こうして思い返してみると、俺の日常生活って女の子たちで満ち溢れている。特に最近は大学4年生特有の授業ゼロの暇な期間に突入していることもあってか、歩夢たちの練習指導の日以外でも誰かしらと一緒にいることが多い。遠方にいるAqoursはともかくとして、μ'sや虹ヶ咲の連中とは顔を合わせない日はほぼなく、それがもはや俺のプライベートと化していた。
もちろんそれが苦と感じたことはない。俺が望んでこの状況を作り上げたのだから、可愛い女の子たちに囲まれて過ごすこの毎日に飽きることはないだろう。むしろもっと人数を増やしてもいいと思っている。だってたくさんの女の子たちに愛されるなんて最高に幸せなことじゃないか。そんな生活が常だから、女の子と一緒にいるだけでお金を稼げれば楽なのにと考えてしまうのは邪なのだろうか。まあ女の子たちに貢がれるヒモ生活も悪くはねぇよな。最低野郎だけど、最悪その選択肢を取れる俺の立場ってつくづく最強だと思うよ。
そうやって自分で自分の承認欲求を満たしつつ、とある子との待ち合わせ場所に向かう。
目的の人物はすぐに見つかった。スクールアイドルがゆえか周りの女の子よりもオーラが凄まじく、ソイツ自身が待ち合わせ場所として最適なくらいだ。
「あっ、零さん! こっちです!」
「そんなに大声を出さなくてもいいって……。遅れてわりぃな、せつ菜」
「いえ、私も先程来たばかりなので大丈夫です! というかこのやり取り、なんだか恋人同士っぽいですよね♪」
「まぁ別に間違ってねぇんじゃねぇか。いずれはそうなるんだから」
「そ、そうですか!? では……」
待ち合わせの相手はせつ菜だ。そして早速俺に似合わない砂糖を吐きそうな会話を繰り広げていると、唐突に彼女が俺のもとに駆け寄ってくる。
すると、躊躇いなく自分の腕をこっちの腕に絡ませてきた。そして俺の隣に立つと、こちらにややもたれ掛かる形となる。
「おい、街中だぞここ。現役のスクールアイドルがこんなことをやっていていいのか?」
「もちろん! むしろ今日は零さんとプライベートデートですから、私のことはスクールアイドルではなく1人の女の子として扱っていただければと」
「なるほど、心配は野暮だってことか。でも……」
「でも?」
「ま、これはこれでいいか」
せつ菜が腕に絡みついてきた時からずっとなのだが、胸が存分に押し付けられていた。コイツはかすみよりも小柄なくせに胸だけは女子高生の平均よりもかなり大きく、もはやロリ巨乳と言っても過言ではないスタイルを持っている。そんなおっぱいをむにゅむにゅと腕に擦りつけられたら誰でも意識するだろって話だ。意図しているのかは知らないが、これだけ密着しているんだから本人も気付いていないわけがないだろう。それでもさっきからずっと笑顔なので羞恥は感じてないのかもしれない。まさか本当に無自覚……だったらこえぇよ。男垂らしかって。
ダメだ、早く話題を変えよう。そうしないと男として健全な性的欲求が煮えたぎりそうになるから……。
「そういや今日はどこへ行くんだ? 行き先の話なんてしてなかった気がするんだけど」
「実はですね、前から行ってみたかった場所があるのです。1人では行きづらいと思っていたので、零さんと2人きりの今せっかくだし挑戦してみようと思います!」
せつ菜が何かに臆するなんて珍しいな。好きなことは迷わず好きと言えるタイプの人間で、それゆえに全力系スクールアイドルを名乗っているから『躊躇う』って言葉が出てくること自体が不思議だ。俺と2人きりだと行ける場所。男と2人……ま、まさかラブホテル!? 今日のせつ菜はスクールアイドルとしてではなく1人の"女"として振舞っている。しかも俺だけの前で。それはつまり期待していると言うことだろう。何がとは言わないけど、わざわざ"女"として見られたいと宣言した真の目的はそれかも……?
