12月某日、早朝。秋葉が運転する車の中にて。
「ふわぁ~~……」
「今から学校だって言うのに、そんな眠そうな顔をしてたら生徒たちに示しがつかないよ?」
「お前が夜中に変な実験で大きな音立てるからだろ。そのせいでしばらく寝られなかったっつうのによぉ……」
「あははっ! 一応私の部屋は完全防音なんだけど、それすら貫通しちゃうとは♪」
「俺の家でそんな矛盾検証なんていらねぇから……」
昨晩は秋葉が謎の実験で不気味な爆発音を鳴らしくまっていたせいで寝不足だ。長年大学の研究室を我が物顔で占拠してそこに住んでいたのだが、去年開催されたスクフェスが終わったのを機に家に戻って来た。その際に実験で迷惑をかけるといけないからと、自分の部屋を完全防音にしたはずなのにこのザマ。こちとら社会人で夜の睡眠は貴重なんだから勘弁してくれよ……。
そんな愚痴を車内で漏らす。今日も今日とて結ヶ丘へ向かっているのだが、非常勤講師である秋葉が学校へ行く日のみ限定で車に乗せてもらって出勤している。免許は持っているから別に1人でも車を出せばいいんだけど朝は何かと眠くて判断力が低下していることが多いから、事故を警戒して悪天候のとき以外は基本は徒歩。だから秋葉が出勤する日は楽でいいよ。これほどまでにコイツの存在をありがたいと思ったことはない。
「てかなんだよこの荷物。邪魔すぎるぞ」
「あぁそれね。消毒液だよ。冬になるとインフルエンザが流行るから、学校に設置しようってことになったらしいんだ。それで理事長に頼まれて買いだめしたってわけ」
「随分な衛生管理なことで。ま、あんなオンボロ学校でも世間からはお嬢様学校扱いだし、体裁を守るためにもそういうのは必要か」
「そんなこと言っちゃって。今のご時世は男でも清潔さを保つ時代だよ? 衛生さをないがしろにして女の子に逃げられちゃっても知らないからね」
「逃げるもなにも、女の子側から寄り付いて来てんのにそうはならねぇよ。むしろ俺が不潔にしていても、その不潔さを喜ぶ奴も一定数いるしな。それこそ爪の垢でもな」
「うわぁ~すっごい王様発言。なんかムカついたから浄化しちゃお♪」
「ちょっ、おいっ消毒液かけるな!! 運転に集中しろ!!」
そんなこんなで学校に到着したわけだが、生徒たちとすれ違うたびに『先生なんかいい匂いする!』やら『いつも以上に清潔感がある!』やら、やたらめったら褒められた。それも消毒液を大量に噴きかけられたからであり、その香りが俺の全身から放出されているせいで徹底的な衛生管理がなされていると勘違いしているのだろう。やっぱ今の女の子って男のそういうところも見てるのか。でもまさか消毒液を全身で浴びたなんて思わねぇよな……。
~※~
その日の放課後。服の湿りは流石になくなったが結局匂いは残ったままだった。とは言えども女の子たちに『先生の雰囲気変わった?』等々やたら話しかけられたので、女の子に注目されたい人は全身に消毒液を浴びるのもありかもしれないな。よく思われるかはさて置き、清潔にしていることを悪く思われることはないだろう。
そんな冗談はさて置き、スクールアイドルの部室。授業の後処理を終えたので来てみると、恋が1人で作業をしていた。
「あっ、先生。お疲れ様です」
「おぅ。なにやってんだ?」
「次のライブに向けて、曲の構想を練っているのです。かのんさんだけに負担をかけられませんから。それにライブの申請書作りやステージ装飾、立ち位置の調整などを書き出して検討しています」
「色々やってんのな。つうかさっきまで生徒会だったんじゃねぇのか? それでまだデスクワークを続けるなんてよくやるよ」
