ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 今回は久々の水着回です!最近かなりブッ飛んだ話が多かったので、休憩も兼ねて普通の日常回でもあります。

 決して水着回の存在を忘れていた訳ではないんですけどね……折角夏編を進行中なので、1回くらいは出しておかないと思いまして。

 そして今回は次回と合わせて『新日常』のキャラが"ほぼ"全員集合する予定です。


全員集合!ビーチハーレム!!(ロリコン再発)

 快晴の青い空!!

 

 地平線へと広がる広大な海!!

 

 白く輝く砂浜!!

 

 そして、水も滴る水着姿の女の子!!

 

 

 

 

 夏休みの終盤。俺とμ'sメンバー+αは、今年の夏最後の思い出作りのため、総勢17人もの大所帯で常夏の海に来ている。ちなみに"海未"じゃなくて"海"だから。いつもの王道ネタはやっておかないとな。

 

 夏のシーズンがもうすぐで終了ということもあってか、海にはたくさんの人が訪れていた。屋台や海の家も大いに賑わっており、ここがお祭りの会場ではないのかと勘違いしてしまうほどだ。そのお祭り気分に浮かれた穂乃果がまた太ってしまわないように、こっそり屋台に行ってパクパク食べないよう見張っておかなければ。

 

 

 そして俺が今何をしているのかと言うと、穂乃果たちが水着に着替えてくるまでの間、パラソルの下で寝っころがりながら、海に入っている可愛い女の子の水着を当てるクイズをしていた。

 

 

 ショタっ子を1人携えて……。

 

 

「次はどの女の子にしようか。誰か可愛い子がいたら教えてくれ、虎太郎」

「あのひと~」

「おっ、お前はお姉さんタイプが好みなのか。可愛い系よりも美人系と、なるほどなるほど」

 

 

 虎太郎は俺の隣でピコピコハンマーを振り回しながら、海に浸かっている大学生くらいの美人お姉さんを指差す。あんなレベルの高い美人さんを瞬時に見つけることができるなんて、将来大物になるんじゃないか?これは虎太郎が道を踏み外さぬよう、今の間に俺がみっちり仕込んでやらねば。

 

 

「美人系と言うことは、水着もきっと派手な色に違いない」

「あか~」

「赤か、攻めるな虎太郎。だが俺はピンク色と見た。確かにあの人は美人だけど、どうやら女友達と来ているみたいだから、派手だけどその中でも落ち着いた色だと思うんだよ。男持ちだったら派手な水着を着るだろうけどな」

 

 

 ちなみこれは3回戦。ここまで難なく2連勝してきた俺の目に一切の狂いはない。伊達に9人の彼女やシスターズに囲まれた生活を送っている訳じゃないからな。女の子のことなら、そんじゃそこらの男子高校生よりも知識も経験も断然上だ。

 

 

 

 

 そして美人さんは海から出ると同時に水飛沫を上げ、綺麗な身体をこの世に顕現させた。

 その水着の色は――――――!!

 

 

 

 

「ほら来た!!やっぱりピンクだ!!」

「お~」

「どうだ思い知っただろ?俺の女の子観察眼は最強なんだ」

「すご~い」

「でもお前もいい線行ってたよ。やはり将来有望だな」

 

 

 何故だかは知らないが、虎太郎は寝ている俺の腹をピコピコハンマーで優しく叩く。それがお前なりの祝福のつもりか……?

 それにしても俺の観察眼は素晴らしいの一言に尽きる。女性の顔、若さ、雰囲気、スタイルなど、それらをすべて考慮してその女性に一番相応しい色を選び出す。これも数年掛けて培ってきた経験の賜物だな。

 

 

 だがその時、俺の顔に小さな影が掛かった。

 そして液体のようなものが――――――!!

