ラブライブ!~μ'sとの新たなる日常 EX~   作:薮椿

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誰もがまだ、夢の途中

 大学に入ってから、特にやることもなく毎日をダラダラと過ごしていた俺と穂乃果。入学してから二ヶ月、大学に慣れてきたのと同時に暇な時間も増え、遂に穂乃果が我慢の限界を迎えた。

 そして周りに不平不満を漏らしていたわけだが、そんな中、話を盗み聞きしていた三船薫子からとある提案を持ちかけられる。

 

 それは、スクールアイドルの盛り上げ役になること。

 どうやら公式がスクールアイドルの布教に本腰を入れているようで、手伝ってくれる人を一般で募集しているらしい。μ'sやA-RISEの影響でスクールアイドルの認知度が広まった今だからこそ、このチャンスを逃すまいと急ピッチで事を進める必要があるみたいだ。娯楽が多様化したこのご時世、悠長にしていたら時代の流れにすぐ取り残されちまうからな。

 

 そんなわけで、将来に向けて何をするのか道に迷っていた俺たちは、とりあえず誘いに乗って参加してみることにした。自分の夢を見つけられるかはさて置き、考えるきっかけは作れるだろう。

 

 

「それで薫子ちゃん、私たちは何をすればいいのかな?」

「それなんだけど、まずは公認のスタッフになるための関門を乗り越えないとね」

「えっ、テストがあるの!? せっかくスクールアイドルを盛り上げようって意気込んでたのに!?」

「そりゃあね。各々が好き勝手動いて悪目立ちしたら、スクールアイドルの印象が逆に下がっちゃうでしょ? 公式のイベントである以上、それなりの選定があるんだよ」

「うへぇ~……」

「あれだけ受験を頑張ったんだから、今度も大丈夫だよ穂乃果ちゃん!」

 

 

 テストがあると知った瞬間、穂乃果のやる気が一気に損なわれる。過酷な受験を乗り越えたとは言っても、勉強嫌いテスト嫌いの性格は変わっていないようだ。

 

 それにしても、そう簡単に公式のスタッフにはなれないか。そりゃそうかって話だけど、ただのボランティアってわけでもないんだな。そう考えると割と本格的な活動が求められるのか。もっとカジュアルに個々人で宣伝活動をするのかと思ってたから、ちょっと意外だ。公式さんもそれだけ本気ってことか。

 

 

「あっ! もしかして『ラブライブ!』優勝校って肩書を名札にすれば、試験なんてしなくても採用してもらえるかも! 自慢しちゃうけど、μ'sってとっても有名だったから!」

「そりゃどうだろうね。でも私があなたたちを誘ったのはそれが理由だよ。いくら募集の門戸が広いと言えども、あなたたちと一緒なら裏口合格が見込めるかもしれないからね!」

「薫子まで穂乃果みたいな卑怯なことを……。確かに私たちの知名度は高いので、利用するのは合理的ではありますが……」

「私だって面倒なのはゴメンだ。でも穂乃果ちゃんと零君は夢を見つけるためって大義名分があるんだから、まあお互いに利用し合おうよ!」

「言い方が物騒だけど、将来のためにもこの話、乗ったよ!」

 

 

 どうやら俺たちを誘ったのは薫子の策略通りだったようだ。破天荒なところもあるが、こうやって慎重で抜け目がないところもある。出会った時から変わった奴だなって思ってたよ。ただ、どこを切り取ってもコイツ自身の本心が見えてこないのは気になるけども。

 

 

「で? 公式にはどうやって認めさせればいいんだよ?」

「筆記試験とか面接とか、そんなガチガチなものじゃないよ。スクールアイドルを盛り上げる立場として、どのような提案ができるか、つまり求められているのは創意工夫だね」

「型にハマってないってのは別の意味で難易度が高いな。対策も何もあったものじゃない」

「そうなんだよ。だからあなたたちを巻き込んだ。スクールアイドルやそのマネージャーをやっていたあなたたたちなら、私よりよっぽど革新的な一手を考えられると期待してね」

「別に俺はただ隣にいただけで、マネージャーではなかったけどな」

「まあまあ、多角的な視点は必要だから」

 

