もし貴方が、強大な力を得るために今の自分の力を徐々に奪われるという覚悟はあるだろうか?
与えられる前に殺されるというリスクがあっても
「なんと・・・まさか神器(セイクリッド・ギア)持ちの人間だったとは予想外だ。しかもその蒼い篭手は『蒼龍王の牙(デッド・ペイルタスク)』か」
神器?蒼龍王の牙?
よくはわからないがこの男はこれについてなにかを知っているようだ
「くくく、しかしこんな所で数百年も行方不明だった神器が見つかるとは・・・能力が確かなら楽に殺せるか」
「ふぅ・・・」
呼吸を整え、脱力に入った
使い方など分からない、しかし殴るための武器が増えたと考えておこう
『Down』
「ん?」ガクッ
妙な感覚が襲った
何か聞こえたと思った瞬間、体全体から力が抜けていく様な感覚が襲う
「な・・んだ、これ」
どんどん力が抜けていき、思考さえもぼやけて来た
「これが『蒼龍王の牙』の能力、所有者のあらゆる力を喰らい、その喰らった力を数十倍にし返すという能力。だが、力を下げるという事は相手より弱くなるという覚悟をしなければならない。くくく、これが神器、神滅具(ロンギヌス)種の中で最下位の神器なだけはある。ただの下等な人間にはお似合いだな」
だ、めだ・・・ボーッとして、何も・・・わからな、い
「そろそろ殺してあげよう。何、怖がる事はないすぐ楽にしてあげよう!」
光の槍を振りおろし、七志に斬りかかる
ふらっ・・・
「?」
だが、槍は七志を斬り裂く事は無かった
槍が振るわれ当たる直前に七志は妙な動きで槍を避けた
「く、この!」
男はさらに槍を振るうが七志には一向に当たらない、目からハイライトが消え、意識さえもぼやけている今の状態では攻撃を避ける事は難しい。だが、彼はその状態で避けていた
まるで紙が槍を振るう時に出る風圧に負け、飛ばされて行くように
『Release』
ドクンッ!
「!!」
また声が聞こえたと同時に今度は体中から溢れんばかりの力を感じ取り、意識が覚醒した
「クソッ!なぜ攻撃が当たらなかったのだ!?力が上がってしまったぞ!」
七志ははっきりと意識を取り戻し、思考を再開。そして今自分がどのような状態かを思い出す
「そうだった。あんたをぶっ飛ばそうと思ってたんだったな」
ヒュン!
「何!消え・・・!」
「ふん!」
ドゴッ!!ベキッ
「ガッ!!」
一瞬で消えたと同時に男の腹部に正拳を打ち出す七志。その破壊力にアバラ骨が数本折れる音が聞こえて来た
「あの女に言っておけ。幼馴染みを殺した事を後悔させてやるって、な!!」
もう一度殴りつけ、今度は空に向かって男は吹っ飛んで行った
「ハァ、ハァ・・・ッ、ふぅ。何とか、勝てたか」
あの男が吹っ飛んで行くのを確認したあとすぐに家の中に入りソファーの上で横になった
「・・・なんなんだろうな。この腕は?」
右腕にある蒼い篭手を見つめる七志。よくはわからないがこれのおかげで勝てたという事は確かだ
今日は色々あり過ぎた、早く寝てしまおう。今日見た事はすべて夢であって欲しいと願いながら彼は眠った
__________
?? SIDE
まさか神器持ちのこの子を蘇らせるのに『兵士(ポーン)』の駒を八つも使ってしまうとは思わなかった
これだけの駒を使うなら、強力な神器だと期待するしかないわ
しかし、もう一つの神器の力を感じたけどあれは何だったのかしら?
その近くに光の力が感じられたから堕天使と一緒だったはずだわ
祐斗と小猫にあの辺りを調査する様に言った、明日には分かるでしょう
まずはこの子を家に送って傷の手当をしないといけないわね
?? SIDE END
主人公と神器、龍に関しては原作一巻が終わったくらいにプロフィールを書きたいと思います
※イッセーの兵士の駒が間違って七になっていたので直しました。感想で指摘してくれた方、ありがとうございます