ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常2~   作:薮椿

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今回はエマの個人回です。
ラブライブにここまで分かりやすいママキャラはいないので、今回はその性質にスポットを当ててみました!


バブらせないと生きていけない!?

「零さん、今日はお付き合いしていただきありがとうございました!」

「いいよ別に。俺なんかで参考になるならな」

 

 

 エマはお礼を言ってぺこりと頭を下げる。

 今日はエマからの依頼で虹ヶ咲学園の服飾同好会にて色々な衣装の着せ替えをさせられていた。着せ替えとは言ってもコスプレではなく、近日行われる文化祭で男装喫茶をする店があるらしく、その衣装のモデルになっていたというわけだ。スーツやらタキシードやら俺には似合わない正装で、正直肩凝りが半端ねぇんだよな……。

 でもエマやこの学園の女の子のたちのためであればそれも我慢。俺は自分を好きでいてくれる女の子にはとことん優しい出来た男なんでね。

 

 

「参考になりすぎるほど参考になりました! それに写真もたくさん撮らせてもらいましたから♪」

「モデルみたいなことには慣れてねぇから、写真写り微妙じゃなかったか?」

「いえいえそんなことないです! むしろカッコ良すぎて宝物にしたいくらいですから! そうだ、歩夢ちゃんたちにも見せてあげないと……」

「アイツらなら目を丸くして食いつくだろうな……。食いつきすぎて本当に食っちまいそうだし……」

「それくらい零さんがカッコいいんですよ! 家族のお土産にしたいくらいです!」

「どれだけ気に入ってんだよ!? 恥ずかしいから見せびらかすのは俺たちのコミュニティの中だけにしてくれ……」

 

 

 エマは仲間への愛が非常に強く、虹ヶ咲の面々や家族を度を超えるほど大切にしている。そのため自分の好きなモノを仲間内で共有したい意識があり、それはそれで別に構わないのだが、俺の写真をも各所にばら撒こうとするため中々に恥ずかしい。2人でお出かけした際に撮った写真も容赦なく彼女の関係者に出回り、どうやらコイツの家族からはもう俺とコイツが付き合っているどころか結婚していると勘違いされているらしい。そりゃ年頃の女の子が若い男の写真を宝物してたらそう思うよな……。

 

 このように、俺のプライベートがコイツの家族にまで赤裸々にされている。俺がもしコイツの故郷の実家にお邪魔したら赤飯用意されてそうだな……。

 

 

「家族の話をしていたら会いたくなってきちゃった。みんな元気にしてるかな……?」

「本当に家族好きだよなお前って。兄妹もたくさんいるんだっけ?」

「はいっ! 弟と妹が7人いて、みんな人懐っこく甘えてきてとっても可愛いんですよ♪」

「お前が長女として遊んであげている光景が容易に想像できるよ。そりゃお前みたいな包容力があれば甘えたくもなるか」

 

 

 とか思ったけど、たくさんの弟妹がいる環境だからこそ甘やかし上手になったのかもしれない。故郷のスイスの広い高原で、長女として弟たちの面倒を見ながら一緒に遊んでいる光景が簡単に思い浮かぶくらいだ。その母性は日本でも大いに振り撒かれており、かすみや璃奈といった子供っぽい子や同い年なのに何故か甘えたがる彼方の枕になってあげるなど、まさにみんなのママである。

 

 

「でも日本に来てから誰かを甘やかすことが少なくなっちゃったのが、ちょっと寂しいんですよね……」

「母性本能極まり過ぎだろすげぇ悩みだな……。だけどかすみと璃奈とか、甘やかす相手くらいいくらでもいるだろ?」

「それってみんな女の子じゃないですか? それで妹分は満たせるんですけど、弟分は補給できないなぁ~って……。私の身近にいる男性と言えば……」

「おいなんだその情熱的な視線は!? まさか俺を!?」

「そうしたいのは山々なんですけど、流石に年上の男性を甘やかすわけにはいかないですよね」

「ま、まぁそうだな。男としてのプライドとか、その他諸々が一気に崩壊する気がするから……」

 

 

 成人男性が女子高生に甘えるとかヤバイ気がする、絵面的に……。この前はしずくたちから俺が甘やかし上手だって言われたけど、ドSとドSが惹かれ合うことはないように、甘やかし上手が甘やかし上手に甘えるとかプライドが許さない。まあそんなプライド以前にこの歳で女の子に甘える時点でどうかしてると思うけど……。

 

 

「私のワガママなので気にしないでください。とにかく、今日はありがとうございました!」

「あぁ、こんなことで協力できるのならまた呼んでくれ」

「はいっ、よろしくお願いします!」

 

