ハイスクールD×D〈第三の天龍〉   作:BATTU

41 / 41
真実を語られ三匹の天龍が出会う


第三十六話

思いっきりぶっぱなして支取先輩たちが作った結界に穴をあけて中に入って行く

 

支取先輩たちの視線が背中に刺さるけど今は気にしてられない。あとで謝ってはおくけど

 

そして匙くんとの仲直りの希望は絶たれた。うん(泣)

 

 

「・・・ま、まさか」

 

 

あ、イッセーくんたちだ

 

良かった。ゼノヴィアさんも合わせてどうやら皆無事のようだった

 

 

「やぁ、イッセー君。来れないイリナの代わりに援軍として来たよ」

 

「いやいやいや!部長から来ちゃダメだって言われたろ七志!?」

 

 

手をすごく左右に振って開いた口が塞がらないような顔で喋るイッセーくん

すごく面白い

 

 

【なにしにきやがった蒼いの】

 

【別にー?俺の宿主がお前の宿主を助けに来ただけですが?】

 

【ふざけるな。貴様がそんな事如きで来るはずがない、傍観龍の名が泣くぞ?】

 

【ハッ、二天龍の一翼がたかが鴉1匹に遅れをとってるのを笑いに来たと言ったら納得か?】

 

【・・・殺すぞ?】

 

【やってみろよ赤龍帝(笑)】

 

 

こっちはこっちで険悪ムードだ

 

そういえばあの結婚騒動からこの2匹は話しすらしなかったな

 

 

「くくく、いきなりの不意打ちおそれいるな人間」

 

 

奥の瓦礫が崩れ、中から姿を現したボロボロのスーツ姿の男

一度見たことがあるコカビエルだ

 

すごく丁寧語だけど青筋が凄い。すごく怒っているのが見て分かる

 

 

「ふん、まさか蒼龍王の神器を2度目に出来ようとは。アザゼルが知れば歓喜するだろうな」

 

「イッセーくん」

 

「あぁ、あいつが黒幕のコカビエルだ」

 

「いや、それは知ってる」

 

「じゃあなんだよ?」

 

「なんであんなにボロボロ?もうすぐ倒せるとこだった?もしかして援軍要らなかった的な・・・」

 

「いやいや、お前がぶっぱなしたやつに当たってあーなってんだよ?!」

 

「あ、あれに当たっちゃったんだ・・・なんかごめん」

 

 

なんか不意打ちして優勢したみたいになってなんか罪悪感が、敵だけどとりあえず謝る

 

コカビエルは舌打ちと共に口を開く

 

 

「自身の妹の管轄地に蒼龍王が現れた事をサーゼクスが各勢力に秘匿していたとはな。まぁ、奴の事だ先の3大勢力の戦争での恩や下らん罪悪感から保護しようとでも考えていたのだろうな、天使どもも見つければそうしただろう。ふんっ、滑稽だな、自分たちが仕えるべき偉大な者たちを失いながらそんなドラゴン一匹のために血眼になって探す貴様ら悪魔や天使の駒どもは本当に哀れに思うよ」パンパン

 

「ちょっと待ってコカビエル。その言葉はどういう意味?」

 

 

ボロボロになったスーツの上着を脱ぎ捨て、白のシャツについた埃を払いながらコカビエルはまた口を開いた

 

 

「あぁそうか貴様ら下々の者達には知らされていなかったな。先の3大勢力の戦争で我々堕天使の下級中級のほとんどを、悪魔を率いてきた四大魔王や多くの純血名家が失ったと同じように

 

天使どもが仕える神も、"死んだのだ"」

 

 

「「「「「「「!!!」」」」」」」

 

「・・・」

 

 

コカビエルの言葉にイッセーくんたちはみんな驚愕する

 

それはそうだ。絶対の存在かと思われてきた神様が死んだなんて聞けば誰もが驚くだろう

 

ただ1つ、僕を抜いては

 

 

「ふん、いい表情だな。そうもなろうさ、神が死んだなんて誰が信じるだろうか?そんな事が世に広まれば正教会、カトリック、プロテスタント、更には天界の内部で大混乱が起きるだろうさ。だから天使や教会の一部しかその真実を知らず、それをひた隠して信仰のシステムを守ってきたのだ。システムを引き継いだミカエルはよくやってるようだが信者たちに行き渡る祝福には限界があるようだな」

