ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常2~   作:薮椿

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 しずくの個人回。
 普段甘えている姿を見せない子が、2人きりになった瞬間にグイグイ甘えてくるシチュエーションいいですね!


桜坂しずくは甘えたい

「そんな、零さんにわざわざご足労いただくなんて……」

「お前のピンチだから当然だ」

「ただほんの少し疲労が溜まっていただけなのに、かすみさんたち大袈裟し過ぎです……」

「アイツらもそれだけ心配してるってことだ。もちろん俺もな」

 

 

 今日は虹ヶ咲学園――――ではなく、桜坂邸にお邪魔していた。布団で寝ているしずくの側に腰を下ろし、彼女の様子を窺っている。

 さっきの会話の通り、かすみたちからしずくが疲労で学校を休んだと聞いてこうしてお見舞いに来た次第だ。とは言ってもそこまで深刻かと言われたらそうではなく、単にスクールアイドルの練習と演劇部の練習で力み過ぎただけらしい。なので熱があるとか、体調が悪いとか、そういった心配は無用で安心したよ。こうなった原因はライブが近いからそれに向けた追い込み練習、そして演劇の本番も迫っている中での多忙で多少無理をしてしまったかららしい。集中し出すと自分のことすら見えなくなるからなぁコイツ。

 

 

「悪かったな、気付いてやれなくて。指導者として反省するよ」

「いえ零さんは何も悪くないですよ! それに零さん、ここ最近は大学の用事で忙しくて学園に顔を出していなかったではないですか。それなのに私が無理をしていることに気付けだなんて、そんなこと不可能ですから。ただ私が愚かにも自分の疲労に気付いていなかった、それだけのことです。自分の体調管理は自分でやるものですから」

 

 

 とまぁこうやってさっきから俺を心配させないようにしてくれているのだが、やはりコイツらのコーチとしてはしずくが無理をしていることに気付けなかったのは失態だ。確かに最近は教育実習関連で忙しくコイツらと会っていなかったものの、俺の代理でマネージャーをしている侑を通してみんなの様子を聞けたはず。それを怠っていたのは完全に俺のミスだな。

 

 

「お前の性格上言っても無駄かもしれないし、かすみたちからも言われてると思うけど、あまり無茶すんなよ。俺はアイツらと違って止めはしないけどさ」

「はい。なにより零さんにご迷惑をお掛けするなんて末代までの恥ですから。次にこのような不始末があったら一家諸共切腹する覚悟です!」

「いや心意気は買うけど、普通に家族に迷惑だから自制しような……」

 

 

 しずくにとっての俺ってどれだけ高い地位にいる人間なんだろうか? それだけの覚悟を持ってこれからは無理をしないってことなんだろうけど、コイツって真面目ちゃん過ぎるから冗談も本気に聞こえるからこえぇよ。

 

 

「それよりも私の部屋に零さんが来るだなんて……。うぅ、しっかり掃除しておけば良かったです……」

「いやすげぇ綺麗じゃん。見舞いに来たから別におもてなしされようとは思ってないけど、普通に人を呼べる部屋だと思うぞ」

「いえこの程度では満足できません! 零さんが来てくださるからには部屋に埃1つ残さず、最高級の和菓子を振舞い、私も着物を着てお傍に仕えさせていただく。それくらい愛を込めたおもてなしをする必要があるのです!」

「逆に堅苦しそうだな……。VIP待遇は嬉しいけど俺は普通が一番好きだから普通でいいよ。なんならこうしてお前と2人きりでいるだけでも俺は嬉しいからさ」

「零さん…………はいっ! 私も嬉しいです! あっ、そうか、ずっと寝込んでいれば零さんは永遠にここにいてくれるんだ……」

「なんかもう元気そうだな」

「あいたたたたたたた!! また筋肉痛がぶり返してきました!! これも日頃の疲れが原因だと思うので、どなたか看病してくださる素敵な紳士様はいらっしゃらないでしょうか……?」

「いい演技だな流石だよ……」

 

 

 あまりにも白々しいが、再び疲労が襲ってきたのかと一瞬本気で疑ってしまいそうになったのはコイツの演技力が故だろう。性格的や雰囲気的にも清純はヒロインを名乗れるしずくだが、こういった演技が上手いと男を騙すのも容易いだろうな。容姿も抜群に可愛いから男を惹きつけやすいし、なおさら魔性の女になれるぞ。

