東方堅軟録   作:こたつ@ミカン

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早めに書き終えてしまったため、今日は早めに出します。だからといって内容は薄くはありません。濃くしました。

司「三千文字いけてよかったね。」

本当です。それでは本編へどうぞ。


叶うはずの無かった二つの我侭

ある満月の日の事。あるものが宇宙を越えて地球のある場所へと向かっていた。

 

 

 

 

「あれは一体?」

 

かぐや姫を守る兵士達の視線の先には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大きな貴金属で出来たであろう乗り物に乗ってやって来た月の兵士の姿があった。

 

「敵襲だ!!追い払え!」

 

「かぐや姫をお守りするんだ!」

 

地上の兵士たちは誰かのその声を聞くやいなや矢を放ち初めた。だが時代遅れの武器は最先端の乗り物に傷一つつける事は出来なかった。手持ちの矢がなくなる頃にはその乗り物はゆっくりと地上に着陸していた。しばらくすると、ドアが開いて何人かの武装した兵士と銀髪の女性が降りて来た。

 

「ここから先には行かせない!」

 

「何が何でもかぐや姫をお守りするんだ!」

 

矢が尽きた兵士たちは剣を構え、月の兵士達へ向かっていった。月の兵士達は特に驚いた素振りも見せずに手に持っていた銃を構え、地上の兵士達の額を撃ち抜いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれこの地の兵士達は野蛮ですねぇ。砂煙がついてしまいましたよ。」

 

「仕方ねぇさ、色々と遅れてるんだからな。」

 

「あー、空気が汚くて気持ち悪い。だから来たくなかったんだよな。」

 

「確かにそうだね。ひなのんはどう思う?」

 

「別に…………。」

 

「ちぇ、無口モードかよ。」

 

「そんなこと言ってないで輝夜の元へ急ぎましょう。」

 

 

「「「「「了解。」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姫一緒に帰りましょう。」

 

私がはっとして振り向くとそこには私の最愛の師が立っていた。

 

「永琳…………。私の最後のお願いをきいて欲しいの。」

 

「何でしょうか?」

 

「月で退屈していた私に楽しむことを教えてくれた貴方に、自分の悲しみを抑えて私に楽しむことを願ってくれた貴方に、最後の…………最後のお願いをしたいの。」

 

「…………わかったわ、何でも言いなさい。」

 

何かを感じ取ったのか雰囲気の変わった彼女に私は私の心の奥底にある思いをぶつけた。

 

「つまらないお願いかもしれない……それでももう嫌なの。月に戻りたくない……。永琳……私を助けて…………。私と一緒に地球に残って!!」

 

それを聞くと少し驚きを感じたみたいだが、彼女は私を抱きしめて耳元でこう囁いた。

 

「勿論よ。貴女がそう強く願うのなら私は月なんか放り出して貴女を守り抜く。そしてまたこの地球で生きていくわよ。」

 

私はその言葉を聞くと彼女を抱き締めたまま泣いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、永琳。輝夜は見つガッ……!」

 

月の兵士の一人がまだ開いてない襖を開けると額に矢を放たれた。

 

「おい!どうした。しっかりしろ!」

 

「永琳……何のつもりだ?」

 

と兵士の一人が聞くと、彼女は矢を再び構えて言った。

 

「別に?私は姫と一緒にこの地球に残ると決めたのよ。」

 

「アッハッハッハ。何それ?私達に適うとでも思ってるの?いくら永琳さんといえどこの状況は難しいんじゃないの?」

 

月の兵士達は彼女の言葉を聞くと身につけていた武器を取り出して、二人へと向けた。

 

「…………ッ!!」

 

月の兵士は残り四人。しかも彼らは部隊長を任せられるほどの超精鋭部隊。要するにエリートだ。そんな彼らに叶う知識はあっても戦力が足りなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしよう。私には何も出来ないのかしら……。」

 

永琳の背中を見て彼女はそう呟いた。自分の無力さだけが身に染みて、悔しさで何も言えない時、不思議な仮面をつけた彼の言葉のことを思い出していた。聞こえないふりをしていたが、聞こえていた言葉を