「私、初めてなので緊張しています。零さんと2人になったら絶対に行きたいと思っていましたから……」
「そ、そうか……。昼間っからてのはムードがないけど、できるだけ先導してやるから胸を借りていいぞ」
「はいっ! よろしくお願いします!」
そんな感じでデート開始直後にクライマックスな展開になってしまったが、コイツが求めてくるのなら仕方がない。虹ヶ咲の子が相手だと色々なハードルが下がり、既に咥えさせたり襲ったりとタガが外れている。コイツらがμ'sや他の奴らより何倍も積極的でそのような展開を望んでいるからこそ、こちらも全く気兼ねする必要がないんだ。
それにしても、こんな真昼間から性欲を解放しようだなんてとんだ淫乱ちゃんだ。思春期が故にエッチなことに興味が出始めるのは分かるけど、精々歩く猥褻物にならないよう俺がしっかりと教育してやろう。男を誘惑することが如何に恐ろしいことか、このあと身をもって体験することになるとも知らずに……。
~※~
「おい、ここって……」
「はいっ! 一度来てみたかったところです――――漫画喫茶!」
「あぁ、なるほどね……」
なんか俺、超恥ずかしくね?? な~にが『俺がしっかりと教育してやろう』だよ変態かよあの時の自分をぶん殴りてぇ。脳内ラブホテルになっていたのは俺の方だったか……。
というわけで、俺たちがやって来たのは漫画喫茶だ。確かにせつ菜の趣味と女の子があまり来る場所ではないことを踏まえると予想できた範疇ではあるか。コイツは自分の趣味の話に全力だっただろうに、変な妄想して申し訳なかったと心の中で謝っておこう。
とは言いつつも、漫画喫茶だって見ようによってはそれなりにピンク色の施設だ。個室で猥褻行為を禁止する注意書きは漫画喫茶のどこにでもある。つまりそれだけ官能的なことが行われており、公園の公衆トイレと同様の野外プレイスポットとなっている。まあ漫喫のほとんどに監視カメラが付いているのでもはや公開プレイだが……。
「零さん? 黙ったままですけどどうかされましたか?」
「いや、大丈夫だ。女の子から漫画喫茶に誘われるなんて初めてだから、ちょっと驚いただけだよ」
「確かに、普通の女性が好んでくる場所ではないですからね……」
「璃奈だったら趣味も合うし、一緒に来てくれるんじゃないか?」
「そうなんですけど、やっぱり最初は零さんと一緒にと思いまして。零さんも体験したことがないだろう漫画喫茶デート。そして私も初めてですから、せっかくなので一緒にその初めてを共有したかったのです!」
「なるほど。何事にも熱くなるよな、お前って」
「それが私ですから!」
お互いに初めてを共有するって響き、なんかエロいよな。純粋に俺とのデートを楽しみにしてくれているせつ菜には申し訳ないが、さっき変な期待をしてしまった余波がまだ残っているらしい。そのせいで卑猥な妄想をしてしまう。いかんいかん、これでは某淫乱鳥と同列になっちまうぞ。そうなると人間として恥なので早く煩悩を退散させないと……。
俺たちは受付を済ませ、2人1部屋の個室へと向かう。受付の女性店員に注意書きをよく読むようにと念を押されたが、その注意書きには案の定不純異性交遊禁止の旨も記されていた。そりゃ若い男女が漫画喫茶に来ることはあまりないだろうから、わざわざ来たってことはそういった行為をする危険性があると判断されたのだろう。受付さんは終始笑顔で接客者の鏡みたいな人だったが、俗に言われる笑ってるけど笑ってないやつだ。『お前たち、汚らわしい行為をしたらどうなるか分かってんだろうな……?』と言わんばかりの迫真の笑顔だった。やっぱり盛んなんだな、そういった男女間でのプレイって……。
「ドリンク付きでマンガ読み放題とか天国ですかここは!? それにソフトクリームも無料だなんて、もうここに住みたいくらいです!!」
「おい静かにしろ。テンションが上がるのは分かるけど落ち着け」
「す、すみません。想像以上に夢のような場所だったのでつい……」
「ったく……。とりあえず、こいつを部屋に置いてから漫画を取りに行くぞ」
せつ菜は漫画喫茶に入った瞬間から目を輝かせており、傍から見ているだけでもテンションが騒がしい。漫画喫茶の沈静な雰囲気とは似ても似つかないため、俺はすれ違った客から『お前、連れなら黙らせろ』と無言の圧を送られていた。まあ家ではアニメや漫画を制限されていていつもこっそり嗜んでいるらしいから、親の目が届かないこの場所はコイツにとって天国なのだろう。いつもはみんなのまとめ役として立派に見えるのに、こういうところ子供っぽいんだよな。そこが可愛いところだけどさ。