 

 コイツ、俺たちに考えさせて自分はそれに乗っかろうって腹積もりじゃねぇだろうな。さっきからどうも他人任せなのはコイツの性格なのか、それとも……。

 

 

「スクールアイドルを活気づける方法かぁ……。やっぱりスクールアイドルらしい曲でヒートアップさせることかな?」

「スクールアイドルらしい曲とは? 具体的に想像はできているのですか?」

「それはまだこれからだけど……。でも大丈夫! 五人寄れば文殊の知恵! ことわざよりも二人も多いから、アイデアなんてすぐ出てくるよ!」

「えぇっと、穂乃果ちゃん。私はまだ参加するって言ってないんだけど……」

「私もです。むしろ勝手に頭数に入れられて驚いたと言いますか……」

「えっ!?」

 

 

 いきなり梯子を外されて開いた口が塞がらない穂乃果。実は俺もナチュラルにみんなで参加するものかと思っていたが、そういやことりと海未は参加表明もしていなかった。そりゃそうだ。将来なにをするのか決まっていない俺たちとは違い、この二人は既にやりたいことを見定めている。だからわざわざこのイベントに参加する必要がない。

 

 

「参加しないって、なんで!?」

「なんでと言われましても、さっきも伝えたではないですか。家を継ぐため、剣道や書道などあらゆる技術をもっと高めようと思っていると。そのため部活動や課外活動への参加も視野にしているので、今はそちらに集中したいのです」

「私も海外でファッションデザイナーのお仕事をしたいから、英会話や洋裁教室に本腰を入れたいんだ。でももちろん穂乃果ちゃんたちのことは応援するよ! メインで活動するのは難しいけど、お手伝いできることがあったら協力するから! ね、海未ちゃん!」

「はい。可能な限り手助けはしようと思います」

「二人はもう立派だねぇ……。うん、でもありがとう! 何かあったら頼りにさせてもらうよ!」

 

 

 穂乃果の奴、意外とあっさり納得したな。ガキのように暇を連呼していた頃のテンションであれば、『同じスクールアイドルで頑張ってきた仲間なのに裏切るの!?』など癇癪を起こしかねなかった。そこは流石に大人の対応を見せたか。幼馴染が未来へ歩む姿を素直に見届けられる奴でよかったよ。ここで変に劣等感を抱かれても困るしな。

 

 

「話を戻すけど、スクールアイドルらしい曲を披露するのはいい考えかもしれない。PVやPRにそのような曲を使用できれば効果はてきめんだろうからね。それにスクールアイドルに合う作曲ができるのは、まさにスクールアイドルであったあなたたちが得意とするところだろう? 己の武器を活かせるのであれば、それが一番手っ取り早い」

「だよねだよね! それならゼロから考えるよりも楽かも。でもそのイベントって、スクールアイドルを全国だけじゃなく世界に発信するのも目的なんだよね? だったらもっとグローバルに考える必要があ……。あ、だったら曲に合わせた衣装を作ってみるのもアリかも! アイドルって手が届かない存在に思えるけど、学生でもこんなテンションが上がる曲を作れて、こんな可愛い衣装でライブできるって伝えられるから! スクールアイドルをもっと身近に感じてもらいたいなって」

「おぉ~とてもいいよ! 流石は元μ'sのリーダー、アイデアがどんどん連鎖していくね。私の目に狂いはなかったようだ」

「お前もちょっとは案を出したらどうだ? 誘ってきたのはお前だし、お前も何かやりたいんじゃねぇのか?」

「こういうのは適材適所、だからね」

 

 

 はぐらかされてしまった。他人のアイデアにタダ乗りして楽をしようとしているのかと思ったが、雰囲気からするに違うのか……? 一瞬だけど、悲しい面持ちが垣間見えた様な気がした。

 

 対して、相変わらずの前進する力が凄まじい穂乃果。μ's時代もそうだったけど、コイツの突拍子もない妙案は幾多の問題を突破してきた。その時のカリスマ性は今なお衰えることなく発揮されている。まとめ役だった絵里や目立ちたがり屋のにこがリーダーになると言わなかったのも、コイツの能力を買っていたからだろう。ただコイツの過度な思い込みでグループが解散しそうなこともあったから、一長一短ではあるけどな。

