ロマンティックなシチュエーションを描くのは苦手です。
今日は虹ヶ咲学園ではなくとある撮影スタジオに来ている。最初から予定されていたことではなく突如果林に呼ばれ、バイクを飛ばしてここに来た次第だ。何やら同じ撮影に参加予定だった男性モデルが急病で長期の休みになったらしく、その代役として何故か素人の俺に白羽の矢が立てられた。どうもそのモデルの背丈や体格、顔面のビジュアルが俺に似ているらしく、それで果林がスタッフに俺を提案したらしい。そのせいで休日なのに1日中この撮影に付き合わされるハメになったんだ。
一通り撮影を終えた俺はスタジオの隅っこで休憩していた。そこに果林がやって来て俺の隣に腰を掛ける。
「お疲れ様。初めての撮影だったのにいい被写体になっていたわよ。流石の天才肌ね」
「まあ注目されることには慣れてるからな。ほら、お前らの学校で女の子たちに視線を向けられてるから」
「女子高なんだし、あなたみたいなイイ男が歩いていたら気にもなるわよ。でも今日は本当に助かったわ」
「これでタダ働きってんだから感謝して欲しいよ」
そう、代役を務めたのはいいものの報酬は一切なかった。そりゃ俺自身が突然の配牌だから何も用意できないのも仕方ないが、特に問題なく撮影を終えたのだから何かしらあってもいいんじゃねぇか? こちとら休みを返上してんだからさ。
「骨折り損のくたびれ儲けって言葉が良く似合うな。撮影があんな堅苦しいものと思ってなかったから妙に肩が凝っちまった」
「それだけご褒美が欲しいなら、私から何かあげるわよ」
「え、マジで? そうだな……お前自身とか?」
「それはもう手に入れているものじゃない?」
「確かに。お前はもう俺のモノだったな」
「そ、そうね……」
果林は顔を紅潮させて俺から顔を背ける。自分で話題を振っておいて恥ずかしがるなよ……。
ご褒美とは言っても別に金に困っているわけでもないし、世間一般で求められているものを貰っても仕方がない。現時点で俺の望むものは手に入っており、隣にいる果林もその中の1人だ。強いて挙げるとするならば女の子たちを大量に囲っておくための豪邸が欲しいくらいか。秋葉や母さんの財力を使えば何とかなるのだが、あの2人に借りを作ったら最後、己の人生をかけて支払うことになるだろうからそれは避けたい。そう考えると金はいくらでも欲しいのかもな。
「仕方ないわね。だったらこれ、あげるわよ」
「えっ……?」
果林は自分の胸の谷間に指を突っ込むと、その中からチケットのようなものを取り出した。アニメや漫画のお色気シーンでよくあるシチュエーションを生で観たのは初めてだ。あまりにも自然な動作だったから驚くこともなかったけど、よくよく考えてみたら何してんだコイツ……。
「あら? 男性ってこういうので興奮するものだと思っていたけれど、案外冷静なのね」
「いや時間差で驚いてるぞ。てかリアルでその動きをする奴を初めて見たな……」
「感想は?」
「超エロい。今にもその谷間に手を突っ込みたくなるくらいには興奮してるよ。それに巨乳の女の子が自ら特権を活かす様を見てると、誘われているような気がして嗜虐心がくすぐられるんだ」
「急に欲望の塊になったわね……」
男はみんな性欲の権化なんだからそりゃそうだ。健全者と変態なんてその欲求を表に出すか出さないだけのほんの少しの差に過ぎない。だったら自分の欲望を押し殺さずに曝け出した方が人生豊かになると思わないか? せつ菜も『好きなことを隠す必要はない』って良く言ってるだろ?