一旦ドリンクを部屋に置いてから漫画を取りに行く。せつ菜は未だ目をキラキラさせたまま片っ端から漫画を取り、気付けば既に両腕で抱えるくらいになっていた。俺は特にこれといって読みたい物はないのだが、精々若者の流行に遅れない程度に話題の漫画を読んでおくことにする。こういうのが好きな奴との話題作りにもなるしな。
部屋に戻った俺たちは早速漫画を読み始める。2~3人掛けの大きなソファに横並びで座り、まったりと漫画を嗜む。空調により室内が程よい温度であり、ソファも柔らかく座り心地がいい。金を払えば飯も出てくるしシャワーも浴びることができ、コインランドリーも使用可能。Wifiもパソコンも無制限で使い放題。ここまで贅沢出来るならせつ菜の言う通り住んでみたくはあるな。
ただ、デートスポットとして見るとどうだろうか。当たり前だがお互いに黙々と漫画を読み進めるばかりで会話がない。せつ菜は表情を見てるだけでも楽しそうなのでそれはそれでなによりだが、果たしてこれはデート……なのか?? どちらかと言えば漫喫を楽しんでいる子供とそれを見守る親の気分だ。
「ちょっと飲み物取ってくる」
「…………」
返事がねぇ。集中してんなぁ……。まあコイツが楽しんでいるならそれに越したことはないし、下手にあちこち振り回されて疲れる心配もないから別にいいんだけどさ。ファッション好きな子と出掛けると100%の確率で荷物持ち&たくさんの店をはしごすることになるから体力がもたないんだよ。
飲み物のおかわりに行こうと立ち上がると、ふとせつ菜の全身が目に入る。俺たちの取った部屋はソファ設置で足を伸ばせるそれなりにお高い個室なのだが、せつ菜はそのリクライニングを十分に活かしている。つまりスカートから綺麗な生脚を存分に伸ばし、リラックスし過ぎて服もややはだけている非常に無防備な格好なのだ。秋口になったとは言えまだ暑さも残っているせいか服も薄着で、その隙だらけの格好は男の情欲を唆る。さっき微妙に卑猥なことを考えていた影響で俺の興奮は既に一定値まで溜まっており、今のせつ菜の格好はその数値を一気に押し上げた。
俺は手に持っていた空のグラスをテーブルに置き、再びソファへと戻る。そして未だに漫画を黙々と読むせつ菜の隣に座ると、彼女の小柄な身体を軽く持ち上げ、彼女の座っていた場所に自分の身体を滑り込ませた。そしてせつ菜を俺の膝の上に乗せると、俺がソファに腰を掛けてせつ菜が俺に座っている構図となる。
さっきから漫画に集中し周りが見えていなかったせつ菜も流石にこれには反応を示し、驚いた表情でこちらに振り返る。
「ちょっ、えっ!? 一体なにを!?」
「気にするな。構ってもらえなくて寂しくなった男の戯れだ」
「絶対に違いますよね!? さっきから色欲染みたモノを感じているのですが、そのせいですよね!?」
「ま、興奮はしてるかな」
「こ、こんなところでもうっ……」
俺が後ろからせつ菜を抱きしめている構図となっているが、ただ抱き着いているのであればここまでの背徳感情は抱かなかっただろう。しかし、ここは漫画喫茶。さっきも言った通り人によっては名前を聞くだけでアダルトスポットの香りがする場所だ。そこで大人の女性に熟す前の発展途上の若い身体を見せつけられたらそりゃ……ね? 発想がもう完全にオッサンの思考だが、男は誰でも脳内変態不審者なんだよ。
「ひゃぅ!? う、腕が胸に当たって……」
「いいのか? この部屋は2時間しか取ってないんだ。集中しないと漫画を読む時間がなくなっちまうぞ?」
「これで集中できるわけが……。ただでさえ零さんに抱きしめられて身体が熱くなっているのに……」
「興奮しているのか? 漫画喫茶はホテルじゃねぇんだけどな」
「それ、思いっきりブーメランですよね……」
とかなんとかツッコミを入れるせつ菜だが、無理矢理振りほどこうとしないあたり期待しているのは確かだろう。それどころか俺の胸に背中を預けているので抱きしめられたい願望が強いと見える。もはや手に持っている漫画のページは全く進んでおらず、俺の腕の中でただただ身体をもじもじとさせていた。