 

「そ、そんな、嘘だ。神が、我らの主が・・・いないなど」

 

「事実だデュランダル使い、その証拠にそこの転生悪魔が持つ聖魔剣。反発しあうはずの聖と魔がこうやって交じりあい、全く違う力となったのはこの世界の聖を司る神と魔を司る魔王、この2つが死んだが故に2つのパワーバランスが崩れ起きた稀な現象なのだ。バルパーが最後の最後でその真実にたどりつけたのも天才故であろうな」

 

 

「そんな、神はいない。じゃあ僕たちがあの施設でやってきたのは一体・・・」

 

「主はいない・・・主は・・・」

 

「アーシア!?しっかりしろアーシア!」

 

 

ゼノヴィアさんだけでなく、木場くんやアーシアさんまで崩れ落ちる

 

木場くんはともかく、今まで人生のすべてを神への信仰と共に生きてきたアーシアさんとゼノヴィアさんにとっては耐え難い真実だ

 

 

「ふふふ、ふははははははは!!いい表情だぞエクソシストに元信者の悪魔ども!今までミカエルが放ってきた刺客たちも幾数人は私の下までたどり着いたが皆その真実を話してやったらお前たちと同じような絶望の表情になって死んでいったよ!!」

 

「くっ!ゲスが!」

 

「戦争だ!!貴様らリアス・グレモリーどもの首を手土産にサーゼクスとミカエルに目にものを見せてやるのだ!!我々堕天使こそが最強だという事をな!!!・・・・・時に現蒼龍王、先程から貴様は何も思わないのか?」

 

 

コカビエルの狂気じみた笑いは僕の無表情に対してつまらなそうに指摘しだす

 

 

「いや、そうだね。どうとも思ってないと言ったら嘘にはなるけど僕自身は心底どうでもいいとは思ってる」

 

「ッ・・・貴様、本当に人間か?自分よりも頂上の存在が死んでいるのだぞ?それとも神滅具を持っているが故に神さえどうでも良い存在と思ったか?」

 

「いや、たぶん感覚的な違いかな

 

アーシアさんやゼノヴィアさんたちにとってはとても大切な人を失くした、それは彼女たちの生き方さえ変えてしまうかもしれない死なんだろう

 

でも、僕からしたら"友達しか知らない知り合いが死んでしまった"くらいの感覚なんだろう」

 

 

「変わった人間だ。神の死に悲しまないのは信仰者ではないからだろうとは分かるが驚愕の表情すらしないのはつまらん」

 

「・・・僕は神様の死って真実より、悲しい死を知ってるから」

 

「なに、それはなんだ人間?」

 

「家族だよ」

 

「・・・は?」

 

「両親の死、それが僕にとって神様の死より悲しい死だった」

 

「ッ!!」ダッ

 

 

バキッ!!

 

 

「ッ」

 

 

突然の痛みと衝撃にバランスを崩しかけたが踏ん張って転ぶのは耐えた

 

衝撃が来た方を見ると先程まで膝を着いて崩れていたゼノヴィアさんが右拳を握りしめていた、そこから彼女が僕の右頬を殴りかかったのがわかった

 

 

「貴様は、ふざけているのか?」

 

 

握りしめた拳は小刻みに震えている

 

 

「大いなる主の、生きとし生きる者の父である主の死よりもだと・・・ふざけるな!!」バキッ!

 

「ぐっ!」

 

「や、やめるんだゼノヴィア!」

 

「ゼノヴィアさん待ってください!」

 

「離せ!お前たちもそう思わなかったのか木場祐斗!アーシア・アルジェント!こいつが軽々と口にした言葉に!!」

 

 

ゼノヴィアの言葉に木場くんは苦い表情をアーシアさんは何も言えず泣きながら止めるのに精一杯だった

 

だが、2人はゼノヴィアより1つだけよく分かっている事がある。七志にとって何より大切な両親を失っていることのその辛さを

 

 

「だから私は無神教の、貴様のような奴は嫌いなんだ!!貴様はまるで事の重大さが分かっていない!貴様の両親の死より主の死がどれだけ世界に影響を与えるか!」

 

「・・・」

 

