ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常2~   作:薮椿

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 後書きに、にじよんアニメ(この小説ver)の超短編を掲載しています。
 是非最後までご覧ください!



妊娠ドッキリ仕掛け隊!

「零君の様子がおかしい?」

「はい。たまにですけど、ぼぉ~っとしている時があるんですよね」

 

 

 高咲侑です。

 教育実習に来ている薫子さんと廊下でばったり遭遇し、歩きながらお話し中。ちょうどいい機会だと思って、最近気になっていたお兄さんの体調について相談しているところだ。

 

 最近のお兄さん、時たま上の空になっていることがある。普段からやる気なさそうな雰囲気なんだけど、ぼぉ~っとしているのは意図して気を抜いているわけではなさそうで、私たちと話をする時は至って普通に応対している。もしかしたら無理をして平静を装っているのかもしれないけど……。

 

 

「もしかしなくても、秋葉さんから課されたあのミッションのせいじゃない?」

「だと思います。まだ歩夢たち全員とキスが終わってないみたいですし……」

 

 

 お兄さんは今、病気――――みたいなものを患っている。女の子の愛を受け止め過ぎたが故に、お兄さんの中の愛を受け止める器のキャパシティが限界を迎えているらしい。そのキャパを広げるためにはお兄さん自身と繋がりが強い女の子、つまり歩夢たちとキスをする必要がある。全くもって意味が分からないけど、あの秋葉さんが柄にもなく真面目に言っていたので多分真実だと思う。

 

 ちなみにキスせずにそのまま現状を放置しておくと、お兄さんの中に溜まっている女の子の愛という愛が器から漏れて爆発してしまうらしい。うん、ますますウソのように聞こえるけど本当らしいんだよね。そしてその病状の宣告がされてからもう1週間以上は経つ。だからそろそろ限界を迎えてもおかしくない時期だ。

 

 

「秋葉さんの話だと零君のカラダはもって2週間程度って話だったし、既に1週間が経過。だから他人の目から見ても分かるくらい疲れてるのかもね」

「そうですね。心配だから体調を聞いてみたんですけど、『大丈夫だ。心配すんな』って突っぱねられまして……」

「人の心配事には容赦なく首を突っ込むのに、自分の心配事には誰も寄せ付けないんだねぇ……」

「そうなんですよ! 全くあの人はもう……」

 

 

 人が悩んでいる時はそれをいち早く察して、いつの間にか隣にいる。音もなく傍に来るから軽くホラー。でもそのおかげで歩夢たちはみんな救われた。そして、私も――――

 

 

「ふふっ、もう好きな男子の面倒を見たい幼馴染キャラみたいになってるよ」

「は、はぁ!? 確かにお兄さんとは相棒として認め合った仲ですけど、そ、そんな恋愛を感じさせる関係じゃないですって!!」

「でも歩夢ちゃんが言ってたよ。『最近の侑ちゃん、よく零さんの身の回りのお世話をしてるし、満更でもなさそう』だって」

「捏造です!!」

 

 

 もういきなり何を言い出すの薫子さん……。あれはただお兄さんがだらしないだけで、それが気になってるだけだ。あぁ、そうやって1人の男性の行動を逐一気にし過ぎてるから意識してると思われるのか……。

 

 

「とにかく、本人が無理をしてないって言うのならもう少し様子を見てみようよ。まだみんなとキスも終わってないみたいだしね」

「はい……」

「ただ念のため私もそれとなく様子を見てみるよ。本気で無理をしてるのなら流石に見過ごせないしね」

「お願いします」

 

 

 お兄さんの身を案じながら薫子さんと別れた。

 こうしてお兄さんのことを過度に心配するのも、その人に気があるからとか言われるのかな。そもそも体調が悪そうな人が目の前にいたら心配するのは当然でしょ。好きな人だから余計に心配するとか、そんなのじゃない……はず。

 

 なんか私、お兄さんと出会ってからツン属性極まってない……??