 

 

 

 

「うわっ!!冷てぇ!!」

 

 

 

 

 自分の能力の素晴らしさに自分で浸っていると、突如として目に冷たい水がぶっ掛けられた。手で目を拭いながら身体を起こし、俺の優越感を邪魔した輩を仕留めるため、素早く後ろを振り向いた。

 

 

「なぁ~に人の弟を巻き込んで、女の水着当てクイズなんてやってる訳?しかも幼稚園児相手に……やらしいわね」

「にこか……急に水掛けんなよ、ビックリするだろ」

「だったら虎太郎に変な知識を教えないでくれる!?」

「男なら必須のスキルだ」

「ただし変態に限るわね」

 

 

 やっぱりいくら俺たちが強い絆で結ばれていたとしても、男と女じゃあ分かり合えないことがあるんだよな~。男にとって女性を観察し妄想する力は、夜の自分磨きで大いに発揮されるというのに……。

 

 

 そんな淫猥なことを考えていて気付かなかったのだが、にこの姿をよく見てみると、彼女の水着が今まで俺が見たことがない新しい水着だったことに今気付いた。

 

 

「にこ……その水着」

「ようやく気付いたのね、わざわざ今日のために新しい水着を買ってきたのよ♪」

 

 

 にこはその場でクルッと綺麗に一回転をする。流石1年間スクールアイドルでダンスのレッスンをしてきただけのことはある、とても整ったフォームだ。

 

 にこの水着は鮮やかなピンク色を基調とし、フリフリのスカートが付いている水着だ。胸の部分にある大きめのリボンが特徴的で、スカートをハイビスカスで装飾するなど、いかにも可愛いモノ好きでファッション好きのにこらしい。

 

 

 胸に関しては控えめと言わざるを得ないが、大学生になってから大人の魅力も相まって、一回り胸も大きくなったように感じる(感じるだけ)。これも俺との交尾の賜物――――待て待て!!いきなり興奮しようとしてどうする!?今日は水着だから、アレが膨らんじゃったら丸分かりだぞ……とりあえず妄想を一旦抑えよう。

 

 

「すげぇ可愛いよ。かなり派手だけど、それがお前らしい」

「ありがと♪これでも結構迷って、時間を掛けて選んだのよ」

「それじゃあみんなの水着にも期待だな。それで……アイツらは?」

「もう遊びに行っちゃったわよ。にこは虎太郎を迎えに来たの」

「俺たちずっと待ってたのに……一言くらい言ってくれよな」

「だからこうして来てあげたじゃない。ほら行くわよ」

「へいへい」

 

 

 正直あまり人混みは好きじゃないから、ずっとここで寝ていたいのだが、どう足掻いても穂乃果たちに無理矢理起こされる未来しか見えない。また突然水をぶっ掛けられるのだけは勘弁だ。

 

 

 俺は虎太郎の手を握り、一緒に穂乃果たちのところへ向かおうとしたのだが、1つだけ問題を見つけてしまった。

 

 

「おいにこ、荷物はどうすんだ?誰か見張る人が必要だろ」

「あぁ、その件に関しては――――」

 

 

 

 

「私が見張っておくから心配無用♪」

 

 

 

 

「秋葉!?」

 

 

 いつの間に忍び寄ったのかは分からないが、さっきまで俺が寝ていた場所に既に秋葉が座っていた。嫌な気配には敏感な俺だけど、堕天使化したことりといい、悪魔の秋葉といい、何故か俺にとっての危険因子は忍者のように雰囲気を隠してくるから尚恐ろしい。

 

 

 ちなみに秋葉の水着は……もはや水着っていうよりかは、ワンピースに近い。それでも肩とか太ももとか、露出するべき部分はしっかりと剥き出しになっていて、秋葉の大人の色気が感じられる。相変わらず胸でけぇし……。

 

 

「あれぇ~零君どうしたのかなぁ~?もしかして、お姉ちゃんに見惚れちゃってる?」

「馬鹿言え、血が繋がっている奴に欲情するとか頭おかしいから」

「あるぇ~?誰も欲情するなんて言ってないぞぉ~」

「いいからちゃんと荷物見張っとけよ!!」

「はいはい~♪あとから水着の感想聞かせてねぇ~♪」

 

 

 今回は完全にアイツに言い負かされたような気がする……。

 そりゃあそこら辺にいる大学生、言ってしまえば大人よりもスタイルがいいし、胸も大きいし、何よりガッツリと女性の色気を感じられる。そんな奴が近くにいたら、例え自分の姉でも気になっちまうだろ!!もしかして俺が異端なのか!?