「俺の話はいいとして、そのチケットはなんだよ?」
「この撮影現場の近くにある高級ホテルの宿泊券よ。私は明日も朝から撮影があるからここに泊まることになっているの。実は誰か友達でもってスタッフさんからもう1枚余分に貰っていたから、いい機会だしあなたにプレゼントするわ」
「そんなのがあるなら最初から渡せよな……」
「それはつまり、ホテルに泊まるということでいいのよね……?」
「高級ホテルにタダで泊まれるなんて滅多にないことだしな――――って、挙動不審だぞどうした?」
「い、いえ、なんでもないわ。そうと決まれば着替えてホテルに行きましょう」
「あ、あぁ……」
果林は急かすように俺の手を引いて無理矢理立ち上がらせる。俺がホテルに泊まると決めた瞬間からコイツの様子がおかしいが、それほどプレゼントを受け取ってもらったことが嬉しいのだろうか。そりゃタダよりありがたいものはないので嬉しいのは当たり前なのだが、妙にそわそわしているのが気になる。まさかスタッフが用意してくれたホテルが実はドッキリ会場で、仕掛け役の果林が俺を罠に嵌めようとしている……のは流石にねぇか。ポーカーフェイスは得意そうだし、今のようにここで取り乱すような真似はしないだろう。
結局果林の緊張している理由が分からないまま俺は例のホテルに行くことになった。
~※~
「おい、どうして同じ部屋なんだよ……」
「別に最初から別室とは言ってないでしょ。2人1部屋の宿泊券だったのよ」
高級ホテルのとある一室。俺はベッドに腰掛けながら果林を尋問していた。確かに別々とは言っていなかったが普通に考えて同室だとは思わないだろう。まさに口車が詐欺師の手口そのもので、完全にしてやられた気分だ。
だが果林の挙動不審だった様子を見るに、恐らく最初から狙って俺を誘いだしたに違いない。素直に真実を伝えたら俺が帰ってしまうとでも思っていたのだろう。
しかし、もうチェックインが済まされてしまった。このまま帰るのもホテルに悪いので、気は乗らないが今日はコイツに乗せられてやろう。
俺たちの部屋はこのホテルの中でもかなり上位の部屋のようで、2人部屋にしてはかなり広い。さっき部屋中を見て回ったのだが、ベッドもクローゼットもジャグジーもトイレも何もかもがお高そうだ。普段庶民的な生活を送っている俺からしたらこの空間は落ち着かない。高級飯よりも家庭飯、高級ベッドよりも家のベッド、バスローブよりも安物の寝間着。この気持ちを分かってくれる人はたくさんいると思う。
「落ち着かない?」
「あぁ、ただでさえ堅苦しいのは苦手なのにお前と一緒だからな」
「それは私と一緒にいるのが嫌ってことかしら?」
「そうじゃない。俺が場違いすぎるってだけだ。お前はビジュアル的にもこういった高級感溢れるところが似合ってるじゃねぇか」
「あら、だったらあなたも同じよ。男性として顔もスタイルもいいのだから」
「そりゃどうも。だけど俺はただの庶民だ。作法を気にしなきゃいけないお高い食事よりカップ麺、牛丼、コンビニ弁当。そっちの方が楽しめる。高級ホテルと聞いてちょっと期待したけど、ここまで落ち着かないとは思わなかったよ」
「知ってはいたけど、あなた相当捻くれているわね……」
俺が一般常識内で生きていたらあれだけたくさんの女の子を恋人にしてないって。自分の欲望に忠実で社会から逸脱した人間だからこそ女の子を囲っていられるんだ。俺はそれが楽しいから真っ当な人間になろうとは思わないけどな。
「とりあえず仕事の汗を洗い流したいから、シャワーでも浴びようかしら」
「は?」
「なによその反応。もしかしてドキドキしてる?」
「そりゃするだろお前。それに男と2人きりの状況でシャワーを浴びてくるのがどういうことなのか、知らないはずねぇよな?」
「そうね。でも今のあなた、凄く堅苦しい思いをしているじゃない。そんなガチガチの状態で私の相手ができるのかしら?」
「興奮すりゃお前しか見えなくなるから平気だ」
2人きりのホテルでシャワーを浴びる。これが示す意味はただ1つだが、果林の奴が俺をおちょくっているのか本気で誘っているのか真意は分からない。だが俺を欲情させようとしているのは事実であり、少なくともシャワーを浴びてそのまま就寝のルートにはならなそうだ。
