神楽「これで誤字脱字があったらやばいよな……。」
フラグを建てないでくれよ…………。
今回は修学旅行のバスの中の投稿になります。それでは本編へどうぞ。
神綺がやって来てから約二十年後、神楽はこんなことを言い出した。
「なぁ、アリス。僕はもうそろそろ自立しようと思ってるんだ。」
「え、自立?」
彼女は彼の言葉をよく理解出来なかったので聞き返した。
「あぁ。ただ家にいてもする事が無い。あと女の子に養ってもらうなんて何か残念な男みたいだし嫌な訳だよ。だから何か職を見つけて働きたい。それに自分の家とか欲しいんだよね。」
「ふーん。それが貴方の意地って訳ね。」
彼の言葉を聞いて彼女は椅子に座りこう返した。
「違いないね……。よく分かってるじゃん。」
「何年一緒にいたと思ってるのよ。」
二人はそう微笑み合うとテーブルの上に置いてあった紅茶に手を伸ばした。
「ところでどんな感じの仕事をするつもりなのかしら?」
彼女の言葉に彼は顎に手を当て唸った。
「う~ん。さしあたっては何も考えてないけど、人里とか言うところで店でも開こうかな?なんて考えてたね。」
「人里で店?まぁ貴方は色々と万能だから何かするにしても上手くいくと思うんだけどね。」
「お褒めに預かり光栄ですよ、お嬢様。」
「真剣に考えて上げてるんだから真面目になりなさい。」
彼の不意のジョークは彼女に通じなかった。
「もうちょっと優しくしてくれてもいんじゃない?まぁいいけどさ……。」
彼は溜息をつきながらカップを置いた。
「取り敢えず人里で店を開くなら人里の守護者に話はつけておいた方がいいわよ。」
「人里の守護者?」
「えぇ。そこら一帯の管理をして、自警団のリーダーにも借り出される位の実力と人望がある者。名前は確か、上白沢慧音だったかしらね。」
彼の返事に彼女はこう返した。すると彼は目を少し大きく開き言った。
「あぁー、何かそういう人がいるってのは聞いたことがあるかも。手紙とか書いた方がいいって事かな?」
「まぁそうね。貴方ほど礼儀が正しければ余り問題は無いと思うのだけれどね。」
「第一印象は重要だよな?」
彼女の発言に彼は咄嗟にこう返したが
「そうだったわね。あの時のことはまだ頭から抜けないわ…………。」
「あ、あぁ。」
互いの初対面を思い出し、二人は顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。
「へぇ…………。ここが人里ってところか。」
後日、神楽は遠目に人里の様子を見ながらこう呟いた。手には茶封筒を持ち、剣は持ち込んでいなかった。
「働いて稼げるようになったらバックとか買いたいな。今思えば白玉楼に置きっぱなしだし……。アリスの恩返しもしないと。」
彼は一度止めた足を再び動かし人里への距離を縮めて行った。
しばらくして少し大きな門が立ち、自警団と思われる人々がその門の前で話をしていた。神楽が近づくと彼等は視線を彼に向け不思議そうな目をして彼を見ていた。神楽が門をくぐろうとすると彼は道を塞ぎ、彼へと質問を始めた。
「おいお前!ここでは余り見ない顔だが何者だ?」
「これは失礼しました。私は魔法の森周辺に住んでいるもので神楽と申します。」
「魔法の森?もしかして妖怪か?」
「えぇ。まぁそうですね。」
神楽がそう言うと彼らは顔を顰め腰の刀に手を掛けた。
「いえいえ少し待ってください。私はこの人里に攻めに来たわけではありません。この地にて商業を始めようかと思いまして…………。」
神楽のこの言葉を聞くと刀に手を掛けたまま疑問符を浮かべた。
「そんな話を到底信じる事は出来ないな。」
しかし彼らは神楽の言葉を信じずに手を掛けたままだった刀を抜いた。
「えぇ…………。せめて上白沢慧音さんという方にこの封筒を届けていただけませんか?」
と言うと刀を構えている男の手の中に素早く封筒を入れ込んだ。
「なっ!…………。」
彼らが何が起こったか理解が出来なかったみたいでおどおどとしている。
「明日再び伺います。それでは失礼します。」
彼らの様子は気にもせず神楽はそう言うとアリスの家に戻って行った。
