ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常2~   作:薮椿

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スクールアイドルの裏クラブ(前編)

「やり残したこと?」

「えぇ。(わたくし)だけではなく、綴理と慈も同じ。もう卒業式は終えてしまったけれど、この学校を去る前にどうしてもやりたいことがあるの」

 

 

 転入生活リトライ、21日目。梢からの突然の告白。

 今日は秋葉から待機命令が出ているので家に引きこもっていたら、いきなり梢が未練を抱えてそうな複雑な面持ちで話しかけてきた。綴理と慈もリビングへ集まり、また何か厄介事に巻き込まれそうな波動を放つコイツらの身の上話を聞かされる。興味もないのにぺらぺらと、あたかも俺に解決しろと言わんばかりの雰囲気が既に漂っていた。今ここで深刻そうな話題を切り出すってことは、秋葉が後から来ることと何か関係があるのかもしれない。

 

 となると最初から俺に面倒をかけることは確定してたのか。仕方がない。

 

 

「これは後輩ちゃんたちには話してない初出の情報なんだけど、実はスクールアイドル部に加入した102期生って私たち含め4人いたんだよね。私と、梢と、綴理と、もう一人」

「へぇ」

「こら、ちょっとは興味出せ。ま、4人と言ってもその子は4月の初ライブ前に転校で辞めちゃって、102期生は実質この三人として扱われてるけどね。部の歴代の名簿もそうなってるし」

「転校した彼女の名前は片城(かたしろ) 澄奈(すみな)。ほんの僅かな期間だけ、一緒にスクールアイドルを共にした仲間よ」

「ただ、あのときはこずとめぐが喧嘩ばかりだったから、あまり練習できなかった記憶があるね。みんな手のかかる子だったなぁ」

「あなたは昼寝や寄り道ばかりで練習にすら来なかったでしょう……」

 

 

 卒業してからまさかの新情報を蔵出ししてきやがった。とは言っても俺が蓮ノ空にいた期間は短いし、掘れば知らない情報がもっとわんさか出てくるだろうが、花帆たちにも話してないってことは相当な秘蔵らしい。

 だが俺に話したってことは、転校したソイツが何かしら今回の件に関連してくるのだろうか。

 

 

「澄奈が転校したのは家庭の事情で、まさか蓮ノ空に入学して一ヶ月で去ると知ったときはみんなで驚いたわ。彼女は当然抗ったのだけど、家柄が家柄なのか圧力に屈して転校することになってしまったの。スクールアイドルにかなりのやる気を見せていて、これからって矢先にこんなハプニングだもの、(わたくし)もそうだけれど彼女が一番ショックだったでしょうね」

「でもしばらくは別の学校でスクールアイドルを続けてたよね。色んな大会にも出ていたみたいだし、ボクたちともしばらくは連絡を取り合ってたよ」

「ただその後に沙知先輩の離脱や私たちの関係が瓦解したり、他人に目を向ける暇がなくなったせいであの子とのやり取りも減って、いつの間にか関係が自然消滅しちゃったんだよね。翌年には花帆ちゃんとさやかちゃんが入ってきて、ルリちゃんも合流して103期が本格始動する頃には、あの子の活躍の話自体聞かなくなった。大会やメディアの露出もないみたいだし、今どこでなにしてんだろって私らはたまに思い返すことがあるんだよ」

「なるほど、大体分かった。つまりお前らは高校生活が完全に終わる前に、ソイツの動向を知りたいってことか。それがやり残したこと、なんだろ?」

「察しが良くて助かるわ」

 

 

 蒸発した奴を探すだなんて、割とお先真っ暗なことを残してたんだな。よくありがちな高校生の間に何か経験を積みたいとか、今の仲間と一緒にどこか行きたいとか、内々だけでどうにかなる事情なら簡単だったのに。まあそれだったら俺に相談する必要もないか。

 

 

「おおまかな事情は理解したけど、俺がいたところで戦力にならないんじゃねぇか? ソイツのことなにも知らないし、人探しならまずソイツの親に連絡をした方が早いんじゃ……」

