司「びっくりというより、大爆笑だったな。」
まぁ感慨深いものがあるなぁなんて思いましたよ。
司「嘘こけ。」
それでは本編の方へどうぞ。
司(逃げたな。)
これは司が諏訪子と会う何年も昔の話。
彼が日本の西を歩いていた時のことだった。
「ふむ、なかなか大きなムラに来ちゃったみたいだね。」
彼の視界の先には木でできた、柵で覆われた大きなムラが静かに存在していた。しばらく様子を見ていると男の子の声がした。
「お、おい!そこの野郎!な、何しにこの村に来たんだい!」
彼が声のする方を見ると、鍬を持った、まだ十五歳にもならないような少年が声を震わせながら言っていたのを見た。
「これは失礼。私は旅の者で見事なムラだと思ってただただ見ていたという訳でした。」
彼の言葉を聞いて少年は首を傾げた。
「旅?それはとても珍しいね。ねぇ!じゃあ旅の話を聞かせてよ。」
「旅の話?……そうですね。ここから西へ行くと海が見えるのですが、その海を渡ると………………。」
彼は少年にこれまで見た人、生物、草木などを教えていった。
しばらく彼が話すと少年は警戒を解いて、その話に夢中になっていった。
「へぇー!じゃあ、空を飛ぶ生物を狩って暮らしている人々もいたのかい。」
「まぁ、そう言うのは固まった考えで、自分の見える範囲を狭くしては行けないということだよ。」
「ふーん。」
「おい君!一体何をしているんだ!」
暫く話していると槍を持った大人の五六人ほどが彼へと声をかけてきた。
「父ちゃん!」
少年はその光景を見て立ち上がり声の主の元へ走っていった。
「おお!無事だったか。」
「うん。そこの人、何か旅をしてて、色んな事を教えてくれたよ。」
「旅の者?これは珍しいね。そうだ!ぜひムラで話を聞かせて欲しいんだが、よろしいか?」
「えぇ、まぁ構いませんけど。」
「いいの?やったぁ!早く早く!家に案内してあげるよ!」
少年は司の手を取り引っ張って行った。しかしある男性がその手を掴んで静止させた。
「駄目だ。先に頭領様に話をつけないと……」
それを聞いた少年は残念そうな顔をして手を離した。
「そっか……そうだね。それじゃあ後でお話してね。」
そう言うと少年は走り去っていった。
「さて、それでは此方に来てください。」
司はそれを聞くと立ち上がり、少し状況が飲み込めない部分もあったが彼等について行った。
ムラの中を暫く歩くと、他の建物とは桁違いの大きさの建物についた。司は男達に連れられて、頭領様と呼ばれる人の家の前で待っていた。高床式の米が入ってそうな建物だった。
「頭領様。貴方様に会わせたい方が……。」
建物内から男の声が聞こえると苛立った声でこう返してきた声があった。
「なんじゃ!貴様らと話している暇ではないのじゃ!」
どうせ家にいてする事なんて何もねぇだろこの時代。と司は思ったが、彼は知らない顔で頭領様と呼ばれる人の建物を見ていた。
「どうか少しお時間を!ここらでは珍しい旅の方なのです。」
「ほう?旅の者じゃと?」
頭領様がそれを聞くと興味を持ったように独り呟いた。
「よい。入ってくるのじゃ!」
そしてブツブツと何やら声が聞こえたと思うと頭領様は急に声を張り上げた。
「それでは入ります。……くれぐれも失礼の無いように。」
神楽を除いた周辺の人達は溜息をついて囁いた。
司が中に入ると一人の大男がぽつんと、横になりながら、めんどくさそうにこちらを向いている、大きな男性が声をかけてきた。
「ふむ、貴様が旅の者か。随分と弱そうな奴じゃな。」
その大男は初対面の男に失礼な事を言ってきた。
「アハハ、別に強くなくても生きて行けるような生き方をしているので仕方がありませんね。」
司は動じる事もなく自虐気味に返した。男はそれを聞くと大笑いした。
「ハッハッハ、何時からこの地はそんな優しい土地になったのじゃろうか……まぁ貴様一人が何をしても我には叶わないのじゃからな。長生きしたいのなら我には逆らうなんて考えない事が身のためじゃ!」
司は何馬鹿な事を……と思ったが気にしないことにした。
「はぁ。承りました。」
「さっさと帰るのじゃ!。我は忙しいのじゃからな!」
「それでは失礼します。」
「失礼します。」
一通り挨拶を終えた彼等はそそくさと建物を出て行った。
「ってあれ?もうこんな時間?ただ来て説教して帰るってのも問題だから昼ご飯作るね。」
司が急にこう言うと聖やナズーリンは、は?って顔をして、星や鵺は待ってました!って顔をした。
「それじゃあ台所と食材借りるねー。」
彼は直ぐに立ち上がるとスタスタと歩き出して部屋を出ていった。
「ちょ、ちょっと待って下さい!台所は左です!」
一輪は何かに気がついた様子をしたと思うと少し的外れな事を言って司について行った。
「や、やっぱりさぁ!ムグッ、君のご飯は美味しいよ!最高だね。」
「こら星!食べている最中は喋らない!」
「そういやさ、私はいいんだけど皆は君の名前を聞いてなかったよね?」
ナズーリンが彼にそう言うと彼は箸を持ったまま溜息をついた。
「僕とした事が……自己紹介を忘れるなんてね……えっと僕の名前は司です。よろしく、質問は任せる。」
「はいじゃあ質問。それじゃあさ、初めて会ったときなんで蛇に見えるようにしたのにどうして無反応だったの?まさか私の姿って見えてた?」