こうして抱きしめていると分かるせつ菜のボディライン。ロリ系の部類であるかすみよりも身長が低いのは驚きだが、カラダの凹凸具合は雲泥の差だ。胸のサイズは女子高生の平均を余裕で上回り、腰の括れや脚の肉付きにも一切の無駄がない。スクールアイドルに誰よりも熱意があるからこそ体型維持を欠かしていないのだろう。そしてそのわがままボディこそが俺の欲求を刺激する。女の子たちがスクールアイドルのために身体を磨けば磨くほど俺好みになる、まさにwin-winの関係だ。
「あっ……ふぅ……」
「どうした?」
「息を整えているのです。零さんにハグをされて本当なら舞い上がるところですが、一応場所が場所なので……」
「ちゃんと配慮しているのか。流石は元生徒会長、規律はしっかり守るんだな」
「当たり前です――――ひゃうっ!? そ、そんなギュってされると私……!!」
「声を荒げると誰かに気付かれるぞ?」
「そんなことを言われましても、零さんの温もりが直接……」
せつ菜は羞恥心からか耳まで真っ赤にしている。漫画喫茶のルールに従い声を上げないように耐えてはいるみたいだが、己に降りかかる愛する者からの寵愛に心の高鳴りは止まらないようだ。
それは俺も同じで、せつ菜を淡々と煽っているように見えて女の子を抱いているこの状況に興奮せざるを得ない。それが特にスタイルのいい少女だからなおさらだ。自分の身体にすっぽりと収まる小柄な身体。そしてそのロリボディに不釣り合いな胸。彼女の胸元に腕を回すとその胸が腕に乗る形となり、その感触が大いに味わえる。この女の子を我が物にしているシチュエーションが最高なんだよ。漫画喫茶でこんなことをする背徳感、せつ菜をモノにしている優越感、その他諸々の感情に酔いしれてしまいそうだ。
「んっ、はぁ……」
「おい、エロい吐息を出すな。こっちまでマジなムードになっちまいそうじゃねぇか」
「この状況で身体の火照りを止めろと言われても無理です! 零さんとデートというだけでも気持ちが抑えられないのに、こんなことをされたら私……」
「俺はただ抱きしめているだけだ。これで桃色の思考を張り巡らせているんだったら、それはお前が先天的にエッチな子なんだよ」
「そ、それは……」
「恋人同士で密着し合うなんてよくある話だろ? そこに官能的要素は1つもない。だがお前は興奮している。違うか?」
「うぅ……」
とかなんとか言ってるが、興奮しているのは俺もなんだけどな。でもこちらの煽りにぐぅの音も出ないせつ菜が可愛いので、自分のことは敢えて棚に上げて攻め立てている。声を上げることができずガッチリとホールドされて身動きができない少女、なんとも淫猥なシチュエーションだ。健全な男であればそんな女の子をイジメたいと思うのは当然だろう。えっ、違う?
「零さん今日はやけに積極的ですね。いつもは私たちのアプローチに対して『やれやれ』系の主人公みたいな感じなのに……」
「あぁ、それか。アプローチっつても周りに人がいる学校や街中でベタベタされたらそりゃ呆れるだろ」
「もしかしてご迷惑……でしたか?」
「いいや、そんなことねぇよ。自重しろよとは思いつつお前らに迫られるのは嬉しいからな。たくさんの女の子に好かれているっていう高揚感を感じられるのが堪んねぇんだ」
「あはは、そういうところが零さんらしいですね。今時そんな肉食系の男性、中々いませんよ」
「だろうな。だからこそ周りの目がない個室だとこうやって本性を隠すことなく現わせる」
俺は女の子たちから好かれまくっている、いわば楽園の中心にいる。せっかく男として幸せの絶頂にいるのに受け身でいるなんて勿体ないだろう。普段はコイツらのアプローチに身を委ねていることの方が多いが、その気にさえなればこうやって自分から手を出すことも辞さない。俺だって誰にも負けないくらいの欲望を塊として持っているので、女の子にただただ攻められるだけでは満足できないんだ。先日は保健室で彼方、しずく、かすみに気持ちよくしてもらったが、女の子に奉仕させるのもいいし自分で攻めるのもいい雑食系が俺である。ま、これこそご主人様特権ってやつだな。
そうやってあらゆる多幸感で自分を満たしている最中、さっきから与え続けられている刺激がずっと気になっていた。抱きしめられたり腕で自分の胸を弄られているのが恥ずかしいのか、せつ菜は身体をもぞもぞと動かしているため彼女を抱きしめている俺も当然その衝撃を受ける。別に痛覚もないほんの些細な衝撃だが、下半身にまでその刺激が伝わるのは男として我慢ならない。もしかしてコイツわざとやっているのか……? それともいきなり仕掛けてきた俺への逆襲か?