「現時点で全く関わりのない人の家族にコンタクトを取るのは、どうしても無理があるのよ。だからお願いしたの――――秋葉先生に」

「ふ~ん、やっぱりアイツに呼ばれた理由とお前らの件に繋がりがあったのか」

「れいが呼ばれたってことは、あの子は見つかったけど大変なことになりそうってことだよね」

「零が出しゃばらないといけない、イコール一筋縄ではいかないってことだからね。学校を去る前にまた面倒事に巻き込まれるのか、私たちは」

 

 

 だったらもっと早く捜索を始めてりゃ良かっただろ。どうしてこんなギリギリまで放置してたんだよ。ま、コイツらの中でそれほど緊急度が高くなく、だけど高校生の間に解決はしておきたい問題くらいの扱いだったのかもしれない。そう考えると割とぞんざいな扱いだなソイツ。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 しばらくして、秋葉が俺たちの同棲ハウスにやって来た。

 予想通り、秋葉は梢たちから相談を受けて蒸発したと思われる片城澄奈の動向を探っていたらしい。どうやら先日居場所が分かったとのことで、本日それを伝えるために来たんだそうだ。そしてこの件に全く絡んでない俺が呼ばれた理由も明かすとのこと。

 

 話の前に、白の封がされている手紙のようなものを受け取った。

 

 

「なんだよこれ?」

「紹介状だよ。スクールアイドルの裏クラブに入るための、ね」

「裏……?」

 

 

 秋葉は怪しい笑みを浮かべる。

 もはやその様子と言葉の字面だけで、今回の人探しはただ見つけて話を訊くだけではないと悟る。俺が呼ばれている時点で大体は察していたけど、どうやら並々ならぬ事情が渦巻いているのは確定らしい。裏クラブとか、怪しさMAXすぎるだろ……。

 

 

「本来スクールアイドルというのは、観客を巻き込んで同じ夢を共有させる存在。華々しいライブで観客を魅了し、全員が一丸となって夢を飾る。そんな雰囲気が一般的だよね。でも裏クラブは違う。盛り上がりの熱気はあれど、ライブ対決で勝ち負けを競う場。それだけだと『ラブライブ!』や他の大会と変わらないけど、そこでは堂々と賭けが行われている。そしてスクールアイドルたちも、そこで注目されれば裏での知名度がどんどん上がり、スクールアイドルとしてのランクも目に見える形で上がるから承認欲求も満たされる。どうやら高ランクになると表舞台への手引きもあるとかないとか……。まさに裏のクラブの名にピッタリな場所なんだよ」

「スクールアイドルのライブを賭け事に……? そんな低俗な場所があったなんて驚きです……」

「でも、澄奈とどういった関係があるんですか? まさか表舞台から姿を消したのって、その裏クラブに入り浸っていたからとか……?」

「まさにその通りだよん。ただ高校生をダシにして賭けが行われてる施設だなんて、世間的には存在すらタブーだからね。内部情報すら全然出回ってないんだよ。でもね、そんな中でなんとか入手できた写真がこれ」

 

 

 秋葉が一枚の写真を俺に渡してくる。梢たちは横から後ろから覗き込んだ。

 そのとき、三人の目が大きく開く。

 

 

「これ、あの子だ……。スクールアイドルの衣装を着て、ライブをしてる写真なのかな?」

「えぇ。まさかそのクラブに澄奈がいるなんて……。でもどうして……?」

「さぁ。その理由は本人に直接確かめるしかないね」

「つまりこの紹介状は、この裏クラブに潜入するためのチケットってわけか。あぁ、だから俺を呼んだんだな」

「そういうこと。それなりにアングラな場所で、当然スタッフも観客もヤバめの人が多そうだから、この子たちだけで行かせるのは流石にムリがあると思ってね」

 

 

 アニメやゲームでよくある非公式の裏賭博みたいな、怪しい場所のような匂いがする。そんな所に世間の闇を知らないコイツらだけを向かわせるわけにはいかないか。とは言いつつも俺だって詳しいわけじゃないけどさ。てか今の俺ってガキになってるけど、こんな子供が行っても大丈夫な場所なのかよ……。

 

 

