ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常2~   作:薮椿

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 大人びたお姉さんキャラはもちろん好きなのですが、そんな子の弱い面や年相応な可愛らしい一面を見るのが好きな特殊趣味があったりします(笑)

 そんなわけで今回は果林さん登場回です!


スキャンダル・ガールズ

 演劇部の奴らの罠に嵌められたことでまたしても精神的に疲労が溜まってしまった。演技とは言え俺に抱きしめられて昇天し、抜け殻となったしずくを抱えて講堂を出る。たかが学校案内で演劇部の練習に付き合わされ、挙句の果てに案内する側の人間の介抱までしなきゃいけないなんて客人としてもてなす気あんのかコイツら……? 学校の施設や部活を知るといった体験ができる学校案内と言えば聞こえはいいが……。

 

 その後まもなくしずくは復活し、またしても眠気に苛まれて昼寝をしに行った彼方の代わりに彼女も学校案内の一団に加わることになった。

 

 

「零さんすみません。わざわざ来てくださったのに私の介抱だなんて粗相を……」

「別にいいよ。そもそもお前もアイツらに騙された側だから謝る必要はないだろ」

「そうだよしずくちゃん。それにお兄さんにお姫様抱っこされて嬉しかったんじゃない?」

「そ、それは光栄と言いますか何と言いますか、その……結婚式でやってもらいたいことのNo.1があそこで叶うとは思っていなくて……」

「そんな壮大なことをしなきゃいけねぇのか俺……」

「もう結婚することは前提なんですねお兄さん……」

 

 

 そりゃ俺の女なんだから当たり前だろ――――なんて言ったらまた高咲に白い目で見られるのでやめておく。コイツの中で俺の評価がどうなっているのかは分からないけど、多分あまりいい印象は与えてないだろう。だったらどうして俺の学校案内にずっと付き合っているのかは謎だが、歩夢やみんなを俺の毒牙から守るためだったりするのか? 既に守れてない気もするが……。

 

 

「真っ白なウェディングドレス……零さんの隣でバージンロード……そして誓いのキス……」

「しずくちゃん? おーいしずくちゃーん? ダメだ、お兄さんとの結婚式の妄想に現を抜かしてる……。ねぇ、歩夢もしずくちゃんを――――って、歩夢?」

「ウェディングドレスを着るならダイエットをしなきゃだよね……。ドレスって身体のラインが出ちゃうし、零さんに見られて恥ずかしくないスタイルにならないと……。そのためにはもうちょっと甘いモノを我慢して……」

「歩夢まで……。みんなどれだけお兄さんのことが好きなの……?」

「モテる男は辛いな」

「もうこの状況に慣れてきてる私が怖いですよ……」

 

 

 このまま一夫多妻なこの状況に違和感を覚えなくなったら神崎零ファミリーの仲間入りだ。そしてコミュニケーションを重ねていく間にどんどん俺に対する想いを募らせてしまい、最初は嫌悪していた俺を好きになるまでがテンプレ。コイツもものの見事にその道のスタートラインに立とうとしているから歓迎してやろう。

 

 それはいいとして、そういや誰かにウェディングドレスを着させたことって今までになかった気がする。女の子たちに多種多様なコスプレを着させて遊んできた経験のある俺だが、ウェディングドレスはどうも神聖な感じがして遊びには使い辛いんだよ。神聖と言えば巫女服もそうだが、そっちは普通に興奮できるんだよな。人の性癖ってまさに人それぞれだってことが分かるいい例だ。

 

 

「ウェディングドレスってそんなにスタイルが出るのか。だったらお前らは問題ないんじゃないか? 歩夢もしずくも抱き易いいいスタイルをしてるじゃん」

「だ、抱くって……。お兄さん相変わらず変態的な目線でしか物を語れないんですね……」

「はぁ? ただウェディングドレスの姿のコイツらを抱きしめたいって意味なんだけど?? お前も大概エロい思考してんじゃねぇか」

「してないですよそんなこと!! お兄さんの今までの言動から察しただけです!!」

「どうだか。お前も案外いい身体してるから脳内までエロい説はあるな」

「ちょっ、今度こそ本気で通報しますよ!?」

 