「どうした!?立ち上がって何か言ってみろ!!もう一度同じような事を抜かすなら今度はデュランダルが貴様の首を斬り捨てるぞ」

 

「ふむ、少々言い方は悪かったな。死に上も下もない、誰かが死ぬのは誰だって悲しい事だ」

 

「まだ貴様は!「僕にとっては同じなんだ」ッ」

 

「僕を産んでくれた母さんも小さい僕と遊んでくれた父さんもゼノヴィアさんたちが信じる神様と同じくらい大切な存在だった・・・ごめん」

 

「・・・き、貴様は」

 

 

僕は謝った。ゼノヴィアさんの言葉全てを納得した訳ではないが誰かの死に上下を付けてはいけない

 

僕にとってはどうでもいいかもしれない。でも別の誰かにとっては大切な人だったかもしれない人の死を誰が笑えるだろうか

 

 

「茶番は終わったかね蒼龍王?とんだ下らん茶番だったよ、横槍を入れてやりたいくらいに下らん。下等な人間如き、長くも生きれん種族が、いくら死んでも数だけ腐るほどいる人間の死を、なぜ一々悲しむのか理解に苦しむわ」

 

「悲しむために泣く事は決して悪くはない、だけど1番いけないのは悲しむばかりで前に進めなくなる事だ。木場くん、アーシアさん、ゼノヴィアさん、確かに神様が死んでしまっていたのは君たちにとって1番悲しい真実だ」

 

「だけど、悲しむばかりで立ち上がれなくなったら決してもう動けなくなる、立てなくなった足じゃあもう誰とも前に進めなくなってしまう!僕はイッセーくん程に誰かを立ちあがらせる力も言葉もかけられない、ただその悲しみを背負ってあげる事は出来る、だから今は共に立ち上がって戦おう!」

 

「よく言った七志!!俺だってハーレム王になる夢があるんだ!それをコカビエル、テメーの勝手な戦争でおじゃんにされちゃあ困るんだよ!!」

 

 

「「ブーステッド・ギア!/デッド・ペイルタスク!」」

 

 

赤と蒼の篭手を取り出す二人、どちらも赤と蒼の強い光を放っていた

 

 

「イッセー、七志くん・・・そうね、ここで折れてはダメよアーシア」

 

「リアス、さん」

 

「大丈夫、貴女の悲しみを七志くんが言ったように私も背負ってあげるわ。だから今は立ちましょう」

 

「・・・ぐすっ(ごしごし)はいっ!!」

 

「ふっ、簡単に言ってくれる現蒼龍王は」

 

「だけど、だからこそイッセーくんと同じくらい心強いんだ。彼は、秋上七志くんは」

 

「・・・ッ!(パンパン!)気合いの入れ直しだ、木場祐斗まだ協定が終わってないならやれるな」

 

「勿論だとも!」

 

「あらあら、じゃあ私と小猫ちゃんも頑張らなければですわね」

 

「・・・無論です」

 

 

グレモリー眷属、そしてゼノヴィアも立ち上がり皆コカビエルに対峙する

 

 

「・・・現赤龍帝と蒼龍王はまるでわからん。本来ならその2匹が出会うだけで殺し合いが始まるはずがリアス・グレモリー眷属どもとエクソシストを立ち上がらせるとは・・・ふ、ふははははは!!!だが面白い!赤龍帝と蒼龍王が手を組んで挑んで来るなど早々ある事じゃない!来い悪魔とエクソシストと人間よ!俺を楽しませてくれ!!」

 

 

両手に光の槍を作り出し、一触即発の空気の中

 

 

「ほぅ、面白いな」

 

 

「「「「「「「ッ!!」」」」」」」

 

「なに?」

 

 

上空から聞こえて来た言葉と同時に白い閃光と共にそれは地に足を付けた

 

 

「な、なんだあれ?まるで禁手化した俺の鎧姿、『赤龍帝の鎧』にそっくりじゃねぇか」

 

「イッセーくんに似た鎧・・・まさか」

 

「『白い龍(バニシング・ドラゴン)』、まさか禁手化まで至っていたとは。白いの邪魔立ては(ヒュン!!)ッ!?」

 

 

それは一瞬だった。先程の白い閃光と共にそれはコカビエルの背後に周り、その手にはコカビエルの黒い羽が握られていた

 

 

「まるで薄汚い烏の羽根だなコカビエル、アザゼルの羽はもっと深い常闇のようだったぞ?」

 

「貴様、俺の羽を・・・!」

 

「天から下へ落ちた身だ、もはや無用な物だろ?まだ飛ぶつもりかコカビエル?」

 

「俺に逆らう気か!!」スッ!