 

 

「それだけ元気なら看病らしい看病はいらねぇだろ。とは言ってもせっかく時間をかけてここに来たんだ、話相手にくらいにはなってやるよ」

「えっ、今なんでもしてくれるって言いました!?」

「言ってない」

「いつもなら私が零さんのために何でもしてあげる立場ですが、今日は零さんから私のために……フフッ♪」

「おいあたかも現実で起こったかのように捏造すんな!」

「私、零さんにやって欲しいというか、私から零さんにやりたいことがあるのです!」

「無視かい……」

 

 

 今日のしずくはテンションが一回りも二回りも高い。いつもハイテンションのかすみのツッコミ役かつ制止役になっているからこそ、こういった暴走具合を見られるのは非常に珍しい。恐らく俺と2人きりなのが嬉しいのだろう。確かにコイツと2人きりになることなんてあまりなかったから、今まさにその状況が訪れて舞い上がってしまう気持ちは分かる。それでも想像を絶するくらいグイグイ迫り来られてビビってるけど……。

 

 

「分かったよ。金銭関連以外ならお前の妄想に乗ってやる」

「本当ですか!? でしたら――――――私、零さんに甘えたいです!!」

「えっ、甘える?」

「はいっ! 私に甘えさせてください!」

 

 

 今日のしずくのハイテンションっぷりを見るにどんな無茶な要求が来るのかと身構えていたが、これまた想像の範囲外のお願いをされてきょとんとしてしまう。あまりに抽象的な願いなので特にやりたいことが決まってない……ってことは本人の真面目そうな顔を見る限りなさそうだ。いきなり甘えたいだなんて一体なに考えてんだコイツ……?

 

 

「急にどうした? 別に甘えることを咎めてるわけじゃなくて、もっとこう演劇の練習に付き合えとか、またデートに行きましょうとか、そういうのかと思ってたからさ」

「確かにそれも魅力的ですけど、誰の目もないところで2人きりなので今これをやるしかないと思ったのです。私、性格的に遠慮がちで頭が固くて不器用な面があり、いわゆる甘え下手なんですよね。だからいい機会ですし、零さんに甘えさせて欲しいなぁ~と。ダメ……ですか?」

「ダメではないけど、逆にそんなことでいいのか?」

「かすみさんや璃奈さんみたいに愛嬌があるわけでもないので、私にとって甘えることはもはや試練なのです! 一世一代の覚悟がないと甘えることなんてできません!」

「そ、そうか……。だったらお前のやりたいようにやればいいんじゃねぇか? 俺は逃げも隠れもしないからさ」

 

 

 なんか今日はずっとしずくの勢いに乗せられっぱなしのような気もするが、覚悟は本気のようなのでそれに応えてやることにする。

 彼女が言っていた愛嬌面で言えば、クソ真面目な栞子は除くとして、同学年のかすみと璃奈と比べたら確かにコイツが積極的になっている姿はあまり見ない。積極的になるのはヤンデレ気味なオーラを放っている時が多く、素の状態で甘えられたことは思い返してもほとんどなかった。逆にかすみと璃奈は子供っぽく、俺への身体接触も多い甘え上手なので自分と比較してしまうのも無理はないか。そもそもコイツが甘え下手で甘えたい願望があることすら知らなかったぞ。まだまだ虹ヶ咲の子たちの全てを理解してるわけじゃないってことだな。

 

 

「それで、甘えるって具体的に何をすれば良いのでしょうか? 演劇でもそういう役柄はやったことがないので……」

「そこから!? やっぱり具体的には考えてなかったんだな……。とりあえずかすみが俺にやっていることを真似すればいいんじゃねぇか?」

「かすみさんですか……。『零さぁ~~ん♪ 世界一可愛いかすみんが来ましたよ~♪』みたいな感じですか?」

「モノマネ上手いな……」

「でも媚びるような甘え方は私に似合わないかと……。もっとこう、普通な感じで甘えたいです」

「アイツは普通じゃないのか……。ま、そりゃそうか」

 

 

