東方堅軟録   作:こたつ@ミカン

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三人の神々編はこれで最終回です。グロ要素がない事はないかな?

司「確かにグロかったけど、隠し過ぎたかもね。」

隠してない!素なんだ!と言う訳で本編へどうぞ。


闘いの裏で……

「遅れて悪いね。洩矢の国の者よ。」

 

天穂日神を倒し、部屋を綺麗にしてから数分後に大人の女性が入ってきた。天穂日神より高いかな?

 

「いえいえお気になさらずに……私は司と申します。」

 

「私は大和の国の建御名方神さ。それで何故こいつがここで寝てんだ?」

 

と言って天穂日神を指差した。取り敢えず僕はこれまで起きた事を簡潔に話した。

 

「へぇ?アンタがコイツをやっつけたのかい?」

 

「まぁ余裕ぶってたので、不意打ちをかましたら、倒れました。」

 

「不意打ちってレベルか?これは……それはともかく部下がとんだ非礼をしてしまったな。謝罪する。」

 

と言って頭を下げてきた。

 

「其方の要求をできる限り呑もうと思う。」

 

そして続けてこんなことも言ってきてくれた。これはありがたい。

 

「それではお願いが二つほどあります。一つは洩矢の国の洩矢神と一騎討ちをしてもらいます。」

 

「一騎討ち?それでいいのか?」

 

「えぇ、一騎打ちです。勿論試合の見届け人は最小限でお願いします。それで二つ目のお願いですが、その一騎打ちの後、洩矢神、建御名方神、そのお二人で洩矢の国を統治してもらえませんか?」

 

「はっ?」

 

建御名方神はポカンとした表情で聞き返してきた。まぁこうなるよな、知ってた。

 

「それによってそちらに何の得があるんだ?」

 

彼女は僕の真意を読めないで不安でいるのか睨んできた。

 

「はっきり言って洩矢神では貴女を倒すことはできません。僕は戦わず、話し合いで済ませれば最善だと考えています。しかし、彼女はそんなことを許さずわ強情な上一人でなんとかしようとするでしょう。それですから聞きません。まぁ、倒したからと言って村人が抵抗して貴女に信仰が簡単に移るとは思いませんし……」

 

「おいおい、それは私を甘く見ていると受け取っていいのかい?」

 

すると、彼女は神力を出してきた。僕はその上から覆いかぶせる様に

 

「別に今僕がこの国を乗っ取ってもいいんだけど?」

 

何倍もの神力を出した。

 

「アンタ……何者なんだい……」

 

「しがない旅人ですよ。」

 

と簡単に返すと神力を引っ込めた。

 

「戦いの後に貴女達にも統治して貰うことにより、洩矢神は消えず、洩矢の国は狙われにくくなり、更に貴女達にも得になると言う夢のような話です。」

 

「成程ねぇ……だけど私達が好き勝手に統治をするかもしれないよ?」

 

彼女は表情を変えないままこう問いかけてきた。

 

「そこの神と違って貴女には良心があります。まともな神様です。そんな人はそんな事しないと思いますし、直接良心を叩くような交渉材料もできる予定なので気にせずに。」

 

僕は端に追いやった天穂日神に指をさした。

 

「はぁ了解した。そう伝えてくれ。」

 

「はい、それでは失礼します。またその日まで。」

 

こうして階段は終わり、僕は洩矢の国に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな事があったのか……」

 

私は天照大御神の背中で八坂神奈子の話を聞いていた。

 

「それにしてもアイツは一体何者なんだい?」

 

彼女がそう聞いてきた。

 

「さぁ?私にも分かんないよ。」

 

はっきり言って本当によく分からない奴だった。家事能力は高く、戦いにおいての実力は折り紙付き、さらには常識や雑学にも詳しく面白味のある奴で非の打ち所のないと言えばそれまでだった。

 

「彼の話は私も気になりますがそれはあなたの国に言ってから話しましょう。」

 

 

天照神がそう締めくくると辺りは静かになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして国に着くと私達は絶句した。何故なら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辺り一面死体が転がっていたからだった。

 

 

 

「お、おいおいどうなってんだ?」

 

「酷い有様ですね……」

 

神奈子と天照神が答えた。すると遠くから私を呼ぶ声が聞こえた。

 

「諏訪子様無事だったんですね!」

 

声の主は恵だった。

 

「恵!?こ、これは一体何が起きたんだい!?」

 

私は興奮した声で聞いた。帰ってたらこんなんになってるなんて……何がなんだか

 

「じっ、実は……」

 

恵は少しビクビクとしながらも口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

諏訪子と別れた僕は早々に腕輪を使って洩矢の国に帰ってきた。すると恵が僕が帰ってきたのを視認したみたいで声を掛けてきた。

 

