお前の欲望じゃないのか……」

「そんなことはない。ね、歩夢さん?」

「うんそうだね――――って、どうしてみんな私に振るの!?」

「油断して素の反応だったよね歩夢……」

 

 

 サラッと歩夢の化けの皮を剥がすのはやめてやれ。ただでさえ淫乱の片鱗を見せてるってのに……。

 胸を大きくする理由は何であれ、璃奈はそれなりに真剣なようだ。だったら男として応えてやるべきなのか……? ムードもへったくれもない状況だけど豊胸手術、つまり医療行為だと思えば問題ない。それもAEDを使用するような緊急性の高い手術で、場所なんて選んでいる場合ではない。それくらい璃奈は胸を大きくすることを熱望しているらしい。なるほど、なるほどなぁ……。

 

 

「いいだろう。俺が直々に揉んで大きくしてやる」

「ホントに? やった」

「いいんですか零さん!?」

「これは医療行為だ。お前は心肺停止でぶっ倒れている奴を見て、AEDも使わず知らんぷりするのか?」

「そんな急を要することなんですかこれ……」

「持っている者には分からない。貧乳の持つ悲しみ、苦しみ、僻み、嘆き、そして絶望を」

「そもそも私、璃奈ちゃんが胸のことで困っているなんて知らなかったよ……。そんな素振り一切なかった気がするんだけど」

「困っている風を装っておけば零さんの同情を誘って胸を触ってくれるなんて思ってないから」

 

 

 なんか深層意識が表層意識に現れた気がするんだけど、これは聞かなかったことにしておこう。そうしないとさっきまで割と本気で心配していた俺が馬鹿らしくなってくるから……。

 璃奈は俺と向かい合う。どうやらもう俺に触られる覚悟はできているようだ。どんな表情で待ち構えているのかはボードに遮られて分からないが、ボードに描かれた表情は本心を隠すためかハイテンションのもの。もっと緊張を表す表情のものはないのか雰囲気出ねぇな……。

 

 ここまで来たら俺も引き下がれない。俺は璃奈の胸元に手を伸ばし、膨らみかけで熟す前の胸を――――――

 

 

「ひゃっ……んっ♪」

「ちょっ!?」

 

 

 柔らか!? っと思った矢先、璃奈は後退して俺の手の呪縛から逃れる。やっぱり小さくてもおっぱいはおっぱい、柔らかさは大小関係なく変わらない――――なんて考えている間に俺の手は空を掴んでいた。本当に一瞬しか触っておらず、なんなら指を食い込ませる前に逃げられてしまった。だが俺の手には彼女の胸の感触が微かに残っており、空気を掴みながらも指を動かして無を揉んでしまう。それくらい手に馴染む感触だったんだ。

 

 ていうか、そっちから求めておきながらどうして逃げた?? 見ればボードの表情が羞恥モードに変わっている。

 

 

「恥ずかしがるのなら最初からやめとけよな……」

「こんなに刺激の走ることだとは思わなかった。胸の外から中へ、芯まで熱い。今までに感じたことのない未知の刺激。これは胸が大きくなる前兆かも」

「璃奈ちゃんとっても気持ちよさそうですけど、お兄さん本当に触っただけですか? ほら、璃奈ちゃんずっと身体をモジモジさせてますよ?」

「いや触ったレベルに到達してねぇぞ。逃げたせいでほんの一瞬触れただけなんだけど……」

「例え一瞬でも零さんの手が私の胸に触れた時、身体中に電流が走った。そして現在進行形で胸が熱い。胸の先端から付け根に熱さが流れ込んでくるかのよう」

 

 

 やけに生々しい解説だな……。それってただ羞恥心で体温が上がってるだけなんじゃねぇのと思ってしまう。でもプラシーボ効果というのは本当にあるみたいで、本人がそれで胸の何かしらの変化を感じているのならそれでいいのかもしれない。でもこれで本当に俺が触ったことで胸が大きくなったら女の子たちから引っ張りだこになりそうだ。うん、それはそれでいいかもしれない。

 

 

「いいなぁ璃奈ちゃん。私も胸が小さかったらおねだりできたのかな……」

「歩夢だって成長の余地あるじゃん。この際だからお兄さんに触ってもらえば?」

「えぇぇっ!? ま、まだ心の準備ができていないというか……」

「あまり男に触ってもらいたいとか言ってると痴女と間違われるぞ。エマを見てみろ、巨乳が故の心の余裕ってやつが――――」

「璃奈ちゃん気持ちよさそうだったなぁ……。私も零さんに触られたらあぁなっちゃうのかなぁ……。ふわぁ……ひゃんっ♪」

「えっ!?」

「もしかしてお兄さん、一瞬でエマさんの胸を……!?」

「いや何もしてねぇ!! おいエマ、俺に胸を揉まれる妄想で卑猥な声出すな!!」

「はっ!? 私は何を!?」

 