 

 

「零く~ん!!あまりみんなの水着姿に欲情しちゃダメだよ~!!」

「でかい声で欲情とか言うな!!女として恥を知れ!!」

「男としての恥を知れ!!この9股野郎♪」

「おいやめろォ!!」

 

 

 突然なんてことを言い出すんだあの悪魔は!?こんな人の多いところで9股を叫ぶなんて、俺を社会的に抹殺しようとしているとしか思えねぇ。

 

 

 折角バカンスに来たっていうのに、これじゃあ逆に疲れちまうぞ……。

 

 

 パラソルの下で俺たちに"笑顔"で手を振る秋葉に、虎太郎も小さく手を振り返す。

 とりあえず秋葉から離れよう。今日のアイツは危険だ!!

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 秋葉から逃げてきた俺と虎太郎は、みんなを探しながら人の多い砂浜を彷徨いていた。

 ちなみににこは穂乃果や凛にビーチボールをぶつけられ、更に2人の挑発にまんまと引っ掛かりビーチバレーに参戦することになったため、俺たちとは別行動となってしまった。あそこでは女同士の血生臭くも醜い争いが行われていると思われるので、男の俺たちが近付いたら確実に殺されるだろう。

 

 

 そんな訳で他のみんなを探し回っていると、浮き輪に乗ってプカプカ浮いている2人組を見つけた。

 その2人とは、クセ者揃いのμ'sメンバーきっての脳トロ甘々ボイスの2人組――――

 

 

「お~い、ことり~、花陽~!!」

 

 

 …………

 

 

 …………

 

 

 返事なし……っと。まさかアイツら、寝てるんじゃねぇだろうな!?

 確かに今日は日差しもそこまで強くなく、風も涼しく心地いいから仕方がないと言えば仕方がない。波もかなり緩やかだけど、万が一沖の方まで流されたら面倒だ。

 

 俺と俺に連れられるように手を引かれている虎太郎は、あの呑気な2人を起こすため海へ入った。入ったとは言っても、海に浸かっているのは俺のふくらはぎに差し掛かるか差し掛からないかぐらいだけど。

 

 

 2人に近付いてみると、案の定浮き輪の上でプカプカ浮きながら眠っていた。

 

 

 ことりの水着はエメラルドグリーンを基調とした、白い水玉模様の水着だ。下はにこと同じくフリフリのスカートになっていて、エメラルドグリーンと薄いピンクのヒラヒラが付いている。

 

 花陽の水着は、上は白を基調としたシンプルな水着。胸の部分には小さな茶色のリボンが付いている。そして下は流行っているのか、またしてもフリフリのスカート。白と深緑のヒラヒラが特徴的だ。

 

 

 

 

 それにしてもこの2人……おっぱいが強調され過ぎだろ!!

 浮き輪に乗ってプカプカ浮いているためか、おっぱいがやたら際立って見える。しかもこの2人は高校生にしてはかなり大きな部類、もうこのまま上から鷲掴みにしたいぞ!!こんな無防備な姿を晒して、俺からタダで帰れると思うな!!

 

 

 俺の欲求が高ぶってきたその時、突然横からピコッと柔らかいハンマーで腕を叩かれた。

 

 

「おい虎太郎、お兄さんの邪魔をしちゃあいけないなぁ~」

「あぶないひと~」

「危ない人ってお前なぁ、男ってものは可愛い女の子の前では獣になっちまうんだよ。それに俺はこの2人の彼氏だから問題ないの」

 

 

 

 

「じゃあ早く触ってよぉ~♪」

 

 

 

 

「こ、ことり!?起きていたのか!?」

 

 

 突如脳トロボイスが聞こえたと思ってことりの顔を見てみたら、彼女の眼はバッチリと開いていた。しかも期待しか込めていない、キラキラと輝く眼差しを俺にぶつけてくる。どこまで行っても脳内お花畑だな……。

 

 そしてその隣では――――――

 

 

 

 

「はうぅ……」

 

 

 

 

 花陽が顔を沸騰させてトリップしていた……。

 

 

「お前ら寝てなかったのかよ……」

「海の心地よさに浸ってただけだもん♪ねぇ~花陽ちゃん♪」

「えっ、あ、う、うん!!波の揺れも緩やかで、まるでゆりかごに乗っているみたいに気持ちよかったんだよ♪」

 

 

 トリップ状態から戻ってきた花陽も、顔をウットリさせて再び海の心地よさに酔いしれる。この2人のぼぉ~っとした顔を見ていると、こっちまで力が抜けてしまう。脳をトロけさせた後は、全身の力をガス抜きのように放出させられる……一緒にいるだけで脳内がお花畑になっちまいそうだ。