 

 と、エマは笑顔で応対するが、時折うっすら寂しそうな表情を見せているあたり家族に会えない寂しさはあるのだろう。それを1年生組や彼方に母性を振り撒くことで満たしているのだろうが、流石に男がいないので弟分の補充は賄えない。それに彼方たちは大切な友達だけど家族じゃないから結局根本的な解決ではないしな。と言っても俺がどうにかできる問題でもないので、その寂しさはリモート通話をするなりで自己解決してもらうしかないだろう。

 

 女の子の曇った顔は見たくないってのは俺の信念だけど、遠く離れた家族に会いたいとか物理的な問題は解決できないのはもどかしいな……。

 

 

 

〜※〜

 

 

 

 翌日、俺は歩夢たちの練習を見てやるためにまた虹ヶ咲学園へと訪れていた。

 昨日のエマの様子から寂しさを引きずっていないか気になるが、彼女自身くよくよと悩むよりも前に突き進む性格なので特に心配はしていない。やると決めたらすぐに有言実行するタイプなので、その日のうちに家族と電話なりなんなりで連絡を取ったと思う。

 

 今日もみんなの授業が終わる前に学園に到着したので、とりあえず部室で待つことにする。

 相変わらず部室に鍵はかかっておらず不用心。だが今日はいつもと様子が違った。

 

 

「エマ……?」

 

 

 部室には既にエマが来ていた。授業が早めに終わったのだろうか。それにしても様子が変だ。俺が来たのにぼぉ〜っと立ち尽くすのみで反応がない。いつもなら笑顔で駆け寄ってきて迎えてくれるのに……。

 

 彼女の顔を見てみると目が蕩けており、頬が少し紅潮していた。もしかして体調が優れないとか、昨日のことを引きずっているとかそんな感じか?

 

 

「あっ……」

「やっと気づいたか。どうしたんだぼけっとして――――」

「会いたかったよ! 零()()!!」

「うおっ!? れ、零()()だと!?」

 

 

 エマはこちらに気づいたかと思えば、ぼけっとした表情から笑顔になって俺に抱きついてきた。しかも俺の呼び方が『さん』から『くん』に変わっており、抱きつく力も強いことからまるで友達にハグしているかのような感じだ。海外だったらハグは日常的行為なのでこれもただの挨拶かもしれないが、今まで出会い頭でこんな大胆に抱きつかれたことがないので動揺してしまう。

 

 ちなみに抱擁する力が異常なまでに強く、俺の骨を折ってしまいそうな勢いだ。どうしてここまで情熱的に抱きついてくるのかは知らないが、彼女の表情は未だに火照っているので正常ではないことは確か。全くもって何が起こっているのか意味不明だった。

 

 

「零くんお姉ちゃんに会えなくて寂しかったよね〜。今日はずっと一緒にいられるから、寝るときまで、いや寝てるときもずっとお姉ちゃんに甘えていいんだよ〜♪」

「ちょっ、苦しいって!? てか甘えていいってなんだ!? どうしたお前!?」

「どうしたって零くんのお姉ちゃんだよ?」

「な、なにがどうなってるんだ……」

 

 

 エマの巨乳が潰れるほどに抱きしめられているが、それ以上に何が起こっているのか理解するだけで精一杯で気にする余地がない。コイツさっき自分のことをお姉ちゃんだと言っていたが、もしかして昨日の寂しさが尾を引いてるのか……?

 

 そして人の性格がここまで変貌する原因はよく知っている。そう、ほぼ100%で秋葉のせいだ。どうせ何かの実験台としてエマが選ばれたんだろうが、こういう時は大抵周りを見渡せばその原因が――――

 

 うん、あった。

 エマに熱い抱擁を受けながら、テーブルに置いてあったペットボトルを掴んでラベルを見てみる。この飲み物自体は世間で有名な飲むヨーグルトの類だが、ペットボトルの底を見ると何やら怪しい文章が記載されていた。

 

 

『女性がこの乳製品を飲むと、その人の中に眠る母性が呼び覚まされます。特に大好きな人に関しては甘やかしたくて甘やかしたくて仕方なくなります。元に戻すにはその人からありったけのバブみを感じ、バブらせてあげましょう』

 

 

 相変わらずくだらねぇモノばかり作ってんなアイツ……。なるほど、エマがここまで俺を溺愛してくるのはこの飲み物の効能だったわけか。彼女は元々母性の塊のような性格だから呼び覚まされた母性の量も半端ないのだろう。そのせいで俺のお姉ちゃんという設定まで捏造してこうして抱きついているわけだが……。

