東方堅軟録   作:こたつ@ミカン

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書いている最中にあることに気がつきました。

血って乾くと黒くなるから仮面って本当は黒じゃーん!

ってというわけで仮面は赤く塗ったと言うことでおねがいします。それでは本編へどうぞ。


なかなか受け入れてくれない

「ただいま。誰かいる?」

 

僕は不平等さんの屋敷に戻ってきて言った。しかし返事は無く、それを不思議に思った。

 

「不平等さん!妹紅!…………いないのか?」

 

屋敷には物音一つなく、外の音しか聞こえなかった。

 

「どうしたんだろうか……」

 

僕は黙って出ていくのは申し訳ないと思い、置き手紙を書いて、屋敷を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平安京の街ではかぐや姫の事で話題が持ち切りだった。住人や旅人などすれ違う人や立ち話をしている人の殆どはその話をしていた。司はその話に飽き飽きしていたので街の人気が少なそうな所をぶらぶらと歩いていた。

 

 

「ふーん。こんな所に店とかいっぱいあるんだね。隠れた名店みたいな感じ?」

 

と独り言をぶつぶつと言いながら歩いていると、人がいないはずの場所に人だかりが出来ていた。

 

「何してんだろう?」

 

彼は気になったので、近づいてみた。そこで目にしたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼠の耳を生やした妖怪が人間達に攻撃されている光景だった。

 

 

 

「うわぁ、痛そうだね。」

 

と声を漏らすと、それまで夢中で殴り、蹴っていた人々が驚いて、声を上げた。

 

「お、お前!いつからそこに?」

 

「え?さっきですね。」

 

「何か用か?」

 

「いや?人気のないところで何やっているのか気になりまして。」

 

そう答えると一人の男が気味の悪い笑みを浮かべた。

 

「ほう、それにしても、アンタ一人でこんなとこ来るなんてついてないね。」

 

その男の言葉を聞くとそれまで鼠の妖怪を虐めていた人々がこっちを向いてきた。

 

「なぁに、金目の物を渡せば痛い目見ずに返してやるよ。」

 

と笑いながら言ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

要はカツアゲである。

 

「ハハハ、すいません。生憎私は旅の者でしてその様な物は持ち合わせて無いのですよ。」

 

すると彼はその笑いに答えるように笑い返した。その態度が気に食わなかったのかそれとも腹が立ったかは知らないがその男は青筋を浮かべて殴りかかって来た。

 

「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 

 

しかし彼はその拳を左手で受け止めてそのまま握り潰し始めた。

 

 

「ギャアァァァァァァァァ。痛い痛い痛いた痛い!!」

 

殴りかかって来た男がこう叫ぶと、その仲間らしき人物も襲ってきた。

 

 

 

 

 

が、その男にはアッパーを食らわすと簡単に伸びてしまった。

 

「すみませんすみませんすみません!もうしませんからやめてください!!」

 

男の手がミシミシと軋む音がし始めると彼は拳を離してやった。男は自分の手が心配したのも束の間、彼の顔を見るとすぐに青ざめた。

 

「ひぃぃぃぃぃぃ。逃げろぉぉぉぉぉ!!」

 

その叫び声に呼応するかのように鼠の妖怪を虐めていた人々は倒れた仲間を気にすることなく走り去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、別に争うつもりじゃなかったんだけどな。」

 

夕焼けが見えそうで見えない空を見ながら彼は呟いた。すると彼の近くで声がした。

 

「あのー。助けてくれてありがとうございます。」

 

彼が目を向けると少し前まで攻撃されていた鼠の妖怪がゆっくりと立ち上がっていた。

 

「え、いや。たまたま僕が襲われそうになったから追い払っただけで、別にそんなつもりではなかったのでお気にならさずに。」

 

「それでも、助けてもらったには違いありません。」

 

「まぁ、それでいいなら何も言いませんが……」

 

「それにしても、貴方は妖怪にもきちんと敬語で話すんですね。」

 