果林はシャワールームへと入る。扉越しに彼女の身体が薄っすらと透けて見え、1枚、また1枚と身に纏う服を脱いでいく様が何とも艶めかしい。俺に見せつけているのか読者モデルが故の性格なのか、服の脱ぎ方がストリップショーのようで非常に情欲を唆られる。更に服を脱ぐたびにシャワールームの扉越しに肌色の面積が増えるので、扉1枚隔てた先に裸の女の子がいると思うと今にも飛び込みたくなりそうだ。さっきまで高級ホテルに堅苦しい思いをしていたはずなのに、やっぱエロは人を変えるんだな。
しばらくして、シャワーの音が響き出す。スタイル抜群の果林のシャワーシーンなんてどれだけ金をつぎ込んでも覗きたいという輩がいるだろう。だが俺はそれを無償で、しかも(恐らく)向こうから誘ってきている状況だ。ここは性欲に従って突撃した方がいいのか、それとも雰囲気重視で女の子のお清めを邪魔しないべきか。わざわざシャワーを浴びるってことは
だけどモヤモヤすることに変わりはない。女の子との性行為の際にここまでロマンティックな状況に陥ったことがないため、こう待たされていると焦らしプレイをされている気分だ。別に俺がどこでも構わずがっつく性欲魔人ではないのだが、男って性欲が高ぶると我慢が苦痛になる生き物なんだよ。
そんな風に性欲に苛まれつつもベッドに腰を掛けて時を消費する。
そして、遂に果林がシャワールームから出てきた。バスタオルを1枚身体に巻いて――――――
「お前その格好……」
「我慢できなくなって入ってくるかと思ったけど、意外と欲求のコントロールはできるのね」
「見くびって貰っちゃ困る。まぁ今のお前の姿を見て理性も何もかも吹き飛びそうだけど」
「そうやって女の子を前にしても自分の欲望を忠実にぶつけるところ、私は好きよ」
ドライヤーをかけたけどまだ少し濡れている髪、清めたての艶やかな肌、そしてバスタオル1枚という扇情的な格好。もう襲ってくれと言わんばかりの蠱惑的な女が目の前にいる。タオル1枚だからか身体のラインが浮き彫りになっていて、凹凸が激しい彼女の身体の艶めかしさが見るだけでも分かる。高校生離れした胸と尻が揉めと主張しているくらい形が出ているため、気を抜いたら確実に俺の本能がコイツに降りかかるだろう。
そして、バスタオルからはみ出て見える胸元や脚もシャワーの影響で瑞々しく、思わずしゃぶりつきたくなる。肌が綺麗なのは読者モデルやスクールアイドルをやる上で当たり前のことかもしれないが、男は女の子のきめ細かい肌が大好きなんだよ。
「フフッ、目がエッチよ?」
「これだけ分かりやすく誘っておきながらそんなこと聞くか普通?」
「ゴメンなさい。でもからかいたくなっちゃって。零さんの可愛いところ、もっと見たいもの」
「お前、俺が可愛いってよく言うよな。20年生きてきて初めてなんだけど……」
「だっていつもはトレーナーの立場として私たちを熱心に指導してくれているけど、今みたいに性欲が滾った時は分かりやすく本能的になるもの。赤ちゃんがお母さんのおっぱいを求める時みたいで可愛いのよ」
これでも思春期時代に比べれば性的欲求はかなり抑えられている方だと思うんだけどな……。高校生の時は所構わず手を出したり、女の子の裸を見るだけで鼻血を出すような奴だったからな俺。つまり今の俺は行動には出ていないだけで雰囲気というか、目で追っていたり興奮しているのが目に見えて分かるってことか。やっぱ男特有の欲望には逆らえねぇよ……。
「ねぇ、見たい?」
「は?」
「このバスタオルの下、見てみたい?」
「そ、そりゃ……見たくねぇ男はいねぇだろ。好きな女の裸姿なんだから……」
「……!? 欲望を口に出す潔さもそうだけど、不意打ちで好きって言ってくれるのも好きよ。それに『読者モデル』の私じゃなくて、ありのままの私の裸を見たがっているというのもポイントが高いわね」
「俺は貪欲だからどっちもだな。読者モデルとして活躍するお前の裸を拝んで他の奴らより優越感に浸りたい気持ちと、好きな女を抱きたい気持ちの両方だ」
「抱きたいって、そこまで許してはないわよ?」