 

 

「可愛い衣装とカッコいい曲で世界を盛り上げるのはいいけど、日本の曲が海外で受けるのか? そもそもお前、衣装作りも作曲できんのかよ?」

「あっ、そういえばいつもことりちゃんと真姫ちゃんに任せてたんだった!! どうしよう!」

「早速ことりと海未頼りかよ……」

「真姫ちゃんたちに頼むのも申し訳ないよねぇ~。μ'sの活動もあるし……」

 

 

 幼馴染二人が有能すぎて、『じゃあお前は何してんの』って出会う人に言われ続けてたからな。リーダーや生徒会長をやっていたとはいえ、マネジメント面もほぼこの二人のサポートありきだったし、発想力はあるけど遂行力はな……。

 

 

「ゴメンね、穂乃果ちゃん。私、直近は時間があまりないから衣装作りをするのは難しいかな。でも海外のファッション事情に詳しい子、知ってるよ」

「えっ? じゃあその人に協力を申し込めば、私のアイデアを実現できるかも」

「私も暇はありませんが、海外の方の耳を引く作詞と作曲をできそうな方なら知っています。薫子も知っているはずです」

「なるほど、あの人たちね。でもあの人たちはあの人たちで忙しそうだし、協力してくれるかな?」

「えっ、薫子ちゃんまで知ってるの? 誰!?」

「お前も知ってる奴らだよ。助けてくれるかは分からないけど、言うだけならタダだからお願いしてみりゃいいんじゃねぇの」

「えっ? 私だけ誰のことか分かってない……!?」

 

 

 誘われたイベントとは言え自分で参加を表明したからには、無暗やたらに誰かを巻き込むのは避けたい。特に今も音ノ木坂で活動しているμ'sの奴らには。

 だったら頼るのは俺たちの今の関係性の中で近しい奴ら。海外やファッションに精通している奴らが都合よくいるかと訊かれたら、いるんだなそれが。相変わらず、俺たちの人間関係の巡り合わせの僥倖さは高校時代から変わってないようだ。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「あっ、そうだった! 大学の友達に適任がいたの、すっかり忘れてたよ! よろしくね――――クロエちゃん! 美里ちゃん!」

「えっ、なに? どうして何かに参加する流れになっているのよ……」

「わたしたち、今から怪しい勧誘に誘われようとしているの……?」

「違う。穂乃果お前、話をすっ飛ばし過ぎだ」

 

 

 俺たちは大学で新しく知り合った二人、クロエ・テイラーと川本美里にコンタクトを取った。

 薫子と同じく同じ一年生で、必修授業で顔を合わせるうちにいつの間にか話すようになり、こうして連絡先を取り合える仲となっている。二か月も経てば相手の特技をある程度は把握しているため、今回のイベントで俺たちの披露する案のサポートにはピッタリだと、白羽の矢が立ったわけだ。もちろん助力は強制ではなく任意。無理強いはしないつもりだったが、穂乃果が強制を匂わせる発言をしたせいでややこしくなりやがった……。

 

 クロエ・テイラー。プラチナブロンドのミディアムヘアが特徴的。世界でも有名な音楽一家テイラー家の長女であり、音楽に詳しい奴であればファミリーネームを聞くだけで驚かれるらしい。俺は知らなかったが。

 名の通り、アメリカからの留学生で音楽科所属。この大学には音楽科があり、世界に名の知られるほど有名な学科とのこと。だから海外から来る奴も多く、コイツもその一人というわけだ。とはいえ必修科目は俺たちと同様に受ける必要があるので、日本語での会話や読解などは難なくこなす必要がある。だから海外から入学する奴らはみんな日本語が流暢なことが多く、そんな奴らは漏れなく優秀。もちろんコイツも例外ではない。

 合理的な考えの持ち主で、雪穂に似た現実主義者。近寄りがたい雰囲気は多少あるものの、妹に対する愛はかなり深く、近親者の話になるとやたらと熱くなるためギャップがある。話によればその妹と共に作曲家を目指しているらしい。