歴代の生徒会長ってことごとく働きすぎな面もあるから心配になることがある。絵里やダイヤ、せつ菜や栞子、そして恋。こうして名前を並べるだけでも真面目ちゃんたちで、机に何時間も向かっていられる奴らばかりだ。疲れ知らずではないと思うが、学校のために仲間のために多少の無茶は余裕でしてしまうだろう。若いからそういった歯止めも効かなくなることがあるだろうし、そこは教師として止めてやらねぇとな。ちなみに生徒会長経験はもう2人――――穂乃果や凛がいるが、アイツらは……うん、サイドキックたちの方が働いていた気がするな……。
「長時間のデスクワークは慣れてはいるのですが、最近どうも肩や腰がこっている気がします。スクールアイドルの練習で運動をしてはいますが、デスクワークをするとどうも肩肘を張ってしまうせいかすぐに身体が固くなってしまうようで……」
「そういやお前、生徒会の時もよく肩を回してるもんな。俺なんかよりよっぽど姿勢がいいのにガチガチになりやすいなんて、もしかして体質かも……」
性格だけではなく身体の方も固かったのか恋の奴。コイツ自身は運動神経がよく千砂都に次ぐくらい柔軟ができるため、本質的には身体が固いわけじゃない。でも中には定期的に運動をしていてもデスクワークなどで座ったままじっとしているだけで身体が凝り固まっていく体質の人がいるらしく、恋もその部類なんだと思う。
「分かった。俺が身体を解してやるよ」
「えっ、先生が……ですか?」
「あぁ。これでも楓……妹とかにマッサージしてやることもあるし、それなりに経験はあるんだ。それとも男に身体を触られるのはイヤか?」
「い、いえっ! むしろこちらから是非お願いしたいです! 先生にマッサージされるなんて夢のような――――い、いえっ、とにかくお願いします!」
「あ、あぁ。じゃああっちのソファにうつ伏せになってくれ。指圧しやすいようにブレザーだけは脱いでな」
「は、はいっ!」
意外かもしれないが、俺だってスクールアイドルの体調管理にはそれなりに貢献していたんだ。昔は絵里や真姫など恋と同じく長時間机に向かっているような奴らに肩揉みしてやったこともあるし、家だと未だに楓にマッサージをねだられたりする。ただ自分なりの方法で揉み解しているだけなのでプロに比べたら敵わないだろうが、楓曰くこうのも料理と同じく愛情が重要らしい。愛の相乗効果で身体が気持ちよくなるとかなんとか。まさか気持ちいいって変な意味じゃねぇよな……??
なにやら嬉しそうにソファにうつ伏せになる恋。そこまでガチガチになっていたことが気になっていたのか、それともコイツも俺にやられるから楽しみにしてる? 確かにLiellaの面々に対して俺から物理的になにかをしてやるってことはあまりなかったから、たかがマッサージと言えども俺からの施しを受けることに嬉しさを感じるのかもしれないな。
それにしても、ブレザーを脱いだ女の子がソファの上で無防備でうつ伏せになってるこの絵面。なんか服を着てるのに背徳的だな。俺が教師で彼女が生徒、そしてその子が何の抵抗もなく誘っているような感じがするからかもしれない。自分で指示したのにも関わらず興奮を煽られるようになるとは、やっぱり女の子の質がいいってのは得だらけだ。
「よし、じゃあ腰から行くぞ。まず軽めに指圧するから、力が強くて痛いとかあったら言ってくれ」
「は、はいっ! お願いします!」
恋の腰の1点に狙いを定め、試しに親指で軽く指圧する。
「ひゃあああああああああんんっ!!」
「えっ!?」
「へ?」
なんだ今の『淫』の波動が混じった声は……? 明らかに普通の気持ちよさから出た声ではなく、『性』を感じさせるような刺激が走ったときに発する声だ。ただ想像以上に腰が凝り固まっていたから、少し指圧しただけでもある程度の痛みは伴う。もしかしたらその痛みに驚いてしまっただけかもしれない。
もう一度、さっきと同じように軽めに指圧してやることにする。