 

 つうか元に戻すにはエマをバブらせるって、言い換えれば俺が甘えなきゃいけないってことか?? 昨日プライドがどうやら言ったばかりなのに早速プライドを試す試練が降り注がれてるんだけど……。

 

 

「零くんもお姉ちゃんに会えなくて寂しかったよね? ね?」

「寂しいってか、昨日も会っただろ……」

「昨日は昨日、今日は今日だよ! 今日だって朝からずっと会えなくて寂しかったんだから! だから今いっぱい抱きしめちゃう! ぎゅ〜っ♪」

「ぐっ、苦しい苦しい!!」

 

 

 強い力で抱きしめられるのは苦しいけど、この巨乳の大きさ、柔軟さ、弾力をこの身で感じることができて、それはそれで気持ちいと思ってしまう。そのせいで極楽と苦しみの狭間を行き来しておりどう反応していいのか分からなくなっていた。

 

 それよりも今のエマ、母性があるってよりただの寂しがりになってるような……。それだけ俺、もとい弟のことが好きなのだろう。でも今のエマにとっては大好きな俺と大好きな弟が融合し、超大好きな男が目の前にいる状態なのでなおさらテンションが上っているのかもしれない。

 

 

「そうだ? 零くん今日はお昼寝した?」

「えっ、してねぇけど……」

「だったら私がおねんねさせてあげるね♪ ほら、こっちこっち!」

「ちょっと待て! 引っ張るなって!!」

 

 

 もはや勢いフルスロットルのエマは俺の腕を引き、無理矢理ソファに寝かしてつけてきた。そして俺の後頭部には枕似た柔らかさを持つ何かが当たっている。俺の目の前にはエマの顔とおっぱい。そう、膝枕だ。

 

 ていうかあの短時間で男の俺を力技で引っ張り、ソファに寝かせ、そして自分の膝を枕にするこの早業、只者ではない。今まで何度も弟と妹をこの技で仕留めてきたのだろう。手並みが神業だ。俺が抵抗する隙なんて一瞬たりともなかったぞ……。

 

 

「は〜い、おねんねしましょうね〜」

「ちょっ、頭を撫でるなって……」

「零くんこうしたらいつもすぐにおねんねしちゃうもんね。恥ずかしがらなくてもいいよ。お姉ちゃんが寝るまでいい子いい子してあげるから♪」

「ぐっ……」

 

 

 その優しい微笑みこそまさに母性。聖母に膝枕で寝かしつけられているような感覚だ。並の男であればこの時点でバブっているところだろう。いや、ハブらなければ彼女に申し訳ないくらいだ。俺も心が揺らぎかけて危うくプライドを捨て去りそうだった。

 

 そう思わせるのはこの母性。今も彼女は俺に膝枕しながら頭を優しく撫でており、その心地良さに眠気なんて全くなかったのに睡魔に襲われてしまう。優しい笑顔、ふんわりとした声、包まれるような暖かさetc……なにこれ無敵かよ。不眠症を治療する病院を開けば超儲かりそうだな……。

 

 

「あれ、零くん肩にゴミが付いてるよ。お姉ちゃんが取ってあげるね」

「あ、あぁ、サンキュ――――うっぷっ!?」

「零くんどうしたの? あっ、ゴメンお姉ちゃんのおっぱいが当たっちゃった」

「うぐぐっ……!!」

 

 

 当たったとかそういうレベルじゃねぇ!! もはやおっぱいに埋もれてるんだが!?

 エマが俺の肩に付いているゴミを取ろうと身体を屈めると、当たり前だがその巨乳が俺の顔面に覆い被さることになる。貧乳ならまだしも、コイツの豊満な胸を顔に押し付けられれば喋れなくもなるし息もできなくなる。もうコイツの胸には何度も溺れてきたがこの圧迫感は慣れねぇな……。それに気持ちいいのは気持ちいいから抵抗するにできないのがなんとも……。

 

 俺が苦しそうにしてるのを見てか、エマは胸を俺の顔から離す。こうして下から眺めるだけでも胸のボリュームは圧巻だ。思わず鷲掴みにしたくなる衝動に駆られるが、今の彼女だったら恥ずかしがるどころか普通に悦びそうなのでやめておこう。やっぱり胸を揉む時って女の子の恥じらいが見たいんだよ。

 

 

「零くんっておっぱい好きだよね。目線がいつも胸に向いてるもん」

「や、やっぱりそういうのって分かるのか……」

「そんなにおっぱいが大好きなら触ってみる?」

「えっ?」

「恥ずかしいけど、弟のためなら頑張れる! 触るだけで満足できなかったら吸ったりしてもいいからね。流石におっぱいはまだ出ないけど……」

「え゛っ……!?」

 

 

 まさか許可が出た……だと!? 男であれば誰もが夢見るエマの胸をこんなに簡単に触れていい……のか? しかも吸ってもいいとかあまりにも淫乱、いや母性の塊すぎるだろ。ていうか俺にこんなことを言うってことはもしかして弟にもしていたのか……?