 

 危ない危ない、もう少しで痴漢冤罪を吹っ掛けられるところだった。だが弁解したのにも関わらず高咲はまだ鋭い目を俺に向けるので疑いが晴れていない。エマは自分の妄想を思い返して恥ずかしがり、歩夢は俺に揉まれる覚悟を決めようと呪文のような独り言をぶつぶつ呟き、璃奈はまだ俺に触られた余韻に浸っている。あぁ、こうやって収拾がつかなくなるからこの場ではやりたくなかったんだよな……。分かっていたんだけど女の子の胸には勝てない。野郎であればこの気持ちを理解してくれるはずだ。

 

 

「零さん、もう1回私の胸を触って」

「はぁ? 恥ずかしいんじゃなかったのかよ」

「確かに恥ずかしい。でもそれ以上にカラダに走る刺激が堪らない。感じたことのない感覚に興味しか湧かない。これで女性ホルモンを大量に分泌して、エマさんのようなボディに――――」

「じゃあ、ほい」

「ぴゃぁっ♪」

 

 

 今度は戯れに敢えて璃奈が覚悟を決める前に胸に触ってみた。不意打ちだったからか回避行動が間に合わず、さっきよりも胸に触れた面積も大きく時間も長かった。ふにょんといった効果音が似合うほどの柔らかいおっぱい。例え小さくても女の子としての成長をしっかりと感じられた。

 

 そしてあまりに突然の出来事だったためか、璃奈はその場で尻もちをついてしまう。更にその衝撃で手からボードが外れ、遂に素顔が俺の眼前に顕現する――――――

 

 

「なんだ、ちゃんと感情出せてるじゃねぇか」

「み、見ないで恥ずかしい……」

 

 

 璃奈は顔を手で覆って俯く。だが俺の反応が気になるようで、顔を赤くしながら指と指の間から目だけを覗かせている。

 表情が上手く表に出せないと嘆いていたが、その心配は杞憂だったみたいだ。羞恥に塗れる様子、そしてその恥ずかしさに耐えられず赤面する表情はしっかりと女の子だ。つうか普通に可愛いんだよな。恋人でもいいけど妹にもしたいくらいだ。

 

 璃奈は床に落ちたボードを素早く拾い上げ自身の眼前に持ってくる。

 

 

「こうなったら零さんに責任を取ってもらうしかない。素顔を見た責任。心の準備ができる前に胸を触った責任」

「いやなんでそうなる」

「だったらもっと触って。身体に走る刺激が快感で衝動が抑えられない。もっと感じてみたい。触って、触って」

「どんどん痴女化してるぞ!? おい高咲、見てないで止めてくれ。歩夢とエマは妄想に耽って使い物にならないからお前だけが頼りだ」

「私も電車内で痴漢されちゃったからなぁ~どんな責任を取ってもらおうかなぁ~。ね、お兄さん♪」

「お前……」

 

 

 1つ言っておくけど、今回は女の子側から触っていいと言ってきたから俺は無罪だ。だけど何故か俺が撒いた種ってことになってるし、何でも男のせいにされるからやっぱり男が生きづらい社会になってるよ全く。

 結局璃奈の暴走を止めるためにもう1度触ってやったのだが、それはそれで余計にコイツの興奮に拍車をかけるだけだった。頼むから脳内ラブホテル化だけはやめてくれよ……。

 

 

 

 

To Be Continued……

 




 璃奈ってアニメだとあまり喋りませんが、スクスタのストーリーとかを見ているとかなり饒舌なのが驚きでした。なのでこの小説でも斜め上の方向に暴走させてみましたが、私はこのキャラ付けの璃奈がかなりお気に入りになりました(笑)

 評価コメントで「零くんとアイドル達の絡みは最高です」といただきました。ハーレム要素はもちろんキャラ同士の仲の良さを前面に押し出しているので、読者さんに一瞬でも面白いと思っていただけると嬉しいですね。


 よろしければお気に入り、感想、高評価をよろしくお願いします!
 今後の小説執筆の糧となります!


 新たに評価をくださった

 羊田さん

 ありがとうございます!
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