司「まぁ、くだらないことなんだけどね。」
まず、蓬莱の薬の自己解釈がありますので原作に完璧に忠実ではありません。
司「今更感が半端ねぇ。」
言っちゃダメだよ。それとこれからは三千文字超えを目指して小説を書いていきます。それでは本編へどうぞ。
「そう言えば、アナタが今仕えている藤原不比等とか言ったかしら?今日の昼に蓬莱の玉の枝を持ってきてたわ。一瞬本物かと思ったけど、職人が詰め掛けてきたお陰で贋作だと分かったのだけれど、あれは久しぶりに冷や汗をかいたわ。」
「成程……そのような事が起こっていたのですか。」
だから不比等さんが凄くがっかりした顔で帰ってきたんだな。
「こんなにも冷や汗をかいたのは地球に落とされるって言われた時くらいかしら?」
「え?かぐや姫はこの土地にて生まれ育ったのではないのですか?」
「えぇ、まぁそうよ。というかこんな突拍子の無い事信じるの?アナタって本当に面白いわ。」
「ハハハ、褒め言葉として受け取って頂きます。」
かぐや姫って月から来たのか。ロケットが着いてからどうなったんだろうか。
「ではかぐや姫は月の人という訳なのですか?」
「いいえ、厳密には違うわ。ある事情があって、地球から移住したの。私は移住する前に生まれたから地球人よ。」
ある事情というのはまぁ穢れの事だろうな。その事を聞いて良い顔する奴はいないだろうな…………例外を除けば
「もし良ければ、その話を明日にでもお聞かせ下さい。」
「もう帰っちゃうのかしら?まだ月が綺麗に見えるのに。」
「かなり長話をしたと思うんですが……まぁ、また明日会えますから。」
「ねぇ、昼とかに来れないのかしら?私はいつでも空いているわよ?」
「私がかぐや姫に通われるのを見られるのは余りいい事では無いと思うのですが……。強情ですね、何回目だと思っているのですか。」
「そんなの知らないし、私は気にしないわよ。アナタって少し神経質すぎないかしら?」
「まぁ旅人ですからね。それではまた。」
「明日の話は長いから少し早く来なさい。」
「承知しました。」
僕は屋敷を出てから腕輪に魔力を込めると不比等さんの屋敷まで転移した。
「私って月から来たって言ってたかしら?」
次朝僕は不比等さんに呼ばれた。
「……して、かぐや姫はなんと言っていた。」
凄く顔が暗いな。まだ残念なんだろうな。まぁ大金を掛けたのにそれも水の泡になっちゃったしね。
「そうですね。不比等さんの持ってきた蓬莱の玉の枝は贋作と言えど素晴らしい物であって、一目見ても気づくことは出来なかったとおっしゃってました。」
「そう……か。分かった、報告ありがとう。」
不比等さんは心無しか表情が柔らかくしてそういった。
「いえいえ、私に出来ることはこれと、娘さんのお世話くらいしかできないので。」
「いやいや、それだけでも充分さ。妹紅なんて私と向かい合って話す事なんて昔じゃ考えられなかったものだ。君はある種の救世主なんだよ。」
「いえいえそんな、滅相もないです。私が平安京に泊まって、これまでとは違った有意義な時間を過ごせたのは貴方のおかげですから。」
「ハッハッハ。お互い様と言う事だな。」
「そのようですね。」
不比等さんとの話を終えたあと僕は不比等さんの娘である妹紅のいる部屋に向かった。
「司ー。今日は何して遊ぶの?」
僕が部屋のドアを開けると彼女はそう言って、僕の元へ駆けてきた。
「そうだね。どうしようかね。」
「そうだ!今日もお話してよ!」
「お話かい?分かった、えっと何処からだっけ?」
「そこの街にいた神様と一緒にご飯を食べるお話。」
「よく覚えてたね。偉い偉い。」
「もう!子供扱いしないで!」
「分かった分かった。それじゃあ始めるよ。そこの神様と真司はすごく仲のいい友達だったんだ。それで二人で協力して、彼等の友達に悪戯しようと食堂に行ったんだけれども………………」
「アッハッハッハ。何それ真司と神様ってツいてないね。」
「その後その食堂にはもう二度といかなりましたとさ。おしまい。」
「ハッハッハ。あぁ笑った笑った。それにしても司の話って面白いね。どこからそんな話聞くの?」
「なに、長いこと生きてれば面白い話の一つや二つくらいできるさ。」
「ふーん。司ってすごく若く見えるけど何歳なの?」
「そうだなぁ。軽く千はいってるな。」
「うわぁ、つまんない冗談はやめてよ……。」
「ひでぇこと言うな。お兄さん泣くよ?」
「はいはい。ごめんなさい。」
「じゃあ出掛けてくるよ……」
「じゃあ、お土産に団子買ってきて。」
この子は容赦のない子だった。
僕は不比等さんの屋敷から出た足であるところへ向かっていた。そこは
「あら?思ったより今日は早かったわね。」
「早く来てほしいとおっしゃってませんでしたか?」
「それにしても早過ぎるわよ。まだ、昼食が過ぎたばかりじゃない。」
現在羊の刻前。時計で言えば一時半頃ってとこかな?あってるよな?