「そうですね。可笑しいですか?」

 

「可笑しいというより変わってますね。私はそんな人見たことないので。」

 

「初対面の人には大体この話し方なんですよね。」

 

「そうなんですか?出来れば敬語を辞めて貰えませんか?」

 

それを聞くと司は溜息をついた。

 

「やっぱり、僕が敬語で話すのはおかしいんですね………」

 

「いえそんなことはありません!ただ貴方みたいに強い人が敬語で話すのは少し違和感を覚えますので……」

 

「よく言われます……」

 

「も、もし良ければ私の住んでいるところに来て下さい。お礼をしたいんです。」

 

「別にお礼なんていいんだけどさ……まぁ呼ばれてるんだからお言葉に甘えるよ。あぁそっちも敬語無しでいいよ。」

 

「え、うん分かった。それじゃあついて来て。」

 

彼は彼女のふらつく足取りを心配しながらついて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩くとそこそこ大きな寺が見えてきた。

 

「あれ?貴方の家ってお寺なの?」

 

「あぁ、そうだよ。あそこには僕の主人とその仲間たちが暮らしているのさ。」

 

「へぇー。」

 

そう言うと彼は溜息を吐いた。

 

「どうしたんだい?」

 

彼女は彼の少し疲れた様子に疑問を覚えた。

 

「どうやら僕はこのお寺に歓迎されていないらしいね。」

 

彼はこう答えて、彼女を思い切り押した。

 

「…………ッ!いきなり何をするんだ!!」

 

と押された彼女が振り向くと視界の先には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

轟音とともに大量の魔力弾によって引き起こされた砂煙があたり一面に広がっていた。

 

 

 

 

 

 

「なっ…………!!」

 

彼女がそう声を漏らすと彼女の後ろから二人の人物が声を掛けてきた。

 

「ナズー!大丈夫か!!」

 

「怪我をしているではありませんか。早く寺へ向かいましょう!」

 

「え?ちょっと?」

 

ナズーリンと呼ばれた彼女は驚いて何も言えなかった。事態が急変し過ぎて、頭が働かなかったからである。二人が彼女の腕を掴んだとき、砂煙の中から声がした。

 

「はぁ……だから言ったのに……。」

その声を聞くと腕を掴んでいた二人は再び攻撃の構えに入った。すると再び砂煙の中から声が聞こえた。

 

「めんどいな、えーっと名前聞いてなかったけど君。後始末の方と話の方は出来ればつけてもらえると助かる。僕は帰るから。」

 

「え?ちょっと待ってくれよ!」

 

彼女は混乱したままだったが無我夢中で叫んだ。

 

「させません!」

 

「貴方が再び来る前にここで倒す!」

 

そんな彼女の声も虚しく、隣にいた二人はもう臨戦態勢に入っていた。

 

「……はぁ、というわけで宜しく。」

 

彼は唐突につぶやくと、気配を消した。

 

 

「待ちなさい!」

 

「クッ……逃がしてしまいましたか。」

 

二人が砂煙の方を悔しげに見た後、彼女の方へ向き合った。

 

「二人とも?私の話を聞いてくれないか?」

 

彼女はようやく冷静になって話し合えると思った。

 

「すまない!私がいながら危険な目にあわせてしまって。」

 

「さぁ、お寺に戻ってご飯のしたくをしましょう。」

 

が、何とも的はずれなことを言い出したので、彼女は持っていた鉄の棒を思い切り地面にさして言った。

 

「星、聖。寺に帰ったら話があるので聞いてくれないか……。」

 

「「……?」」

 

二人はまだ彼女が怒っている理由を理解することが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから二月ほど経ったある日、町にはこんな噂が流れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

様々な姿をする化物がいると

 

 

 

 

 

ある者は化け狸といい、ある者は怪鳥といい、ある者は四足の妖怪だと言った。

 

無論まだその化物は見つかっていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日も天気が良くて気持ちがいいな。」

 