 

 エマは羞恥の色を全く見せていない。虹ヶ先の面々の中でもウブなコイツがここまで大胆に甘やかしてくるなんて……。ここはコイツの顔を立てて話に乗った方がいいのか、それとも年下の女の子のおっぱいに甘やかされるという男のプライドをズタズタにされる行為は避けた方がいいのか……。

 

 

「いつもだったらおっぱいって聞いたらすぐに興奮するのに、今日はおとなしいんだね」

「それってお前の弟のことだよな!? 俺のことじゃないよな!? そ、そんな下品じゃないはずだけど……」

「そっか、上を脱いだほうがいいよね。服の上からだと感触が分かりづらいし……」

「へ?」

 

 

 エマは躊躇いなくリボンを外し、ブレザーのボタンに手をかける。ボタンを1つ1つ外し、ブレザーを脱いだ。その際に上着に抑え込まれていた胸が開放されて大きく揺れた。まだシャツを着ているのにも関わらずだ。その光景だけで不覚にも性欲を煽られそうで思わず息を呑んでしまう。

 

 膝枕をされているせいで下から彼女の胸を見上げる形となっており、シャツのボタンとボタンの隙間から薄っすらと下着が見えていた。胸が大きいあまりにシャツのボタンを止めるとそのボリューム感がよく分かる。この膨らみには男の夢がたっぷりと詰まっていると言わんばかりの主張具合であった。

 

 

「零くんだったらいくらでも触ってもいいし、吸ってもいいよ? お姉ちゃんとして弟にはたっぷり気持ちよくなってもらって、心地良くおねんねさせてあげたいんだ♪ だとしたらシャツも脱いだ方がいいよね。零くん、お姉ちゃんのおっぱい……見たいよね?」

「み、見たいといえばまぁ……そうかもな一応」

 

 

 ヤバい誘惑に負けてしまいそうになった。やんわりとした回答でお茶を濁したように見えたが、さっきの返答って見たいって言ってるようなもんじゃね?? 抵抗しているような素振りだけどコイツの圧倒的な母性に負けてんだよな……。仕方ねぇだろ男なんだから!! そりゃ見てぇよ!!

 

 

「あっ、零くん興奮してるんだね。ここも大きくなってるもん」

「な゛っ!?」

 

 

 エマは聖母のような微笑みを崩さず俺の下半身に手を伸ばそうとしてくる。俺は咄嗟に身体の向きを変えて下半身に触れられることは阻止したが、俺の姉となり母性に取り憑かれた彼女はそれくらいで止まるはずがない。優しく『恥ずかしがらなくていいからね』と囁き、俺の性処理を行うために再び手を伸ばしてくる。てかそこまでされるとママってよりソープ嬢なのではと思ってしまうが、深く考えない方がいいか……。

 

 

「ねぇ、零くんも気持ちよくなりたいでしょ? お姉ちゃんも興奮してきちゃったから、一緒にこの興奮を抑えようよ。お姉ちゃんが上で動いてあげるから……」

「おい、まさか……」

 

 エマは俺への膝枕を解除し、今度は馬乗りになってきた。エマのような高身長でスタイルもよく、胸も大きい女の子に組み伏せられるとそれだけで圧倒されてしまう。顔も赤く、心の奥底に眠っていた母性が表に出すぎているのだろう。ただ俺をバブらせるだけでは満足できず、己に湧き上がる興奮を抑えきれていない様子だ。

 

 こうなったのも秋葉のせいではあるが、少なからず彼女自身の本性でもあるのだろう。親愛が強い彼女だからこそ愛する兄弟に会えない葛藤が積もりに積もり、今ここで存分に吐き出しているんだと思う。ここで俺たちが下と下で繋がってしまえば彼女も楽になるのかもしれない。彼女の手解きで、全てを託して、全力で甘えれば……。

 

 だけど――――

 

 

