ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常2~   作:薮椿

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 今回は話のネタの都合上、一人称がコロコロ入れ替わります。
 読みづらいかもしれませんが、あらかじめご容赦ください。




ドキドキ職業妄想体験!

「どうして高校生にもなって『将来の職業を考えてみよう!』なんて授業あるのよ。小学生じゃないんだから……」

「この学校は音楽科を兼ね備えているので、進学せずに専門の道を歩む方もたくさんいます。そういった背景から、高校生であっても将来のための授業があるのは昔からの伝統なのです」

「可可はお堅い授業よりも、こういった総合学習的な緩い授業の方が楽で大好きデス」

「まあ息抜きにはなるよね。自分の将来ってあまり想像したことないから難しいけど。かのんちゃんは何か考えてる?」

「えっ、えぇっと……」

 

 

 とある日の放課後、Liellaの面々は部室に集まっていた。5人でテーブルを囲みながら頭を悩ませている。

 さっきの会話でもあった通り、この学校では総合学習の一環として将来の職業について考える時間がある。重要なことだとは思うが高校になってまでそんな学習があるのはかなり稀。その理由も恋の言った通りであり、あのクソババア、もとい理事長の方針によるものだ。ただまだ入学して1年の生徒が将来について考えるのは意外と難易度が高く、おぼろげにしか未来を想像できない奴の方が多い。それはかのんたちも同じようで、自分の思い描く未来を文章にまとめて提出という過酷な課題にただただ唸るだけであった。

 

 かく言う俺自身も高校時代は自由気ままに生きていたので、将来のことなんて全く考えていなかった。教師になったのもイキのいい健康的な思春期女子が見られるから――――いや違った、女の子たちが青春に輝く姿を見たかったからである。女子高前提の話ではあるが、女の子を惹きつける魅力のある俺なら女子高に配属されるだろうという謎の自信があった。だって俺だもん、仕方がない。

 

 

「そういえばここには社会人がいるじゃないデスか! 先生! 先生はどうして教師になったのデスか??」

「それを聞くのか……。そりゃまぁ未来のある若者を健全な大人に育てるための手伝いを――――」

「はいはいそういうのいいから。お手本の答えを聞くと逆にアンタの本心じゃないって分かるわ……」

「俺を蔑んでるつもりかそれ……。そもそも大した理由なんてねーよ」

「でも先生って"先生"って感じがするよね! 勉強の教え方も上手いし、頼りになるし、お節介でお人好しだし!」

「最後のは褒めてんのか……?」

 

 

 お節介、お人好し。うん、俺の嫌いな言葉だ。俺は何事も自分のためだけに動き、それがたまたま女の子たちの手助けになっているだけなのでお節介でもお人好しでもない。目の前で困っている女の子がいて、ソイツを放っておくと後味が悪いから仕方なく手を出し述べてるだけなんだ。だからそこを褒められても納得いかねぇっつうか、流石の俺でもそこだけは尊大に振る舞えない。侑とかにこれを話したらまた特大ブーメランを投げつけられるんだろうな……。

 

 

「将来の自分を思い描くのって考えたことなかったけど、案外難しいんだね……」

「かのんさんは作詞作曲、そして歌がお上手という特技がありますし、シンガーソングライターに向いていると思います」

「えぇっ!? 私なんかの腕でそんなカッコいい職業だなんて本職の人に申し訳ないよ!!」

「そんなことないデスよ! かのんの音楽の才能は本物デスから!」

「いいんじゃないの。今は腕とかそういう話じゃなくて、自分がなりたいかそうでないかで考えるべきよ。好きなんでしょ、音楽」

「ま、まぁそうなんだけど……」

 

 

 かのんは俺の知る女の子の中で最も『音楽』と一体化している子だ。作詞と作曲どちらにも精通しており、その圧倒的な歌唱力は可可にトキメキを与え限界オタクにさせるほど。あまりのハイスペックっぷりに本当に高校生かと疑いたくなり、同時に同じオレンジ髪のアイツやアイツと違って才能の差が歴然であることを実感させられる。それでいてこれだけ自己評価が低いのはもはや嫌味なんじゃねぇかって思うくらいだ。

 

 

「だったら想像してみたら? 自分がシンガーソングライターになってるトコ」

「想像……? う~ん……」

 

 

 

 

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「皆さん今日もありがとうございました! また次のライブもよろしくお願いします!」

 

 

 今日も大盛況でライブを終えることができた。スクールアイドルをやっていたからか最初から一定の人気があったため、忙しくなっちゃってるけどそれも嬉しい悲鳴だ。

 ただ1つ残念なのは、あの人と会う時間が減ってしまったこと。夢であるシンガーソングライターとして活躍できているのは嬉しいんだけど、やっぱり大好きな人に会えないというのは寂しい。でもどこかで私の歌を聞いてくれているはずだし、また次会ったときにたくさん感想を聞かせてもらおう。その時まで楽しみを取っておけると思えば寂しさも紛らわせる……はず?