 かすみの甘え方は特殊で、もはやアイツにしかできないやり方だから参考にはならないか。あそこまで自分の可愛さを自分で持ち上げ、その愛嬌を誰の目も気にせずウザいほど周りにばら撒く。ここまで徹底するだけのことはあり、俗に言う『ウザ可愛い』属性が形成されているのでそれはそれで1つのキャラとして確立している。だから俺も無下にはしてないし、しずくも自分の可愛さを極限なく追及するかすみを尊敬しているのだろう。それゆえにアイツの甘え方を真似することはできないってことだ。

 

 

「かすみの真似ができないとなるとそうだな、まずは何も考えず俺に抱き着いて来たらどうだ? アイツみたいに媚びなくても、お前なりにこう甘えたいってのがあればそれでいいと思うぞ。正解なんて存在しないしな」

「そ、そうですよね! では、いきます――――――えいっ!」

「おっと!」

 

 

 しずくは俺の胸に飛び込むように抱き着いてきた。2人きりのゆったりした空間で別に勢い付く必要はないので、抱き着き慣れしていないのが丸分かりだ。演劇だったらその役柄にのめり込むことで無類の演技力を発揮するものの、自分のことになるとやや不器用になるのが可愛いところ。自分を甘え下手と評価しているのもそのせいだろう。

 

 

「零さん、とても暖かいです……♪ はっ、もしかしてこれが甘えることによる力……?」

「甘えて感動してる奴を初めて見たぞ……」

「零さんの胸の中にいると暖かくて安心します。そして零さんの香りが私の身体を包み込んで気持ちいいです。すぅ~~はぁ~~」

「嗅ぐなよ……。それにえげつないほどキャラ崩壊してるけど大丈夫か?」

「これが素の私なのです。大好きで、愛する人にはちょっぴり過激になってしまう。こんな変態さんみたいな姿、零さんにしか見せませんよ♪」

「自覚はあるのか。嬉しいのやら悲しいのやら……」

 

 

 俺の胸に顔を埋めるしずく。桜坂家の犬、オフィーリアって言ったか、アイツも初対面の俺にかなり人懐っこかったが、その性格は飼い主に似たらしい。かすみや璃奈のように人前で甘えられなかった鬱憤が溜まっていたのか、俺と2人きりの空間では意外なほどの積極性を見せる。頬を俺の胸に擦り付けたり匂いを嗅いだり、もはや犬のようだ。だからこそ愛おしく、少し変態的な行動をされてはいるが微笑ましいので許しちまう。

 

 ちなみに温もりを感じたりいい匂いがするってのは俺もそうである。どうして女の子ってこんなに抱き心地がいいのだろうか? 絶対にやりたくはないが男を抱きしめても同じ快感は得られないだろう。女の子特有の温もり、女の子特有の香り、もうそれだけで男の欲求ってものを唆られる。五感で異性に惹かれるのは生物学上仕方のないことなんだろうな。

 

 

「あ、あの……頭、撫でてもらってもいいですか?」

「えっ、いいけど」

「ふわぁ!? そんな急に!? で、でも気持ちいかも……」

「ま、これでも撫でることには慣れてるからな。かすみとか璃奈がよく要求してくるし」

「こんなに気持ちいいことを独占していただなんて……。かすみさんも璃奈さんもズルい! 2人の回数に追いつくまで毎日撫でてください!」

「無茶言うな! 手首もげるっつうの!!」

 

 

 俺に撫でられるのを気に入ってくれたのはいいんだけど、今後はあの2人だけじゃなくてコイツからも催促される運命にあるらしい。これまで甘えられなかった時間を回数で取り戻そうとするあたりよっぽど気持ち良いのだろう。コイツは普段は誰か(ほとんどかすみだが)を慰める立場だから、撫でられる快感ってものを初めて身に染みて感じたのかもしれない。

 

 

「零さんの手、暖かくて大きくて、撫でられるたびに私の頭を包み込んでくれているようで、これが快楽というものなんですね。あっ、まだやめないでください!」

「ハマり過ぎだろ……。つうかいいのか? 男に髪を触らせちまって。髪を触られるのがイヤな子、結構いるからさ」

「問題ありません。むしろ零さんに触っていただいた方がより一層綺麗に、艶やかになりますから! 零さんの手はまさに神の手、ゴッドハンドです!」

「他の奴らもそうだけど、お前らって俺のことをいるだけで世界の全ての穢れが浄化される神だと思ってね?」

「その通りです! 零さんに撫でていただいたこの髪、一生洗いません! 洗う必要がありません!」

「いや汚くなるから洗えよ!? これから絶対に洗ってない髪を俺に撫でさせるなよいいな!?」

 