 

 通報通報って、たまには自分の力で何とかしようと思わないのか現代の若者は……。

 冗談はさて置き、本当に鋭い目で睨まれているのでからかうのもこのあたりにしておこう。高咲は両腕を自分の腕に巻き付けて身震いしながら俺と距離を取っている。その動作も男の嗜虐心を誘ってるってこと分かってねぇなコイツ。まぁ男との付き合いがない人生だっただろうから仕方ないか。

 

 そんな最低なやり取りをしている中、校内の休憩所に雑誌が並べられているコーナーを見つける。女子高だからか女の子が好きそうなファッション誌や旅行雑誌、グルメ本などが数多く揃っていた。

 その中で俺は1つのモデル雑誌を手に取る。そしていつの間にか妄想の世界から帰ってきていた歩夢としずくが俺の持つ雑誌を覗き込んだ。

 

 

「その雑誌の表紙、果林さんですね。普段の果林さんも素敵だけど、モデル姿はより一層綺麗だなぁ~」

「私も果林さんのような気品ある立ち振る舞いができれば、演劇の役者としてもっとレベルアップできそうです」

「お前らにとって果林は目標にすべき1人なのか。まぁ雰囲気的に何でもそつなくこなせそうだもんなアイツ」

「そ、それは……」

「あん? なんだ?」

「いやなんでもないです……」

 

 

 高咲は咄嗟に口ごもるが、何か果林の秘密でも握っているのだろうか……? 見た目や雰囲気で人を完璧超人だと思い込んでしまうことはあるけど、蓋を開けてみたら意外とそうじゃなかったってパターンも多い。身近な奴で言ったら絵里やダイヤの名を挙げれば分かってもらえるだろう。いわゆるポンコツってやつだな。

 

 休憩がてら果林が映っている雑誌を眺めていると、誰かが小走りでこの休憩室に駆け込んできた。

 

 

「はぁ……ここまで来ればもう大丈夫かしら……」

「果林?」

「えっ、れ、零さん!?」

「もう驚かれるの慣れてきたな……」

 

 

 毎回同じ反応をされるためもはや学校案内をされているという説明すら面倒で省略してしまった。そもそも歩夢はみんなにサプライズをするために内緒で俺を呼んだらしいのだが、みんなしっかり驚いてくれたからそれなりの成果はあったのだろう。だがみんなが最初から一堂に会してくれればこれまでの余計な騒動に巻き込まれることもなかったんだろうけど……。

 

 朝香果林。歩夢たちと同じ同好会メンバーにして年長者。さっきの雑誌の通り読者モデルをしておりスタイル抜群。容姿良し、カラダ良し、気品ありと言った文句の付けようのない属性から男性人気はもちろん、女性人気もかなり高い。コイツの隣にいるだけでステータスになることは間違いないだろう。

 

 

「どうしたそんなに息を切らして? 誰かに追われでもしてんのか?」

「えぇ、新聞部の取材の子たちにね……」

「ホントに追われてたのか……。新聞部ってことは天下の読者モデルがスキャンダルでも握られたか?」

「うっ……」

「マジで……?」

「いやそれはデマだって抵抗はしてるんだけど……」

 

 

 果林は恥ずかしそうな表情をしながら顔を背ける。マスコミがマスゴミと呼ばれる所以の1つが過剰な取材なのだが、まさか身近でその被害に遭っている奴がいるとはな。そりゃ全国的に有名なモデルが自分と同じ学校にいたらマスコミ魂が疼いて話題にもしたくなるか。

 

 

