前回のラブライブ!
遂に雪穂と亜里沙、楓が顔を合わせた。いつも通り平常運転な楓と、新たな友達ができてハイテンションな亜里沙を横に、この2人の面倒を見なけらばならない苦労人の雪穂。大天使亜里沙様が楓に浸食されないように、頼んだぞ雪穂!!
そして雪穂と亜里沙はμ'sメンバーとも顔合わせ。そこには卒業した絵里と希、にこが俺たちに内緒で集結していた。新旧メンバー集合で、これから俺式新入生歓迎会だ!!さぁ、まずはみんなこの衣装に着替えよう!!
~※~
「うわぁ~♪すごく可愛いメイド服、零君これどうしたの?」
「いい質問だ穂乃果。俺がこの春休み、みんなのスタイルや背丈に合わせてチビチビと衣装を直していたんだ」
「えっ!?私たちの背丈まで分かるんですか?」
「それもいい質問だ亜里沙。俺にとって女の子のスリーサイズなんて一目瞭然なんだ。もちろんお前ら2人のもな」
「すごいです零さん!!何でもできるんですね!!」
「だろ?もっと褒めたまえ!!」
俺が思った以上に亜里沙は真っ白で、すぐにでも別の色に染まってしまいそうだ。これなら楓がゲスい顔をして亜里沙を染めたいという気持ちが分かる気がする。
じゃあ早速俺色に染め上げて、俺に従順な天使様に……ゲフンゲフン!!なんでもない。
「ことりたちのために作ってくれたの?嬉しいなぁ♪」
「これは穂乃果ので……これは海未ちゃんのだね」
「わ、私は着ませんからね!!」
「えぇ~折角作ったのに~」
「そもそもどうして歓迎会にメイド服なんですか!?」
「そんなのもの俺の趣味に決まってるだろ」
「余計に着たくなくなりました!!」
もう何度もメイド服を着ているというのにまだ慣れないのか。ちなみに今回は前回のような堕天使黒メイド服ではなくて、普通の白を基調としたオーソドックスなメイド服だ。まぁ多少改良を加えて露出度は高くなっているが、これも俺の趣味だ。
「花陽たちはどうだ?」
「わ、私は……」
「私は着ないから!!」
「いいじゃんいいじゃん!!かよちんも真姫ちゃんも着てみようよ!!折角零くんが作ってくれたんだし。凛は着てみたいにゃ!!」
「そうだよ!!俺がみんなのために真心込めて、愛情を込めて作ったメイド服なんだ。是非俺の愛を受け取ってくれ。お前らなら絶対に似合うと思うからさ」
「零君の頼みなら……いいかな?」
「全く……いつもそんな恥ずかしいこと平気で言うんだから」
恥ずかしいことを平気で言えないと、こうして9人とは付き合えていなかっただろう。それにあの時から自分の羞恥心は全て捨て去った。これからはみんなの恥ずかしい姿を赤裸々にしてやるんだ!!
てなわけで、みんなのメイド服写真(1枚:10000円)のお申し込みは俺の口座まで!!