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「侑先輩も零さんにドッキリをしましょう!!」

「えっ、何の話??」

 

 

 部室に入ったらかすみちゃんが詰め寄ってきて、何やら怪しい計画に私を加担させようとしてくる。さっきまでの真面目な雰囲気とは正反対で、部室内はとあるイベントの計画で和気藹々としていた。

 

 

「ドッキリ? お兄さんに?」

「はいっ! 侑先輩も零さんのしてやられた顔、見たくないですか?」

「別に」

「即答!?」

 

 

 なんと言うか、お兄さんの悔しがっている顔は想像できない。むしろ私の中のお兄さん像と照らし合わせると、あまりそういった顔をしてほしくない願望がある。なんだかんだいつも自信満々で、傲慢で俺様系なところに少し、ほんの少し惹かれてるところはあるんだよね。もちろん頼りになる男性って意味で恋愛の『れ』の文字ない。これは絶対。

 

 

「それで? どうしてこんなことを?」

「かすみんはふと思ったんです。いつも零さんにしてやられてばかりだと」

「まあお兄さん相手だったら仕方ないんじゃないの。しかもそういう雄々しいところが好きなんでしょ?」

「そう言われたらそうですけど、たまにはこっちが上に立ちたいんですぅ!!」

「そんなことをしたら怒られるよ……」

 

 

 お兄さんもお兄さんでプライドが高い人だから、年下の女の子にドッキリで騙されたなんてことになったらどんな報復に出るか想像するのも恐ろしい。しかもかすみちゃんたちを止めなかったってことを理由に私にまで飛び火してきそうだし、ここはやめさせるべきなのかな。とは言いつつも、部外者視点からだとお兄さんがドッキリに戸惑う様子も見てみたい気持ちはあるにはある。自分が参加するのは勘弁だけど、あくまで観客だったらね。

 

 

「ちなみに聞くけど、どんなドッキリを仕掛けるの? お兄さん頭切れるから、並大抵のことだとそもそも騙せないと思うけど」

「これを使う」

「璃奈ちゃん?」

 

 

 いつの間にか私の隣にいた璃奈ちゃんが手に持っていたのは、何やら見覚えがあるようなないような、白色の細長い器具だ。器具には『判定結果』と印字されていて、どうやら何かの検査キットのようだけど……。

 

 

「この妊娠検査キットを使ってドッキリを仕掛ける」

「に、妊娠!? それってもしかして、女性が妊娠したかどうかを確かめるアレ……?」

「そう。これを妊娠判定で陽性が出ているかのように巧みに偽装して、零さんを驚かせるのが目的」

「なんかシャレになってないような……」

 

 

 想像以上にリアルなドッキリでまずこっちが驚いちゃったよ。ただお兄さんと歩夢たち初期メンバー9人とは()()()()()()()であることから、もう()()()()()()は何度もしているはず。だからどこかで間違えて妊娠してしまってもおかしくはなく、確率が0%でないことからこのドッキリのリアル性は非常に高い。『実は私たち妊娠してましたー!』なんて、もし私が男でいきなりそれを宣告されたら頭が真っ白になる自信があるよ……。

 

 

「そんなドッキリを仕掛けたいくらいお兄さんに満足してないの?」

「むしろ逆ですよ! 満足しまくり大満足です!」

「じゃあどうしてこんなことを……」

「零さんは脳内がR-18思考に切り替わると途端にご主人様気質が高まる。この世の全てから私たちを独占しようとして、自分のモノだってことを私たちに刻み込む。優しいけど、時折激しく。私たちの脳も心もそんな雄々しい姿にとろとろに溶かされて、いつの間にか虜になっていく」

「ちょっ、生々しいよ!? 凄くその状況が鮮明に伝わってくるんだけど!?」

「脳内でAVを再生しちゃうなんて、侑先輩もエッチな子ですねぇ~♪」

「う、うるさいよ!!」

 

 

 これは璃奈ちゃんの表現力が豊かで想像が容易くなったせいであって、私が淫乱思考を持ってるとかそんなのじゃないから!!

 それはそれとして、2人がお兄さんにドッキリを仕掛けたい理由が分かった。そうやって男らしく自分を支配しようとするお兄さんのイキリ顔を崩したいってことだよね。確かにお兄さんはあれでも責任感が強いから、エッチなことをしたとはしても流石に孕ませるようなことはしない。だからこそ妊娠ドッキリってことか……うん、鬼畜過ぎない?? いや変態と言うべきかも……。

 

 

「なんかかすみんたちを変態だと疑ってるみたいですけど、真の変態はそこにいますからね」

「え?」

「う゛っ……」

「えっ、ん……? し、しずくちゃん……??」

 

 

 かすみちゃんが指を差した先。ソファで気配を隠していたしずくちゃんがいた。

 かすみちゃんと璃奈ちゃんが悪ノリするのはまだ分かる。でもこういうことを注意しそうなしずくちゃんがどうして……?

