ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 今回は最近ご無沙汰となっていたキスの描写が多めとなっています。
 そして久しぶりの前後編。詰め込もうと思ったけど、描写を濃厚にしていたら9人分収まりませんでした。

 見所は目覚めのキス連発と、紳士的に振舞おうとする零君が心の中では暴走しているところですかね。


μ'sとの濃厚なるキス事情(前編)

 

 同棲生活10日目。

 楓の悩みを無事に解決し、遂に秋葉からのミッションを達成した。雪穂たちの心中は聞いていても辛いものばかりだったけど、その呪縛から解放させてやることができて俺も満足だ。これからの同棲生活は余計な気を張らずに、みんなと目一杯イチャイチャできるぞ!!

 

 

 それはそうとして、朝起きたら身体が動かないんですけど!?もしかしてこれが金縛りってやつか!?話には聞いたことがあるが実際に自分の身に降りかかるのは初めてだ。これは希にお祓いをしてもらった方がいいかな?その前にあの変態巫女さんがお祓いができるか微妙なところだが……なんか変な悪霊を呼びそうで怖い。

 

 

 でも何かが俺の上に乗っかていたり、横から抱きしめられているみたいな感じなんだよな。とりあえず目を開けて確認してみるか……

 

 

「…………やっぱり」

 

 

 とりあえず右を見てみると、そこには女の子の寝顔。俺は相当恵まれた環境で眠っていたらしい……昨晩は1人で寝てたはずなんだけどなぁ~

 

 そこでは自慢のサイドポニーを解いた穂乃果が気持ちよさそうにグースカ眠っている。俺の右腕を抱き枕としてガッチリホールドし、服に思いっきりコイツの涎が付着していた。さらに穂乃果は俺に顔を極限まで近づけているので、少しでも動けばキスをしてしまいそうだ。こんな可愛い寝顔を見せつけられたら我慢できなくなるだろうがぁああああ!!

 

 

 ―――――ん?なにやら左手に柔らかいものが当たっているような……?

 

 とりあえず柔らかいものは触って確かめる。それがおっぱいを揉み続けてきた俺が辿り着いた答えだ。

 

 

「それじゃあちょっくら失礼して……」

 

「ひゃんっ♡」

 

「な、何この声……?」

 

 

 穂乃果からなんとか顔を遠ざけ左を見てみると、そこには何故か顔を赤く高揚させたことりが喘ぎ声を上げながら眠っていた。

 さっきの声ってことりの声だよな……?相変わらず男のアソコに響く喘ぎ声をお出しになる。ことりのトロトロボイスでそんなエロい声を出されたら……イジメたくなっちゃうじゃん♪

 

 

「あぁんっ♡」

 

 

 この声だよこの声!!ことりの喘ぎ声は男の欲望をもの凄く掻き立てる!!男を誘惑したらどんな目に遭うのか、身をもって思い知らせてやる!!俺がいつまでもお前たちにやられっぱなしだと思うなよ!!

 

 よし、次はどう攻めてやろうか――――ん?ことりの奴、さっきから『ハァハァ』とこれまた卑猥な吐息を出している。コイツもしかして……!?

 

 

「お前、起きてるだろ……」

「すぅすぅ……」

「いや咄嗟に寝たふりしてもバレバレだからな!?」

「すぅすぅ……」

「あくまでシラを貫き通す気だな……分かった俺にも考えがある」

 

 

 俺の左手は常にことりのおっぱい付近に密着しているため、ことりの心臓の鼓動が直に伝わってくる。俺がさっき『考えがある』と言った瞬間から、その鼓動がバクバクと尋常じゃない早さで鼓動し始めていた。これは確実に起きているだろ……

 

 

「むぅ~……さっきからことりちゃんばかりズルい」

「うおっ!?穂乃果!?お前も起きてたのかよ……」

「穂乃果こんなに無防備なのに、なんで手を出してくれないの!?零君ヘタレになっちゃったの!?」

「ヘタレ言うな!!昨晩1人で寝てたのに、朝起きたら女の子に囲まれていて冷静でいられる奴の方がおかしいだろ!!」

 

 

 待てよ……この状況は使えるかもしれない。今まで散々ことりに振り回されてきた分、ちょっと仕返しでもしてやるか。やられっぱなしっていうもの癪だしな。

 

 

「よ~し!!こうなったら穂乃果とイチャイチャしまくるぞぉ~!!」

「えっ?どうしたの零君急に!?」

「急に穂乃果を愛でたくなった。ダメか?」

「もちろんいいよ♪さぁキて♡」

 

 

 こんな間近で穂乃果に誘われるとは!?それに顔も色っぽくていつもの無邪気さは感じられない、まさに女の顔。もうさっきことりの卑猥な声を聞いてからムラムラしてしょうがないんだよ……これはもう大人の階段を上っていい、そういうことなんだよなぁ!?