 

 

「零くんも虎太郎もおいでよ♪」

「いやいや。虎太郎はいいとしても、俺が浮き輪に乗ったら確実に沈むだろ」

「らぶらぶえっちなら沈んでもいいよね♪」

「口を慎め淫乱鳥!!周りに人どれだけ人がいると思ってんだ!?」

「えぇ~、ことりは零くんとなら誰に見られても問題ないよ」

「俺がイヤだよ!!」

 

 

 学院内の人間ならある程度俺たちの言動に耐性が付いているからまだマシなのだが、ここにいるのは見ず知らずの人たちだ。流石の俺でも、顔も知らない人の前で堂々と淫行を働くほど屈強な性格は持ち合わせていない。

 

 

「花陽はみんなとビーチバレーとかしないのか?」

「私はこうしてのんびり過ごすのがいいんですぅ~……」

「もう海の心地よさに溺れてるじゃねぇか」

「ふわぁ~、眠くなってきちゃいました……」

「そうだねぇ~、ちょっと一眠りしようかなぁ」

「その声を聞くと俺まで眠くなっちまいそうだ。とりあえず、流されないようにヒモだけ付けておいてやるからな」

「ありがとぉ~♪」

「ありがとうございますぅ~♪」

 

 

 もうダメだ、ここにいるとメルヘンチックな夢の世界へ連れて行かれてしまう。そうなる前に早くここから退散しないければ。

 水着姿の2人と一緒に寝たいのは山々だけど、それはまたの機会にでも。

 

 

 あっ、最後に自己主張の激しい2人のおっぱいをもう一度拝んでおこう。

 

 

 

 

ピコッ!!

 

 

 

「いてっ、おい虎太郎……」

「へんなひと~」

「人前で言うのだけはマジでやめてくれよ……」

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 夢の世界へ旅立った2人を置いて、俺と虎太郎は砂浜に戻って他のメンバー探しを再開した。

 もうすぐお昼ということで屋台や海の家に行く人が多く、砂浜にいる人が体感だが少なくなったような気がする。だが潮風に乗って屋台からやたらいい匂いが流れてくるようにもなったため、俺の食欲も大きく刺激され屋台に釣られそうになってしまう。

 

 

 そんな中、虎太郎が手を引いてきた。

 

 

 

「ん?どうした?」

「おしろ~」

「お城…………?えっ……!?な、なんじゃありゃ!?!?」

 

 

 虎太郎が指を差した先を見てみると、そこには砂で作られた豪勢なお城が建てられていた。

 砂で作られていると分かっていても、小さくなってそのお城に住んでみたくなるような細部まで作り込まれた造形。その作り込みようは、そのお城の窓を一目見てステンドグラスの窓と分かるくらいだ。

 

 こんな、一般の芸術の域を余裕で振り切っている芸術家は誰だ!?

 

 

 その疑問は、製作者を見てすぐに解けた。

 

 

「あ、亜里沙!?」

「あっ、零くんだ!!こんにちは!!」

「こんにちはだけど、これは一体……」

「この砂のお城ですか?えへへ、下手ながらも作ってみたんですが……」

「どれだけ謙遜してんだよ!?普通に凄いわ!!」

「そうですか!?ありがとうございます♪」

 

 

 これを褒めない奴がいたら、逆に俺がぶっ飛ばしに行くってくらいすげぇぞ。もうさっきから『凄い』という言葉しか出ないくらいには……。

 それでこの砂のお城をよく見てみたら、お城の屋根が尽くタマネギ型だ。この屋根の形はロシア風のお城の特徴なんだが、そう考えれば誰が作ったのかなんてすぐに分かったな。

 

 

 亜里沙の水着は、上下共に透き通った白の水着。肌や髪が元々白っぽい亜里沙に似合い過ぎるほど似合う純白さ。これこそまさに天使だな。どこぞの堕天使とは違って……。

 

 

 それにしても亜里沙の奴、中学生の頃と比べたら本当に胸が大きくなった。姉の絵里と同様の遺伝子を持っているのか、スタイルも日に日に良くなっているような気がする。これ以上肉付きが良くなったら……その時が食べ時かな?アレな意味で……ゴクリ。

