神楽「テンション高ぇな。」
テンションMAX!本編いっけぇぇぇぇ!!
神楽(痛いな)
鈴仙と神楽が出会った次の日、彼は彼女が描いた絵を元に家を建て始めた。鈴仙にも拘りがあったみたいで半日で終わる物がまる一日かかって完成した。その頃から神楽の事を鈴仙は呼び捨てで呼ぶ様になった。そしてその次の日から鈴仙は薬を売るようになった。最初は誰も見向きもしなかったが、神楽が前々から病気を患っていた老人に薬をあげた日から噂が広がり、飛ぶ様に売れて行った。最初、彼女は客への対応をしっかりと出来ていなかったが日を重ねる毎によって徐々に慣れていった。さらに彼女は神楽から能力の制御の練習に付き合った末にきちんと使いこなせる様になった。
そして神楽が幻想郷に来て数百年たった。ある日のことだった。
神楽が朝早く卵を籠いっぱいに入れて店に帰ってくる頃に一人の女性が彼の隣の店のカウンターに頬杖をついていた。
「おはよう鈴仙。」
「あ、おはよう神楽。」
彼女は彼に気づくと立ち上がり、カウンターから乗り出して挨拶した。
「それにしても鈴仙って来るの早いよね。もう少し休んでても大丈夫だと思うんだけどね。」
「え、ま、まぁそうだけど……でも!早起きは三文の得っていうじゃない?」
「まぁ、そうとも言うけどさ。」
「それで忘れ物が無ければ完璧なのよねぇ。」
「お、お師匠様!?」
鈴仙は声の主に驚きながら言った。
「へぇ?早起きするほど完璧な奴に忘れ物なんかある物なのかねぇ永琳?」
「さぁ?私にも分からないわ神楽。」
「うっ…………。」
二人の発言を打ち負かせる程の都合のいい言い訳を持ってなかった鈴仙は長い耳を元気なさそうに下げながら言った。
「いじめすぎちゃったかしら?」
「さぁ?」
悪戯に笑みを浮かべる永琳にあっけらかんと神楽答えた。
「……大体二人は何時からそんな仲がいいんですか。」
そんな二人を見ながら彼女は恨めしそうにぼやいた。
「んーそうね。前に一度貴女を影から見ていた時に彼に見つかっちゃってね。」
「そこから意気投合したんだっけ?」
「確かそんな感じだったわね。貴方って変わってるけど、あまりに妖怪とかけ離れすぎて一周回って普通だわ。」
「それは言い過ぎじゃないか……」
鈴仙は初めて知る事実に驚きを覚えながらぼーっとしていた。そんな彼女に永琳はバックから少し大きめの巾着袋を取り出し手に持たせてから耳元で囁いた。
「はいこれ…………昼食を忘れて大好きな彼に迷惑かけないようにしなさい。」
「な、な、なっ…………なにゅお!」
それを聞いた鈴仙は盛大に噛みながら顔を赤くして叫んだ。
「なんかよく分かんないけど朝から叫ぶなよ。早いから迷惑だぞ。」
「あ、うん…………。」
その後彼の冷静な言葉に言葉無くしてしまった。
「それじゃあ私は帰るから。そう言えば妹紅から聞いたけど、最近妖怪の動きが活発になってるらしいから気をつけなさいね。」
「え、はい。分かりました。」
「永琳も帰り道気をつけてね。」
「フフ、ありがとう。」
彼女は微笑むと来た道を引き返していった。
「ふぅ。さて仕事に戻るかなぁ。」
「え……う、うん。」
鈴仙がそう発した彼の方を見ると普段見せない無機質な表情をしていたので彼女のした返事は硬い言葉になってしまった。
二人が店の支度を終えて世間話をしていると一人の女性が声をかけてきた。
「おう!元気か二人とも。」
「おはようございます。妹紅さん。」
「いらっしゃい妹紅。何か買ってく?」
「あぁ、いつものを頼む。」
彼はそれを聞くとその場から走り去った。
「相変わらず速ぇなぁ。」
妹紅がそう呟くと鈴仙は苦笑気味に言った。
「まぁあれでも妖怪ですからね。」
「ハハハ!そうだったっけ。」
鈴仙の言葉を聞いて妹紅は暫く笑っていたが急に顎に手を当てて考え事をし始めた。
「そう言えば、最近妖怪達が何となく騒がしいんだよなぁ。」
「そう言えば、お師匠様にもそのような事を言ったんでしたっけ?」
「ん?あぁそう言えばな。珍しく人里の方へ行ってたからなとりあえず言っておいたんだよ。」