「で? どんなスキャンダルの疑いをかけられてんだ?」

「さっき新聞部の子たちから次に掲載する新聞のサンプルをもらったんだけど……これ」

 

 

 果林から新聞を受け取る。そこには『朝香果林、まさかの熱愛発覚!?』と大きな見出しが書かれていた。細かい文章は読むのが面倒なので省略するが、まぁ女性有名人にはよくありがちなネタだろう。こんなのをまともに信じる奴なんて――――

 

 

「熱愛って果林さん、もしかして彼氏!?!?」

「違うわよ!? デマだって言ってるでしょ!?」

「どうせお前がモデルの仕事で男スタッフと事務的な会話をしてるところを見られて、それを新聞部が盛りに盛ってこう書いたってところか。話題作りのためにマスコミがやりそうなことだ」

「いや、これってどう見ても……」

「はい、どこからどう見ても……」

「えっ、なに……?」

 

 

 みんなが一斉に俺を見る。高咲が雑誌に掲載されている写真を指差したので見てみたら、映っているのは果林と……俺? 俺は後ろ姿で映っているのでこの記事を書いた奴に正体はバレていないものの、俺を知っているコイツらであれば誰だか分かるくらいには写真が鮮明だった。

 

 

「この前スクフェスの会場で零さんと話していた時の写真よ。ただ話していただけなのに熱愛だなんて大袈裟な……」

「なるほど、だったらむしろ俺の恋人になれば全部解決だな」

「えっ!?」

「「「えぇっ!?」」」

 

 

 まさか告白をされると思ってなかったのか、果林はもちろん歩夢たちも同時に驚く。

 

 

「いいか? こういったマスコミってのはこっちがコソコソするから調子に乗るんだ。だから敢えて何食わぬ顔で恋人を作ってアイツらに反応しなきゃいい。そして時間が経てば奴らは勝手に飽きるしネタも風化する。そうだろ?」

「確かに過剰な反応は良くないかもしれないけど、だからと言って恋人ってそんな……」

「俺と恋人ごっこは嫌か?」

「い、嫌じゃないけど……。むしろ……」

「ちゃんと言わなきゃ分かんねぇぞ」

「もうっ、相変わらず意地悪なんだから……」

 

 

 俺はいつの間にか果林を休憩室の端に追い詰め、いわゆる壁ドンで彼女の精神すらも掻き乱す。

 こうして近くで見るとモデルをやってるだけあって顔が整っていることが鮮明に分かり、本当に高校生かと錯覚してしまうほどの美人だ。とてつもなくセンシティブでアダルティックな彼女だが、今はただただ頬を染めて俺に為す術もなく追い詰められるか弱い少女。そのギャップを自分が操っていると思うと良からぬ興奮が湧き上がってくるな。

 

 

「お兄さんと果林さんって絵になるよね。やっぱりイケメンと美人だからかな?」

「この壁ドンを絵にするだけでも芸術になりそうな、そんな感じがしますね。零さんも果林さんもファンが多いですから、お二人が劇場で今のような演技をするだけで黄色い声が上がりそうです」

「果林さん、いつもとは雰囲気が違ってちょっと可愛い♪」

「ちょっと歩夢やめてよ!? 別に私だって好きでこういうことをやってるわけじゃ……」

「だったら好きで恋人ごっこをするようにお前の意識を変えてやるしかねぇな」

「れ、零さん近い……っ!!」

 

 

 壁ドンの距離を更に縮めてやると、果林はもう俺の顔を見られないのかそっぽを向いてしまった。いくら大人びて見えてもまだ高校3年生で男経験もないウブっ子だから仕方ないか。でもこれくらいやらなきゃ新聞部の鼻っ柱を折ることはできない。よそよそしく付き合っている風を装う方が格好の的になるから、いっそのこと突き詰めてマジモノの恋人っぽく見せてやろうってことだ。

 

 それにそれは果林だけの問題ではないしな。

 

 