すると直ぐに鵺は彼に疑問を投げかけた。
「うーん、簡単に言えば君と蛇における慣れだね。」
「慣れ?」
「聞くところ都で鵺は殆ど鳥の姿で見つかっていた。きっとそれは一番化けやすいんだろうね。派手だし。それが影響したかどうかは分かんないけど蛇には慣れてなかった。地味だし使い勝手が悪いのかもしれないね、化かしてる本人が分かるだろうけども。蛇を見たことがない人は分かんないかもしれないけど、君の化けた蛇は、蛇とは異質の雰囲気を出していた。僕みたいに旅を続けていると蛇と君の違いくらいは分かると思う。」
彼の話を聞くと彼女は、ふーん。と言って食べることを再開した。
「それでは、私から一つ。」
すると次は聖が口を開いた。
「貴方は何者ですか?そんな長い時間を生きているなんて人間だとは思えないのですが……」
「厳密なことは分かんない。だけど僕は人間ではない。妖怪の一種と言える。更に神力まで使えるから詳しくは調べてみないと分かんないね。妖怪に詳しい本とかは本当に無いからね。」
彼は静かに箸を進めながら淡々と答えた。
「そうなんですか……それでは後で書斎へ案内しましょうか?貴方が求めていそうな本があるかもしれないので。」
「え?それは助かります。ありがとうございます。」
彼はそう言うと、彼女へきちんと向き合って頭を下げた。彼女は微笑みながら手を振った。
「いえいえ。困っている方を救うのは私達の考えですから……」
「立派ですねぇ……っとそれでは皆さん食べ終わった頃なのでお話の続きにしましょうか。」
彼は何やら不思議な笑みを浮かべながら先程の話を続ける事にした。
ムラを見回りが終わる頃には暗くなってきて、ムラの一番大きな集会場らしき場所で皆は司を囲んで話を聞き始めた。最初は笑い声が多く聞こえてきたが彼の話が終わる頃には小さい子供達は寝入り、その場では酒の影響か怒鳴り声や叫び声が多くなった。
「全く頭領様は人使いが荒い上に偉そうな態度がムカつくんだよ!」
「そうだよ!私達が育てた米や捕まえた動物達も全部持って行って。私達の気持ちを全く考えようとはしない駄目駄目な頭領だよ!」
「まぁまぁ一杯飲んで落ち着いてください。そんなこと大声で言ったらお子さんが起きてしまいますよ。」
「おっと、それにしてはアンタは気が利くいい奴だね。アンタにムラを治めてもらいたいよ。」
ハハハ、どうも。などと応対しながら司はある事を思い、彼等に尋ねた。
「それなら何故反乱を起こさないのですか?頭領様に皆で立ち向かえばいいのでは?」
しかし、彼の話を聞いていた人は首を振りこう言った。
「頭領様には特別な力があって:未来を見る、事ができるのさ。その能力を一部の者達が頭領様を崇めた。そいつらにばかり贔屓をするんだ。そのせいで自分を守る兵士や農民達には多くの米や動物を与える。でもこっちには武器すらなくて……」
「成程……」
その後再び騒ぎだし、子供達が起きたらまずいという事になって夜の宴会はお開きになった。
彼が泊まって数日間経ったらある奇妙な姿をした男性がムラにやって来た。ムラに入るとすぐに彼の力で頭領様と呼ばれてた人の家を倒壊させてこう言った。
「我は天から参上した神である!今この地の悪者滅ぼした!我を信じよ!我を崇めよ!さすれば皆心も体も幸福が訪れるだろう!」
ムラの住民はすぐに理解が出来なかったが状況を理解すると大騒ぎをしだした。ある者は笑い、ある者は喜び、ある者は叫んだ。その様子を見ていた司は彼に近づいた。
「いいんでしょうか?こんな事して。」
彼は気に食わなかった。悪さをしていたからと言ってすぐに殺すのは。仮にも神様だろうと思ったからだ。しかし、神はこう答えた。
「私は神だ。私の行うことは全て正しいんだ。そんな事も分からぬ下等民族め。貴様らは黙って私に信仰していればいいのだ。ん……?というか貴様は人間でないだろう?穢らわしい妖怪めこの世から立ち去れ。」
神楽は突然の事にひでぇ言われようだと思ったが取り敢えず神にこの地を任せればいいと思い、気にせずムラから出ようと思った。
が、近くにいた少年が神に向かって抗議していた。
「そこの兄ちゃんは何もしてないよ!なのに何でそんなこと言われないといけないんだ!神様かなんだか知らないけどロクな奴じゃないね!」
それを聞くと神は顔を急激に真っ赤にした。
「人間風情が……私が絶対なのだ。私が全てなのだ……私に従わない人間など………………。」
死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
神は激昂からこの地一帯に神力の大量放出して凄まじいほどのエネルギーを生み出し、大爆発を引き起こした。
そしてその影響でそこにあったムラのが一瞬にして荒野へと変化した。
司の口調は段々崩れているのはナズーリンに敬語なしで他の人に敬語なのは彼がおかしいと思ったからです。次で命蓮寺編は終わりです。小説を書くのは楽しいんですが、色々と忙しいのに後回しにしてるのでやばいかもですね。
司「授業の予習とかやれよ。塾の宿題とかやれよ。」
それでは最後まで見てくれた方々ありがとうございます。
司「ちょっと待てよ。二回も逃げんなよ。」
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