 

 

 俺は自分の唇で勢いよく穂乃果の唇に貪りついた。

 

 

「ちゅっ、ちゅぅ……」

「んぁちゅっ♪」

 

 

 あ、熱い!!穂乃果の唇が異様に熱い!!まさかコイツ、ずっと興奮して俺を待っていたとでもいうのか!?俺が起きるのを今か今かと自分を高ぶらせながら待っている穂乃果を想像すると……か、可愛すぎるだろ!!

 

 

「んっ……ちゅぅ」

「んっ……ちゅっ……んん♪」

 

 

 俺が舌をにゅるっと穂乃果の口へ滑り込ませると、彼女もそれに応えるように俺の舌に自分の舌を絡ませてきた。まだ静かな早朝、俺の部屋に俺と穂乃果のキスの音だけが響き渡る。

 

 そして俺たちはお互いの舌でたっぷりと愛を確かめ合い、ゆっくりと唇を話す。俺と穂乃果を紡ぐ銀色の糸が生々しく輝いていてとてもイヤらしい。

 

 

「えへへ♪零君とキスしたの、久しぶりだぁ♪」

「そうだったな。あまり彼氏らしいことができなくて済まない……」

「うぅん。一緒にいてくれるだけで、穂乃果は嬉しいよ♪」

 

 

 穂乃果は優しい笑顔でニコッと微笑む。この笑顔を見られることが、穂乃果たちと付き合うことができてよかったと思える瞬間だ。そして相変わらずコイツの明るい笑顔は俺を容赦なく焼き殺してくるな。もう何度も焼殺されている俺だが、何度見ても穂乃果の笑顔からは元気がもらえる。

 

 

「零君♪」

「な、なんだ?」

「えへへ♪呼んでみただけぇ~♪」

 

 

 クソォオオおおおおおおおおおおおおおおおおお!!コイツそこまで俺を萌え殺したいのかぁああああああ!!もう穂乃果を裸にひん剥いて襲いてぇええええええええ!!男を誘惑したらどんな目に遭うのか思い知らせてやりてぇええええええええ!!

 

 

 ま、待て!!まあ落ち着け!!自分の理性を保つんだ……

 

 

 俺と穂乃果が見つめ合っていると、突然左から俺の服の袖をクイクイと引っ張られる。反対側に首を回してみると、寝ていた"はず"のことりがバッチリと目を開け俺たちを羨ましそうな目で眺めていた。

 

 

「あれれぇ~?ことりさん寝てたんじゃないのかなぁ~?」

「ね、寝てないもん!!」

「でも俺が呼びかけた時は反応なかったしなぁ~」

「もうっ!!零くんのいじわる……」

 

 

 おぉおおおおおおおおおおおお!!イジけていることりも可愛いなぁああああああああああ!!もうずっと俺だけの専属メイドとして働いて欲しい!!はい、就職先決定!!

 

 

 おっと危ない危ない、また取り乱した。こういう時だからこそ紳士的に振舞わなければ!!

 

 

「悪かったよ、ゴメンなことり」

「だったらことりともキスしてくれる?」

「もちろん」

 

 

 寂しそうな顔をしていたことりは、俺の言葉を聞くと穂乃果に負けないくらいパアァっと明るい笑顔となる。そして自分の髪を掻き分け(この仕草が色っぽい)、唇を俺の唇へ押し当てた。

 

 

「ちゅっ、んん!!」

「んぁちゅっ、んっ!!」

 

 

 ことりとのキスは初めから激しいものだった。

 彼女は唾液を口の中に貯めていたのか、キスした瞬間俺の口内に自分の唾液をどんどん流し込んでいく。ぴちゃぴちゃと卑猥な音が部屋中に響き渡り、隣にいる穂乃果も興奮しているのかゴソゴソと動いているのが分かる。ナニしてるんですかねぇ……

 

 

「ちゅう、ちゅるっ!!」

「ちゅっ、んはっ!!」

 

 

 ことりのキスの勢いが激しすぎて、俺の身体から一気に酸素が放出される。それでも構わずことりは甘い唾液を送り込み続け、舌を使ってそれを俺の舌や歯など口内全体に染み込ませようとしてくる。このままではキスで窒息死しかねない!!