「つうかもう勝手に行くことになってるけど、実際お前らはどうなんだ? かなり危なそうなところだから、怖いならここで留守番していてもいいんだぞ」

「当然行くわ。かつての仲間がそんなところに入り浸っているなんて、連れ戻さないことには(わたくし)の高校生活を終わらせることができないもの」

「うん。一緒に練習した時間も少なかったけど、それでも一度は繋がったこの絆を断ち切りたくない。だからボクも行くよ」

「高校生活の最期の最期で蟠りは残せないよ。それに裏クラブがヤバいところだってのは分かってるけど、どんな雰囲気なのかちょっと気になりもするからね」

「慈、あなたまさか賭け事とかに興味があるのかしら……?」

「ちょちょっ! そんな怖い顔すんな! 大丈夫、ただ単にどんな感じで盛り上がってるのかとか知りたいだけだから。賭け事はもちろんダメだけどさ、そのクラブに参加するスクールアイドルたちがどう大衆を熱狂させてるのか気になるんだもん。カリフォルニアに渡る前に、周りを魅了する手腕ってのをできるだけ多く吸収しておきたいからね」

 

 

 どうやら全員行く気は満々みたいだ。不良やヤンキーが屯する程度のアングラであれば問題ないと思うんだけどな。これが社会の闇にどっぷりと浸っているような、何かしらの利権が絡むような場所だったらどうすりゃいんだろう。別にスクールアイドルのライブを賭け事にするなと直談判しに行くわけじゃないから大丈夫か。あくまで人を一人連れ戻すだけの話だ、そう事が大きくなることはないだろう。

 

 

「そうだ、これも渡しておくよ。緊急用のスマホ。大丈夫だと思うけど、もしかしたら外部に連絡が取れないように電波が妨害されてる場所かもしれないからね。その点、私が改造したそれなら例え地底でも宇宙でも連絡が取れるようになってるから」

「何に使うんだよそんなの……。ただ、最大限リスクへの備えはしておくべきか」

「それにそのスマホ、必要なモノを瞬時に、しかも物理的に転送する機能もあるから有効活用してね」

「なんでスマホで物を物理転送できるんだよ。使い道があるのかは分からないけど、頭の片隅には留めておくよ」

「そうだね。今からキミたちが行く場所は、これまでのスクールアイドル界隈とは全く違う未知の領域。これまで得たスクールアイドルの常識が通用せず、治安も悪い。精々相手に飲み込まれないこと、そして注意することだね」

 

 

 秋葉の言葉に梢たち三人は身を引き締めたようだ。未開拓の地への旅行感覚も含まれていたのだろうが、コイツの言う通り未成年のスクールアイドルを賭け事にしてるような場所だ。まともであるはずがない。そんなところへ今まで光しか浴びてない奴らが出向くんだ、警戒するのは当然だろう。

 

 それにしてもスクールアイドルの裏クラブ、一体どんなところなんだ……?

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 外出届の提出は秋葉に任せ、俺たちは金沢の某ビルへとやって来た。

 裏クラブの入り口は意外にも堂々と構えている建物の中にあり、スクールアイドルがライブをする会場はその地下にあるとのこと。てっきり路地裏の込み入ったところに隠されてるのかと思ったのだが、変にコソコソするよりも立派な建物でカモフラージュした方がバレにくいのかもしれない。隠れ蓑にもなるしな。

 

 表向きは普通の企業ビル。ただ地下へ繋がる階段を降りると、重厚な扉が俺たちの行く手を遮った。

 そして隣の窓口には、サングラスをして容姿を隠している女性がこちらを不敵に見つめている。やはり非公式のスクールアイドル施設、目的地まで素通りとはいかないようだ。

 

 

「お客様でしょうか? 申し訳ございませんが、小学生の入場はお断りしております」

「ぷぷっ、小学生だって!」

「おい……」

「そちらの方々も、未成年の方はパフォーマンスを披露する方以外の入場はお断りしております」

「私たちもかい!!」

「ボクたちは怪しい者ではないです」

「それでは、この扉を通過するに値するものを提示してください」

 

 