「にこたちも、『私たちは関係ない』みたいな顔して突っ立っている場合じゃないぞ」
「どうしてにこたちまで……まぁ可愛いから別にいいけど」
「そうやね。久しぶりにみんなと遊べて嬉しいわぁ♪」
「あなたの場合、『みんなと』じゃなくて『みんなで』じゃない?」
「流石絵里ち!!よく分かってるね♪」
「希も全く変わってないわね……」
やはり希も俺と同類だったか。変態は変態を引き寄せ合う、類は友を呼ぶとはまさにこのことだな。
でも特にメイド服を着ることに抵抗がないこの3人。これが年の功ってやつなのか!?1つしか歳が変わらないのにそう言ってしまうと、すごくどやされそうだ。
「私も着るんですか……?」
「雪穂、これもμ'sに入るための儀式なんだ。まぁ俺に目を付けられた時点で諦めるんだな」
「諦めるって……零さんはどのポジションから言ってるんですか……?」
「神のポジション」
「聞いた私が馬鹿でした……」
そう言って俺に憐れみの目を向ける雪穂。
そうだよ、この目だよ!!人を凍てつかせるような、北極や南極の寒さよりも凍える目線が如何にも俺を見下している時の真姫にそっくりだ。やはりコイツと真姫を組ませて、ファンを甚振る光景を見てみたい。握手会も握手ではなくて、ムチを持って一人一人シバいていくとか面白そうだ。
「いいじゃん雪穂!!このメイド服可愛いよ。私一度着てみたかったんだぁ♪」
「こんなことするためにμ'sに入ったんじゃないんだけど……」
「いいか、アイドルたるものどんな衣装を来ても誠実に振舞わなければならん。恥ずかしがってたら、人前で歌もダンスもできないだろ?」
「……零さんのくせにいいこと言ってる」
「お前の中での俺の位置づけがよーく分かったよ……」
あれれぇ~?一応一緒にデートしたことはあるんだけど、俺の評価ってこんなに低かったっけ?あの時は高坂姉妹2人と一緒で、その時は雪穂もハイテンションだった気がするが、それは俺がいたからじゃなかったのか!?密かに俺のことを想ってくれているって期待していたのに!?
「でもほらみんなやる気みたいだし、ちょっとだけ、ちょこ~っとだけだから」
「はぁ~……分かりました。やればいいんでしょやれば」
「やりぃ☆」
これで全員の説得は完遂された。あとはこの時のために買ってきたカメラで、みんなのメイド服姿をいやらしく収めるだけだ!!
いきなり全員が着替えると、ただでさえ狭い部室がさらにギューギュー詰めになる(俺はそれでも最高なんだけど)ので、学年別に順番で出てきてもらうことにした。
~※~
「じゃーーん!!見て見てご主人様!!可愛いでしょ?」
「お待たせしました、ご主人様♪」
まず部室に入ってきたのは穂乃果とことりの幼馴染コンビだ。
穂乃果のメイド服は、本人が活発で動き回ることを想定して生地が薄く、肌の露出も多い。こう見ると穂乃果からもしっかりと色気が醸し出されている。
ことりはいつもと同じだと興奮しないので、スカートの丈を短くしてり肩を露出させるなどお客様(俺)にサービスできるようになっている。
「はぁ……はぁ……」
鼻血が……鼻血が飛び出るぞ!!メイド萌えの俺にとって、『露出が多いメイド服』+『自分の彼女』というコンボに興奮せざるを得ない。
でも今回は準備万端だ。輸血パックを大量に用意してあるからな。
「わっ!?ご主人様鼻血大丈夫!?」
「わ、悪い!!そこのダンボールから輸血パックを早急にセッティングしてくれ。さっきセットしておいた3パック分が、お前らを見ただけで一気に消し飛んだんだ」
「うん分かった!!」
まさか……まさか穂乃果とことりのメイド服姿を見ただけでこうなるなんて……明らかに以前より悪化していないか!?恋人関係になって、ますます興奮しているのかもしれない。
「大丈夫ですかぁ、ご主人様?」
「なっ!?」
ことりが俺を心配して近くまで駆け寄った。それはいいのだが、色々とことりの見えてはならない部分が見えそうになっているのが問題だ。
メイド服を切り取りすぎたせいで胸元が大きく開かれ、上から除けば豊満な2つの膨らみがすべて見えてしまいそうになっていた。ここから見ても、そのマシュマロみたいな柔らかいモノのほとんどが見えてしまっている。