「お前なぁ、力の差は歴然ってこと知ってるか? 俺がお前を押し倒したら最後、もうお前に為す術はないからな」
「フフッ、それよそれ、零さんの可愛いところ。肉食系だけど思春期男子のような純粋な欲望がある、そういうところね」
お前も高校生なんだから、仮に俺が思春期男子としても同年代だろ……ってツッコミは野暮なのか? それで可愛いと罵られる(?)のは中々に理不尽だと思うのだが、コイツ自身どこからどう見ても高校生には見えないビジュアルなので男子高校生が可愛く見えるのも仕方ないか。こうして年上の俺に対して手玉に取るような言動はμ'sを始め他の奴らはできなかったことだから、そういった意味で誰よりもお姉さんキャラに見えるな。
果林は怪しく微笑むとベッドに腰を掛けている俺の前に立った。素っ裸に布1枚を羽織る姿はてるてる坊主のようだ。どこまで俺をからかっているのか、それとも俺から手を出してくれているのを待っているのか。どちらにせよ俺の我慢が解き放たれる瞬間が訪れそうではある。
「私のこんな姿、あなたにしか見せないんだから。私を煮るなり焼くなりするのもあなた次第。私をどう料理してくれるのかしら?」
果林は俺の嗜虐心を刺激する言葉をかけると、羽織っていたバスタオルを両手いっぱいに広げた。あの朝香果林の極上のカラダが俺の眼前に晒されて――――
「えっ? 中にもう1枚タオル……だと??」
「フフッ、いいわねその子供がおやつをお預けされたかのような悲しい表情。あなたのその顔が見たいがためにタオルの上に別のタオルを羽織ったのよ」
「お、お前なぁ……」
「ゴメンなさいね、期待させちゃって。でも性欲に負けず襲ってこないのは流石ね」
「あぁ、しっかりとした大人だろ……?」
まんまとしてやられた。果林がバスタオルを広げた瞬間、俺の目が顔の形が変わるかってくらい見開いていただろう。そのせいか今でも目の周りが痛いのだが、それだけコイツの裸体を期待していたってことだ。それなのにこのザマ。男の純粋な情欲を弄ぶとか鬼かよコイツ……。
ここまで興奮状態が湧き上がっているのに冷静さを保っているように見えるが、実のところ自制できるギリギリのラインにいる。バスタオルの下にタオルを仕込んで大切なところを隠している果林だが、逆に言えば大切なところしか隠れていない。さっき上に羽織っていたバスタオルとは違って今のタオルはサイズも小さく生地も薄いため、彼女の胸の膨らみと腰の括れなど、もはや全裸と変わらないくらいその凹凸が分かる。曝け出される太ももも、タオルを少しずらせば秘所が見えるくらいに際どい格好なのだ。それを見て
しかし、果林の攻撃は終わらない。ベッドに腰を掛けている俺の隣にその格好のまま腰を下ろす。
ち、近い……!! 風呂上がりだからか超絶いい匂いがするし、間近でコイツのカラダを見てみると……うん、男を獣にするドスケベボディ。やっぱりエロいわコイツ。
「その目、もう欲望丸出しね。息も荒くなっているわよ?」
「あぁ、分かってる。ただ座っているだけでも自分の身体が熱くなってるからな」
「でもそろそろ限界なんじゃない? 今にも私に襲い掛かって来そうだから」
「元々お前から誘ってきたんだから襲われても文句は言えねぇよな? 残念ながらこの調子だと優しくしてやれそうにない。だからいつ純潔を散らされてもいいように覚悟しておけ」
「そうやって事前に忠告をしてくれるのだから、やっぱりあなたは優しいわね。だからこそ私もこうやって大胆なことができるのだけど」
「俺が優しいとか冗談だろ」
「自分の性欲が高まっても私の身体のことを気にしてくれているじゃない。性欲のない引っ込み思案の優男なんて私、いや私たちは興味がない。あなたのように私たちに直接愛を語ってくれて、そして行動で示してくれる。そんな肉食系で優しい男が好きなのよ」
肉食系で優しいとか矛盾の塊みたいな性格だが、どうやら俺はそれに当てはまるらしい。確かに自分でも気づかないうちに自分の欲望よりも相手の身体を心配していたようで、興奮したら何も考えず即行動していた思春期時代とは大違いだ。そのおかげか女の子たちの扱いも自然と上手くなっている。まあ好きな奴でなければ果林もこんな大胆な誘い方をしないわけだしな。
