突然Bloom Garden Partyから辞退するグループが増えた。短時間で多発した異常事態は蓮ノ空の内部にまで勃発しており、合唱部を始めとした生徒たちが次々と活力を失っている。その影響範囲の拡大は留まることを知らず、学校全体に広がっているようだった。
おどろおどろしい雰囲気が蓮ノ空を蔓延する。空も黒ずんだ雲が天井かのように広がり、まるで俺たちを密室に閉じ込めているかのようだ。あまりの異様な光景に、俺に付き添っている柳田と桂城は早速顔を引きつらせている。単なる恐怖体験でも誰かが発端の事件でもない。徐々に精神を蝕まれ憔悴するこの感覚に、俺たちは得体の知れない戦慄に身を震わせていた。
そんな中、更なる動揺に襲われる。相手の姿を見て狼狽する柳田と桂城だが、俺も決して冷静ではいられなかった。
校内の生徒たちが気力を削がれているということは、スクールアイドルクラブの連中も例外ではない。そう察した時、俺たちの足は部室へと向かって駆けだしていた。
そして、その中で見たものは――――
「吟子先輩! 小鈴先輩! 姫芽先輩!」
「セラス……。ごめん、今ちょっと考え事をしてるから……」
「セラスちゃんはいつも元気だね……。徒町なんて、もう……」
「なにもやる気にならないにゃぁ……」
「なんで気落ちしてるんですか!! 元気出してくださいよ!!」
油断した。まさかコイツらまで影響を受けるとは微塵も思っていなかった。
見事なまでの無気力状態。俺たちが学校の様子を確認しに部室を出る前、コイツらは異常事態に驚きつつも解決へ向けて希望を抱いていた。だが少し目を離した隙にこれだ。こんな短時間でコイツらの意志が崩れるとは到底思えない。やっぱり外部から悪影響を受けているのだろうか。それが何かが全く分からないので不気味だが……。
「なにをやっているんだ! 花帆先輩!」
「あっ、泉ちゃん……。返して……」
「なにしてんだ?」
「花帆先輩がBloom Garden Partyの開催取り消しを発表しようとしていたんだ。危なかった。もう少しで声明が全世界に発信されるところだったよ」
「一番やる気を出していた花帆が? 想像以上に深刻な状況だな」
「さやか先輩、瑠璃乃先輩も大丈夫かな?」
「すみません、今日はもう何もする気になれないんです……」
「ダメだ。何もしてないのに勝手に充電が切れちゃう……」
部室に残した奴らから魂が抜けてしまった。ただ無気力でその場で虚空を眺める者、自己嫌悪に陥って小さな嘆きを繰り返す者、他の部活で目撃した奴らと全く同じ状態になっている。目から光が失われており、聞く耳をほとんど持たない。これだとこっちから熱い言葉で魂を吹き込むなんて無理そうだな。
「なんで……? なんでこうなっちゃったの??」
「学校中の一部生徒にだけ影響があると思ったけど、どうやら魔の手は思ったより内側に侵食しているみたいだね。明らかに普通じゃない」
「あぁ。それに何より怖いのが、俺たちもいつまで正気を保っていられるか分からないことだ」
「わ、わたしは大丈夫だもん! 希望は絶対に失わない!」
「そうだね。ただ現実を言えば、花帆先輩たちだってあなたと比類ない希望を持っているはずだ。その人たちがこうなってしまったのだから、抵抗しきれなかったんじゃないかな」
「そ、そんな……」
柳田が急激に焦り始めている。桂城も平静を装っているが、内心ではかつてない現象を前にして動揺しているのだろう。唇を噛み締めたり小刻みに身体を振るわせたりと、細かい動作に困惑が見え隠れしている。そりゃそうだ。じわりじわりと追い詰められているこの感覚に動転しない方がおかしい。俺だって混乱してるのに……。
さやかが操作していたであろうパソコンを覗き込む。
なんと俺たちが部室を出て戻って来たこの短い間にも、たくさんの参加辞退の連絡が届いていたようだ。特にスクールアイドルのグループが多い。どうやら蓮ノ空だけで発生している現象ではないようだ。もしかしたら全国規模で起こっていることなのか……?