「おい、あまり動くな」
「なんですかいきなり!? 強盗みたいな脅し文句は!?」
「そんなに襲って欲しいのか? 不純異性交遊禁止の漫画喫茶で? とんだ変態だな」
「脅された上に罵倒された!? それに変態なのはいきなり抱きしめてきた零さんですよね!?」
「言ったろ、これは男女間の至って普通の交遊であり、決して不純な交遊ではないって」
「でも私も言いました。今の零さんからは色欲を感じると。エッチな気分になっているのは零さんの方ではないですか?」
せつ菜にジト目で見られる。やっぱり女の子って男の卑しい目とか、そういった雰囲気を出してるのが分かるものなのか? 胸に目線を向けられると分かるとよく聞くが、それってただの自意識過剰っつうか、本人に淫乱思考があるからだと思っていた。まあ今回の場合はどっちもどっちだけど……。
「お前ほど性知識が豊富なら分かってんだろ? 俺が今どういう状態かってくらい」
「そ、そりゃあここまで密着していたら分かりますよ……。私が動くたびに零さんのが当たっていることくらい……」
「だったらその責任は取ってもらわないとな」
「えっ、ここでですか!?」
「お前とはまともではない場所でお互いその気になることが多いよな。今といい、この前のシャワールームといい」
「もうやることは確定しているのですね……」
基本的に自分たちの世界に入れない場所(野外とかシャワールームとか学校とか)でやるのは集中力が削がれるから乗り気にはならないのだが、逆に背徳を感じられることで得られる興奮もある。それに今日は序盤から己の性的欲求が出来上がっていたせいで、ここが漫画喫茶であろうとあまり抵抗はない。まあ普通のオープン席とは違い扉付きの個室だから監視カメラが届かないってのも理由の1つだが、たまには背徳感情に酔いながらのプレイも良い趣向だろう。
「俺とやるのはイヤか? 本気で拒否するなら俺のその尻で思いっきり潰せ。そうすりゃ男は簡単にダウンする」
「そんなことできませんよ!? それに……零さんとならイヤなわけないじゃないですか」
せつ菜は両手で俺の腕をそっと掴んだ。それは俺への全幅の信頼の現れであり、彼女もやる気になったのだろう。その気にさせるのに少々手間はかかったが、こうやって女の子を篭絡させるのは至高の一言に尽きる。このサディスティックに満ちた心があれば彼女をたっぷり可愛がることができそうだ。
果林の時もそうだった。女子高生の子に手を出すのは以前の俺ではあり得なかったが、どうせ将来そういった関係になるんだから別に問題はない。
それに虹ヶ咲の連中は俺に心酔するほどの愛を抱いている。だったらコイツらが思春期で多感な時期に俺という存在をその心と体に刻み込むのは悪くないだろう。むしろゾクゾクしてクセになりそうだ。
「そうか。だったらもう容赦なしでいいんだな?」
「は、はい! よろしくお願いします!!」
そして俺たちは、そんな非常識な感覚に身を委ねていった。
こうやって俺の楽園は、徐々にその色濃さを増していく。もう戻れない、戻る気なんて一切ないくらいの俺の色で……。
ハーレムモノは大体好きな私ですが、主人公がハーレムの中心にいると自覚してその状況に酔って楽しむみたいな話が好きだったりします。そして女の子たちがその思考を煽ってくれるとなおいいです!
なのでこの小説も零君がハーレムを楽しみ、歩夢たちも零君を中心にしようとアプローチするのもその影響だったりします(笑) ぶっちゃけただのハーレムだと満足できないのが理由だったり……
小説が面白いと思った方、是非ご感想や評価をよろしくお願いします!