 

 川本美里。物静かで控えめで穏やかな性格。しっかりもので優しい包容力がありそうな、大人びた雰囲気がある。ただどこか幸薄い儚げであり、哀愁を感じさせる。

 それもそのはず、彼女は身体が弱く、入退院を繰り返す生活を送っているそうだ。大学に入ってからも実は一度だけあり、重症ではなかったものの数日間だけ講義を休んだことがある。その自分の境遇にやや悲観的になることも多いため、俺たちもたまに哀感を抱いてしまう。

 ただそんな悲しい立場とは裏腹に、夢は海外でファッションデザイナーになることと、ことりと同じ大きな夢を抱いている。血の繋がっていない妹みたいな子がいるようで、その子から元気を貰いつつ、夢のために治療を繰り返しながらも勉強を進めているらしい。

 

 紹介した通り、コイツらがいれば作曲と衣装はカバーできる。もちろん本人の許可を得てサポートしてくれること前提だが、せっかく仲良くなったよしみだ、お願いするだけしてもいいだろう。

 

 そして、薫子が俺たちにした内容と同じ説明をする。

 ただ、穂乃果みたいに興味津々ではなかった。そもそもスクールアイドルではないコイツらからすれば、何も知らないコンテンツの応援をサポートするって意味が分からない話だ。そんなことを急にお願いされても困るだろう。

 

 

「なるほど。だから海外の作曲家である私と、ファッションデザインの勉強をしている美里を誘いに来たのね」

「そういうこと! お願い! 私が頼める中で一番頼りになるのは二人なんだよ!」

「頼られるのは嬉しいんだけど、ことりちゃんと海未ちゃんはどうしたの? 特に衣装だったらスクールアイドルをやっていたことりちゃんの方が適任だと思うんだけど……。一緒にそのイベントに参加しないの?」

「二人は自分たちのやることがあるから不参加だよ。だから私たちだけで頼みに来たの」

「いつも一緒の二人がいないと思っていたら、そういうことだったの」

「忙しいのは私たちも同じだけど?」

「う゛っ! それはそうなんだけど、お願いするだけタダだって零君が……」

「命令されて仕方なくみたいに言うなよ。お前が参加したいって言いだしたんだろうが……」

 

 

 やはりクロエも美里も素直に首を縦に振ってくれない。そりゃそうだ、まずスクールアイドルってなにってレベルだろうから。μ'sやA-RISEのおかげでコンテンツとしての知名度は広がったが、じゃあ世間一般に認知されるほど広まったか問われたらそうではない。てか広まってたら広報イベントなんて開催されないだろう。

 

 

「お願い! 一緒にやろう! 全部じゃなくて、ちょっとだけ手伝ってくれるだけでもいいから! 私の夢を見つけるための第一歩だから、こんな出だしから諦めたくないんだよ!」

「穂乃果ちゃんの夢?」

「うん。とは言っても何をしたいのかすらまだ分かってないから、それを探すところからだけどね」

「立派だね、穂乃果ちゃんは。わたしなんかよりもよっぽど」

「えっ? 美里ちゃんの方が立派だよ! だって海外でファッションのお仕事だなんて、大きすぎて素敵な夢だもん! クロエちゃんも留学に来てるし、私もそれくらいの立派で大きなことができたらって思うよ」

「私が立派か……。いくら名誉あるテイラー家の娘だからって、そんな大層な存在ではないわよ」

「いやいや~! 私と比較すれば十分すぎるから!」

 

 

 妙に自己評価が低いなこの二人。だがいくら自分を低く見積もっても穂乃果が褒めまくるものだから、どう反応したらいいのか迷っているようだ。強引なんだよなコイツ、いつもいつも。まあμ'sのメンバーもそうやって無理を押し通して集めてたし、結果的に流れに乗れるのはそのカリスマ性が故か。

 

 だが、俺も参加すると決めた以上は貢献しないとな。男だからスクールアイドルとしての活動はできないからこそ、裏方っぽい仕事は請け負ってやろう。

 

 