謎が深まる中、緊急事態に頼りになるのはあの二人だろう。
生徒会長の椎葉椎菜と、肝心なときだけ役に立つ秋葉だ。普段は性格に難アリの二人だけど、どちらも俺が認めるほど頼りがいのある存在。ま、それもコイツらみたいに無気力状態になっていなければの話だがな。とりあえずメッセージを送ってみよう。俺たちより先に事情を掴んでいるかもしれない。
『椎菜、状況は理解してるよな? 無事か?』
『はい。秋葉先生と共に既に原因の調査をしているところです』
『相変わらず手が早いな。そっちに行ってもいいか?』
『卑猥な誘い方はやめてください。状況が状況ですよ』
『ベッドシーンじゃねぇよ。生徒会室に秋葉といるんだろ? 現状の整理がしたい』
『そうですね。私たちも、いつ精神が蝕まれるか分かりませんから』
冗談をかましてきたと思えば突然怖いことを言いやがる。でもマイナス思考が蔓延るこの領域の真っ只中にいる俺たちこそ、次の瞬間にはいつ同じ症状に陥っても不思議ではない。まともに話ができる間に情報交換をしておくのが吉だろう。
「生徒会室へ行くぞ。ここにいても何も始まらない」
「わたしはここにいる! だって花ちゃんたちをこのまま放ってはおけないから……」
「ダメだ! 俺から離れるな! 大丈夫、俺がなんとかしてやっから」
「零……。頼りになるね、零は。でもやっぱり見捨ててはおけないよ。これだけは譲れない」
「そうだな。まあこのまま放置してまたブルパの解散を宣言されても困る。この状態でも歩けるだろうし、手分けして6人を運ぶか」
「私も賛成。あなたたちの強い決断は頼りがいがあるね」
柳田の希望で花帆たちを部室から生徒会室へ移動させることにした。俺としても放っておく選択肢はなかったので、せめて椎菜と秋葉に面倒を見てもらえたらと思っていたところだ。
「私が三人を連れていこう」
「じゃあわたしが二人ね!」
「いいのか二人ずつじゃなくて」
「そんな小さな身体で無理しなくていいから! セラスお姉さんに任せなさい!」
「あなたは私たちの希望であり切り札だ。雑用は私たちに任せて、あなたはその明晰な頭脳を存分に振るってほしい」
「お前ら……。そっか、じゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」
訳の分からない状況に陥ってお互いに混乱しながらも、コイツらは俺に希望を託そうとしている。期待は重いが、それだけ俺のことを信じているってことだ。まだ出会ってからの総日数は数日なのに、ここまで信頼してくれているのは花帆たちから俺の活躍を聞いているからなのか、瑞河での一件があったからなのか。どちらにせよ、率先してサポートしてくれるのはありがたいな。
~※~
「まさかこの子たちまで無気力状態になるなんてねぇ~。ブルパの主催者でいま一番希望を胸にしてそうな子たちなのに、それでもこうなっちゃうかぁ~」
「スクールアイドルの方々まで虚ろになってしまうと、今の状況がより深刻に思えますね」
生徒会に雪崩れ込んだ俺たち。
花帆たちの容態を見た瞬間の秋葉と椎菜の顔が曇った。ちょっとやそっとのことでは気落ちしない奴らが、何の抵抗もなしに戦闘不能になっているんだ。そりゃビビるよ。俺たちだってそうだったから。
だがコイツらがまだ元気なのはこちらとしても助かったよ。それぞれ学校を表と裏で牛耳る者として重要な立ち位置にいる。コイツらがいるかいないかで事件解決への距離が雲泥の差だからな。多分向こうも俺に対して同じことを思っているだろう。ま、こんなデカいハプニングさえ起きなければそんな心配をしなくてもいいんだけどさ……。
「で? 一体なにが起こってんだ?」
「ネガティブエネルギー。聞き覚えあるでしょ? 特にそっちの二人はね」