 

 俺は左手でことりの肩を掴み、ゆっくりと彼女を引き剥がした。

 

 

「ハァハァ……死ぬかと思った……」

「えへへぇ~♪久しぶりだったからちょっと激しくしちゃった♪」

 

 

 全くだよ、もう俺の口内を犯すことしか頭になかっただろ絶対に!!変態になっただけでは飽き足らず、まさかキス魔にもなっていたとは……ことりの愛は嬉しいけど恐ろしいな。

 

 

「気持ちよかったですよ♪ご主人様♡」

「おぉう……」

 

 

 やはりことりの『ご主人様』呼びは俺のドS精神を大いにくすぐる。もうこのままことりをメイド服に着替えさせたあと思いっきり脱がせたい!!そしてその勢いでベッドインしてぇよぉおおおおお!!

 

 

――――――ん?

 

 

 あ、あれ?なんか俺の布団が盛り上がっているんだけど……ま、まさか朝の生理現象!?でも俺のモノはここまで大きくないぞ!?むしろ全体的にもっこりしていて、まるで誰かが入っているような……ま、まさか!!

 

 

 俺がそう悟った瞬間、掛け布団がガバッと開いて中から――――!!

 

 

 

 

「ちょっと!!キスするならにこにもしなさいよね!!」

 

 

 

 

「に、にこ!?」

「「にこちゃん!?」」

 

 

 俺の布団から華麗に登場したのはにこだった。とりあえず一言――――

 

 

 いたのかよ!?

 

 

「世界No.1キス魔であるにこを放っておいてなに仕出かしてくれてんのよ!!」

「その肩書きは全然カッコよくないからな……」

「シャラップ!!いいからにことキスしなさい今すぐに!!」

「へいへい……」

「そこ!!やる気出す!!」

 

 

 テンションたけぇなオイ!!もしかしてコイツ、布団の中で俺たちのキス音を聞いて、いらぬ妄想で興奮してたんじゃねぇだろうな……絶対そうだ。だってもう既に息きれてるし顔も赤いし!!股のところ、ちょっと濡れてるし……

 

 

「行くわよ!!えいっ!!」

「むぐぅ!!」

 

 

 にこは俺に飛びかかるようにキスを仕掛けてきた。その勢いでまたしても窒息死していまいそうになるが、意外とフレンチなキスだったので体勢を立て直しながらにこの首に手を回す。そしてにこもそれに応えるように俺の身体に絡みついてきた。

 

 

「ちゅるっ、ちゅううぅぅぅぅぅっ」

「ちゅっ、んっ、ちゅっ」

 

 

 にこは自分の舌を俺の口内に侵入させ俺の唾液を吸い取ってきた。ことりとは逆のキスの仕方で、独占欲が強い彼女らしいキスだ。にこの甘い唾液のせいで俺の唾液もどんどん分泌され、その度ににこはそれを舌で絡め取りゴクリと飲み込む。

 

 

「んはっ、ちゅるっんっ!!」

「んちゅっ!!」

 

 

 もはや自分の勢いすら抑えられていないじゃないか!?さっきからにこの吐息や鼻息が俺に顔に降りかかってやがる!!しかも、『いい匂いだから興奮する』⇒『唾液が分泌される』⇒『にこに吸い取られる』⇒『にこが必死になりすぎて吐息』の無限ループに陥ってしまった!!

 

 俺はにこの首から両腕を離し、そのまま彼女からゆっくりと距離をとってキスを中断させた。その時の名残惜しそうな目のせいで無駄な罪悪感を感じる……

 

 

「え~もっとしたかったのに!!」

「流石にあの流れは断ち切らないと永遠に繰り返しそうだったからな」

「また今度ね、絶対よ!!」

「ああ、分かった。だから今はナデナデで我慢してくれ」

「そんなことで誤魔化されるとでも……ふわぁぁぁぁ~」

 

 

 誤魔化されてるじゃん!!

 

 にこの頭を撫でてやると、まるで小動物かのようにじゃれついてきた。髪を下ろした彼女を見ていると、本当に年下の可愛い後輩にしか見えない。もうずっと俺の癒しとして家で飼いたい!!ずっと俺の側にいてくれーーーにこにぃいいいいいいいいいいいい!!

 

 

 ハッ!!また我を失っていた。コイツらが可愛いのがいけないんだよコンちくしょぉう!!

 

 

 

 

「随分とお盛んやなぁ~~零君♪」

「へ?」

 

 

 突然後ろから聖母のような声が聞こえた。馬鹿な!?後ろはただの壁のはず……ま、まさか性に飢え過ぎて聖母の幻聴を聞いているというのか!?もしかして俺、粛清される!?