 

 そして、その帰り道――――

 

 

「今日もいい歌声だったな」

「えっ……えぇっ!? 先生!?」

「もう先生じゃないだろ」

「あっ、は、はいっ、れ、零さん……。まさか会場に来ていたんですか?」

「あぁ。寂しがってる頃だろうから、たまには顔を出してやろうかなって」

 

 

 私が一番見たかった顔がまさか目の前に……!!

 ファンの皆さんやライブの関係者から褒められるのももちろん嬉しいけど、やっぱり一番に褒めてもらいたいのは先生……うぅん、零さんだ。零さんは忙しいけど私の歌は毎回どこかで必ず聞いてくれる。そしてその度に連絡で感想をくれるから、もうそれが目的で歌っていると言っても過言じゃないかも。

 

 

「あ、あのっ! どうでしたか今日のライブ……?」

「さっき歌ってたのって新曲だったっけ? 相変わらずいい曲を作るよな。作詞も作曲も自分で手掛けて、自分で歌うなんてよくやるよ。今回の曲は……うん、毎回いい歌声で心を掴まれるけど、今日のは特に響いてきたな。なんでだろ?」

「そ、それはラブソングで、れ、零さんのことを想い描いて……あうぅぅ……」

 

 

 つ、つい言っちゃった!? ラブソングは初めての挑戦だったけど、零さんのことを考えながら作詞作曲したなんて絶対に言えない――――と思ってたのに!! 今までの曲の中でも一番歓声が早かったのも恐らく零さんのことをずっと考えて手が進むのが早かったからだ。そしてその当の本人が目の前にいるこの状況、自分の曲の歌詞を思い返すだけで恥ずかしくなっちゃうよ……。ていうか、思わず口に出ちゃう癖を何とかしたい!!

 

 

「お前、もしかして俺のことを……?」

「ふぇっ!? そ、それはそのぉ……」

「あれがお前の気持ちってことか。だったら俺もお前のこと……」

 

 

 えっ、ここでこ、ここここここ告白!? そんないきなり!? しかも私の曲がきっかけで!? ちょ、ちょっと待ってまだ心の準備が……!!

 

 

「かのん……」

 

 

 近い!! 零さんが近い!!

 ちょっ、ちょっと待ってぇえええええええええええええええええええええええ!!

 

 

 

 

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「ぷしゅぅ~……」

「え゛っ、大丈夫かのんちゃん!?」

「大丈夫ですかかのんさん!!」

 

 

 なんか違うこと想像してないかアイツ……? 想像している時の顔が明らかになりたい職業のことを考えている顔ではなく、完全に『女』の顔になっていた。別に空想の世界だから個人の自由と言えばそうなのだが、もう将来を考えるコンセプトが忘れ去れている気がする。男と添い遂げて真の女になるってのはある意味で将来を考えている、と言っても間違いはないんだろうけど……。

 

 

「全く、将来を想い描くだけなのに何を想像してるんだか」

「そういうすみれは自分の未来を想像できるのデスか? やけに自信満々のように見えマスが……」

「余裕よ! ま、今でもギャラクシー級の女優として君臨できる実力はあるけどね」

「不遜! 思い上がるなデス!」

「ったくアンタってやつは……。ふんっ、見てなさいよ」

 

 

 

 

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 遂に私が最優秀女優として賞に選ばれた。私の才能だから当たり前のことではあったけど、実際にこうして選ばれると嬉しいものね。これでこれから仕事も続々舞い込むから、また私の魅力が全世界に知れ渡ると思うと思わず笑いがこみあげてくる。もっともっと銀河最強女優の実力を見せつけてあげるんだから。

 

 そういえばマネージャーから控室で待っていろと言われたけど、一体何があるのかしら? 私に会いたい人がいるって言ってたけど、たかが1人のファンにそんな贔屓するわけないし……もしかしたらもう大きな仕事が取れたとか!? ドラマ制作会社の社長が直々に私に会いに来るとか、そういうビッグイベントかもしれないわね。

 

 そんなことを考えている間に控室のドアが開く。遂に私が世界に羽ばたく日が――――!!