 

 

「おっ、虎太郎にロリコンのお兄さんじゃん!!」

「あ゛っ!?誰がロリコンだぁゴルァ!!人前で言うなって言っただろここあ!!」

「いやぁ~、ロリコンのお兄さんの反応が面白くって♪」

「ちょっとこころ、ここあに言ってやってくれよ……」

「もうここあ、零さんに失礼でしょ!!いくら相手がロリコンだからって、人前で言ったらダメです!!」

「それフォローになってねぇからな!?」

 

 

 相変わらず矢澤のチビ姉妹たちは俺を社会的に消そうとしやがる。お前らと会うたびに俺の株価が大暴落している気がするぞ……。

 

 どうやらこころもここあも亜里沙に習って砂でオブジェを作っていたみたいだ。お城の周りに家がいくつか立ち並んでいる。だけどロシア風のお城の周りに日本風の家って、若干滑稽だな。

 

 

 そして……俺はここでこころとここあの水着の解説をしなければいけないのだろうか?なんかどことなく犯罪臭がするんですけど!?ただでさえロリコンの烙印を押されようとしているのに、ここでロリっ子の水着を真面目に解説なんてしてしまったら最後、今度こそ逮捕確定じゃん!!

 

 

「だ、大丈夫ですか零さん?顔が絶望してますけど……」

「心配するな。犯罪的な行為はこれまでに何回も穂乃果たちでやってきてるんだ、何を今更怖がる必要がある!!」

「なぁ~んだ、てっきり逮捕されちゃいそうだから怯えてるのかよ思ったよ♪」

「ぐっ、コイツぅ~……!!」

 

 

 ここあは両手を後頭部に当てながら、矢澤姉妹伝統である小悪魔の笑顔で俺を見つめる。ここあもこころも、本当に小学生と中学一年生とは思えないほどしっかりしてやがるな。そして無駄に俺を煽る技術まで身に着けやがって……これもにこの影響か。

 

 

 えぇい分かった、もうヤケだ!!解説すればいいんだろ!?

 

 

 こころの水着は水色を基調とした、スクール水着に近い感じの水着だ。だが下はいつもの如く、スカートのようなヒラヒラが付いている。中学生になって、ちょっと背伸びしたな。

 ここあの水着は黄色を基調とした、ちょっぴり子供が着るには派手な色をした水着だ。こちらはスクール水着の造形とさほど変わりはない。小学生が着る水着だから当たり前だけど。

 

 

「ろりこん~」

「おいやめろ」

 

 

 虎太郎も、俺への煽りスキルがこの海へ来てから格段に上昇しているような気がするのは俺の錯覚か!?矢澤のガチんチョたちは対神崎零用の特訓を、にこから施してもらっているのかもしれない。俺の顔を見たら即警察へ通報しろと、にこが命じていたらしいし。(『日常』39話「ロリコン注意報」参照)

 

 

 

 

「あれ?零君に虎太郎君、いたんだ」

「おっ、雪穂――――って、そんなにいっぱい手に何持ってんだ?かき氷?」

 

 

 後ろから雪穂に話し掛けられたため振り返ってみると、雪穂は『氷』と書かれたカップ4つを器用に持っていた。もしかしなくても、あの結構な人混みの中へ飛び込んで買いに行っていたのか。

 

 

「お前、かき氷を4つって……食いしん坊だな」

「違います!!亜里沙たちに買ってきただけですから!!」

「分かってるって。それよりどうしてお前だけ?パシリ?」

「口の中にかき氷を丸ごと放り込んであげましょうか……?」

「冗談だって」

 

 

 雪穂はジト目で俺を睨みつけながら4つのかき氷を構える。

 まるで今から氷属性の魔法を打つ構えのようだ。こっちは守るどころか上半身が裸だし……あれ?これって効果抜群なんじゃあ……。

 

 

 そんなくだらない茶番はいいとして、雪歩の水着はえんじ色の至って落ち着いた雰囲気の水着だ。特に派手な装飾がないところがまさに雪穂らしい。そう言えばこれ、水着でPV撮影した時にものと同じだな。気に入ってるのかな?