すると―――――
「んんっ!! はぁ……」
なんだその吐息は!? つうかその声は流石にメスが過ぎるぞ……。痛みの感じ方は人それぞれだから声を上げること自体に文句はないが、コイツが発しているのは明らかに性感帯を弄られている時の声だ。今まで幾多の女の子の幾多の喘ぎ声を聞いてきた俺なら分かる。これはただの気持ちよさじゃない。
「おい恋。大丈夫か?」
「は、はい……。続けてください」
「痛くないのか?」
「平気です。むしろその、先生がここまで凝り解しが上手だなんて驚いたと言いますか……」
「いや普通に素人だけど……」
どういうことだ? 俺は元々才能の塊を集約させたような男だが、まさかこんなことでも力を発揮できるとは思ってなかったぞ。ただマッサージの技術をどこかで学んだことはなく、本当に全てが自己流だ。人間ってのはどこに自分の才能が隠れているか分からないものだが、この才能があれば女の子をもっと気持ちよくしてやれるってことだよな? つまりあんな表情やあんな声もやらせ放題だと。なるほどな……。
恋が続きを希望しているので、恵まれた才能を持ちしこの俺の手でコイツの全身を解しに解してやることにする。
だが――――
「んっ! ふぅ……」
「ひゃぅっ!!」
「あっ、ん……」
いややっぱり普通じゃねぇよこれ!! 全然力を入れてないのに俺の指がコイツの身体に触れただけでこの喘ぎ、明らかにおかしい。しかも時たま漏れ出すのではなく指で一突きするたびに毎回この声を出しやがる。さっきも言ったが特別俺のマッサージ技術が高いわけでもないので、もしかしたら恋が感じやすい体質なのかもしれない。いや感じやすいと言ってもただ触れただけでこんなことになるのは流石に弱すぎるけど……。
恋の頬が赤い。どうやら本気で気持ちよくなっているようだ。頬を染めた女子高生がベットの上で吐息を漏らしながらうつ伏せになっているこの構図、しかも隣には男性教師。うん、アブノーマルな大人のビデオを撮影しているようにしか見えねぇな……。別に俺は悪気があるわけでもないのでセーフだ、多分。
「はぁ……はぁ……」
「おい本当に大丈夫なのか? 余計に疲れさせてる気が……」
「な、なんでしょう、この天にも昇りそうな気持ち良さは……。刺激が強すぎますが、それが逆にいい……みたいな」
「そんな大層なことはしてないぞ。お前、腰回りが苦手なんじゃねぇのか? 横っ腹をくすぐられると弱いとかさ」
「特に弱いところはないと思いますが……」
「じゃあ次は肩を軽く揉んでやるよ」
「えっ―――――ひゃあああっ!?」
「おいここもかよ……」
てっきり腰回りが弱いだけかと思ったら、どうやら肩もらしい。つうか腰や横っ腹はまだしも肩に性感帯があるなんて聞いたことがないので、これは俺の才能云々の話ではなさそうだ。コイツが変な性癖を持っていなければの話だけど……。
恋は俺の指圧がよほど気持ち良かったのか、淫猥な吐息が断続的に漏れ出し身体も少しピクピクさせている。ここまで来るとマッサージなのに刺激が強すぎてリラックスできているかも怪しい。ただそれなりの快楽は得られているようで、さっきからずっと黙っているのもその余韻に浸っているからのようだ。
どうしたものかと考えていると、部室のドアが開いてすみれと可可が入って来た。
「次の曲のセンターは可可がやりたいデス!」
「残念ながらアンタはその器じゃないわ。ここはまた私に任せておきなさい!」
「最初センターをしたときはビビり散らかしていたくせによく言いマスね」
「あ、あれは武者震いの延長線上のようなものよ! 今だったらどんなライブでも華麗にセンターをこなして見せるわ!」
「いつもいつも自信だけは大きいデスね……」