 

 

「すみません!! つい出来心と好奇心で『零さんが本気で驚く表情も見たい』と2人に話したばっかりに、とんとん拍子に話が進んでしまって……」

「つまりしず子も淫乱だったってこと」

「違うもん!!」

「零さんのことが好きすぎて、零さんの色んな表情が見たいって気持ちは良く分かる」

「こ、これはただ男性がお相手の女性に妊娠を告げられた時の反応を見て、こちらもどう切り返せばいいのかを勉強……そう、つまり演技のためです!!」

「えぇ……」

「侑先輩!? 私から遠ざからないでください!?」

 

 

 ドン引きしたけど納得できなくはない。しずくちゃんって歩夢と同じで、清楚ぶってるけどどこか淫猥な思考も持ち合わせてるんだよね。特にお兄さんと一緒にいる時はそうで、表では済ました顔をしているのに裏ではイケナイことを考えているに違いない。そういえばお兄さんが『表ではいい子ぶってる奴ほど裏では何を考えてるか分からない』って言ってたけど、今ならよく理解できるよ。

 

 

「とりあえず侑さんの分も用意しておいた。はい、検査キット。もう陽性反応に加工してあるから」

「いらないよ!? ていうかお兄さんとそういう関係じゃないから、私の分があったら即バレでしょ!!」

「あれ? もうそこまで進んでいるのかと思いました」

「侑先輩も意外と奥手ですねぇ~」

「どうして私が躊躇してるみたいになってるの!? 元々あの人と恋愛する気なんてないから!!」

「もしかしたら侑さんが寝ている間に、零さんがこっそり種付けしていたかもしれない」

「どれだけお兄さん鬼畜設定なの……」

 

 

 歩夢も言ってたけど、私ってそんなにお兄さんとお付き合いしているように見えるのかな……? 一緒にいることは多いけど、それはスクールアイドルのマネージャーとして学べることが多いからだ。でもまさかカラダを重ね合わせてると思われてるとは……。

 

 

「じゃあかすみんたちの検査キットだけをここに置いて、別室で様子を見てみましょう」

「えっ、どうやって?」

「この部屋にマイクありの隠しカメラを仕掛けた。これで監視できる」

「緊張しますけど、ワクワクもするね!」

「みんなの行動力が恐ろしいよ……」

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 そんなわけで別室。その中はまるで株の動向でも確認しているかのようなモニターの量で、ハッカーの秘密基地のようにも見える。どうして学校の中にこんな部屋があるのかは分からないけど、璃奈ちゃんが秋葉さんに頼んで作ってもらったのかもしれない。

 

 モニターは1つ1つが別角度から部室内を隠し撮りしており、いくつカメラを仕掛けてるんだと思ってしまう。

 離れた部屋から複数のカメラで隠し撮りを眺めてるなんて、ものすごぉ~く悪いことをしてる気分だ。まあ実際に悪いことなんだけど……。

 

 

「あっ、零さん来ましたよ! さぁテーブルの上に置いたかすみんたちの検査薬を見て、絶望の表情に打ちひしがれてください!」

「かすみさん、もう完全に悪役の顔だよ……」

「そういうしず子だってワクワクしてるじゃん。雰囲気から分かるもん」

「あれ、歩夢さんもいる」

「お兄さん、歩夢と一緒に来たんだ」

 

 

 画面を見るとお兄さんと歩夢が一緒に部室に入って来たところが撮れていた。

 そしてマイク付きの隠しカメラのおかげで2人の声が聴こえてくる。

 

『ん? なんだこれ?』

『こ、これって……!?』 

 

 

 早速仕掛けておいた妊娠検査キットに気が付いたみたい。お兄さんと歩夢はそれぞれその中の1本を手に取って眺めている。

 

 

『名前が書いてあります。かすみちゃん、しずくちゃん、璃奈ちゃん……って、零さんもしかして1年生の3人を……!?』

『…………』

『零さん?』

『あぁ、そうみたいだな』

『えぇっ!?』

 

 

「零さん、思ったより冷静じゃない?」

「おかしいなぁ~。高校生は孕ませない精神の零さんが、妊娠確定の検査結果を見たら驚くと思ったのに……」

「全然動じてない」

 

 

 お兄さんは検査キットを軽く確認しただけで、特にこちらが期待した反応をすることはなかった。別に私はお兄さんの動揺を観たかったわけではないけど、逆に反応がなさ過ぎてむしろこっちが驚いてしまう。そうみたいだと言ってたから自覚はあるんだろうけど……。

 

 ちなみに歩夢はずっとあたふたしっぱなし。そりゃ自分の後輩3人が一気に子供持ちになったらビックリするよね。これもう歩夢に対するドッキリなんじゃないかな……。

 

