ハイスクールD×D〈第三の天龍〉   作:BATTU

7 / 41
第六話

次の日

 

 

今日もいつもどおりに登校した

 

 

昨日、右腕に現れた篭手は消えていた。登校する前にもう一度あの公園に行ったけどイッセーくんの死体は無かった

 

 

あの女が死体を隠したのか?それともやはり、あれは夢だったのか?

 

 

もし、今日学校にイッセーくんが居なかったら彼の家に行ってみようと考えていた時だった

 

 

「おはよう七志・・・」

 

 

「イ、イッセー・・・くん。どうしたの?元気、無いけど」

 

 

教室に入る前にイッセーくんが挨拶に来た。しかし、いつもより元気が無くだるそうに見えた

 

 

彼は生きていた。やはり、あれはただの夢だったのか?だとしたら嫌な悪夢だよ

 

 

「変な夢見てな・・・それとちょっとだるい」

 

 

「そ、そうか。あ、そう言えばデートどうだった?上手く行った?」

 

 

「ッ!な、七志!!お前は夕麻ちゃんの事知ってんだな!」

 

 

両肩を掴んでガクガク揺らしながら少し焦りながら聞いてきた

 

 

や、やめて・・・気持ち悪くなる、ホント勘弁

 

 

「しっ、知ってるも何も、君が紹介したじゃないか。デートに関しても相談してきたし、写メ送ってきてまだ自慢してたじゃないか・・・」

 

 

ケータイを開いてイッセーくんから送られた写メを見せる。そこには確かにイッセーくんが紹介した女性、天野夕麻が写っていた

 

 

「や、やっぱり・・・夢じゃなかったんだ。だとしても、何で俺は生きて・・・」

 

 

「ッ」

 

 

小さく呟いたイッセーくんの言葉に僕は気づいた

 

 

やはり、あれは夢では無かった

 

 

確かにイッセーくん殺されたんだ。しかし、どうやってイッセーくんは助かった?

 

 

どう見てもあれは助かる見込みは0に近い

 

 

謎が増えてしまったが、とりあえずイッセーくんが生きている事だけでも喜ぶべきだろう

 

 

 

がやがや

 

ざわざわ

 

 

 

そんな時、クラス中からなんか騒ぎ声が聞こえる

 

 

「な、なんだ?」

 

 

「おい、イッセー!!グレモリー先輩が見えるぞ!お前も見てみろよ!!」

 

 

イッセーくんのクラスの方から親友の松田くんの声が聞こえて来た

 

 

「イッセーくん、その事は後で聞かせて。見に行ったら?」

 

 

「あぁ、今日はダチの家に行くから明日話すわ。じゃあな!」

 

 

手を振って見送ったあと、教室に入った

 

 

クラスの皆は窓からグレモリー先輩を見ているようだ。祐斗くんは除いて

 

 

「おはよう七志くん」

 

 

「おはよう祐斗くん。なんか、騒がしいね」

 

 

「みんな、部長を見てるんだよ。君は見に行かないの?」

 

 

「興味ない」

 

 

そう言って、鞄から本を出してHRが始まるまで読書をすることにした

 

 

祐斗くんはグレモリー先輩が部長をしているオカルト研究部、略してオカ研の部員だ。だからグレモリー先輩の事は部長と呼んでいる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅

 

 

今日は特に何もなかった

 

 

体育のサッカーで顔面にサッカーボールがヒットする事件が起きる以外では

 

 

祐斗くんが背負って保健室へ連れいってくれたらしい。しかし、本当に単位大丈夫かな?