「司さん!貴方の言われたとおり住人の避難が終わりました。」

 

僕は満足そうに

 

「ご苦労さま。ありがとう。」

 

と返した。僕のお願いが上手く出来てほっとした顔をしたのも束の間で、恵は不安そうな顔をした。

 

「諏訪子様大丈夫でしょうか……」

 

「あっちは話が通じるから大丈夫だろう。問題があるとすれば…………」

 

「こちらにあると言う訳ですね…………」

 

恵との会話を終えてしばらく経つとリーダーらしき人物が千ほどの兵士を連れてやってきた。

 

 

 

 

 

「ハッハッハ久しぶりだね。洩矢の使いよ。」

 

「こちらに何用ですか?天穂日神様。」

 

「なーに、神奈子様の助太刀に参ったのだが、一騎討ちの邪魔する訳には行かない。」

 

だよね。ぜってー怒るよあの人。そう思うと彼は続けた。

 

「だから、この地を制圧して神奈子様の信用を取り戻す!」

 

まぁそんな事だろうと思ってたけどさ。

 

「まずは貴様に死んでもらおう。前は油断したので今度は嫌というくらい念入りにやらせて頂くよ。弓兵部隊!矢を放て!」

 

と言って何百人という弓兵が矢を一斉に打ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、その矢は届かなかった。

 

 

何故なら彼の能力の一つに物を操る事が出来るという物があるのだから……

 

 

 

 

全ての矢を能力で受け止めた司は自身に向かって言った。

 

 

 

「起きろ神よ。力を貸せ。」

 

 

 

すると、彼自身から響いてくるかのように声がしてきた。

 

 

…………言われなくても起きているさ。久しぶりに会ってそれか、まぁ今は暇だからいいだろう。汝は力を求めるか?…………

 

と言ってきた。

 

「何千年ぶりにその言葉聞くかな?よろしく頼むぞ。神様よ。」

 

 

「何をコソコソと話している。もう一度弓兵部隊よ。矢を放て!」

 

「しっ、しかし意味が無いのでは?」

 

「奴は今、力を使っている。すぐに尽きるさ。」

 

天穂日神は余裕の表情でこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

…………それでは汝よ我に何を求める?…………

 

 

「何度も言わせんなよ。言わなきゃダメかよ……神よ俺に力を寄越しやがれぇぇぇ!」

 

司はそういうと眩きい光を出して輝き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天穂日神が再び目を開けるとそこにはこれまでの何十倍、何百倍の力を持った司が立っていた。

 

「えぇい!怯むな!弓兵部隊、矢を放て!」

 

と天穂日神が叫んだが、矢が一本も飛んで来なかった。おかしいと思って振り返るとそこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弓兵部隊が放った矢と持っていた矢が自分達の頭上に漂っていた。軽く数えて千、二千本以上だろう。天穂日神は司の方を向くと彼は

 

「お返しだ。そういやまだアンタには名乗ってなかったな。俺の名前は神楽真司、神であるお前に俺からの冥途の土産だ。受け取れ……」

 

と言い、矢を勢いよく降らせてきた。

 

 

 

避けようとしたり、剣で防ごうとした者もいたが、司は膨大な神力、霊力、妖力で矢を一本一本操っていたので一分足らずで全ての兵士を討ち取った。その後彼は恵に声を掛けることなく急いで去っていった。恵はその様子を全て見ていて恐ろしくなって、木の陰に座り込んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と言う訳なんです……」

 

恵の話を聞いて神奈子は司の真意を悟った。片付けについてはこのことをさしているだろう。勝てるはずの戦で多くの神々が死んだのだから上になんて言われるか考えただけでも頭が痛くなる。同様に良心を叩くような交渉材料も理解できた。こちらが約束を破って侵攻してきたのだから文句をつけるどころかつけられる立場ですらある。それを理解した神奈子は力無く溜息をつき、

 

「どうやら、お互いアイツの手のひらの上って事か……」

 

「そうみたいだね……」

 

その溜息に諏訪子が答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、司はある事が気になって一人でに言葉をだした。

 

「なぁ神様。アンタの力で神とか妖怪が死ぬのってどう思ってんの?」

 

すると、薄ら笑みを浮かべたような声が再び彼の体から聞こえてきた。

 

…………私は殺戮神。生命を殺す事こそ至高の喜び…………

 

司はコイツを敵に回す時、気を付けないといけない事を理解した。




いかがだったでしょうか。次は個人的に一番書きずらいと思っている。奈良編です。

司「じゃあ書くなし。」

そういう訳にはいかないんですね……それでは最後まで見てくれた方々ありがとうございました。
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