 

 

 穂乃果たちは俺の後ろを見て口をあんぐりとしている。ほ、本当に誰かいるのかよ……

 

 

 いや待てよ、この身体もアソコも包み込まれそうな声は――――――

 

 

「の、希!?」

「おはよう零君♪ようやく気づいたね」

「俺、お前に膝枕されてたのか!?」

「そうそう♪でもガッカリやなぁ、零君全然気づいてくれへんし」

「マジかよ……」

 

 

 俺が枕だと思っていたのは、実は希の膝枕だったのだ!!どうりでいつもと違ってふんわりとしていて優しい匂いがしていたのか。穂乃果でもことりでもにこでもない匂いだから気になってはいたのだが、まさか初めから希がいたとはな……流石スピリチュアル。

 

 

「みんなのキスを見せつけられて、ウチももう限界や。零君、してくれる?」

「当たり前だろ」

 

 

 こういうところだけは紳士に振舞う。まさに変態紳士の鏡!!

 

 俺はようやく身体を起こし、180度回転して希と向き合う。穂乃果もことりもにこもそうだが、いつも髪をくくっている女の子が髪を解いている姿は新鮮でいい。同棲生活をするまであまり見たことがなかったのも相まって、またしても彼女たちの魅力を再発見した。

 

 

 希は目を瞑って唇を俺に差し出す。その顔は穂乃果たちの誰よりも色っぽく、これはもう男の欲望を解放せざるを得ない。俺はそれに応えるように彼女の唇に自分の唇を押し付けた。

 

 

「んっ……ちゅっ」

「ちゅぅ……ちゅっ」

 

 

 ことり、にこと激しいキスが続いていたためか、希のキスがとても優しく感じる。彼女の唇は肉厚で暖かい。みんなのように激しく求め合ったりはしていないものの、このままずっとキスしていたいという心地よさがある。これも母性の塊である希だからなのか。もうこの唇を食べてしまいたい、そう思った。

 

 

「ちゅぱっ、ちゅぅ」

「ちゅっ、ちゅるっ」

 

 

 ここでお互いに舌を軽く絡ませる。

 希の舌も非常に柔らかく、彼女の舌に触れるたびに自分の舌が蕩けてしまいそうだ。そしてその心地よさが徐々に身体全体へと伝わっていき、最終的には希に抱きしめられたまま離れられなくなってしまう。もうこのままダメ人間になってもいいかな……?

 

 

 もちろんそんなわけにはいかないので、俺たちはお互いの温もりを十分に楽しんで唇を離す。希は俺と離れたあともその余韻に浸っているようで、恍惚な表情でぼぉ~っと俺の顔を眺めていた。

 

 

「やっぱり、希のキスは優しいな」

「ウチも、零君の優しいキスが大好き♪」

「俺も好きだよ」

「じゃあウチはもっと好き♪」

「フッ、なんだよそれ」

「ふふっ♪」

 

 

 これこそまさにバカップル!!しかもあの希がここまでしおらしくなるなんて、普段とは違うギャップで萌え死にそぉおおおおおおおおお!!そして今日何回悶え苦しめばいんだよぉおおおおおおおおおお!!

 

 

 待て待て取り乱すな。キスぐらい紳士的に振舞わなければ……でもこの状況を見てもそれが言えるだろうか?だって目の前にはにこ、右には穂乃果、左にはことり、後ろには希に囲まれていて、しかも俺たちは全員ベッドの上だ。起きたら眼前に美少女たちがいて、順番に目覚めのキスをされる…………俺、今日死んでしまうかもしれない。

 

 

「それにしても、よく5人でこのベッドに寝られたな……」

「5人?いや、6人よ」

「はい……?6人?」

 

 

 にこは6人だと言い張るが、どれだけ慎重に人数を数えたとしてもベッドの上にいるのは5人だ。穂乃果たちもキョロキョロしながら首を傾げている。この様子だと6人だと知っているのはにこだけのようだ。

 

 

「ここにいるのよ、にこと一緒に寝てた子がね」

 

 

 にこは俺の脚に掛かっていた掛け布団を掴んでベッドの外へ放り捨てた。

 

 そしてその中から出てきたのは――――――

 

 

 

 

「むにゃむにゃ……ラーメン美味しいにゃぁ~……」

 

 

 

 

「凛!?」

「「「凛ちゃん!?」」」

 

 

To be continued……




 久しぶりに変態ではないイチャイチャを書いたような気がします。普通の純愛モノは書くのが苦手なんです!!もっとキスの描写を濃厚に表現できるようになりたい……

 今回は穂乃果、ことり、にこ、希の変態グループだったので、次回は凛、花陽、真姫、絵里、海未の比較的真面目グループの出番です!ちなみに1年生組とはまだそこまでの関係に至っていないので、期待されていた方はゴメンなさい(笑)


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