「歩夢もしずくも人ごとみたいに言ってるけど、その新聞の記事の端っこをよく見てみろ。高咲、読んでやれ」

「はい。えぇっとなになに……? 『朝香果林以外の虹ヶ咲スクールアイドル同好会のメンバーの動向もチェック。スクフェス会場で一般男性とのツーショットを激写。今後の関係に目が離せない』だって。この写真、歩夢もしずくちゃんもお兄さんといるところを撮られちゃってるね」

「ということは、私たちもスキャンダルを握られてるってこと!?」

「そうだ。つまりお前らがいつボロを出すかどこかで誰かが目を光らせてるってわけ」

「スクールアイドルとして有名になったが故なので嬉しいような、悲しいようなですね……」

 

 

 スクールアイドルは今や世界から注目されるほどのビッグコンテンツだから、そこで一定の活躍を挙げた歩夢たち同好会がマスコミに狙われても仕方がない。だが所詮は校内新聞、下手に奴らの内容を否定したりせずにむしろ男との関係を見せつけて度肝を抜かせてやろう。

 

 

「だったら歩夢としずくちゃんも零さんに恋人役をやってもらったら? 私が感じた羞恥をあなたたちも感じるといいわ……」

「怨念が混じってる!? 可愛いって言ったこと謝りますから!!」

「別にいいのよ。あなたたちが零さんによってただの雌になるところをじっくり撮影してあげるから……フフフ」

「思った以上に根に持ってた!? いつもの誠実な果林さん帰ってきて!!」

「撮った動画をかすみちゃんに送ったらどうなるでしょうね……フフフフフフ」

「かすみさんにそんな動画を手に入れたら、それをネタに一生遊ばれちゃう気が……!!」

 

 

 さっき歩夢たちに煽られたせいか、今度はコイツらの痴態を動画に収める気満々な果林。普段の大人びた様子とは違い、もはやかすみのような腹黒さを見せている。そういうところが年相応で可愛いって言ったらまた赤面するんだろうな。

 

 

「せっかく恋人ごっこをするんだ、1つだけお前らの望むことをやってやろう。まずはしずく、何をして欲しい?」

「そ、そんないきなり!? そ、それじゃあ手を繋いでください……」

「はぁ? この俺が何でもしてやるって言ったのにそんなことでいいのか?」

「いやお兄さん分かってない。本当に女心が分かってない!」

「は?」

「分かるよしずくちゃんその気持ち! 手を握るって簡単そうに見えてハードルが高いんだよね」

「零さんは女の子に対して手練れだからそう思わないかもしれないけど、私たちからしてみれば切実な願いなのよ」

「そ、そうか……」

 

 

 やたら説教されちゃったけど、考えてみりゃコイツらの気持ちが分からなくもない。俺クラスになると女の子との身体接触は日常茶飯事だから手を握るくらい何も感じないけど、男付き合いが俺しかなく、かつその相手が想いの人であればそりゃ緊張もするわな。何でもしてやるって言ったから『押し倒してください!』とか『キスしてください!』とかもっと大胆なことを期待していたが、それは流石に脳内ラブホテルの一部μ'sメンバーの印象が強く残っていたかららしい。

 

 だったら話は早い。俺はしずくの手を取ると互いの指を絡ませる、いわゆる『恋人繋ぎ』で握った。

 

 

「ひゃぃっ!?」

「うおっ!? ただ手を握っただけなのに変な声出すなよ……」

「だ、だって零さんの指が私の指に……ひゃっ、そ、そんな強く握られると私……」

「なんでこのくらいで興奮してんだ!? 顔も真っ赤だし大丈夫か??」

「もう一生手を洗いません!! いえ零さんの手垢があればその必要すらありません!! それに例えこの身体が朽ち果てようとも、この手だけは未来永劫冷凍保存してでも守り続けます!!」