「迷ってたり立ち止まってるくらいなら、とりあえず一緒に参加してくれねぇか? 強制はしないけど、何かを見つけるきっかけになるかもしれない。お前らが例え夢を見定めていようとも、まだ旅の途中だろ? だったら俺たちと一緒に探して見ないか? 夢を見てる奴には見てる奴なりの悩みもあるだろうし、もしかしたらそれを解決できるかもしれない。だから前向きに検討してもらえると嬉しいよ。さっきコイツが言った通り、サポートだけでもいいからさ」

「そうだよ! 零君はメンタルケアのプロだからね! 私もことりちゃんも海未ちゃんも、なんならμ'sがあるのも零君のおかげだから!」

「急に俺を売り始めたな。都合のいい奴め……」

「うんうん。私もあなたが頼りになる男だって信じてるから!」

「薫子お前、俺の功績を知っての信仰かよ……」

「穂乃果ちゃんたちから活躍はたんまり聞いてるからね」

 

 

 二人の勧誘すら俺たちに任せてると思いきや、急に便乗してきやがった。言い出しっぺなのに俺たち任せなのは、何か理由があるのか……?

 とにかく、まずはクロエと美里の勧誘が先だ。すぐにOKをもらえなくても、検討の余地ありの状態にはしておきたい。門前払いだけは絶対に避けたいところだ。ここでダメだった場合、衣装はことり、作曲は真姫に泣きつくハメになる。その場合はμ's時代の過去からずっと逃れられないので、未来を見据えるためにもここは新たな関係を築き上げたいところだ。ちなみに作詞は穂乃果でもできるから、多分大丈夫なはず。

 

 

「まだ確定ではないけれど、少しやってみたいと思っているわ。作曲家を目指すにしても、日本で流行っている音楽コンテンツを知らないのでは留学している意味がないもの」

「わたしも。全面的に協力できるかと言われたら難しいけど、ちょっとやってみたいわ。実はスクールアイドルの名前は聞いたことがあって、ちょっと調べてみたの。検索したら可愛い衣装がたくさん出てきて、いつか私もこんな感じでデザインできたらなって夢を見てたから。いい機会かもしれないわ」

「やったぁ! ありがとう二人とも!」

 

 

 どちらも歯切れが悪い感じだが、前向きには考えてくれているようだ。俺たちからしてみれば、協力してくれる可能性があるだけでもありがたい。普段ことりと海未にどれだけ助けられていたのか、イヤでも実感するよ。

 

 これでサポートとはいえ人員は確保できた。あとは公式に認めさせるような、スクールアイドルを盛り上げる何かを形にするだけだ。海外にもウケそうな曲と衣装にするって、具体的なように聞こえるけど全然だからな。

 

 

「流石だね、あなたも、穂乃果ちゃんも」

「はぁ?」

「いいや別に。誘って良かったよ」

「お前ずっと見てるだけだったじゃねぇか」

「そうだね。ゴメン、ちょっと外すよ」

「え、話はこれからだろ」

 

 

 急に薫子がこの場を離脱した。俺の言葉を無視して立ち去る。

 どうもさっきから様子が変だ。もっと積極的な性格だと思ってたのに、話の主導は全て俺たち任せ。タダ乗りできれば自分にとっては省エネだけど、そんなことを気にする奴じゃないと思っている。

 

 実のところ、気になっていたことがある。

 どうしてアイツがスクールアイドルのイベントに参加するのか。単に興味があるからなのか、それとも別の理由があるのか。

 さっきの感傷的な様子に、疑念を抱かざるを得なかった。

 

 

 

 

To Be Continued……

 




 虹ヶ先に出てくるお姉さんポジションのキャラって、この小説の時系列的に考えると零たちとちょうど同じくらいの年齢なので、これを活かさない手はないと思っちゃいました!
 この小説は各作品の時系列が一本の歴史で繋がっているからこそ、こういったプチクロスオーバーができるのも特徴かなと思います。

 ちなみに時系列的は彼らが大学一年生なので、Aqours編すら未経験です。Aqours編では彼は大学四年生なので、今回の章はμ's編の直後だとインプットしていただければと思います。
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