柳田と桂城がピクリと反応する。
ネガティブエネルギー。それこそかつて瑞河を襲った目には見えない謎の力だ。廃校を受け入れられない生徒たちが無意識に放出する負のエネルギーが蔓延し、学校全体がマイナスイメージに包まれていた。後悔が多く残っていそうな生徒を狙い撃ち、心のケアをして改善の兆しを掴もうとしたのだが、結局は柳田と桂城が抱く後悔が誰よりも一番大きかった。結局はコイツらが根本原因だったわけだが、今回もそれと同じような事象が起こっているのだろうか。
「まさかあの時と同じ……。でもでも、あの時はみんな落ち込んではいましたけど話は聞いてくれました。でも今はまともに会話すらできなくて……」
「あぁ。状況だけを見れば今回の方が危険度が高いね。それだけ蓮ノ空の生徒たちに後悔や未来への不安が残っている、ということだろうか? でもBloom Garden Partyに向けてみんな前向きになっていたはず。それなのにどうして……」
「人の本当の心なんて誰にも読めないさ。ただ、今回はお前らの時みたいに誰かの意識を変えるだけの問題じゃない気がするんだよな」
「そのとーり! このエネルギーの濃さは人から発せられたものではなく、外部からの侵攻によるものだね。とは言っても、元凶が蓮ノ空の中にいるのは間違いないけど」
ネガティブエネルギーという現象自体は瑞河の一件と同じだけど、その発生源は異なるようだ。あの時は人の意識を変えるだけ、つまり対話ができたからこそ解決への道筋が掴みやすかったけど、今回はスムーズには進まなそうだ。
「蓮ノ空のネガティブエネルギーの濃度が異常な数値を示している。同時に学校の敷地を包み込んで、そのエネルギーに耐え切れなくなった子たちが次々と生気を欠いてる状態だよ」
「だとすると、私たちもここにいる限りいずれはそうなってしまうと?」
「その可能性は高いね。ただキミたちは過去にネガティブエネルギーを内に秘めていたから、耐性が十分にあるんじゃないかな」
「そっか。だからわたしと泉は無事なんだ。じゃああのとき瑞河に来てた零もってこと?」
「まあこの子は特別だから! ただ油断はしないことだね。耐性はあると言っても影響を受けないわけじゃない。ゲームでも良くあるでしょ? 状態異常に強耐性であっても、試行回数を重ねればいずれは効果がある。それと同じだよ」
「じゃあ生徒会長と秋葉先生は、どうして?」
「椎菜は椎菜だから、秋葉は秋葉だからだ」
「なにそれ説明になってない!!」
なんとなく雰囲気で分かってほしい。コイツらが虚脱状態になる姿は想像できない。俺ができないだけで今回の事象に耐えうるかは不明だが、そこらの奴らよりかはよっぽど心は強固だろう。ネガティブエネルギーに侵食されるにしてもしばらくは耐えてくれる……はず。
「でもどうして瑞河で起こったことが蓮ノ空でも起きてるんだ?」
「ネガティブな感情ってのはね、誰にでも等しくあるものなんだよ。そして隣の人が不機嫌だと、その負のオーラが自分にも伝わってくるでしょ? マイナス感情は人がいればどこでも発生し、伝染する。瑞河で起きたと言って、蓮ノ空で起きない理由はないよ。むしろ瑞河の方が被害は少なかったのかもしれないね。サンプル数が少ないから測れるものじゃないけど」
「じゃあそのマイナス感情でネガティブエネルギーが膨れ上がり、それが私たちに影響をもたらしている……ということかな?」
「多分ね。詳しいことはもうちょい調査が必要かな」
「誰かの仕業でないってのもそれはそれで面倒だな。幽霊だのファンタジーだの、これまでは元凶がいたからソイツを叩けば話は済んだのに。自然が相手ってのは人類にとって最も脅威だ」