 

『妊娠したってことは、もしかして付けずにナマでやってた……ってことですか? それか危険日にやっちゃったとか……』

『んなわけねぇだろ。こっそりゴムに穴を開けられてたとか、そんなことされない限りな』

『かすみちゃんたちがそんなことを……』

『でもアイツら性欲強いから。自分の中に滾った性欲が我慢できなかったんじゃねぇか』

 

 

「零さん、私たちのことどういう目で見てるんだろう……」

「まるでかすみんたちが淫乱思考持ちの痴女ビッチみたいな言い草じゃないですかぁ!!」

「誠に不本意」

「その文句、こんなドッキリを思いつく時点で言えない気も……」

 

 

 3人共画面の前で抗議をしているけど、ドッキリの題材にリアル感のある妊娠を持ち出す時点で淫乱思考って言われてもおかしくないよ……。お兄さんはみんなのそんな性格が分かっているからこそ驚いていないのか。それでも落ち着きすぎな気もするけど……。

 

 

『良かったんですか? 妊娠しちゃったら流石にスクールアイドルは続けられないと思いますけど……』

『アイツらがそれを望んでたのならそれでいいんじゃねぇか。陽性が出ちまったからには俺がどうこうできる問題でもないしな』

『だ、だったら私も……』

『正気かよ……』

『だって零さんの子供を作るときはみんな一緒にって幼い頃から!! あっ、今のは忘れてください』 

『心の声ダダ洩れとかいうレベルじゃなかったぞ声の大きさ……』

 

 

「うわぁ……」

「ドン引きしないでください侑先輩!!」

 

 

 みんなお兄さんが大好きなのは分かるけど、小さい頃からとんでもない約束をしていたらしくて驚くどころか引いちゃったよ。その頃から妊娠願望があったってことだから、そりゃこんなリアルなドッキリも思いつくよねって話。そしてこんな淫乱思考にもなるよねって話。

 

 

「それにしても零さん冷静だね。何事にも動じない精神力、演技の勉強になるかも……」

「深刻な雰囲気は全くない」

「むぅ~。これだとかすみんたちの大敗北じゃん! よしっ、部室に直接乗り込もう! こっちの口から直接ウソを話せば、少しは戸惑ってくれるはず!」

「もう意地になってるじゃん……」

 

 

 それドッキリっていうかただの嘘つきのような気もするけど、ぶっちゃけた話お兄さんに通用するとは思えないので後ろで見守っておこう。そもそもお兄さん事実を受け入れちゃってるし、ウソをついてもそのまま話が進んでいきそうな気がする……。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 私たちは別室から出て部室へ向かう。

 ドッキリの仕掛け役って普通は余裕の表情で相手を眺めるものなのに、今では立場が全く逆。仕掛け人の方が焦ってるってもう完全に敗北してるんじゃないかな……。

 

 そして部室に乗り込む。

 お兄さんと歩夢はさっきまで話題に出していた当の本人たちがいきなり現れたためか、目を丸くしていた。

 

 

「あっ、それ見てしまったのですね……」

「かすみんたち、デキちゃいました……♪」

 

 

 普通に演技が上手いからツッコもうにもツッコめない。しずくちゃんの恥ずかしがる表情とかすみちゃんの上目遣い、どちらもウソを誠と偽れるくらいだ。普通の男性だったらコロッと騙されちゃうかも。

 

 

「ホントに!? 本当なのみんな!?」

「うん。零さんとの赤ちゃんができて、私も嬉しい」

「羨ま……じゃなくて、まだ高校生なのに……」

 

 

 もう隠す気ないよね歩夢……。

 傍から見てもドッキリとは思えないくらい3人の演技は上手い。いずれお兄さんとこうなりたいという願望があるからこそ、演技であって演技ではなく、将来の反応の前借りみたいな感じなのかもしれない。そのせいで歩夢は本当に騙されてるけど。

 

 

「そうか。じゃあしばらくお前らとはベッドの上で会うことはねぇだろうな」

「「「えっ?」」」

「だってそうだろ。お腹の中に赤ちゃんがいるんだからカラダに負担はかけられねぇよ。性欲が強いお前らがお預けをくらうなんて罰ゲームかもしれないが、子供のために耐えてくれ」

「じゃ、じゃあその間は私と……♪」

「歩夢……」

 

 