でも、我慢するのももう限界だ。優しいと太鼓判を押してくれたのは嬉しいけど、残念ながら目の前に誘ってくる女がいて耐えられるような精神力は持っていないんでね。
「そう、来るのね……」
「なんだかんだお前も望んでいたんだろ? わざわざ俺をホテルに、しかも同室に誘い込んだんだからな。それにホテルの券を差し出すときにちょっと恥ずかしそうにしていたのって、こういう展開を期待していたからじゃねぇのか?」
「さぁ、どうかしら」
「なんにせよ、もうお遊びは終わりだ。ここからはずっと俺の独壇場だから覚悟しておけ」
「きゃっ!?」
俺は果林を突き飛ばしてベッドに倒れ込ませた。身に纏っているタオルが開け、胸や秘所が今にも見えそうになっている。男の俺と女の果林では力の差は歴然なので、コイツがいくら抵抗しようとも真っ裸に引ん剝くことは造作もない。果林はここに来て恥ずかしくなってきたのかタオルで自分の身体を隠そうとしているが、あれだけ誘惑しておいてその行動は流石に女々し過ぎるだろう。今頃メスの目をしても遅い。逆にさっきまで積極的だった奴が急に奥手の女の子っぽくなるのは、サディストの男にとって危険な刺激になるぞ。
俺もベッドに上がり、仰向けとなっている果林に覆い被さるような体勢を取った。果林は恍惚とした目で俺を見つめる。
「もう、乱暴なんだから」
「言っただろ。俺は優しくないってな」
「仕方ない。あなたの欲望、お姉さんが全部受け止めてあげるわ」
布1枚の果林が腕を広げて誘ってくる。またしても欲望に忠実な子供扱いされてしまったが、この際どうでもいいことだ。コイツを好きにできるのなら年下に誘惑されようが、子供のように甘やかされようが何でもいい。これまで散々焦らされたんだ、ここからは俺の好きにさせてもらおう。
俺がずっと気になっていて仕方がなかったコイツの盛に盛られた胸。タオルの形状を変えるほどの豊満な胸。仰向けになっているせいかツンと上を向くその胸を両方、俺は鷲掴みにした。
「んんっ、が、がっつき過ぎよもうっ……!!」
「いいだろ、これは俺のモノだ」
「なにそのガキ大将みたいなセリフ。でも逃げないから安心して。私はあなたのモノ。つまり私のカラダのどの部分もあなたのモノなんだから」
「そうだ。もう俺のモノなんだから、これからしっかりとこのエロい身体を維持するんだぞ」
「はいはい。本当に可愛いんだから」
「その余裕ももう終わりだ」
「そう……みたいね」
果林は俺の目を見て一気にしおらしくなる。どうやら俺は獲物を捕食する獣のような眼光を放っているらしい。目の前に転がる極上の獲物に舌なめずりをしてしまいそうなので、確かに今の俺は獣と大差ないのかもしれない。
部屋の窓から夜の月の光が差し込み、薄暗い部屋を妖艶に彩っている。その中にタオル1枚の女の子と2人きり。仕上げられたシチュエーション、男の性欲を掻き立てる要素をふんだんに持った女の子、幾度とない誘惑。俺が取れる選択肢なんて1つしかなかった。
「来て……」
「あぁ……」
今の俺に倫理観はない。相手が高校生だとか、人気の読者モデルだとか、そんなものは一切関係なかった。お互いに愛し合っているのならそれでいい。お互いに求めているのであればそれでいい。
刻み込みたい。コイツが俺のモノだという証を。スクールアイドルとしてステージで輝く朝香果林は、読者モデルとして女性に人気の朝香果林は、最高峰の美貌で男を虜にする朝香果林はもう俺のモノなんだ。
久々に思春期時代の容赦ない欲望が戻ってきている。でもそれでいいんだ。これで余計なことを何も考えずコイツだけに集中できる。
それからの俺は間違いなく人間としての理性を失っていただろう。ただただ愛を果林に注ぎ続けるだけの獣と化していた。
だが後悔はしてない。いずれはこういった関係になる。だからそう、今やっておいても同じことなんだから‥‥…。
私はギャグ系専門なのでこういったいい感じのシチュエーションのシーンは描写がとてつもなく苦手だったりします。でも果林さんはこういったシチュエーションが似合っているので頑張りました。
そして何気に手玉に取られまくる零君も珍しかったりしますね。