 

 

そう思いながら夕食に使った食器を洗っていた、留年したら泣いてもいいよね?一年はまだそんなに酷くなかったのに

 

 

「・・・いつッ」

 

 

次の洗い物を取ろうとしたら包丁の先端が右手の甲の部分にあたり、少し切ってしまった

 

 

やれやれ、と心で思いながら傷口を唾液を付けて応急処置をしておいた

 

 

【おい汚ねぇな。消毒液にしろよな、まったく】

 

 

「ああ、ごめん。消毒液きらしてるから・・・ん?」

 

 

【あ?】

 

 

今のは・・・?自分の右腕をそっと見た

 

 

【お前、俺の声が聞こえるのか?】

 

 

「・・・右腕が話しかけてる。斬新だ」

 

 

【正確には右腕が喋ってるんじゃなくて、右腕の中にいる俺が喋ってるんだ】

 

 

ん?よく聞けばこの声、あのスーツ姿の男と対峙していたときに聞こえた声に似てるな

 

 

【当たり前だ。あれも俺が言ったんだからな】

 

 

「心まで読めんの?まぁいいや、君は誰だ?」

 

 

【俺の名は蒼龍王・イグドラ。天龍と称されたドラゴンの一匹だ】

 

 

「イグドラか・・・もしかしてあの篭手はお前なのか?」

 

 

【違うというか、当たってるというか・・・まぁ俺自身の魂が封じ込めてあるからそうなのかもな】

 

 

随分とフレンドリーなドラゴンだな。ていうか、実在したんだドラゴンって

 

 

【しかし、まさか俺を扱える人間が現れるとは今回は本当に貴様に興味が尽きないな】

 

 

「使えるって言っても神器なんでまるで分からないけど・・・確か、これは神滅具では最下位の神器って言ってたっけ」

 

 

【そうだな、それは間違いはない。何故かはわかるか?】

 

 

「・・・あの力が抜ける感覚に関係があるとか?」

 

 

【そう、そこが問題だ。俺の神器の能力は「所有者の定めた力を徐々に下げてその分を数倍にして得る」面倒な能力だろ?だから戦いにはある意味では向かないんだ】

 

 

力とはただ殴るだけの力だけではなく

 

 

視力・速力・腕力・耐久力・思考力・記憶力

 

 

と言った様々な力とつくものが当てはまるらしい

 

 

「つまり、そういう特定の力を下げて、その下げた分だけその力を数倍にして所有者に返す・・・と?」

 

 

【纏めればそんな感じだ。しかし、お前も不運だな】

 

 

「なんで?」

 

 

【お前は龍に憑かれた存在だ、しかも今までの所有者とは違い俺と意識を共有し神器を使いこなした初めての人間だ。俺を知る僅かな強者たちがお前に挑んで来るかもしれない・・・つまり、今後お前に平穏は訪れないかもしれない。どうだ怖くなったか?】

 

 

イグドラは七志に嫌味の様に問いかけた。しかし、七志は

 

 

「いや、別に」

 

 

【・・・は?】

 

 

意外すぎる即答にイグドラは困惑した。彼は今まで強すぎる力を持った人間がどうなったかを知っている

 

 

あるものは強大な力に驕れ、その力を過信した愚か者

 

あるものはいつ来るか分からない戦いに怯える臆病者

 

 

人間の心は脆く変わりやすい。なのに七志は平然とした顔でイグドラの問に答えたのだ

 

 

「でも確かに、怖くないって言ったら嘘になる。だけどさ、明日もどうなるか分からないのに平穏とか強者とか難しい事ばっか考えてたって何も変わらないだろ?先の事ばかりうじうじ考えてるよりも今を楽しむのが良いと個人的に思うよ」

 

 

【・・・ぷっ、アーハッハッハハッハッハ!!!】

 

 

「笑われた。真面目に答えたのに」

 

 

【ハッハッハ・・・ハァ、ハァ、こ、こんなに笑ったのはいつぶりだったか・・ヒヒッ・・・・・ふぅ】

 

 

一息を付けて大爆笑をやめたイグドラ

 

 

【まぁ、お前の生き様は知らないが本当に今回の宿主は楽しませてくれるぜ。今後ともよろしくな相棒】

 

 

「?あぁ、よろしくな相棒」

 

 

だがこの先、七志の不幸は更に高まり加速していく事を彼はまだ知らない




1日1回更新、いつまで続くかな?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。