「そうだったんですか…………。」
鈴仙が妹紅の話を聞いて相槌を打つと通りの方から彼女を呼ぶ声がした。
「妹紅さん!妹紅さん!妖怪が現れました。早く来て下さい!」
「何だと!悪い鈴仙。神楽に後で来るって言っておいてくれ。」
「あ、はい!気をつけてください。」
妹紅は鈴仙がそういう頃にはもう走り出していた。
「この妖力……何処かで。」
人気の無い道でこう呟く男がいた。
妹紅が妖怪達を目にした時は神楽が人里に来た時と同じ様に人里が荒れていた。
「慧音!大丈夫か!?」
彼女は傷つきながらも何とか立ち上がっている女性の元へ駆け寄った。
「ハァハァ……妹紅か……随分と遅かったな。」
「遅れて済まない。」
「ふうん。少しは骨のありそうな奴が出てきたわね。」
彼女が見上げ金髪をし、黒い洋服を着た女性がふわふわと浮き上がりながら声を掛けていた。
「見たことない奴だな。」
「あらそう?まぁこうやって人前に出て人を喰うのは初めてかしらね?」
「貴様……!」
聞き捨てならないとばかりに慧音は妹紅に支えられながらも金髪の妖怪を睨んでいる。
「そこの半獣には言ったけど私の名前はルーミア、あんまり悠長にしてると博麗の巫女が来そうだから退散するわ。」
そう言うとルーミアはふわふわと飛び去って行った。
「な……まて!」
妹紅はルーミアを追おうと思ったが残った妖怪を始末しないと被害がより広がると思い、悔しい思いをしながら彼女の追跡を諦めた。
「はぁ〜何だかお腹すいたわ。誰か食べれそうな奴はいないかしら。」
ルーミアはそういいながら人里の外れを飛んでいた。すると一人の人間を遠目で見つけた。
「今日の最後はアイツで締めようかしら。」
そう言うと彼女はスピードをあげて向かって行った。
「こんにちは。突然で悪いのだけれども貴方は食べれる人間かしら?」
彼女がそう問いかけるとその人間は顔を上げた。
その男はニヤニヤと笑っていてルーミアが不気味がるのも無理は無かった。
「な、何よアンタ。」
彼女がそう声を出すと男は口を開き出した。
「久しいじゃないかルーミア。相変わらず綺麗だね。」
「なっ!なんでアンタが私のことを?」
突然名前を言われてしまった彼女は狼狽える他無かった。
「玉藻前の件では世話になったね。」
「玉藻……前?ま、まさかアンタ!」
「そう旧司。今は神楽って名乗ってるけどね。」
彼女は依然として驚いているが彼はニヤニヤと笑っている。
「悪いけどルーミア暫くは寝ててもらうよ。」
「くっ…………!」
彼がそう言い終わる頃には彼女はあらかた距離を取れていたが、いつの間にか目の前にいた。
「お休み、ルーミア。」
彼はそう言ってあの時のように神力を込め、デコピンを額にしてやると、彼女から力が抜けてそのまま落ちて行った。彼はルーミアが落ちないように気をつけながらおぶって博麗神社に持っていこうとした。
「君には悪いが少し力を抑えさせてもらうよ。」
彼は誰にも見つからないように遠回りしながらこう呟いた。
「何時か君の力が必要になる、その時までは……ね。」
この言葉を理解出来るのは恐らく彼だけだろう。
「いよいよ始まるのですね。」
幻想郷の何処かで何者かが動き始めていた。
「あぁ、待ちに待った時だ。存分に暴れてくれ……
幻想郷を我らの手中に治めるために……」
今日の出来事は飽くまでその余波でしか過ぎない事を誰も知ることは無かった。
最近後書きでやってみたい事が出来ました!それは!
神楽「それは?」
ネタバレ次回予告です!!
神楽「城○内死す的なアレか。」
そう!
神楽「アホか。」
という訳でネタバレ嫌だー無理ー拒否ーって方はブラウザバックして下さい。それでは最後まで読んでくれてありがとうございました。
人里に次々と出現する妖怪の数々。その大元の集団と博麗の巫女は直接対決をする事に!その集団とは!そしてその集団に起こっている驚くべき出来事とは一体!? 次回東方堅軟録
「大天狗のクーデター」
過去を振り返らない振りをした男の瞳に未来は一体何が映るのか……