司「辞典とか使いまくってたもんな。」
これで誤字脱字があったら泣けるな。それでは本編へどうぞ。
「太子様。おはようございます。」
「神子様。おはようございます。」
私が起きてくると、二人の女性が声を掛けてきた。一人は銀色の髪を一つに纏めた女性、物部布都。もう一人は薄い緑色の髪と目を持つ女性、蘇我屠自古であった。
「おはようございます。お二人とも朝早くからご苦労様です。」
と私は二人と挨拶を交わした。
「それはそうと、例の話はどうお考えになられているのですか?」
「こら!布都。そう簡単に決心つくわけ無かろう。神子様の気持ちを考えるが良い!」
「な、何ぉ!」
「お辞めなさい二人とも。」
「「すみません。神子様(太子様)……」」
私が二人を窘めると二人はしゅんとして頭を下げた。私はそんな彼女らの争う理由を知っていたため強く言えないでいて心が少しモヤモヤとした。
「少し出払ってきます。昼までには戻ります。」
「了解しました。」
「行ってらっしゃいませ、太子様。」
私がそうした気持ちを晴らすため町へと行こうとした。すると彼女達は頭を下げたままそう言った。
私の名前は豊聡耳神子。町の者からは厩戸皇子という名前で呼ばれて、この地域を統治している。私の耳は私は周りにいる人間の心の声が聞こえてくる上に聴力自体、人より何倍もいい為、普段から耳あてをつけている。周りに気をつけてながら町を歩くと町の人の欲や悪い心などが聞こえ、いつも私の力はまだまだ足りないものだと思っている。布都や屠自古は私が充分に頑張っていると言っているがまだまだ足りない。
そんな時にここから西の方の大陸から来たという仙人、霍青娥が私の元に訪ねてきた。彼女が言うには今の私に統治には無理があると。だから今の世の中は諦め、一度死んでから再びこの地に戻り、その時不老不死となってからじっくりと統治すればいいのだと。
私は出来る事なら何でもしたいと思っていた。しかし私には何が正しくて何が間違っているのか分からなかった。だから彼女の言う通りにすべきかそうじゃないかを見極めれなかった。それでいてこれからの事を悩んでいた。布都と屠自古が朝から言い争いが生まれてしまったのは紛れも無い私のせいであるのだし……
そんな彼女が屋敷に来てから数日経ったある日のこと
「この気配は……?」
神子は普段は感じない人の気配に戸惑っていた。
(欲が無いわけではないが……元の気配が小さすぎる。これじゃあ近くにいるか遠くにいるのかが……)
彼女はこの気配が比較的強く感じる方向へ走りだした。するとそこには青い髪をして真っ赤な仮面をした青年が歩いていた。彼女はその仮面をつけた人の道を塞ぎ声をかけた。
「すみません。少し話を聞かせてもらいますか?」
「はい?私に何か御用ですか?」
仮面の男は彼女の姿を見た後にお辞儀をした。
「失礼しました。私の名前は司。旅で立ち寄ったものです。」
「それはそれは……大変な長旅だったのでは?私はこの地域の統治をしている。豊聡耳神子です。宜しくお願いします。」
(……不思議な方だ。)
彼女は異様な雰囲気と常人には小さい欲望に不思議と興味を覚えぽつりぽつりと話をする事になった。
一段落話を終えて、私は立ち話もなんだしどこか店に入ろうと思っていたが太陽が昇りきっている事に気がついた。旅の経験が豊富で面白い話をする司に惹かれ、私は数日間悩み続けていた事をを打ち明けようと思った。
「すみません。貴方に相談があるのですが……」
「ん?」
「実は…………」
「ふむふむ、それで不老不死になった方がいいか、そうでないかと。」
「はい……私はいったいどうしたらいいのでしょうか?」
答えの無いと分かっている。それでもより良い結果に結びつけたいと思って彼へと問いかけた。
「正しいとか間違ってるとか分からない。はっきり言えることは自分の事は自分自身で考えて決めろ。僕に決めてもらうなんて甘ったれたこと言ってるんじゃない。」
しかし彼の口から突然放たれたのは冷たい言葉だった。
「……!!。でっ、ですが!」
何日も真剣に考えていたにも関わらず軽く流されたことに腹が立った私は言い返そうと思って口を開いた。
「一つ言えること。それは今諦めるということは、お前は此処で暮らす人々を諦めると言うことだ、此処で暮らす人々を……捨てるという事だ。」
「………………。」
しかし私は彼の重みのある様な言葉に黙らされてしまった。
「それでもいい、構わないというなら……」
「言うのなら?」
「未来で生き返ってから悔やめ、悲しめ、反省しろ。限りある時間にそんな勿体無いことしないで未来で何する考えてろ。そっちの方が有意義で楽しいさ。」
そして彼は今の世の中を嘲笑うかのように言った。
「……はい。忠告ありがとうございます。」
私は彼にこのことを言ってよかったと思った。自分にはやらなくてはいけない事があるとはっきりと自覚出来たからだ。
「第一にお前には僕よりいい相談相手がいるんじゃないのか?」
「えっ?」
「太子様ぁぁぁぁぁ。」
「見つけましたぞぉぉぉ」
私が振り向くとそこには私の大切な従者の姿がそこにはあった。
「大事にしろよ。」
「えっ、は、はい!あれ……?」
私がそう返事をしたが返事は無く、私の周りにはもう誰もいなかった。
「太子様!昼までには戻ると言っていたのに遅かったので心配しました!」
「全く、だから心配は無いと言ったではないか。」
「そういうお前こそ必死で探していたではないか。」
「なんだとぉぉぉ。」
そんな様子を見て私は幸せな時を感じて微笑み
「お二人とも屋敷に戻りましょう。」
未来に希望を託す事に決めた。
町が寝静まったころ私は彼女の部屋を訪れた。
「あら?神子様ではありませんか。何か御用ですか?」
その部屋には一本の蝋燭が燃えていて中には例の仙人、霍青娥が座っていた。
「例の件。引き受けることにします。」
「まぁ?ご決心なさられたのですね。」
「えぇ……まぁ一つ心残りがあるとすれば……」
そう言うと彼女が閉めていたはずの襖が勢いよく開き、二人の女性が入ってきた。その女性は
「布都?屠自古?どうして貴方達がここへ?」
「私達は太子様について行くと決めました!」
「何があってもお傍にいます!」
「二人とも…………」
私なんかのために……私はそう思って涙を流した。
「決まりですね。準備は宜しいですか?」
「えぇ。」
「あぁ。」
「勿論だ。」
そう言って私達は彼女の用意した薬を飲み込んだ。
私は薬を飲んでから体調を崩して寝込むようになった。
薬のせいでこの身が辛くなっても構わない。自ら望んだ結果であり、私には固く決して揺るがない意志があるからだ。
唯一……心残りがあるとしたら
話していた時に次節聞こえてきた淡く弱々しい思い、虚しくも長い間独りでいた悲しみをもっていた。そんな彼に私はお礼すら言えなかった……
「私は……貴方に友と呼べるような人物が出来ることを……切に祈ります……。」
彼にはその声は届かないだろう。でも私はこう呟かずにはいられなかった。
短編の奈良編は終え次は妖怪の山編です。多分二話構成になります。塾や授業が本格的に始まって、更新速度が落ちてまうかもしれません。グダグダと書きたい……今回も最後まで見てくれた方々ありがとうございます。