司「んなこと。早々にないだろ。アホか。」
でも自分が何か取りに行ったのに目的忘れたり、探している物が何分も探したのに他の人が探すとすぐ見つかったりとか無い?
司「ねーよ。益々アホじゃねーかよ。」
後、あんま似てないけど雰囲気で決めつけて失敗したりとか……
司「もういいわ。本編へどうぞ……」
後は……
「なっ!何を言っておるんだ!」
僕がそう言うとさっきまで黙っていた天魔が血相を変えて言ってきた。何か問題でもあったか?
「冗談も休み休みにしろ!第一にお前は鬼を舐めすぎだ!」
「いや?別に舐めているわけじゃないんですけど……」
「ハッハッハ。なかなか面白い事を言うが、私達はそれなりに力に自信があってな、あんまり舐めていると怪我では済まないぞ。」
「そうだい、アンタみたいなひょろひょろな人間は尻尾巻いて逃げた方が得策だよ?」
と二本角の鬼がそう言った。
うるせぇな。このチビ鬼が……
全く……見た目で判断する奴が多すぎだ。僕ははぁ……溜息をついた。周りを見てみると天魔と一本角の鬼はキョトンとして二本角の鬼は顔を赤くして右腕に妖力を込めていた。あれ?口に出てたか。
「ほぅ、そこまで言うならアンタの実力を見せてもらおう…………かぁ!」
彼女はと言った瞬間、僕の元へ急接近してきた。三メートル以上離れていた距離が一気に縮まり、僕の腹に向かって殴ってきた。
「よっとぉ!成程これが鬼の力というものか、噂以上だなぁ……」
僕は殴られるのも嫌だったので左手に彼女以上の妖力を込めて、取り敢えず片手で受け止めた。その様子を見た二人は顔に戸惑いの表情を浮かべ、殴った当の本人は驚きのあまり脱力してしまった。それを見ていた一本角の鬼は急に笑みを浮かべてきた。
「ふーん。いいだろう。そこまで言うなら私の本気を見せてあげるよ。」
「ちょっと!勇儀!いくら何でもそれは……」
「いいじゃないかちょっとくらい。そっちは……確か司と言ったな。私は本気の一撃をアンタに打ち込むけどいいかい?」
「早く終わってもらえればもうなんでもいいです……」
何か面倒な事に……だるいな。と思ってそれ以上の言葉を続けれなかった。
「さて、手加減はしないつもりだから覚悟しな!私の名前は星熊勇儀さ。名乗ってなかったから今のうちに言っとくよ。」
「戦いの前に名乗るんですね。鬼って思っていたより礼儀正しいのかも。あ、知ってるかもしれませんが司です。宜しくお願いします。」
「まぁ、私と萃香は鬼の四天王って言われてるからね。いくよ……」
奥義
三歩必殺!!!!
一歩目
凄まじい妖気とスピードで司の元へ踏み込み
二歩目
ありったけの力を腕に込め
三歩目
彼女は力ある限り司を殴った。
二人が激突すると地表の砂は辺り一帯に舞い上がり、物凄い勢いで巻き起こる気流は山野の木々を大きくしならせた。
そして勇儀と司が激突して数分後、ようやく砂煙が晴れた。
二人が激突したところには直径五メートル程のクレーターが出来ており、そこからは二本の線が引かれていた……地面を抉るように。
そこで彼女らが見たのは
腕を振り抜いた星熊勇儀の姿と
息切れしながら彼女の拳を受け止めている司の姿だった。
「ま、まさかその弱っちいような腕で受け止めるなんて……」
「や、奴は一体……」
天魔と萃香だっけ?が何か言ってるけど気にしない。
「ハッハッハ。本当にアンタにはびっくりだよ。私の力を出し尽くしたってのに。何者だい?」
勇儀はゼイゼイと息を切らせながらガクリと膝から地面についた。
「あはは、自分でもよく分かりません。ちなみにしばらくこの山には居てもよろしいですか?」
僕は彼女の肩を自分の肩にあずける様な形にして立ち上がった。
「あぁ、幾らでも泊まっていくといいさ。あと敬語は使わないでくれ。」
「やっぱり僕の敬語って変ですか?」
疲れているはずなのに快活な表情をして言う彼女に僕は不審を覚えた。
「アンタみたいな強い奴が敬語なんて使ってるとこなんて早々無いさ。」