 別方向で暴走状態の歩夢は置いておいて、お兄さんの言葉に硬直している1年生ズ。性的欲求がお盛んな子たちがお兄さんからお預けをされるとなれば、それはもう人生の楽しみを奪われたようなもの。さっきの上手なウソ演技とは裏腹に、今は誰が見ても分かりやすく絶望している。

 

 

「そ、それはかすみん困っちゃうなぁ~~って」

「零さんの寵愛が得られないだなんて、そんなことは……」

「それは困る。イヤ」

「だったら最初っからそんなウソつくなよな」

「「「へ?」」」

 

 

 私と歩夢も含め、みんながきょとんとした顔をする。

 予想していなかったわけじゃないけど、どうやらお兄さんは初っ端から分かっていた様子。やっぱりお兄さん相手にドッキリは分が悪すぎるよ……。

 

 

「この検査薬が偽物だってことくらいすぐ分かるっつうの。お前ら以外に俺の周りに何人女がいると思ってんだ」

「じゃあお兄さんはドッキリだと分かって話を合わせていたってことですか?」

「まぁな。ただお前らが直接乗り込んで来たことには驚いたけど。痺れ切らすの早すぎだろ……」

「お兄さんがあまりにも動揺しないから、かすみちゃんが怒っちゃって……」

 

 

 確かにお兄さんってみんな以外にもたくさん女性の知り合いがいるし、その中の何人かとは既にカラダを合わせてねっとりやっているみたいだから、女性の妊娠について詳しいのは必然だったのかもしれない。だったらもうドッキリにこのネタを選んだ時点でかすみちゃんたちの敗北は決定してたってことか。まあお兄さん相手の場合はどんなネタでも通用しないと思うけど。

 

 

「ただ未遂で終わったとはいえ、俺に反抗しようとした気を起こした時点でそれは重罪だ。それ相応の報いは受けてもらうぞ」

「ま、まさか本当にかすんたちを孕ませ……!?」

「それは幸せなことですけど、罰ゲームでやられても複雑と言いますか……」

「赤ちゃんを作るならもっといいムードでやりたい」

「妊娠ドッキリを仕掛けたくせにそういうのは切望するんだな……」

 

 

 結局、ドッキリ企画はお兄さんの1人勝ちで終わった。ウソの内容が内容だったけど、女性よりも女性のカラダに詳しそうなお兄さん相手に妊娠ネタは選択ミスだったのかもね。

 そして、私に飛び火しなくて本当に良かった。3人を止めなかった責任を私に押し付けられると思ってたから、それだけはなくて一安心。

 

 

 ただ――――

 

 

「な~んだドッキリかぁ~。よかったぁ~」

 

 

 胸を撫でおろして安心を見せる歩夢。

 このドッキリで一番の敗北者は、本気で信じてしまって動揺していた歩夢なのかもしれないね……。

 




 ドッキリ企画は零君がすぐにウソを見抜いてしまうので、見どころはドッキリを仕掛ける前のかすみたちの掛け合いだったかもしれませんね(笑)

 そして妊娠って言葉が予測変換ですぐ出て来るなぁ~と思ったら、虹ヶ咲編1とLiella編から連続で妊娠ネタをやっていて、今回が3回目だと気づきました(笑)




 以下、にじよんアニメ1~3話(この小説ver)の小ネタの超短編。



~第1話~

「あぁ~『みんなを幸せにします』だなんて、とんでもないこと言っちゃったなぁ……。あっ、でもお兄さんっていつも同じことをみんなに言ってるんだよね……? って、私もお兄さんと同じ思考回路ってこと!? 違う違う、これはいつも一緒にいるお兄さんの病気が伝染したんだ。そうに違いない!!」
「どうした頭抱えて?」
「お兄さんと同じレベルに落ちたと思うと落ち込まざるを得なくて……」
「失礼だなオイ……」



~第2話~

「お兄さん! お兄さんもみんなの可愛さに得点を付けてあげてください!」
「バカ、女の子の可愛さに優劣なんて付けられねぇよ。俺の隣にいる女の子はみんな満点だ。もちろんお前もな」
「な゛っ……!? またそんなことを軽々と……。全く、お兄さんの方がバカですよ……」



~第3話~

「熱い……」
「大丈夫ですかお兄さん……? 歩夢たちもそろそろ……」
「だぁあああああああああ!! お前らくっつき過ぎだ!! 何人俺に抱き着いてんだよ!? 演出の参考にホラー映画ってのは口実で、俺に抱き着きたかっただけだろ!? 『きゃ~怖い』って、明らかに棒読みだったぞお前ら!!」
「みんなお兄さんのこと大好きすぎるよ……」




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