「それじゃあ今日はこれまで。」
「「「「「「ありがとうございました!。」」」」」」
私は今日も寺子屋の授業を終えると明日の予定を確認した。
「慧音さん。今空いてますか?」
すると寺子屋の外から男の声がした。外に出てみると自警団の一人が私を呼んでいるのに気づいた。
「あぁ。何かあったのか?」
私がそう聞くと男は懐にあった封筒を取り出していった。
「少し前、妖怪が人里に来たのですが…………。」
「妖怪だと!!」
彼が不意にそんなこというので私は大きな声を出してしまった。
「え、えぇ。ですがそいつが奇妙なやつでして…………。」
「奇妙だと?」
「えぇ。何でもこの人里で商業をしたくてここに来たらしく、これを慧音さんにと。」
といい取り出した封筒を私に渡した。
「商業?」
私はそう呟きながら封筒を開き、中にあった手紙をよんだ。
拝啓
上白沢慧音様へ
この度は急な訪問をすることを心よりお詫び申し上げます。私は幻想郷の魔法の森というところにて暮らしております。長い間一人で暮らしていると他人との交流をしてみたくなったり、寂しくなったりするものです。なので私はこの人里にて新たな人生の一歩を踏み出したいと思っています。そのために貴方様にはこの地にての居住権と商業権を求めます。前向きに検討していただけると幸いです。
敬具
神楽
「おい。これを書いたのは本当に妖怪か?字も綺麗な上、敬語の使い方も出来ている。一体何者だ?」
私はこの手紙を読んだ後にこう問いかけた。
「え?えぇ。人型の妖怪でした。はっきりとした目的が分からなかったので追い返しましたが…………。」
「追い返した?怪我人はいるのか?」
「いえ、これを慧音さんに渡してくれって行った後に去っていきましたが……。」
「そう……か。」
私は大体の状況を把握した。
「そいつはまた明日人里に来ると言っていましたがどうしましょうか?」
「取り敢えずお前達は手を出すな。話が通じそうだし下手に刺激するよりは危険が少ないからな。」
「はっ!」
自警団の男はそう言うと走り去って行った。私はこれまで見た事の無い、得体のしれない生物を一日中考えていた。
「へぇーそんなことがあったのね。」
アリスは神楽の話を聞いて相槌を打った。
「なるべく穏便に済ませたかったんだけれどもごめんね。もう一日世話になるよ。」
彼は頭を下げながらそう言った。
「……そんなことくらいいいわよ。いきなり頭を下げてびっくりしちゃったわ。」
「やっぱり相手にお願いするときとか、初対面の人には敬意を払うべきだと思ってるからね。」
「やっぱり貴方って変わってるわ。本当に妖怪かしら?」
「ハハハ、まぁね。長生きしてると色々と思う事があるからねぇ…………。」
「ふーん。」
「それじゃあ今日は最後の夕食になりそうだから張り切って作るから。」
彼はそう言って歩き出すとアリスは
「貴方…………昨日もそんなこと言って、備蓄を使い切ったわよね?」
といい、神楽はピタッと動きを止めてロボットの様にぎこちない動きで釣り竿と籠を持ちスタスタと家を出た。
「どうして家を出ていくのかしら……。」
私はそう呟いていた。
私は神楽の事が好きだ。楽しい思い出も変な思い出も心の中に残っている。母さんが私の家に来た時に神楽には好きな人がいるって聞いて心が痛くなった。
その時はよく分からなかったけれど今ならはっきりと言える。
私は神楽に恋をしているのだと。でも私はそれだけでいいと、一緒にいれれば充分だった。
「一緒にいてくれれば充分なのになぁ……。」
しかしそんな彼は私の気持ちも知らないで家を出ていってしまう。そんなことを思いながら、私は彼の言葉を思い出す。
『それが僕の意地だから。』
「ふふっ。痛!!」
私は指に針を刺してしまい回想はそこで終わってしまった。
毎日毎日ホテルが変わるのはめんどいなぁ。あと早くトイレに…………。そんなこんなで次で空から降ってきた居候編は終わりになります。それでは最後まで読んでくれてありがとうございました。
静乱様重ね重ね申し訳ございませんでした…………。