「俺の手垢は消毒液か何かか……?」

「零さんの手と指から温もりが伝わってくる。その温もりが徐々に私の身体を包み込んで零さんのモノになっちゃいそう……。はぁ……暖かい。お返しに私の温もりも零さんに伝えて、零さんの身体も私で満たさないとですね」

 

 

 なんか少しヤンデレっぽさを感じるんだけど気のせい?? もしかしてさっきの演劇で演技をしていた内容って実は本心だったのではないかと勘繰ってしまう。ヤンデレの相手は過去に腐るほどやってきたので心得てはいるが、できればあまり関わりたくねぇな。しずくには天然で病む才能がありそうなのがこれまた怖いけど……。

 

 だが見せている反応は間違いなく恋する乙女のものだ。さっきステージ上で俺に抱きしめられた時にある程度耐性はできたようだが、それでも緊張は拭えていない。そのせいか俺の手を握る力も強くなってるし、それこそ俺の手を離したくないという彼女の気持ちの現れだろう。だから絡めていた指をそっと解くと名残惜しい表情で見つめられたのでちょっと罪悪感があった。

 

 

「分かったからそんな寂しそうな顔すんな。手を握るくらいならまたいくらでもやってやるから」

「本当ですか!? 絶対ですよ!? 言質取りました!!」

「なんか重いよなお前って……。まぁいいや、次は歩夢だけど何をやって欲しい?」

「わ、私ですか!? えぇっと、さっきの演劇でしずくちゃんにやったように、思いっきり抱きしめて欲しいです……」

「おっ、歩夢ここに来て大胆になったね。今まで私が後押ししなきゃ指を加えてみんなとお兄さんのイチャイチャを見てるだけだったのに」

「そ、そんなにおかしいかな!?」

「そうね。歩夢のことだから『勉強教えてください』とか『頭を撫でてください』とか、結構控えめなことを言うんじゃないかと思ったわ」

「あっ、それいいかも……」

「色んなことをやってもらいたいって欲望自体はあるんだな……」

 

 

 後ろから抱きしめながら頭を撫でつつ勉強を教えるなんて、それどこのバカップル……? ぶっちゃけやってみたくはあるのだが、コイツの場合は俺が後ろから抱きしめた瞬間に緊張と羞恥に苛まれて勉強どころじゃなさそうだ。だからこそ実際にどういった反応をするのか見てみたくなるのがサディストというもの。いきなり後ろから抱きしめたらどうなるのか見てやろうじゃねぇか。

 

 というわけで歩夢があれこれと俺にやって欲しいことを取捨選択している間に、彼女の身体を俺の身体にすっぽり収まるように抱きしめた。

 

 

「うひゃぁっ!?」

「なんか不審者に襲われた時みたいな悲鳴だな……」

「だってそ、そんないきなり、えっ? へっ? えぇっ!?」

「いやそんなに驚かなくても……」

「くぁwせdrftgyふじこlp」

「落ち着け。言葉になってないぞ」

「お兄さん、そういうところですよそういうところ」

「零さんの不意打ちは本当に心臓に悪いです……」

「さすが女心を弄ぶ天才ね……」

「えっ、そんなに悪いことしてんのか俺??」

 

 

 その瞬間みんなが『してる』と即答する。誰もこの嗜虐心が分からないとは心の余裕がない奴らめ。そんなことだから手を握られたり抱き着かれただけで自我を失うんだよ。まぁそんなウブな反応を見せてくれるだけでも俺としては儲けものかもしれないが。

 

 それにしてもしずくもそうだったけど、女の子ってどうしてこんなに柔らかいんだろうな。いや胸や尻の話じゃなくて単純に全身がって意味ね。それでいて程よい体温に男の興奮を誘う甘い香り。やっぱり生物学上で女の子は男を誘うようにできているのかもしれねぇな。そうでなきゃ幾度となく女の子とこんなことをやってきた俺がコイツを抱きしめることにハマりそうになるわけがない。