これまでの事件は、大切な人を失った喪失感と復讐、そして救い出すための暴挙として発生したものだったが、どうやら今回はエネルギーの自己膨張による影響らしい。こうなると説得して相手の心に響かせることもできないから、1から10まで俺たちの力だけで何とかするしかない。しかも時間が経てば経つほどこちらの精神が侵食され、一人一人と倒れれば手駒も減っていく。徐々に得体の知れないものに追い詰められていくシチュエーション、これがパニックホラーってやつか。
「そういえば、ブルパの辞退を申し込んできた人たちってスクールアイドルが多かったよね? なにか関係があるのかな?」
「ん? それは初情報! ナイスだよセラスちゃん! ということはもしかして……」
「なにか分かったんですか!?」
「いや、見当がついただけ。なに分かったら連絡するよ」
スクールアイドルってよく狙い撃ちされるよな。俺が関わっている奴らがスクールアイドルだから、こちらの不幸体質にコイツらが巻き込まれているだけかもしれないが……。
ただ今回は俺と関わりのないスクールアイドルも標的になっているようだ。自然が相手だから無差別なのか、それでもスクールアイドル以外のブルパの参加者にも影響が出ている。どのような基準で襲われているのか全然分かんねぇな。
「それで? 俺たちは何をすればいい?」
「今日は実行役にされることを咎めないのですね。昨日の下着盗難事件は文句を垂れ続けていたというのに」
「被害規模が段違いだろ。それに俺の役割は現場だって、お前も分かってるくせによ」
「そうですね。では校内で無事な人たちを講堂に集めてください。できればその人たちに減退している方を引き連れさせてもらい、一人でも多くの人を避難させましょう」
「さっき校内放送で呼びかけてただろ。俺たちがここに向かっている時に」
「恐怖で動けない人もいるでしょう。ただあなたの顔を見れば、それこそが原動力になります」
「零って凄いんだね。顔を見ただけで女心に火を点けられるなんて、スクールアイドルよりよっぽどアイドルだよ」
「えぇ。できれば彼を蓮ノ空に縛り付けておきたいところです。そうすれば新入生が寄ってたかり、学校の注目度も上がるでしょうから」
「俺は客寄せパンダかよ……」
蓮ノ空の入学者が増えるのはどうでもいいけど、客観的に見てこれだけ事件が起こるような学校に行きたいと思えるかねぇ。たまに特撮を見ると毎回思うんだ。よく怪人が出る地域にみんな住み続けられるなって。メタ発言も甚だしいけど、それと同じ現象が蓮ノ空で起きても不思議じゃない。それくらい不幸に見舞われるんだよ、この学校は。
そんな未来のことよりもまずは目の前の事件だ。俺が動けば避難誘導くらいはできるだろう。教師たちもダウンしているらしいので、生徒だろうが立場に関わらず動ける奴がなんとかするしかない。
「じゃあそろそろ行くよ。全滅までのタイムリミットがいつなのかも分からないからな。早めに動かないと」
「だったらわたしたちも一緒に、だね。俺から離れるなって、啖呵を切ったのは誰だったかなぁ?」
「そんな厳しく言ってないだろ……」
「相変わらず女性に手を出す速度はギネス級ですね、あなたは。だから下着の盗難疑惑もかけられるのですよ」
「お前はいつも考え過ぎなんだよ」
「ふふっ、カッコよかったのは事実だけどね。安直な言葉だと……キュンとした、かな?」
「随分と安いんだな、お前の恋心は」
「はいはい、そのあたりにしておこうね子供たち! 何かあったら連絡するから、そっちも危険なことに首を突っ込む前に連絡をすること! いいね?」
まだ動ける奴は校内にいるだろうが、解決に向けて戦力になるのはここにいるたった五人だけか。せめて花帆たちの目に光が戻れば避難誘導も楽になるんだけどな。大勢を巻き込む力はコイツらの方が強いだろうし、戦力としてカウントできないのが俺たちにとって痛すぎる。コイツらはこれまでも途中で脱落したことはあるものの、最初から蚊帳の外なのは今回が初めてだ。主力になりそうな奴が早速リタイアするなんて、やはりこれこそパニックホラーか……。