「それじゃあ話すわよ。これは本当の話で決して嘘ではないわ。あまり気にしてはいなかったけど取り敢えず先に言っておくわ。」
「心しています。」
「成程……それで月へ向かったというわけですか。」
「そゆことよ。これらは聞いた話だから、私が胸張って堂々と言える話では無いけどね。」
「……そうなんですか?それは一体どなたに?」
「それは私のお世話係兼教育係だった。
八意永琳という人物よ。」
「…!!、そ、その八意永琳という人はどんな人でしたか?」
「頭脳明晰、容姿端麗。少し頭のおかしい科学者なのだけれども自他共に認める天才。完璧な人間だと言われてたけれど、月に来た当初は乗組員で永琳の執事であった人物が妖怪達との戦いで死んでしまったのを目の当たりにして自分が悪いんだ、あの時こうしていればなんて言って自分の事を責めていたわ。」
「は、はぁ。」
確かにあのロケットに乗れていれば月には行けたかもしれない……しかしそれだとロケットを発射できたか危うかった。……難しいな。
「そのせいでしばらくは落ち込んでいて、部屋に引き籠っていたのだけれど、ツクヨミ様って方から話を何か聞くと吹っ切れて、地球にいた時の調子を取り戻したらしいわ。その後私のお世話係兼教育係に任命され私に色々なことを教えてくれたわ。」
「そんなことがあったのですか……」
手紙は逆効果かと思ったけれど、書いといてよかった。
「その後、彼女は研究に研究を重ねた結果あるものを作り上げたわ。」
「あるもの?」
「それは……
どんなに穢れた地にいようとも、摂取すれば死なずにいられる薬。蓬莱の薬という物よ。」
「……それはつまり不老不死になるという事……凄い物なんですね。」
「えぇ。凄まじく凄い物よ。でもそれを飲んだせいで私は地球に落とされてしまったの。」
「えぇ!何故?」
「月には元々穢れというものがないから、死にはしないから蓬莱の薬は意味がない。その上穢れを寄せ付けないように、穢れを大量に生み出すの。」
「成程。だから月から追い出されてしまったという事なのですか。」
「えぇ。でも私は後悔してないわ。だって毎日がこんなにも楽しくなるなんて思っていなかったわ。毎日が退屈だった月にいる頃よりは何倍もマシよ。」
「そうでしたか。」
「さて、もう今日は日も暮れてきたし帰りなさい。」
「わかりました。今日は本当にありがとうございました。」
僕が立ち上がり襖に手を掛けた。
「司!」
すると、彼女は大きな声を掛けてきて
「今日はありがとう。また明日も来なさいよ……。」
続けてきた。
「わかっていますよ。また明日会いに参りますよ、かぐや姫。」
僕はかぐや姫の事をちょっとだけだけど知れた気がした。
帰りにみたらし団子を買ってきたら、妹紅がびっくりしてた。本当に買ってくると思わなかったんだろうなぁ……
「そうですか。それでどんな悪戯を?」
「それはな、お前の能力を使って、目の前にゴキブリを落とすんだよ。」
「生物は無理だし、何だか地味だね。まぁやれない事は無いけど。」
「よし!決まりだ。決行は今日の夜だ!」
「あらあら?何を決行するのかしら?」
「それは勿論。永琳、依姫、豊姫達に悪戯をだ……な…………。」
「あ……。」
「そんなこと考える暇があるのならきちんと仕事してください!」
「言っておくけれど、私はやられたら何倍にも利子をつけて返すからね?」
「そうだわ。よく仕事がしたくなる。薬を処方してあげるわ。」
「ひぃ〜。助けて真司!」
「ヨミが誘ったんでしょ。まず僕もやられそうだから無理。」
「あらよくわかってるじゃないの。流石真司ね。」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
食堂にツクヨミの叫び声がこだました。
それでは最後まで見てくれた方々ありがとうございます。