神楽「……お前やろうと思っただろ?」
それでは本編へどうぞ
神楽(逃げたな)
「それじゃあ鈴仙、本題に入ろうか。」
「え……?あ、はい。お願いします。」
彼女は自分が人里に来た目的を思い出し、彼の話を改めて聞き始めた。彼は近くの戸棚から一枚の巻物を取り出して広げた。
「これはこの人里の地図で、何処に何があるかが描かれたものなんだ。今いるところがここで空いている空家がこれとこれとこれとこれの四つで新しく建物を建てるなら………………………………
という事なんだけれども分かった?」
彼は一通り説明を終えると彼女に声を掛けた。一方彼女は彼の説明を聞き、こんがらがって頭がパンクしてしまったため部屋の隅をじーっと見つめていた。彼が彼女の目を覗き込むと、彼女ははっとして頭を横に激しく降ってから再び彼に向き合った。
「い、いえ。すみません。ちょっと難しいです……」
「まぁ、簡単に言えば空いている家に行くか、新しく家を建てるか、誰かの家を借りるかの三択ってところかな。」
「ええっと……出来れば最初に言って欲しかったです。」
彼女は苦笑いをしながらこう返した。
「ハハハハハ……まぁそれならどれを選ぶ?」
彼も苦笑いを浮かべて言った。それを聞いて彼女は目を瞑って考え始めた。
「えーっと……うーんと……それなら…………でも……。」
彼女は唸り声を出しながらあれこれと考えていた。なかなか決まらなそうだと思った彼はこんな提案をした。
「まぁ悩むんなら取り敢えず僕のとこを改装して、隣でやってもいいんだけどね。」
それを聞くと彼女は閉じていた目を開いて彼に向かって乗り出して言った。
「本当ですか!?」
「え?あ、あぁ。」
彼はその勢いに面を喰らいながら彼女の問いに答えた。
「それなら是非お願いします。実は私は少し厄介な能力を持っていまして……。」
彼女は一度座り直してから言った。
「厄介な能力?」
「えぇ、私の能力は:狂気を操る程度の能力で目を合わせた人を狂気に陥れてしまうんです。ですが貴方にはあまり効果が無いみたいなんです。」
「へぇ?なんでかな。」
「詳しくは分かりませんが、人間ではなく妖怪であることが大きいんじゃないんでしょうか?」
「ふーん。そっか。まぁ取り敢えず明日からここの改修工事を始めようかと思うからさ、何か要望があれば紙にでも書いてきてね。」
彼はそう言うと地図を出した上の段の引き出しから紙を数枚束になった物を取り出して彼女に渡した。
「はい、今日は本当にありがとうございました。」
彼女はそう言って受け取ると立ち上がりお辞儀をした。
「気にすることは無いよ。助け合って頑張っていこう。」
「は、はい!」
彼ははにかみながらそう言うと彼女はそう笑顔で返した。
「そうだ!一個忘れていたことがあった。」
「え?」
彼女が石戸を越えた時に彼は口を開いた。
「盗み聞きは良くないよ…………。野ウサギちゃん。」
そして、重々しく嫌な空気を出しながら彼は彼女より先に外へ出た。彼女もその空気に驚きつつ外へ出た。
そこにいたのは桃色の服を着た。鈴仙とはまた違ううさ耳少女が立ち止まっていた。そのうさ耳少女は足をガクガクと震わさながら辛うじて顔だけをこちらに向けた。
「てゐ?」
鈴仙は彼女の名前を呼んだ。それを聞いた彼は少し驚いてから頭を下げていった。
「もしかして鈴仙の知り合い?これは失礼したね。僕の名前は……まぁ聞いていたかもしれないけど神楽、宜しく。」
「あ、あぁ。私の名前はてゐ……因幡てゐって言うんだ。」
てゐは戸惑いながらも返事をした。
「それじゃあてゐ、鈴仙を永遠亭まで送ってくれないか?」
「勿論そのつもりできたから安心して。」
「頼んだよ。」
彼はそう言って暫く手を振った後に店へ戻って行った。
「私達も行こうか。」
「そうだね。」
そう言って二人は人里を後にした。
「因みにてゐ?貴方何時からいたの?」
それを聞かれたてゐは人差し指で顎をに掻きながら言った。