 そりゃ何の身分も証明せずに入れる場所ではないだろう。しかも明らか温室育ちっぽい三人とガキ一人だから舐められて当然だ。

 ただ受付の人も頭ごなしに追い返しはしない。ここの存在を知ってるってこと自体がステータスとして見なされていて、だからこそ毅然とした態度で丁重にお断りしているのだろう。少なくとも強制的に門前払いされることがなくて良かったよ。屈強な男が出てきて追い出されるとか、任侠の世界ではよくあることだから。流石にゲームに影響受け過ぎか……。

 

 

「零君。秋葉先生からいただいた紹介状を渡したらどうかしら?」

「あぁ、そうだな。はいこれ」

「はい、確認します――――――こ、これは……!!」

「え、なになに? ここまで来て結局入れないとかやめてよね」

「しょ、少々お待ちください!」

 

 

 さっきまでは門番として鉄壁を形成するようなお堅い態度だったのに、急にガードが崩れて取り乱しやがった。アイツの紹介状ってとんでもない威力なんだな。そもそもこんなアングラな場所にまで根回しできるって、一体どれだけの権力を持っているのやら。そりゃ何か事件が起こったら真っ先にアイツが疑われるのも無理はないな。つうかそれだけの権力があるなら、アイツが直接ここに来れば早かったのでは……?

 

 受付の人が奥に引っ込んでから数分、ようやく戻って来た。冷静になったのか戸惑った様子は鳴りを潜めているが、どことなく所作が乱れているので完全に落ち着いたわけではないのだろう。

 

 

「確認が取れました。まさかあの方直々のご紹介とは思っておらず、失礼しました。それでは扉を開け、ご入場ください」

「ちょっ、秋葉先生って何者!? この人の態度が変わりすぎなんだけど!?」

「何者かなんて気にするだけ時間の無駄だ。それより、これから先は気を引き締めろよ。いくら『ラブライブ!』優勝者であろうと、その肩書は通用しないかもしれねぇからな」

 

 

 三人が意を決したのを確認し、俺が先導して扉を開ける。

 ただその先は通路になっており、その先にまた別の扉が見えた。照明がほとんどない薄暗い廊下。俺たちの足音だけが響き、その物寂しさがこの先の不安をより煽る。俺はそうでもないが、梢たちは待ち受けるアンダーグラウンドに息を飲んでいるようだ。

 

 そして二枚目の扉の前に辿り着く。

 一瞬だけ後方の様子を窺うが、三人共その心に植え付けられた緊張に支配されているようだ。

 

 全身を押し付けて重い扉を開ける。

 すると、俺たちの耳に大きな歓声が響いた。

 

 会場はかなり広く、それなのにも関わらず男たちの野太い歓声が全体に波及している。その圧だけで足が竦みそうになっている三人。表舞台のスクールアイドルのステージではまず聞くことのないであろう男だらけの歓声。中には怒号や愚痴も聞こえてくることから、恐らくは賭けに勝った奴と負けた奴の声が入り混じっているのだろう。

 

 

「なんていうか、スクールアイドルのライブ会場とは思えないほどの暑苦しい熱気だね。9割くらいは男だから、むさ苦しいって言った方がいいかも……」

「みんなライブを楽しんでいるキラキラした姿……じゃない。どんどん燃え盛る火、周りを飲み込んでまで大きくなる炎そのものだ。ボク、立ってるだけでも気分が悪くなっちゃうかも……」

「熱狂的なバンドがいるライブハウスみたいね。ただ、飛び交う歓声が賭け事によるものだと思うと嫌悪感を抱かざるを得ないわ」

 

 

 各々が会場内の第一印象を述べる。感想は様々だが、共通しているのはあまりいい印象を抱いてないってことだ。最初から怪しい場所だと知っていたためイメージが固定化されているのもあるだろうが、初見でこの現場を目撃したとしても近寄りがたいと感じるだろう。スクールアイドルのライブ会場とは思えないくらい野郎臭いし、金を匂わす会話が多くて聞くに堪えない。普段の華々しいステージとは大違いだ。

 