~※~
生徒会室を後にした俺たちは、校内に残存する動けそうな奴らを焚きつけて講堂へ向かうように指示した。その中で意気消沈している奴らも連れて行くように命じる。散り散りだとこれ以上に何かが起こった際に指示を効率良く伝達できないから、一つの場所に集合させておくのは理に適っているだろう。
ただ、この行動もこれ以上の被害を食い止める応急処置に過ぎない。そもそもネガティブエネルギーの蔓延を建物一つで防護できるとは思えないので、これが有効策なのかは正直微妙なところだ。
そして避難誘導をしている間にも、俺たちの心が闇に蝕まれているのがなんとなくだが実感できた。マイナス感情を吐露する奴らを何度も目の当たりにすると、その負のオーラが俺たちにまで伝播する。そんな奴らを何人も相手にすると身も心もずっしり重くなるのは当然だろう。俺はまだいいが、相手の感情に肩入れしやすい柳田は特に影響を受けている。生徒会室を出る前はあれだけやる気を出していたのに、また気持ちが沈もうとしてた。
「みんな大切な人たち、大事なイベントのため、必死で頑張ってきたのにね。どうしてこうなっちゃったんだろう。もしこれが外から流し込まれた悲しみだったとしても、悲痛な声を聞くのはこっちも苦しいよ……」
「どれだけ楽しいイベントが待ち受けていようとも、不安がない人は誰もいないよ。私だって、あなただってそうだろう?」
「それは、そうだけど……」
「瑞河のネガティブエネルギーもそうだった。人の心は脆い。例え99%の喜びがあっても、1%の悲しみがあれば不安はそこに忍び寄ってくる。まるで俺たちの弱点を知っているかのようにな」
このままではマズい。柳田と桂城の不安が大きくなってきている。いくら瑞河の一件で抵抗がついたとは言え、コイツらからすれば周りの世界がいきなり変わる惨状を経験するのはこれが初めてだ。つまり動揺が不安と直結してマイナス感情が生まれやすい。そうなればいずれ、もしかしたらすぐにでもネガティブエネルギーの圧力に屈するかもしれない。花帆たちの世話をさせておいた方が無難だったか……?
ダメだ、俺までネガティブになろうとしている。そういや朝も気分が乗らなかったし、いくら俺であってもこの悪影響は受けるということか。
「零君。校内は大体回り終わったから、いったん生徒会室に戻ろうか。それとも講堂へ行くかい?」
「いや、他に行きたいところがあるんだ。ほら、スクールアイドルの被害者が多いって話してただろ? なんでかってずっと考えてたんだけど、俺も見当がついたことがあるんだ。だからそれを確かめたい」
「そうか。あなたの推理なら信用に値する。お供させてもらうよ」
「俺には騎士様は必要ない。隣にいるなら柳田の方に――――ん? 柳田?」
「セラス?」
いつの間にか柳田とはぐれていたことに気が付いた。
そして間もなく、俺たちがさっき曲がった廊下から柳田の声が聞こえてきた。
「零! 泉!!」
俺たちは来た道を戻って柳田の様子を確認する。
するとそこには――――
「黒い、霧……?」
いま蓮ノ空を覆っている黒い雲に似た、霧のようなものが廊下いっぱいに広がっていた。
尻餅をつき、目の前の現象に慄く柳田。
俺たちの命運は、刹那で尽きる寸前だった。
To Be Continued……
花帆たちが早々に脱落しているところが、過去の長編と比べてちょっとヤバい感を演出で来ているかもしれません。以前にパニックホラーではないのですが、こういったサバイバル系を観たのが諸にこの小説に影響が出ているかもしれません(笑)