「え、鈴仙がフラフラと人里をさまよってた頃からだけど?」
それを聞いた鈴仙は腕に力込めながら言った。
「それを見てたなら早く助けなさいよ!」
その様子にいち早く気付いたてゐは自慢の逃げ足で永遠亭へと帰っていった。
「随分と遅かったけれど大丈夫かしら?」
彼女達が永遠亭に着くと青と赤の色をした白い髪の女性が入口に立って声をかけてきた。
「はい、お師匠様。取り敢えず帰ってこれました。」
鈴仙はその女性にお辞儀をしてそう言った。
「そう。人里はどうだったかしら?」
お師匠様と呼ばれた女性は鈴仙にそう聞いた。
「そうですね。月とはまた違った雰囲気を持っていましたが人々は優しいみたいでした。」
「へぇ?そうなの。」
鈴仙の答えに彼女は驚きを覚えながら相槌を打った。
「鈴仙なんか人里でなんか迷ったところをナイスガイな奴に助けられてたもんねぇ。」
「ちょ!て、てゐ。今それは関係ないでしょ!」
「えぇー、そうかなぁ?」
鈴仙はてゐに向かって怒鳴っていたが、彼女は知らん顔をしていた。
「へぇ?その男性はどんな人なのかしら?」
普段、人と関わりを持たない鈴仙が他人の事を気にするのが不思議に思い、彼女は銀髪の三つ編みを揺らしながら聞いてみた。
「人……というよりも妖怪って感じでした。立ち振る舞いはお人好しで人間っぽいのですが、雰囲気や身に纏ってるオーラ?というものが完璧に妖怪でした。」
「へぇ?てゐはどんな印象だったのかしら?」
「鈴仙と同じ。見た目や中身は人間だけど他は妖怪ってところかな………………あと」
「あと?」
「アイツはヤバイ。普段は優しいフリをしてるかもしれないけれど、怒った時とか気に障るような事があったら幻想郷が潰れちゃうかもしれない……」
てゐは急に笑顔を消してこう言った。
「てゐ?それはいくら何でも大袈裟じゃない。」
彼女は大袈裟だと思ったがてゐがそんな嘘をつく筈が無いと思い考えを改めた。
「だとしても、そんな殺気を持ってる奴があんなに平和的に暮らしてるのが信じられないよ……。」
てゐは失笑をしながらこう言った。微かに足が震えているのを彼女は見過ごさなかった。
「そう言えばアンタ、彼に見つかってたわよね。」
「てゐが?どんな奴なのよ。」
彼女は鈴仙の言葉を聞いてさらに驚きを感じていた。
「青い髪に赤い目、顔には複数の傷がついてる。身長はそこそこ高いくらい?ってところかな。」
「今度会いに行ってみようかしら。」
強く興味を持った彼女はぽつりと声を出した。
「それが宜しいと思います。」
それを聞いて鈴仙がそう答えると建物の奥から新たな女性の声がした。
「永琳ー、何処にいるの?」
「姫様が呼んでるみたいだし。そろそろ入りましょうか。」
「はい。」
「そうだね。」
彼女達は続々と建物の中に入っていった。
その頃神楽は地べたに座り込み、まだ何も書いていない本にスラスラと今日起きた事などを筆で書き進めていた。
「鈴仙・優曇華院・イナバ…………。どっかで見たことあると思ったら月にいた兎の一人か。逃げてきたのか……或いは追放されたか。どっちにしても面倒な事にならなければいいが…………。」
彼はそんな事を思いつつ筆を止めると、卵を買いに客がやってきた。彼は客に卵を渡して料金を受け取ると再び地べたに座り筆を手にした。
「いつかは永琳に会わなきゃいけないのかなぁ………………。」
彼が気づいた時には本の白紙のページは無くなり、後ろのページまで墨が染み込んでいた。
誤字脱字駄文が酷い今日この頃。直せって?それは無理なお願いだ!
神楽「威張んな。というかなんでそんなテンション高いんだよ。」
巷で有名な甘いタイヤを食ったからかな?
神楽「食べた感想は?」
食べて暫くして胃だか腸から無理に吐き出そうとした感覚に襲われ、ゴゴゴと音を立てる様な感じでした。
神楽「うわ……食いたくない。」
もう二度と見たくもねぇわ。それでは最後まで読んでくれてありがとうございました。感想やふつおたも常時お待ちしています。
神楽「ラジオかよ。」