 

 

 

「他人まかせか…………。」

 

その通りだった。永琳に任せる、都の兵士達に任せる、私のために頑張っている人がいるのに私は何もしない。何もできない。

 

「ならどうすればいいのよ……どうすれば正しいのよ……力のない私にはどうすれば良かったのよ!!」

 

彼女がそう叫ぶと、これまで無口だった。一人の兵士が口を開いた。

 

「私にもそんな事を思う事があった……自分の無力さに胸が張り裂けそうになった。だから私は強くなるために死ぬほど修行した。もう失うのは嫌だから…………。」

 

「妃奈乃さん……」

 

「取り敢えず帰りましょう。話す時間はいくらでもありますから。」

 

そう言って剣を収めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

私に諦めろって言うの?この楽しい時を……これから続くであろう退屈しない日々を……?

 

 

「……嫌よ。」

 

「姫?」

 

今の私、蓬莱山輝夜は貴女の言葉で簡単に動く様なやわらかい意志の持ち主でない!

 

「嫌よ!絶対に嫌よ!!もうあの時の生活に戻りたくない。今の生活が楽しいの!今の生活が好きなの!だから!!」

 

 

 

 

 

私は言葉にした、伝わらなかったから。逃げるのは止めにした、…………逃げてばかりじゃ何も変わらないから。

 

「だから……だからお願い!醜くてもいい、汚くてもいい。泥臭かったって、狡いって言われてもいいから!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私を助けてよ!司!!!」

 

 

初めて声にした私の心からの思い。それに呼応したのか分からないけど持っていた腕輪がその言葉に反応し、光出しながら宙に浮いた。そして、腕輪がピカピカと光ったかと思うと一際輝く真っ白な光を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達の目を再び開くとそこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真っ赤な仮面をつけた青髪の青年が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「司!!」

 

「全く…………。僕の大切な物だから大事にして下さいと言ったのに…………。」

 

そう言われて腕輪を見ると、傷が多くつき、色も剥げかけていた。

 

「それで。こんな夜更けに何の御用ですか?」

 

知らばっくれて……分かっているくせに。

 

「私達を助けて!貴方の力がほしいの!」

 

私はすぐ様彼に告げた。彼は少し驚いた表情をした後にある事を聞いてきた。

 

「ちなみにかぐや姫にとって僕ってなんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方は……私を一番理解している友達よ。」

 

間髪入れずに私は答えた。私自身その反応に驚いてはいたが、それを聞いた彼はだるそうに溜息を吐いた。

 

「それならしょうがないですね。友達のために一肌脱いであげますよ。」

 

友達の為じゃ仕方ないね……彼はそう一人呟きながら剣を引き抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼が剣を構えると彼に撃ち込んできた兵士がいた。

 

 

「貴方…………何で生きているんですか?」

 

「ひなのん?」

 

「ん?死ななかったからだからかもね……。それにしても元気そうで何よりだよ。…………橘。」

 

「…………ッ!!生憎私は結婚しましたので今は上原ですよ!」

 

そう言って彼女は剣を振り抜くと竜巻が生まれ、屋敷を木っ端微塵に破壊した。

 

「永琳。ここは僕に任せて、早く行け。」

 

「わ、わかったわ。姫早く!」

 

「え?、えぇ。わかったわよ。」

 

と言って彼女らは近くの森へ入って行った。

 

「畜生!まちやがハッ…………。」

 

彼女らを追いかけた兵士は司に腹を深々と斬られ、その場に倒れた。

 

「貴方……一体何者ですか?その力は人間が生きている中でで決して身につくものではないはず。なんて言っても凄まじすぎる。でも妖怪のように穢れているわけでは……」

 

と彼のことを不思議に思った兵士がこう呟いた。

 

「いえ、あの人は妖怪よ。大妖怪なんかでは表すことが出来ないくらい……そうね、ツクヨミ様でも叶わないかもしれない。」

 

「まぁ、橘…………今は上原か、上原の言う通りだな。自分を誇張するつもりじゃないが、ツクヨミ程度で殺されるようなやつではないと思っている。」

 