 

「我が名はアルビオン」

 

『Divide!』

 

 

手を差し出すように向けた瞬間『Divide!』の言葉と共にコカビエルが生み出した光の槍が徐々に小さくなっていった

 

 

「く、クソが!これが触れた者の力を半減させる白い龍の神器、『白龍皇の光翼』!」

 

「ほう、神器に興味がなかったわりにはよく学んでいるな。そうだ、そして半減させたお前の力は同時に我が糧となる。早く俺を倒さないと人間にすら勝てなくなるぞ?」

 

「おのれ!なめるな!!」

 

『Divide! Divide! Divide!』

 

 

さらに流れる機械音のような声が聞こえると同時にコカビエルの生み出す槍は徐々に小さくなっていき、いつしか短剣ホトにまで小さくなっていた

 

 

「ふ、もはや中級堕天使並か。もう少し楽しめるかと思ったのに残念だ」

 

「く、くそが!蒼龍王の不意打ちさえ喰らわなければ貴様如き!」

 

「勝てないと分かって今度は言い訳か?つまらない、本当につまらないなコカビエル」ブンッ!

 

「ごふぁ!!?」

 

 

強烈な右ストレートはコカビエルの腹に容赦なくえぐり込む

 

もはや、戦いにすらならない程にコカビエルは劣勢だ

 

 

「あんたを無理矢理にでも連れて帰るようアザゼルに言われてるんだ。あんたは少しばかり勝手が過ぎた」

 

「貴様!そうか!アザゼルがー!アザゼルゥゥゥ!お、俺はぁぁぁぁ!!!」

 

 

ゴッ!!

 

 

「カッ・・・・・・・・・」ガクッ

 

「コカビエルを確保完了。フリードも回収して聞き出さないとな、バルパーは・・・ふ、死人からは何も聞き出せはしないか」

 

 

気絶したコカビエル、並びに木場祐斗とゼノヴィアが倒したフリードを抱え込む白い鎧の男

 

立ち去ろうとした瞬間イッセーと七志の篭手の玉が光り出した

 

 

【無視か白いの?】

 

【起きていたのか赤いの。せっかく出会ったのにこれではな】

 

【いいさ、いずれは戦う運命。こういうこともあるさ】

 

【へー、あの二天龍様方が随分大人しくなったもんじゃないか。えーアルビオン、ドライグ】

 

【イグドラ、この童が。蝙蝠、鳩、烏どもと協力して俺とドライグを倒せて貴様も天龍気取りか?】

 

【はっ、俺はもう昔のガキじゃねぇーんだよアルビオン。やろうと思えばあの時のテメーらの喧嘩に俺だけでも混ざってもいたぜ〜?】

 

【・・・ドライグ】

 

【分かっているさ。こうして出会えたのだ、いずれ決着を付ける前かその後でも構わん。俺かお前、どちらかとあの蒼馬鹿を殺せればな】

 

【ふん、忘れてないならよかろう。また会おうドライグ、そしてイグドラ、次に出会った時は覚えていろ】

 

【はっはっはー、まぁそれも一興だわな。出来たら再開しないことを死んだ神様に祈ってるぜw】

 

【・・・ふん】

 

 

バッ!

 

イッセーと七志からも聞こえた三匹のドラゴンの会話が終わった瞬間白い鎧に身を包んだ男性は飛び始める

 

 

「おいおいおい!何がどういう事だよ!?お前は一体何者でなにやってんだよ!?」

 

「・・・」

 

「ふふふ、全てを理解するには力が必要だ。現赤龍帝そして蒼龍王、強くなれよいずれ戦う俺の宿敵たち」ヒュン!

 

 

瞬く間に空の彼方に飛んで言った白鎧の男

 

 

 

 

これが今世紀初の二天龍ともう一匹の天龍の会合

 

この出会いは彼ら天龍を宿す者たちに降りかかるさらなる波乱の始まりでしかないのだ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。