 

 冗談を言うような奴じゃないからこそ本当に洗わない可能性があるので一応念を押しておく。これから髪を洗う代わりに俺に撫でてもらうことで汚れを浄化するなんてことになったら堪ったもんじゃない。コイツの長く艶やかな黒髪はまさに国宝。コイツにそれを守る意思がないのなら俺が守ってやらないと……。つうかよく撫でてやっているかすみや璃奈もちゃんと髪洗ってるよな?? おいなんか心配になってきたぞ……。

 

 彼女のイメージはお淑やかな立ち振る舞い、真面目ながんばり屋という印象が強いが、今は頭のネジが外れたかってくらいに奇行に走りそうになっている。これも2人きりというプライベートな空間が原因なのだろう。俺に抱き着いて胸に顔を埋めている様子だけを見れば普通に愛くるしい女の子なのに、口を開くととんでもなく変態なことを言い出すから怖い。まあ歩夢と一緒で正統派ヒロインに見える奴ほど裏で何を考えてるのか分からないってやつだな。

 

 

「抱き着いたり撫でてもらったり、他に甘えられることってないでしょうか?」

「そんな頭を捻って探さなくても、自分がこの人といて安心できる、落ち着くって思えればそれでいいんじゃねぇの? 甘えたことがないから知らねぇけどさ」

「でもそうなると零さんに抱き着かなくても一緒にいるだけで安心できて落ち着くので、それだといつも甘えていることになってしまいますね。せっかくなのでもっとこう、過激に甘えたいなぁ~なんて」

「こうやって正面から密着している時点でそれなりに過激だと思うが?」

「いやもっとあるはずです! 零さんの愛を感じられる方法が! 例えば……え、えっちなこと……とか」

「自分で言って自分で恥ずかしがってんじゃねぇよ……」

 

 

 ほらまたとんでもないことを言い出した。さっきまで甘々なムードだったのに一気にぶち壊しやがったなコイツ。しかもそれで顔を赤くするくらいなら言わなきゃいいのに……。

 恥ずかしがってはいるものの、そういやコイツ俺が彼方に膝枕してもらっている時に無理矢理キスしてきたよな? あの時の積極性はどこへ行ったのか。今は2人きりの温和なムードだからエッチな気が乗らないってことなのか。まぁあの時はコイツもかすみも彼方も俺を攻める流れに乗じてノリノリだったからな……。

 

 

「どうですか? こうして女の子に抱き着かれていると、そういった気持ちになりませんか?」

「まるで俺が女の子と触れ合っただけで発情する猿みたいな言い方だなオイ……。興奮するにはムードってものがあるだろ。こんな付き合って数日の初々しいカップルがするような正面ハグで性欲が滾るかっつうの」

「つまり私が零さんに甘えに甘えて、零さんをその気にさせればいいってことですね?」

「どうしてそうなる!? 俺を欲情させるのは確定なのかよ!?」

「でもかすみさんはそういうことを求めがちですよね? 璃奈さんも胸を大きくしたいから零さんに揉んでもらえるように努力していると言っていましたし」

「だからアイツらのやり方を真似すんなって言っただろ? アイツらが特殊なだけだ」

「ということは、ここで私が零さんをその気にさせれば2人を超える甘え上手になれる……?」

「聞いてねぇなコイツ……」

 

 

 一度自分の役柄に集中し出すと熱血漢となるその性格の悪いところが出ているぞ……。もう『自分が零さんに甘えまくってヤる気にさせる』ことにお熱となっている。もはやそれは甘え上手とか下手とかそんな次元の話ではないが、今のしずくに何を言っても自分のいいように解釈して納得するだけだろう。物事に熱中すると周りの声が聞こえにくくなる性格はせつ菜といい勝負だな。

 

 