「ひなのんの旧名を知ってるし何者なの……。」

 

「さぁな。」

 

「さて、取引を使用じゃないか、上原。」

 

「取引?」

 

「あぁそう、取引だ。」

 

司はそう言ってロケットのてっぺんに座わりこんだ。

 

「取り敢えず、月に帰って貰いたい。永琳やかぐや姫は諦めて欲しい。」

 

「ふーん。それで、諦めたら何をしてくれるの?」

 

彼女が聞くと彼は能力でロケットの装甲を柔らかくし、力いっぱい押した。すると、兵士達の放った矢を軽々と弾き返したロケットの側面がギィィと音を立てて凹んだ。

 

「ロケットを壊さないでおいてやる。」

 

「貴方……本当に何者なの……。」

 

一人を除いて他の兵士達は顔を青ざめて口々に言った。

 

「後はこのことをツクヨミや綿月姉妹には言わないでおいてくれ。」

 

「わかった……それじゃあ味方の回収して帰りましょう。」

 

「え?えぇ。」

 

「それじゃあよろしく。よ……っと」

 

彼がロケットから降りた。彼女は彼とのすれ違いざまにある事を聞いた。

 

 

 

「貴方これからどうするつもりなの?」

 

「これまで通り旅を続けるさ。」

 

司は立ち止まることなく簡単に答えた。

 

「永琳さんにはあわないの?」

 

「僕は過去の人間だ。死んだことにしておいた方がいいんじゃないか。」

 

彼が飄々と答えると彼女は剣をいきなり彼の眉間に突き立てた。

 

「貴方が核爆弾の中やこの地で何を思ったか知りませんが、私は貴方に会えて嬉しかったんですから。そんな軽率な事言わないでください。」

 

微かだが腕は震え、歯はがっちりと固まっていた。

 

「……はいはい。それにしてもよく僕だって分かったね。」

 

「あの時戦いを終えたあとには髪の色も仮面の色も変わってましたからね。そこから見た目は全く変わってませんね。」

 

彼女は落ち着きを払って剣を収めた。そっか、最後あの時に来てくれたのお前だったもんな

 

「それじゃあまたいつか会いましょう。」

 

「元気でな。」

 

別れを言ってしばらくすると歪な形をしたロケットは月を目指して飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃永琳達は森を抜け竹林に入っていた。

 

「ハァハァ。こ、こまでくれば……大丈夫、でしょ……。」

 

「え、えぇ。まぁ何とか逃げきれたと言うわけですか。」

 

「取り敢えず、こ、こで一休みしましょう。」

 

「えぇ。」

 

二人は近くにあった切り株に腰をおろした。

 

「それにしても、仮面の彼は何者なの? 」

 

「私にも分からないわ。なんでこの腕輪から出てくるなんて…………」

 

輝夜は少し呼吸を戻してから袂にあった腕輪を取り出してしげしげと見つめた。永琳には見覚えがある形をしていた。

 

「少し見せてくれないかしら?」

 

「えぇ。どうぞ。」

 

永琳は輝夜から受け取って、腕輪の中を覗き込んだすると掠れた文字で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

K.S

 

と小さく彫られていた。

 

「こっ、これは!!」

 

と叫び、彼女は腕輪を落としてしまった。

 

「え、永琳!どうしたの?」

 

輝夜は驚きの余り叫んだ。

 

「い、いえ、何でもないわ。少し疲れてしまったみたいだわ。」

 

「そ、そう?じゃあ少し休んでから行きましょう。」

 

「えぇ。そうね。」

 

 

 

ただ疲れを休むつもりで大木に背中をあずけたつもりだったが、二人は夢の世界へと誘われたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし彼女が「真司」に会えるのはまだまだ先だった。




これでこの章は終わりになります。キッチリと締まらない上にもこたんファンには申し訳ないですが、当分出てきません。ストーリーの上で不具合が少しあるので……次は命蓮寺編ですね。あぁ難しいです。それでは最後まで見てくれた方々ありがとうございます。
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