「よし!これでセッティング完了!!これでご主人様と遊べるね♪」
そう言って穂乃果は俺の元へ走って来た。その度に生地の薄いスカートが大きくめくれ上がり、目が離せなくなる。
「ご主人さまぁ~♪」
「ほ、穂乃果!!急に抱きつくな!!」
穂乃果はピョーンと俺の背中に飛びつき顔をすり合わせてくる。
もちろんそれだけでも鼻血ぶちまけものだが、さっきも言った通り穂乃果のメイド服は生地が薄い。だから彼女の胸の感触が俺の背中にダイレクトに伝わってくるということだ。
見てみると、穂乃果がセットしてくれた輸血パックの内、もう1つが消えてなくなっていた。俺が鼻血を出す量と、輸血パックからの需要と供給が明らかに見合っていない。
「そ、そう言えば海未はどうした!?」
「あぁ……海未ちゃんなら、ほらあそこだよ」
「えっ?」
ことりが指を指している先を見ると、部屋の隅で海未が顔を真っ赤にしながらこちらを眺めていた。
海未のメイド服は、あえて和風っぽくなるようにアレンジを加えている。どちらかといえば和服に近くなるように作成した。やっぱり海未には和服だよな。
「ど、どうして今回はどれもこれも露出が多いんですか!!」
「そんなもの俺の趣味に決まってるだろ。今更すぎるぞ」
「零っ!!」
「ご主人サマと呼べ!!ここでは俺が正義だ!!俺がすべてなんだ!!」
「どうして私、この人を好きになったんでしょう……?」
真っ当な意見だ。ごく普通で正論すぎて俺の反論する余地もない。
だがな、俺はこの行為を全くやめるつもりはない。これが俺の生き様、そしてみんなは俺の全てだからだ!!だからメイド服でご奉仕してね☆
「じゃあどうすればお前に俺の愛を示せる?キスでもするか?」
「はぁ!?ちょ、ちょちょちょっと待って下さい!!」
「なんだ?もしかしてそれ以上のことをお望みで!?」
「違います!!キスはいいんですよ……ですが近くでこんな恥ずかしい顔を見られたくなくって……」
「海未……」
可愛い生き物がここにいた。いつもは大和撫子と言われるほど、どちらかといえば美人よりなのだが、今はゆでダコのように顔を沸騰させてモジモジしている。海未がここまでお人形さんのように、抱きしめたくなる愛らしさを出しているのは初めてかもしれない。
「ご主人様ずるいです!!ことりにもキスしてくださぁ~い♪」
「ことりも!?」
「じゃあ穂乃果も、さっき以上にスゴイやつお願いします!!」
「「さっき……?」」
「「あっ……」」
マズイ……穂乃果が口を滑らせてしまった。ことりと海未はすぐさま反応し、俺と穂乃果は口を開けたままその場で立ち尽くす。
「零くん、穂乃果ちゃん、それって一体どういうことかな?」
「えぇ~とそれは……」
「私たちの取り決めとして言いましたよね?学院内でキスするのは禁止だと……」
「しょーがないじゃん!!雰囲気に流されちゃったんだもん!!」
「しかも私たちは生徒会役員なのですよ!?まして穂乃果は生徒会長、破廉恥な行為などもってのほかです!!」
俺たちで決めた規則、それは学院内では健全な関係でいることだ。特にスクールアイドルとして活躍したコイツらは学院内でも顔が知られているだろうし、これから新入生の目もある。上級生の俺たちが模倣になるため、お堅い海未からの取り決めだ。
「そーだよ!!穂乃果ちゃんだけズルいよ!!だからことりにもやって?」
「こ、ことり!?さっきの話聞いてなかったんですか!?」
「聞いてたよ。でもことり、もう我慢できないの!!」
「うっ……でも俺たちの取り決めが……」
このままドツボにハマっていけば、ズルズルと快楽の道を突き進むことになる。そうなったら最後、学院だろうとどこだろうとイチャイチャしまくってしまうだろう。それでは世間に9股をかけている最低ヤローだということがバレてしまう!!
「ダメ……かなぁ?」
「ぐぅうううううううううううううううう!!」
ことりは涙目かつ上目遣いで俺を見つめてくる。
いつの間にそんな技も身につけたんだ。くっそぉおおおおおおおおお!!可愛いじゃねぇかぁああああああああ!!俺はこんな天使のお誘いを断ろうとしているのかぁああああああ!!