 

 

 雪穂のスタイルは亜里沙とは反対に、そこまで中学生の時とは変わっていない。これは確実に凛と同じルート確定だろうが、普段から恥ずかしがって肌を露出させることがないため、こうして柔らかそうな二の腕や太もも見るのは久しぶりだ。小柄な女の子の柔らかそうな部位を見ていると、今にもむしゃぶりつきたくなる。

 

 

 クソッ!!2人きりなら前から思いっきり抱きしめて、カラダ中をしゃぶってやるのにっ!!

 

 

「わぁ~かき氷だ!!ありがとう雪穂姉ちゃん!!」

「わざわざすみません、雪穂お姉さん」

「いいよいいよ、これも年上の仕事だしね。それよりもほら、早く食べないと溶けちゃうよ」

「わわっ、急がなきゃ!!」

「ここあ、そんなに早く食べたら頭がキーンってするよ!!」

「こらこら、そんなに慌てちゃダメだよ。2人共落ち着いて」

 

 

 おぉ~!!雪穂がお姉さんになっているところは初めて見るな。中々様になっているというか、普通にこころとここあのお姉さんみたいだ。でも当の姉があんな怠け者だし、元からお姉さんっぽくはあったけどな。

 

 

「ほら亜里沙も。かき氷買ってきたよ」

「ありがとう雪穂!!あっ、虎太郎くんも食べる」

「うん」

「それじゃあはい、あ~ん」

「あ~ん、もぐもぐ」

「美味しい?」

「うん」

 

 

 ここで亜里沙もお姉さんモード発動か。雪穂と違って亜里沙は姉もしっかり(ポンコツにならなければ)しているし、普段はお姉さんキャラになることなんてまずないから、この光景はかなり新鮮だ。亜里沙のお姉さんキャラか……うん、全然妄想できねぇ。これほど妹キャラが似合う女の子はそういないからな。

 

 

「それで、どうして雪穂が1人で買いに行ってたんだ?しかもあの人混みに……」

「亜里沙は真面目にお城を作ってたし、こころちゃんとここあちゃんをあそこに紛れ込ませるのはちょっと……」

「なるほど、雪穂のお姉さん心だったって訳だ」

「別にお姉さんだなんて思ってないですよ。それに雑用は慣れてるし、あの呑気なお姉ちゃんで……」

「なるほど、よく分かるよその気持ち」

 

 

 俺もどうしようもない姉がいるからな。クセの多い姉を持つと苦労するよ……。

 

 そういや、今ここにいるのは俺と虎太郎を除けば雪穂に亜里沙、こころにここあ、全員妹じゃん。これぞまさにシスターズ!!ここに楓が加われば――――と思ったけど、あれ?

 

 

「なあ雪穂、楓は?」

「さぁ?多分お姉ちゃんたちと一緒にいるんじゃないですか?なんか変に目を輝かせてましたけど……」

 

 

 おぉう、急に背中に寒気が走ってきたぞ……!!

 これはよからぬことが起きるフラグって奴なのでは!?

 

 

 

 

ピコッ!!

 

 

 

 

「さがしにいく~」

「分かったけど、いちいちハンマーで叩くのやめてくれない?」

「いや~」

「さいですか……」

 

 

 

 

 俺とμ's+αのハーレム(?)バカンスは、怒涛の後半戦へ続く!!

 

 

 




 ことりちゃんと花陽ちゃんの水着は素直にエロいと思いました(小並感)


 今回は『水着でPV撮影!』回以来の水着回でした!言ってもそこまで水着が強調されていた訳ではありませんが、彼女たちの可愛い水着姿を妄想して頂ければと思います。でもこころやここあ、秋葉さんは別の意味で妄想レベルが高くないといけませんが……(笑)

 次回は残りのメンバーと、遂に『新日常』93話目にして初のA-RISEが参戦予定です!

 そして夏編はもうすぐ終了して、秋編に移行しようと考えています。移行してももちろん、いつもと何も変わらない日常ですがね(笑)

そしてここからは本編とは全く関係がないのですが、11月7日に私が小説投稿から一周年、そして新日常も同時期に100話を突破するということで、11月にちょっとした企画を立てるつもりです(もう水面下で進行してますが)。
新作小説ではないのですが、『新日常』の一風変わった話がたくさん見られると思うので、是非ご期待ください!!

新たに高評価をくださった宏六さん、ありがとうございます!


Twitter始めてみた。
 https://twitter.com/CamelliaDahlia

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