「あっ、でも私そういった性知識は全然ないんでした……。ふ、服とか脱げばいいですか!? それともむ、胸を押し当てるとか!?」

「落ち着け。そんなあからさまな行動をされても興奮はしない。」

「だ、だったら『私を好きにしてください!』みたいなセリフで興奮を煽れば……!!」

「もう甘えるってことすら忘れてるよなお前……」

 

 

 しずくは目をぐるぐるさせて混乱状態になっている。エロいことに詳しくないせいかとりあえずありきたりなセッ〇スアピールで攻めようとするが、残念ながらこんなムードもへったくれもない状況で興奮するわけがない。まあ女の子の裸や胸は見たいっちゃ見たいのだが、露骨すぎるのもそれはそれで興ざめだ。女の子のパンツを見たいけど、直で見るよりもスカートの中を覗き見る背徳感があってこその興奮――――みたいな感じだよ。

 

 俺に抱き着きながらあたふたと慌てるしずく。2人きりだから誰も見ていないし何を焦っているのか。早くしないと俺のヤる気が下がるとでも思っているのか。最初からそんな気はさらさらないが、こうやって自分が甘えられている状況こそ珍しいのでこの機会を逃したくないと思っているのだろう。それで焦っているに違いない。

 

 そんな自分を見失っているしずくを見て、俺は彼女の肩を掴んで布団の上に押し倒した。これで一旦は落ち着かせられる。そう思っていたのだが――――――

 

 

「きゃっ、えっ、えぇ!?」

「落ち着けって言ってるだろ。そんなやり方をしても俺は興奮しな―――――な゛っ!?」

「零さん……?」

 

 

 しずくを黙らせるため押し倒したまではいいものの、その姿を見て思わず言葉が途切れる。さっきまで俺に抱き着いていた影響か、頬を赤くしたしずくが布団の上で俺に羽交い締めにされているこの構図。それに俺がアポなしで来たせいもあるが、彼女は寝巻きのままであった。その薄い寝間着は先程の暴走を経て少し開けており、胸は直に見えないものの鎖骨や胸元は曝け出されていた。ずっと抱き着いていた影響か汗もかいており、暴走していたせいで息も荒く、目はうるうると潤っている。

 

 つまりだ、男を誘惑するのに十分な光景が目の前に広がっているってことだよ。まるで襲ってくださいと言わんばかりの表情、仕草、格好。サディストな男にそんな様子を見せたら情欲が湧き上がって仕方がない。清純少女の淫猥な姿に、俺は思わず唾を飲んだ。

 

 さっきまでムードがないから興奮しないだのなんだの言っていたが、あっさりとその気になっちまうんだから俺もチョロい。しかも自分で押し倒しておいてこれだからな、自爆にも程がある。まあ男なんて女の子のちょっとした艶めかしい姿を見たら性欲が滾る猿ってことだ。

 

 

「零さん、私……」

「おめでとう、お前の勝ちだ。俺のオウンゴールかもしれないけど」

「その気になってくださったんですね……」

「どうだろうな。お前が色んな意味で()()()くれたら本格的になるかもしれないぞ」

「あっ…………分かりました。零さんに求めていただけるよう、精一杯()()させていただきます」

 

 

 しずくは優しく、そして艶やかに微笑む。その表情を見て、コイツは俺に全てを捧げてくれるんだと悟った瞬間に性欲が煮えたぎる。

 

 その後、お互いに()()合った。

 溜まっていた疲労はどこへやら、しずくは身体を痙攣させながら快楽を感じていた。これでまた疲労が溜まって練習を休むことになったら、今度こそかすみたちを心配させちまうかもな。ま、誘惑してきたのはコイツの方だから俺は悪くない。俺はコイツの欲求不満を解消してやっただけだ。

 

 それよりも俺に甘えられたことで嬉々としてみんなに今日のことを話さないように口止めしておかないとな。他のみんなに『私も私も!!』と迫られて、今度は俺の方がダウンしちゃいそうだから……。

 




 pixiv百科辞典でしずくの項目を見ていたら『甘え下手』と書いてあり、それを見た瞬間に今回のネタが思いつきました。
かすみや璃奈の場合は甘える系のネタは色々書けそうですが、しずくの場合はそういったイメージがなかったのでとりあえず抱き着かせたり頭を撫でたりと、王道中の王道で攻めてみました。まあ最後はいつも通りになったわけですが(笑)




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