いつもいつもなのはお前らの夫婦漫才だよ……。春からずっと憎まれ口を言い合う仲なのにここまで同じ部活、同じグループでやってこられていること自体がすげぇよ。
「あれ先生? もういらしていたのデスね」
「今日は早いじゃない――――って、そこにいるのって恋? どうして横になってるわけ?」
「あ、あぁコイツか。生徒会やら次のライブに向けての作業やらで疲れてるみたいなんだ。だから寝かせてやってくれ」
「そう。相変わらず掛け持ちなんてよくやるわよね」
「でも良かったデス。顔が赤いので風邪でも引いたのかと思いマシタ」
「こ、これはさっきまでここの暖房が強かったからだよ。いくら冬で寒いからと言って身体を暖め過ぎるのも毒だしな……」
俺の指がコイツを気持ちよくさせて快楽漬けにしたなんてとてもじゃないけど言えねぇよ……。幸いなことに当の本人はあまりの気持ち良さに浸って寝てるから、余計なことを口走る心配はなさそうだ。
しかし、恋がこうなったのは本当に俺のせいなのかコイツの特殊性癖のせいなのか、どちらか確かめる必要があるな。確かめるだけならこの2人に触れるのが手っ取り早いけど、何の脈絡もなく身体に触れるのはどうなんだろうか……。
「あっ、これはレンレンが残した忘れ形見! 次のライブのメンバー配置図じゃないデスか! まだ決まってないようなので可可の名前をセンターに……」
「ちょっとなに勝手なことしてるのよ!! 貸しなさい片付けておいてあげるわ!」
「そんなこと言って! 自分の名前を書こうする気満々なの知ってマスから! 大体すみれは昔から単調な作戦ばかりで魂胆がスケスケなのデス!」
「アンタみたいな昔っから変わらない猪突猛進に単調なんて言われたら終わりよ! いいから貸しなさい!!」
「昔って出会ったの半年前だろ。相変わらず仲いいな」
「「よくない!! ―――――あっ!!」」
2人は軽く取っ組み合いになっていたためか、その勢いで持っていたライブの書類が辺りに飛び散ってしまう。あわててそれを拾おうとした2人だったが、お互いの脚がもつれてしまい身体が傾く。
これはいつも見た展開。2人はバランスを崩して俺の方へと倒れてくる。俺は咄嗟に腕を広げ、倒れてきた2人を一度にまとめて抱え込んだ。
「おっと! 仲が良すぎるのも問題だぞお前ら――――ん?」
「ひゃっ、あっ……!!」
「な、なにこれ気持ちいい……あっ、ふぅ……んっ」
「えっ、まさかお前らも……!?」
俺が2人を抱え込んだ瞬間、どちらも一瞬で顔を赤くして淫靡な声をあげた。そりゃそうだ、だって倒れてきた身体を抱え込むには手にも力を入れなければならない。つまり俺の指がコイツらの腰回りを大きく指圧しているということ。そうなればさっきの恋のようになるのは必至だ。
つうかやっぱり原因は俺なのか!? 俺の手にそんな力が宿っていた……とは考えにくい。だって今まで何度も女の子を抱きしめてきてるし、その際に相手が発情なんてしていない。顔を赤くされることはあるけどそれは羞恥心から来ているものであり、決して性的快楽のものでなかったはずだ。だとすると今コイツらが気持ちよくなっている直接的な原因は俺だけど、根本的には俺のせいではないということ。
今日俺の手に何か起きたかと言われたら――――あぁ、あの消毒液か。今朝秋葉に噴きかけられたあの消毒液が原因に違いない。噴きかけられた時に手でガードしたから、消毒液に最も侵されているのはこの両手だ。大体おかしいと思ったんだ、どうして普通に注文して学校に届けられるモノをわざわざアイツが調達していたのか。最初からこれがやりたかっただけかよ……。
「せ、せんせぇ……」
「なんか身体が熱く……んっ」
「悪い。すぐ離れるから」
「い、いえ、気持ちいからこのままで……ひゃああああっ!!」
「べ、別にこのままでもいいわよ……んっ、くっ……」
「おいおい……」