「ダメだ」

「えっ?」

「今のお前は正常じゃないからダメだ。だからお前とこういうことはできない」

「で、でも私は零くんを、弟くんを気持ちよくさせたいの!」

「お前の気持ちは分かるよ。ずっと溜め込んでたんだもんな。そんな悩みを抱えてたのに気づかなくて悪かったよ」

「そ、そんな零くんは悪くない……」

「優しいな、お前。そういうところにみんな惹かれるんだろうな」

 

 

 母性があるってのもただ彼女の雰囲気だけで言ってるわけじゃない。誰もを優しく包みこむ性格、言動。そういうのも相まってみんなが彼女を頼りにしてしまうのだろう。そして彼女もそれを喜びとしているが、そのせいで遠く離れた家族に会いたい、兄弟と一緒に遊びたい、面倒を見てあげたい、甘やかしたいって寂しさに囚われるきっかけにもなっていた。それだけ彼女がみんなを大切に想っていることが分かる。バブみってのはコイツのためにある言葉なのかもな。

 

 

「だから俺ももっとお前のことを頼りにさせてもらうよ。胸を触りたいとかは流石に言わないけど、疲れたからマッサージをして欲しいとか、それくらいなら頼んでやってもいい。だからもう元のお前に戻れ。ま、まぁ、たまには、気が向いたら甘えてやるからさ」

「ッ!? 零くん…………零さん!!」

「うおっ!?」

「えへへ、なんだか力抜けちゃいました……」

 

 

 エマの蕩けていた瞳が元に戻り、頬の紅潮もなくなった。同時にこちらに覆い被さるように倒れ込んできたため、今度はこちらから抱きしめて受け止めてやる。

 さっきまでのハイテンションも興奮も消えており、いつもの温和な雰囲気を漂わせる彼女に戻っていた。正直さっきは母性が前面に出過ぎていて押し付けがましかったからな。母性の押し売りは母性ではなく、ただの構ってちゃんのメンヘラだ。

 

 

「零さん……」

 

 

 エマが俺をじっと見つめてくる。また顔が赤くなっているため例の症状が再発したかと思ったが、表情から羞恥の色が見えるため今は正常のようだ。

 

 すると、エマが突然俺の顔に自分の顔を近づけてきて――――唇と唇が触れ合った。

 

 温かい感触。母性とバブみを両方併せ持つ彼女だからか、キスまでこちらを包み込んでくる感じだ。だがさっきみたいに力任せではなく優しい、ソフトな口づけ。だけど彼女からの愛はたっぷりと伝わってきた。このまま彼女を受け入れて甘えたくなる。そういった気持ちを抱いてしまうくらいだ。

 

 唇が触れ合っている時間は短かった。エマが顔を上げ、俺達は再び見つめ合う。

 

 

「すみません、これだけは我慢できなくて……」

「それでお前が満足するなら別にいいよ。柄にもなくちょっと興奮しちゃったしな」

「確かに、まだ大きいままですね……」

「な゛っ、これは生理現象だ忘れろ!」

 

 

 男の性ってのは悲しいな。ロマンティックな状況であっても身体は正直だから興奮するとこうなってしまう。ただ俺の性欲が強いだけかもしれないけど、この状況に至ってはエマに胸を押し付けられながら覆い被さられているのでそりゃこうもなるだろ。だから俺は悪くなく、ただの生理現象だ。

 

 だが、エマは割と真剣な表情をしていた。

 

 

「いえ、少しだけ、みんなが来るまで私に相手をさせていただけませんか? 私にすべてを委ねてください。たまには甘えさせて……くれるんですよね♪」

「ったく、こんなことをするためにそう言ったわけじゃねぇけどな。でもやるのならお前の勝手にしろ。俺は動かないから、たっぷり()()()()()くれ」

「はいっ、誠心誠意()()()()ますね♪」

 

 

 なんか甘やかすって言葉がアレな意味になっているが、エマがそれで満足するんだったら俺の身体くらいいくらでも差し出してやる。それにバブみを感じられるコイツのご奉仕力も気になるしな。

 

 そんな感じで俺はみんながいないところでこっそりと、彼女の母性煽るるご奉仕をその一身に受けたのであった。

 




なんか2話連続で甘やかし系の話になっちゃいました(笑)
おっぱいが大きかったりハブみがあったりと個性盛り盛りの彼女ですが、エマってあまり二次創作ではスポットが当たらないので、秋葉さんの力を借りてガチのヒロインとして描写してみました! これでエマ好きの方が増えてくれると嬉しいですね!

これで原作キャラの中で個人回が残っているのは歩夢だけです。侑との関係の進展の話を含め、残り数話で虹ヶ咲編は完結にしようと思っています。
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