 

 

「よぉ」

「れ、零!? アンタなにしてんのよこんなところで!!」

「いやお前が女優賞を取ったって聞いたから来てやったんだ。嬉しいだろ?」

「べ、別に嬉しくなんてないわよバカ!!」

 

 

 なんと来たのは高校時代の私の先生だった神崎零だった。最近は忙しくてあまり会えていなかったけど、顔を見た瞬間に何故かホッとしちゃったのは一番心を許せる相手だからかもしれない。最近は女優賞を取れるかもしれないというある種のプレッシャーもあったし、そのせいで常に気を張ってたからコイツの顔を見た瞬間に肩の力が抜けちゃったわ。

 

 

「賞を取ったなんてアンタに言ってなかった気がするけど? ちなみに隠すつもりはなくて、ただ単に忙しくて忘れてただけだから」

「分かってるよ。お前の動向は常に追ってるから知ってるだけだ」

「サラッとストーカー発言をするんじゃないわよ……」

「ちげーよ。自分にとって大切な女の子が活躍してるんだ、そりゃ見守りたくなるだろ。高校生のときよりももっと魅力が上がったお前を見るの、俺は好きだぞ」

「ふ、ふ~ん……」

 

 な、なにこれ、心臓がバクバクしてるんだけど!? 顔も熱いし、コイツの無自覚発言も相変わらずなんだからもう……。

 意識していることを悟られたくないので自分の髪先をくるくると回して弄る。ただコイツにはそんな誤魔化しは通用しない。私が動揺したのを見計らってか、こちらにどんどん近づいてきて――――って、顔が近い!!

 

 

「俺、お前が女優賞を取ったら言いたいことがあったんだ」

「えっ……そ、それって……」

「すみれ。俺は、お前のことを――――」

 

 

 これってもしかして……こ、ここここここ告白!? そんないきなり!? しかも私の女優賞がきっかけで!? ちょ、ちょっと待ってまだ心の準備が……!!

 だ、だから顔が近いって言ってんでしょこのバカぁああああああああああああああああああああああ!!

 

 

 

 

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「うっ……うぅ……」

「すみれちゃん? お~いすみれちゃ~ん! ダメだ、全然反応がない」

「あれだけ大見得を切っておきながら情けないデスね。何を想像していたのかは知りマセンが……」

「かのんさんに続いてすみれさんまで……。想像の中で一体何が行われていたのでしょうか……」

 

 

 今度はすみれまで撃沈、もとい自爆した。想像というよりもはや妄想であり、顔が真っ赤になっている時点でお察しだ。つうかアイツらの妄想の中の俺の立ち位置が気になる。なんかキザったらしくて男に嫌われそうな性格に改変されてそう……。

 

 

「2人共夢をしっかり持てていないからこうなるんだよ」

「千砂都さんはやはりダンスを夢にしているのでしょうか?」

「そうだね。ゆくゆくは海外とか行ってみたいかも。私はその様子でも想像してみようかな?」

 

 

 いや、二の舞になるからやめとけって……。

 

 

 

 

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「先生! 今のステップどうでしたか? 私としては上手にできたと思うんですけど……」

「あぁ、バッチリだ。さっきのが一番難易度が高いところだったから、これで山を抜けたな」

「はいっ! 先生のおかげです!」

「いやお前の才能と実力のおかげだよ」

 

 

 私のダンス武者修行の旅は、なんと海外に舞台を移していた。そして零先生にマネージャー兼コーチになってもらい、今は二人三脚でダンスレッスンをしている。大好きな先生とダンス活動をできるのも楽しいし、それに2人きりで一緒に海外だなんてスケールの大きいデートみたいでちょっと、いやかなりドキドキしちゃうかも……。

 

 

「せ、先生! 次のお休みの日に一緒に街を回ってくれませんか? せっかくの海外なので観光も楽しみたくて……」

「あぁ、いいぞ。練習のリフレッシュにもなるだろうしな」

「よかった……。はいっ、ありがとうございます!」

「なんで感謝してんだよ。俺とお前の仲だろ? せっかく2人きりで海外に来たんだから、2人の思い出を作らなきゃ損だ」

 

 

 えっ、こ、これって先生もデートをしたいって思ってくれていたってことだよね!? 私も先生と同じ気持ち、そして先生も私と同じ気持ち。ということは――――相思相愛!? だったらこの海外遠征でもっともっと距離を縮められるかもしれない。うん、だったらもっと積極的にならないといけないよね!