 

 

「お~い歩夢~。お~い……あぁ、今度は歩夢が気絶しちゃってる」

「分かりますよ歩夢さんその気持ち!! 私も零さんに抱きしめられた瞬間に幸福の絶頂で何も考えられなくなりましたから!!」

「そ、そんなに凄いの? その……零さんに抱きしめられるのって……」

「もしかして果林さんも体験してみたいですか!?」

「おい、俺を遊園地のアトラクションみたいに言うな」

「今しかないですよ果林さん! 零さんに甘えられるのは!!」

「そ、そう言われても……」

 

 

 年長者のプライドとして俺に自らの欲望をただただ吐き出すことができないのか、それとも単に恥ずかしいだけなのか。でもやってもらいたいという気持ちは見え見えなので、口では迷っている風を装っていながらも心は取り繕えないようだ。うん、いくら美人のお姉さんキャラと言えどもまだまだ子供だな。だったら俺がやることは1つしかないか――――――

 

 

「ひゃああんっ!?」

「なんつう似合わねぇ声出してんだ……」

「ひゃっ、あっ、がっ……」

「お前ガチガチに固まり過ぎだろ。モデル業やってる時みたいに堂々できないのか?」

「ぐっ、あ゛っ、んっ……」

「顔あかっ!? 今にもショートしそうなロボットみたいになってやがる……」

 

 

 歩夢の場合は後ろから抱きしめたが、果林は前から抱きしめてやったからコイツがガッチガチになってるのはそれが原因か……?

 それにしてもスタイルがいいってのは抱き心地もいい。巨乳が故の凹凸のある身体と腰のキレイな括れのおかげで腕が回しやすく、俺の身体と見事にフィットする。こういうのを身体の相性がいいと言うのか。それに全国人気のあるモデルの女の子の全部を俺の身体で包み込んでいるので、それこそ優越感や独占欲を半端なく感じる。こんな気持ちを抱くってことは、コイツらが俺を求めるように俺もコイツらを求めているのかもしれないな。

 

 

「果林さんすっごく可愛いよ! こんなに女の子な果林さんもう見れないだろうから、今のうちの写真撮っておこう!」

「侑さんいいんですかそんなことをして!?」

「だって見てよ、あの果林さんの借りてきた猫のようなしおらしさ! しずくちゃんも可愛いと思うでしょ? あとで何をされるかとか考えるよりも先にカメラに手が伸びちゃうよ!」

「確かにそうですけど……。ほ、本当に可愛い……。私も1枚だけならいい……ですよね?」

「あとから仕返しされても知らねぇぞ……?」

 

 

 普段とは違う果林の可愛さに我慢できなくなった高咲としずくはそんな彼女をスマホで撮影する。1枚だけと言っておきながら連写してやがるし大丈夫か本当に……。

 

 

 そして後々聞いた話によれば、恥ずかしい写真を同好会内に共有された果林は悪魔のような笑顔で何故か全員を粛正したらしい。粛正の内容ははっきりと教えてもらっていないが、どうやらこの世のものとは思えない羞恥の地獄だったそうな。

 

 ていうかどれだけ黒歴史を生み出せば気が済むんだこの同好会……。

 

 

 

 

To Be Continued……

 




 アニメでも少々果林さんのポンコツっぽいところが見られて嬉しいと言いますか、むしろ早くみんなにボロがでないかとワクワクしている異常性癖者になっている私がいます(笑) だからこそ今回の話は年相応な彼女を見せた次第です。


 そういえばスクスタでは同好会メンバーが分裂する展開で批判殺到みたいですね。アプリをやっていないので詳しい話は分かりませんが、零君を投与して解決できないかな……?



 さて、アニメではメイン9人の個人回が全て終わりましたが、実はこの小説ではまだ残っていますね。しかし毎話出ている影響からか個人回をやっていないことに気付いた人すら少ないかもしれませんが……



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