俺の心に眠る罪悪感が大群を成して襲いかかってきた。
「で、でもここではな……」
「もうっ!!いつもなら『ことり、大好きだよ』て言ってしれくれるのに、どうして今はダメなの?チューしようよ!!チューチューチュー!!」
「ネズミかお前は!?ことり、ちょっと落ち着いて!!」
「もういいもん!!こっちからしちゃうんだから!!」
「むぐぅ!!」
ことりは真正面から俺に飛びつくなり、そのまま俺の唇を食べてしまうかのように自分の唇を押し当てた。すがりつくように執拗な彼女の厚い唇の感触に、俺は一気にことりの虜にされる。
「んっ……ん」
ことりは色っぽい声を上げながら、俺とのキスに夢中だ。周りには羨ましそうに眺める穂乃果や、目を見開いたまま動かない海未もいるのだが全く意識にないのだろう。
『ぺちゃぺちゃ』と唾液の音が大きく響き、いつもと比べてかなり濃厚なキス。もうこのまま俺が食べられてしまいそうだ。続けてことりは俺の唇を自分の唇で押し開けて、探し出した舌を舌で絡めてくる。そしてさらに如何にも破廉恥な唾液の音が部室いっぱいに広がった。
俺、さっきから脳がトロトロとかされているけどもういいや……
そして、十分にキスを堪能したことりはゆっくりと唇を離した。俺とことりで唾液の糸が引いているのが、心底いやらしい。
「どうでしたかぁ?ご主人様?」
「気持ちよかったよ。もう一度しれくれるか?」
「はい♪喜んで、ご主人様の仰せのままに」
俺たちは第二回戦をはじめようとした瞬間、ダンッと隣で誰かが仁王立ちした。
――――これってまさか……?
「もうこれ以上はダメです!!」
「えぇ~!!海未ちゃんヒドイよ!!ことり、まだ零くんと愛し足りないよ!!」
「ダメです!!このままエスカレートすれば、必ず日常生活でもハメを外してしまいますから。なのでこれ以上は禁止です。いいですね!!」
「はい……」
珍しくことりが海未に怒られている。そのシュンと落ち込んでいることりの表情にそそられて、また彼女に飛びつきそうになるがグッと堪える。これ以上やると確実に海未の制裁をもらうからな。
「零も!!いいですね?」
「はい……」
結局3年生になっても、『俺たちが馬鹿をする』⇒『海未によって止められる』という鉄板の流れは変わらないんだな。逆に安心したよ、いつもの構図で。いや、いつもなら殴られてたから一歩前進か?
「じゃあ、帰ったら海未を思いっきり愛でてやるかな?」
「な゛っ!?い、いきなり何を言い出すんですか?」
「何をって、学院の中じゃなかったらいいんだろ?それにお前、ずっと顔が真っ赤だぞ」
「うっ……」
「大丈夫だよ、俺はしっかり海未のことも見てるから。また2人で一緒に……な?」
「もう……っ、あなたって人は……」
穂乃果やことりは自分の感情を出すのが得意だが、海未は自分の心の中に抑えてしまって中々人に想いを伝えられない。付き合ってからは少し改善されたが、2人に比べればまだまだだ。そこは俺が海未に心配やストレスを抱えないように引っ張っていかなければ。
「よーーし!!じゃあ次は穂乃果の番だね!!」
「「「それはない」」」
「うそぉ!?」
この流れでまだやる気だったのかコイツは。しかもさっきやったし……
そして俺は、こんな調子でこの先身体が持つのだろうか……?
ということで、次回に続きます。まさかキスの描写を入れるとは自分でも思っていませんでした。勢いって怖いですね(笑)。ですが折角恋人関係になったので、他の小説では見られないシーンというのも一興ではないでしょうか?
高評価をしてくださった方、ありがとうございます!!増えれば増えるほどイチャイチャの回数も増える(?)かもしれません。
これメイドである必要あったか!?