やっぱり僕が使うのは変なのか……
その日から僕は妖怪の山に住むことになった。主にかおりと一緒に光学迷彩の設計図を作成したり、彼女の発明品を改良したりした。僕からは腕輪だけじゃ申し訳なくなり仮面も見せた。僕が仮面を外すと聞いた天狗達が一斉に来た時の威圧感は凄かった。そんなに僕の顔見たかったのか?え?仮面の方?すみません。後はあの狼天狗と将棋や囲碁を打ったり、萃香や勇儀と軽く飲んだり喧嘩をした。鬼の軽くは半端ねぇ。妖怪の山に住んでから数ヶ月経ち、かおりの光学迷彩の設計図が出来た。あの時は腕輪に転移能力をつけた時並みに嬉しかった。そして目的を達成した僕はまた旅を続けることにした。
「お世話になったね。楽しかったよ。」
「おう!また待っているぞ」
と天魔
「次会った時までにもっと強くなっておくんだよ!」
と勇儀
「次こそは負けません!だからまた一局宜しくお願いします。」
と檜
「全くまた寂しくなるねぇ……暇だったら飲み明かしに来なよ。」
と萃香
「本当に……本当にありがとう……いつかまたこの山に来てね……」
かおりは涙を浮かべながら言った。
「みんな本当にありがとう。きっと生きてりゃ会えるさ。じゃあね。」
僕は妖怪の山の土地を踏みしめながら後にした。
妖怪の山を去ってしばらくしたとき、不思議な服を着た。金髪の女性が扇子で口元を隠しながら挨拶してきた。
「こんにちは旅のお方。」
「こんにちは。」
僕はその挨拶を適当に返して目線をその女性から外して歩き続けた。
「え?ちょっとちょっと!待ってよ!」
どうやらその反応が意外だったのか彼女は狼狽えた。
「はい?私ですか?」
「貴方以外の誰がいるのよ……」
彼女は不快感を露にしながらこう続けた。
「貴方は妖怪と人間が共存出来ると思うかしら?」
共存?
「はて、共存の意味が分からないから答えられないね。」
「え?そんなの決まっているじゃないの。」
「妖怪と人間が一緒の枠組みの中で生きていくことか?」
「そうよ。分かっているじゃない。」
彼女は不快感を違和感へと変えた。僕はその違和感を少し不快に感じてこう言った。
「だったら今この時点で共存が完了している。」
「えっ……」
「この世界の中で妖怪と人間が生きている。殺し合い、迫害しあい、隔離して、自分達の方が正しいと正当化しあっている。だが、同じ枠組みの中で生きている。」
「そっ、それは!」
「共存とは言わないのか?」
「…………。」
彼女は顔色を変えなかった。しかし扇子が小刻みに揺れているところを見ると何も考えていない訳では無さそうだった。
「第一に君の目指している共存とやらは人間と馴れ合うということかい?生憎僕は共に生きてもいいけど馴れ合いはやだよ。弱い奴は弱いまま食われてしまえば良いんだよ。」
「で、でも!」
「でも……何?それは君の願望であって僕の考えでは無い。ここまで言っても僕の言葉を理解出来ない、理解したくないというならば…………
「自分の力でやってみろ。僕に提示して証明してみせろ。屁理屈でも何でも言われないくらい完璧にやってみろ。時間はいくらでもある、僕はいつでも待ってるさ。」
彼女はこの言葉を聞くとバチンと勢いよく扇子をしまう音立てて後ろを向いた。
「見てなさい…………」
彼女はそれだけ吐き捨てると再び不気味な空間を開き去っていった。
「全く人間も妖怪も神さえも宛になんねぇな。」
…………本当に信じられるのは自分しかいないと汝は気づいているはずだが?…………
「本当に世知辛い世の中だよな。」
…………そうであるからこそおもしろいんじゃないか?…………
「違いねぇよ。」
僕はそう言って森を抜けた。
という訳で間に挟む予定だった二つの物語は完結です。次は平安時代に入ります。物凄くやりたい事がありすぎて、五十話くらいは使っちゃうかもです。その次は幻想郷に入って行きます。
司「だから早いってば。」
それでは最後まで見てくれた方々ありがとうございます。