司が起きると朝ご飯の支度を始めた。台所に立ってふと目線を逸らすと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

襖の隙間から蛇が侵入してきたのを見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………さて、作るか。」

 

が、彼は気にせず料理を始めた。

 

「……!!」

 

その様子に驚いた蛇は狼狽えた。しかししばらくして音を立てずに彼に近づき、彼の足を噛もうとした。

 

 

 

しかしその蛇が咬む為に彼へと近づいた瞬間に彼は不意に足を上げて踵を蛇の頭がめり込ませた。

 

「…………!痛い痛いた痛い!!」

 

すると彼が踏んでいた蛇は悲鳴を上げて人型となった。踏み続けている彼は何の反応も無い。ただ淡々と料理をしている。

 

「すみませんすみませんすみません!!謝りますからその足を退けてください!」

 

「んー?そう?」

 

彼はそう聞くと足をどけた。蛇だった少女が頭を抑えながら彼に指を指しながら言った。

 

「いきなり何するんだ!後少しで頭が凹んでいたよ!!」

 

彼女はよくよく見ると涙を浮かべている、相当痛かったみたいだった。

 

「ごめんごめん。でも黙って家に侵入するのはよくないよ? 」

 

「だからって、頭を踏むやつがいるか!!」

 

顔色一つ変えない彼に憤慨しながら彼女は叫び続けた。

 

「まあまあ、落ち着いてご飯にしない?」

 

 

 

 

彼は少し苦笑いをしながらの言葉だったが彼女にも異論は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーっと君は鵺だね?」

 

司がそう言うと彼女は箸を少し止めて溜息をついた。

 

「ちぇ、バレちゃったか。呆気なかったなぁ。」

 

「因みに僕が君を泊めてるとこ見られるのは嫌だから他のとこへ連れてっていい?」

 

「はあ!?」

 

彼の言葉をうまく飲み込めなかった鵺は箸を勢いよく卓袱台に叩きつけた。

 

「え?やっぱり家があるのか……」

 

「そうじゃなくてさ……なんで私を助けるの?」

 

「助ける?何言ってんの?」

 

「え?」

 

彼女は驚いて彼のことを凝視した。

 

「僕が君を殺したって、得はないし、めんどくさい。だけど野放しにするとまたご飯をたかりにやって来そう。ならどっかに預けるのが得だと思うんだよね。」

 

「何その極論じみた事……因みに私をどこに追いやるつもり?」

 

「んー……命蓮寺ってところかな。」

 

「そこって妖怪が集まる寺って噂されてる?」

 

「そうそこ。じゃあご飯食べたら行こうか。」

 

 

その言葉を期に朝食を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あそこに見えるのが命蓮寺だ。」

 

「ふーんあれがか。」

 

鵺がそう言うと、彼は鵺の腕を掴んだあと命蓮寺の方へ投げ飛ばした。

 

「ちょ!ちょっと?何すんのさ!」

 

彼女が司の方を見ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かの衝撃波の影響で彼がいた場所の至る所にクレーターが出来ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「またかよ…………。」

 

彼がそう呟くとあの時と同じ様に二人の声がした。

 

「アンタが聖の言ってた、赤い仮面の男だね!」

 

「またこの寺を狙ってきたのですね!」

 

しかし前とは違う二人組だった。一人は船乗りの様な帽子をかぶりもう一人はフードをかぶっていた。

 

「さぁ!アンタを聖のところへ連行するよ!」

 

「大人しく捕まってください!」

 

その言葉を司が聞くと更に力が抜けてしまった。

 

「もういい………………帰るわ。」

 

彼は足に力を込め、思い切り跳んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう二度と命蓮寺に行かない。」

 

 

 

彼は心深くに刻んだ。




星とか聖ってナズーリンのことなんて呼んでるんだろか?とか、一輪の口調ってどんな感じなの?とか思いながら書きました。変じゃないはず……フラグじゃないよ?それでは最後まで見てくれた方々ありがとうございます。
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