俺に触られているから快楽が走っているはずなのに、コイツら自分から俺を離そうとしない。とんだ痴女だと思ったのだが、2人からしてみれば恋と同じく病みつきになるくらいの気持ち良さなのだろう。顔の赤みも凄まじく、俺の指がコイツらの腰回りを指圧することで電流が走るほどの快楽が伝わっているらしい。
「おい離れろ。このままだと本気で絶頂するぞ」
「はぁ……はぁ……」
「あっ……んん……」
「俺の声届いてねぇし……」
俺に抱き寄せられて嬉しいからこの場に留まっているのか、それとも伝えられる快楽に身を委ねたくてこのままなのか。どちらにせよ俺が抱きかかえたままだと常にコイツらに刺激が伝わり続けてしまう。だったら手を離せばいいのだが、今のコイツらは快楽で力が抜けているため手を離すと俺の身体からずり落ちてしまう。つまり俺が支えておかなければならない。
どっちに転んでも穏便に解決しない。アイツの発明品の影響って解決に向かおうとするとどっちつかずで八方塞りになることが多いけど、もしかしてこの展開も見透かしてんのか?? だったらアイツの手のひらで踊らされてるようで気に食わねぇな……。
それに発情した女子高生2人を抱え込むこの姿を見られたら――――うん、相当マズい。教師の淫行が問題となっているこのご時世、ソファに転がっている発情娘と俺の腕に今にも絶頂に到達しそうな2人の娘。こんなの言い逃れできねぇよどうすんだ……。
そして相変わらず悪い予感は当たるもので――――
「せ、先生?」
「か、かのん!? いつの間に……」
「今さっきですけど……い、一体部室で何をしていたんですか!?」
「違うっ! お前が思ってるようなことじゃない!!」
「思ってることって!? 恋ちゃんたちが顔を赤くして気持ちよさそうにしてるってことは……やっぱり!?」
「だから違うって!! つうかお前も変な妄想するなまた勘違いされるだろ!!」
その後、千砂都までやって来て顔を真っ赤にしたかのんを見られたせいで更なる勘違いを生み出してしまった。とりあえず顔を赤くしているのは部室が暑かっただけと同じ言い訳をしたが、察しのいいかのんと千砂都を誤魔化せたかどうかは微妙なところ。
ちなみにこの手は今日1日ずっとこれだったので、なるべく女の子に触れないように気を遣うのが大変だったこと大変だったこと。俺って意外と女の子と触れ合っていたんだと改めて実感した日でもあった。
今回の話を書いているときに『虹ヶ咲編でも同じようなネタあったなぁ~』と思い出し、やっぱり自分は前回みたいな真面目な話よりこっちの方が好きなんだと自覚しました(笑)
もちろん前回の過去編のような普通の恋愛系も好きですが、今回のネタのような話が特別ってことで!
スーパースター2期のPVがこれを投稿する夜にちょうど公開されたので見てみましたが、やっぱりキャラが動いている姿を見ると期待が高まります!
なんだかんだスパスタのキャラデザも虹ヶ咲と同じくらい好きなので、アニメを虹ヶ咲→スパスタで連続で見られるのは嬉しいです!
【付録】※アニメ虹ヶ咲10話の合宿回を見て思いついた小ネタ
「お兄さんも一緒に写真撮りましょう! ランジュちゃんきってのお願いなんですから!」
「俺は同好会の人間じゃないから必要ない」
「へぇ~そんなこと言っちゃうんですね。さっきのゲームで勝ったの私ですよ?」
「それがどうした?」
「みんなには私の願いを叶えてもらいましたけど、お兄さんにはまだです。ゲームの勝者は全員に1つずつお願いができる約束でしたよね?」
「がめつい奴だな。いつもお前の手助けしてやってるだろ。それでチャラだ」
「みんな~!! お兄さんとここで写真撮るから集合~っ!!」
「そんなので来るわけ――――って、お前ら全員でこっち来んな潰れるだろ――――むぐっ!!」