 

 

「そうだな。その思い出作り中にお前に言いたいことがあるんだ」

「い、言いたいこと!? 相思相愛ってことは、ま、まさか……!?」

「どうした? 顔が赤いぞ。疲れてんのなら休憩するか?」

 

 

 これってもしかして……こ、ここここここ告白!? そんないきなり!? しかも海外遠征がきっかけで!? ちょ、ちょっと待ってまだ心の準備が……!!

 先生が近づいてきている!! まさか今ここで告白するの!? だ、だから心の準備がぁああああああああああああああああああああああ!!

 

 

 

 

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「せ、せんせぇ……」

「千砂都さん、先生を連呼しながらショートしてしまいましたね……」

「自分の夢をしっかりと持っている千砂都ですらこうなるなんて、将来を考えることって末恐ろしいデス……」

 

 

 いやここまで将来のことを考えている奴はいなかったが?? だが見ようによっては未来のことと思えなくもなく、将来の職業って言うよりかは家族や家庭を見越した上での妄想だったに違いない。つうか妄想ですら顔を真っ赤にしてるってことは、架空の世界であっても恋愛下手なのかコイツら……。

 

 

「こうなったら、可可が想像の世界に侵入して皆さんの眠りを覚ましてあげマス!」

 

 

 

 

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「もうすぐアイドルとしての初舞台、緊張しマス……」

 

 

 スクールアイドルを卒業し、可可は遂に大人の社会に身を置くリアルなアイドルになりマシタ。スクールアイドルの経験はあったものの真のアイドルになるために過去の自分に奢らず、度重なるレッスンを重ねてようやく最初のステージに上がろうとしていていマス。

 

 ただ、ステージに上がる経験があると言っても流石に一発目のステージは緊張してしまいマス。スクールアイドルになってかのんと初めてステージに上がるときを思い出し、初心忘るべからずというのはこういうことなのデスね……。

 

 そうやって不安に苛まれていた可可の手が、突然暖かくなりました。見ると、なんと零さんが可可の手を握っていたのデス!

 

 

「大丈夫か?」

「れ、零さん!? 来てくれたのデスか!?」

「あぁ、お前の晴れ舞台だからな。いくらスクールアイドルをやっていたとはいえ、アイドルとして社会に立つという重圧はあるだろうし、意外とそういうのに弱かったりするもんなお前」

「じゃあ可可を励ますために来てくれたのデスか!?」

「当たり前だろ。可愛い教え子が社会に羽ばたこうとしてるんだ、サポートして当然だよ」

 

 

 その暖かい優しさに可可は思わず涙腺が崩壊しそうになりマシタ。でももうすぐでライブなのでここで泣くわけにはいきマセン。ファンに笑顔と元気を与えるのがアイドルなのデスから!

 ただそのライブが終わった後に零さんの顔を見たら絶対に泣いてしまいそうデス……。それに可可は決めていマシタ。初のライブが成功したら秘めたるこの気持ちを伝えるのだと――――

 

 

「ライブが終わったらお前に言いたいことがあるんだ」

「えっ? 零さんからも!?」

「だから頑張って来い。俺をもっと()()()にさせてくれ」

 

 

 その気って、もしかして……こ、ここここここ告白デスか!? そんないきなり!? しかも可可のライブがきっかけで!? ちょ、ちょっと待ってくだサイまだ心の準備が……!!

 零さんのこの真剣な顔、間違いありマセン!! そんなビッグイベントが待ち受けているなんて、可可、ライブに集中できるのでショウか……??