 ただこんな劣悪な環境の中であろうと目的を遂行する必要がある。片城澄奈はどこにいるのか。秋葉によれば今日はソイツのライブがあるらしいから来てるとは思うんだけど、如何せんこれだけの人がいたら探すのも面倒だ。まさかもうライブが終わって俺たちとすれ違いで帰ったとかねぇだろうな。こちとら来たくもない暑苦しい場所に足を運んでるわけだし、手がかりゼロで帰宅とか骨折り損どころの話じゃないぞ。

 

 

「お前ら、絶対に俺から離れるなよ。こんなところで迷子になったらシャレにならねぇからな」

「え、えぇ……。それにしても澄奈はどうしてこんなところに……。どう見てもスクールアイドルが描くべき輝きとは程遠い雰囲気なのだけれど……」

「事情は本人に問いただせばいい。そのためにもまずソイツを探さないとな」

「でもこんなに人がいたら見つけられるか分からないよ? おーい、って呼んでみる?」

「ダメだ。よほどのことがない限り目立つ行為は避けた方がいい。お前らはスクールアイドル界隈ではそこそこ有名だろ? そんな奴らがこんなところに来たと知られたら、下手に注目が集まって人探しどころじゃなくなるからな」

「じゃあどうするの? この会場、結構広いみたいだから適当に探しても効率悪いでしょ」

「もしまだソイツのライブが終わっていなければ、どこかで準備をしている可能性が高い。まず控室か前室かを見つけて、そこを探した方が圧倒的に楽だ。この紹介状があればバックヤードに入ることもできるだろうしな」

 

 

 ステージに立つ予定があればこんな大衆の中にはいないだろう。

 そうと決まれば話は早い。俺たちは群衆の間を縫い、時には掻き分けながら控室に繋がるルートを探す。自然とお互いに手を繋いではぐれないように、むさ苦しい空気に耐えながら進む。

 

 そしてしばらく会場を散策した後、ようやくスクールアイドルの控室に繋がるっぽい通路を発見した。スタッフが数人見張りをしているが、その警戒の強さこそ逆にあの通路が当たりだと確信できる。

 

 

「やっと見つけた~……。この会場、暑苦しいし空気も薄いしで歩くだけでくったくた……」

「ライブやみんなの熱気は凄いと思うよ。いつものステージでは味わえない、相手を打倒せんとする狂気的な迫力が伝わってくる。でも、ボクは普段のステージの方が好きかな」

「もうすぐお目当ての奴に会えるかもしれない。お前ら、話したいことはすぐ切り出せるよう今のうちにまとめとけよ。ここで逃げられたら今度はどこに雲隠れされるか分からないからな」

 

 

 早いところ帰りたいのは俺も同じだ。ただこの賭けライブが行われている会場に入り浸っている理由、俺も知りたくなってきた。スクールアイドルをやりたければ普通にやればいいのに、こんなアンダーグラウンドに身を潜めているなんて相当な訳があるに違いない。男臭い場所なんて、女の子が好んで来る所じゃないと思うけどな。

 

 

「よし、じゃあ行くぞ」

「待って。それは――――彼女のライブを観てからにしましょう」

「え?」

 

 

 梢が目を向けた先。天井から下がっている大きなモニターに映し出されているのは、片城澄奈の名前とアー写。コイツらが探していた奴が次にライブを行う予定だったらしい。そして別のモニタにはコイツの対戦相手であるスクールアイドルも表示されていた。

 

 俺たちは急いでステージへと向かう。

 

 

「澄奈!」

「!?」

 

 

 ステージの近くに着くなり、梢は注目されてはいけないタブーを犯して彼女の名を叫ぶ。

 するとステージの彼女は梢の姿を確認するなり目を丸くするが、すぐに会場に視線を戻し、何事もなかったかのようにライブを開始した。

 

 無視されたのか、今はライブを優先したのかは分からない。

 そんな疑念を抱きつつ、三人は彼女のライブを鑑賞する。

 

 その圧倒的なパフォーマンスに、絶句しながら……。

 

 

 

 

To Be Continued……

 




 いつもとは話の雰囲気が違う……。ちょっと不謹慎ですが、危険なところに彼らを飛び込ませるのが作者ながらに緊張して、それが楽しかったりします!

 ちなみにお察しの通り、大三角の過去に捏造が入ってます。ただ今回の話だけのネタになるので気にしないでください!
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