 

 

 

 

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「ライブが終わったら告白、ライブが終わったら告白、ライブが終わったら告白……」

「可可さんが壊れたレコードのように同じ言葉を繰り返しています……」

「妄想もここまで来ると世も末だな……」

 

 

 もう声となって自分の欲望がダダ洩れしてる時点でお察しだ。もはや将来の職業を考えるという主題は完全に消失しており、どちらかと言えば全員家庭に入る想像をしている気がする。そこまで妄想力があるのなら、結婚後の生活を考える方がよっぽどコイツらには合ってるな……。それはそれで羞恥心を刺激されて気絶しちゃいそうだけど……。

 

 

「想像だけで気絶してしまうだなんて、皆さんは精神力が枯渇しているようです。ここは私が将来の姿というものを皆さんに正確に、分かりやすくお伝えします」

「もう聞く奴ら全員ダウンしちまってるけどな……」

 

 

 

 

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 結ヶ丘女子高等学校の理事長になった私、葉月恋。元理事長からの教えを受け継ぎつつ、高校時代の生活で学んだことを活かし、この学校をよりよくするために日々精進しています。生徒だった頃に生徒会長を務めていた経験もあってか、学校運営を生徒目線で努めることができ、生徒たちの学校生活満足度も100%近い数字を記録しています。学校経営は決して楽ではないですが、母が残したこの学校を誇りを持って立派に成長させられていると自負しています。

 

 もちろん成功の道を歩み続けられているのは私だけの力ではありません。神崎零さん、かつて私の先生だった方にサポートを頂いているからこその結果です。今は二人三脚、お互いに切磋琢磨しながらこの学校を運営しています。

 

 

「恋。今日も結構煮詰めてるから来週にしよう。お前は目を離すとすぐ無茶するから心配だ」

「あまり作業を先延ばしにはしたくない性格なもので……。ただもう夜遅いですし、そこまで急を要する作業はないのでお言葉に甘えて来週にします」

「あぁ、そうした方がいい。だったら早く帰ろう」

「はい」

 

 

 実は零さんと夜まで一緒に仕事をするのは密かな楽しみだったりします。だって夜の静けさの中、好きな人と一緒にいられる空間なんて胸の鼓動が高鳴ってしまいますから。そんな空間にいれば疲れなんて全く感じません。ただ零さんを心配させてしまったら元も子もないので、いつもこうして諭される形で、名残惜しいですが帰宅しています。

 

 

「そうだお前、今日の夜は空いてるか?」

「えっ? は、はい、サヤさんには遅くなるとお伝えしており、夕飯も必要ないと連絡はしてありますが……」

「なるほど。それは都合がいいな」

 

 

 都合がいい……? 週末の夜に女性の私に予定を聞く男性の零さん。それってつまり……そういうことなのですか!? これは誘われていると考えてもよいということですよね!? 夜に男性が女性を誘ってくるなんて、もう()()()()()のが目的としか思えません! し、しかし、こういう経験がないのでどう応待したらいいのか分からないのですが……。どうしましょう……!! それに零さんの顔がとても真剣で、もう今ここで想いを伝えられそうな感じが……。

 

 

「恋。実は……」

「な゛っ!? は、はいっ!!」

「その顔、随分とやる気みたいだな。だったら――――」

 

 

 だったらとはなんでしょうか!? もしかしてこんなところで……こ、ここここここ告白!? そんないきなり!? しかも夜の理事長室で2人きりのこの状況で!? ちょ、ちょっと待ってくださいまだ心の準備が……!!

 零さんの顔は本気のようです。このままだとどこへ行くこともなく、この部屋で致してしまうのではないでしょうか!? そ、そんな告白と同時に私を頂こうなんてなんて破廉恥な……。で、でも、それに期待している私がいたりいなかったり……。

 

 ど、どうすればいいのでしょうか……!!

 

 

 

 

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「うぅ……。ダメです、こんなところで……」

「目を伏せながらビクビクしてやがる……。VRでエロい映像見てるみたいになってるぞ……」

 

 

 これにてみんな撃沈! 結局全員が気絶してしまったので職業想像体験はお流れになった。こんなことで自爆するなんて、日常生活でも勝手に妄想して勝手に爆発してそうだな……。

 




 零君も言っていましたが、もう完全にサブタイトル詐欺ですねこれ(笑)
 そして作者の自分で言うのもアレですが、妄想の中でも奥手な彼女たちを可愛く描けかた思います!

 来週は遂にスーパースター2期の開始で、小説の投稿スパン的にアニメ後の24時に投稿されるので、アニメの熱を保ったままこの小説を読むことができますね!

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