東方堅軟録   作:こたつ@ミカン

68 / 88
何か風呂が壊れました!何でか知りませんけど。そんな事もありましたがどうぞ気にせずに本編へどうぞ。

神楽「今回は宴会なので話が多めです。読みにくかったらすみません。」


何気ない日常の一部(永遠亭の場合《下》)

「そういえば、この永遠亭に入るのも初めてなのか……。」

 

神楽はキョロキョロと建物の中をよく見ながら永琳について行っていた。

 

「あぁ、そうかもしれないわね。因みにこの建物に入っての感想とかあるかしら?」

 

「大きすぎる事も無く小さすぎる事も無い。かと言って急な来客にも対応できる優秀な従者。主と従者との仲がとても良さそうに見え、人間や妖怪に対して穏便。難があるとすれば人里へのアクセスのしにくさですかね……。」

 

「そこまでの事を私は求めてなかったのだけれども……。」

 

神楽の瞬時に弾き出された冷静な発言に永琳は面を食らい、何か気の利いた事を返す気にもなれなかった。

 

「それにしても何でこんな鬱蒼として迷いそうな所に?」

 

彼は不意に頭に浮かんだ疑問を彼女に投げかけた。

 

「えっ?……そうねぇ、何というか悪あがきかしらね。」

 

「悪あがき?」

 

彼女は彼の突然の問いに驚きつつも何かと不思議な気持ちを暗示させるような事を告げた。

 

「えぇ、貴方は月に人々がいるって信じるかしら?」

 

「……そうですね、この地球にも人がいるのですからまた違った星にも人型の生物がいると言われても何も変な事はないと思いますね。」

 

「……ふうん、そう。私と輝夜はその月に住んでいる奴らから逃げて来たという訳なのよ。」

 

彼女は今まで見た事の無い柔軟な思考に少し面白さを感じながら話を続けた。

 

「はぁ、何だか壮大な話ですね。あれ、それでは鈴仙はどうしてここに?」

 

「えっ?それはそれで話すと長くなるんだけれど……、さて着いたわ。この話はまた今度ね。」

 

「あ、はい。……物凄い量のご飯を作りましたね。」

 

彼は暖簾を潜り部屋を覗くと、そこは大広間になっていて、幾つか長机に料理が山盛りに盛られていた。

 

「妹紅と姫様とが同じ食卓につくと競争が始まって直ぐに無くなるから……しかも今回は神楽もいるからね。」

 

すると大広間の一つの入り口から鈴仙が皿を鼻の高さ近くまで持ってきて、ある机に置いた。

 

「はぁ……疲れたわ。お師匠様も私一人に任せるなんて。」

 

「まぁまぁ、お疲れ様。はい。」

 

彼女はその場に座り込むと彼は皿と大量に置いてあった湯呑みに水を入れ、彼女へと渡した。

 

「あ、ありがとう。」

 

彼女はそれを彼から受け取るとグイッと一気に飲み干した。

 

「ぷはぁー、生き返る……。」

 

「お疲れ様、うどんげ。てゐが兎達を連れてきたら直ぐにご飯にしましょう。」

 

「あれ?あのお二人は?」

 

「それは私が呼んでくるわ。貴方達は待っていて頂戴。」

 

「「分かりました。」」

 

永琳はそう言うと大広間から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何か少し変な気を感じた。

 

 

それは先程の話の彼の返答だ。先程彼はこう言った。

 

 

 

何だか壮大な話ですね。あれ、それでは鈴仙は何故ここに?

 

 

 

 

 

 

別に普通の返答だった。これだけ話を聞くと何も変には感じない。

 

 

 

じゃあ何故か

 

 

 

 

 

 

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「永琳ー、ご飯まだかしら?」

 

「え?えぇ、出来たわよ。妹紅、貴女も食べていきなさい。貴女の分も作ったのだから。」

 

「えっ?あぁ悪い。いただくよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは私達二人の命を懸けた逃走劇を壮大な話という風と捉え、寧ろこの話には出てこなかったあの子の事が気になると言った。だから関心をもたれていない様に感じた。

 

 

 

 

 

 

 

では一体何故………………?

 

 

 

 

まぁ、私の考え過ぎだと思うのだけれども……

 

 

 

 

 

私はそんな事を思いながら、二人を引き連れて再び大広間に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日の夕食は椅子や座布団が無いみたいだけれども人里でやる様な宴会みたいな感じじゃ無いんだね。」

 

彼は共に部屋にポツンと残された鈴仙に話しかけた。

 

「えぇ、これは食べたい物を好きなだけ食べれるって言うバイキングみたいな感じよ。」

 

「バイキング……ねぇ。」

 

彼女は少し上を向きつつ口の下を人差し指で触りながら言った。彼は何年とも聞いてなかった単語を何気なく呟いた。

 

「こんな形でご飯をみんなで食べるのは久し振りになるね。」

 

するとてゐが何匹もの兎を連れて部屋に入りながら言った。

 

「言われてみれば……確かにそうかもしれないわね。前はいつだったかしら。」

 

「それは随分前に妹紅と姫様とが大喧嘩をした次の日の仲直りの時に開いた宴会じゃなかったかしら?」

 

鈴仙が小さく呟くと、今度は大広間に入ってきた永琳がそう言った。

 

「今まであまり気にしなかったけど私達って結構迷惑掛けてたのか……。」

 

「そうね……。これからは少し自粛しようかしら。」

 

「あぁ。」

 

((((そんな事は多分明日にはすっかり忘れてるでしょうね……。))))

 

妹紅と輝夜は口々に言っていたが、こんな事と似たような事は何度もあったのにも関わらずこの有様なのでその場にいたほとんどのメンバーは共通の事を思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……とまぁこんな事がありまして今日、ここの宴会に参加しているという訳何です。」

 

「あら……それはうどんげが迷惑をかけたみたいね。私からも謝っておくわ。」

 

「まぁ、それでも久し振りにこんな催し物に参加出来たのは鈴仙のおかげと言うべきですかね。」

 

「今回に限っては妹紅と姫様のおかげに近い気がするけどねぇ……。」

 

「確かに竹の様子は酷く、結構凄まじかったけども。」

 

「危うく焼き兎になる所だったさ……。」

 

「お疲れ……。」

 

 

「あ、ちょっと輝夜!その私が食べようと思ってた最後の鰻の蒲焼きを食べたな!」

 

「んー、流石は鈴仙が作る蒲焼きね。私はこれでご飯何杯もいけるわ。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

「おい!無視すんなこら!!」

 

「うるさいわね。静かに食べれないのかしら?」

 

「何だと!!」

 

 

この宴会はうやむやに始まった、永琳は音頭を取ろうと思ったが何名かの兎達はもう食べ始めたり、話しをしたり、更には妹紅と輝夜との口論もあったせいかまとまりは無く、個人でいただきますなどと言いながら長机の上にあったご飯に手をつけ始めた。すると瞬く間に大騒ぎとなってすぐに永遠亭は話し声で満たされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回は白黒ついたんじゃないかしら?」

 

「そうだなこれは決定的だったな。」

 

「それでどっちが勝ったのですか?」

 

「「それは勿論

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妹紅よ!!(輝夜だ!!)」」

 

 

「は、はぁ……。」

 

「何よ!私の何処が人間として問題があるのよ!!」

 

「ありまくりだろ!このヒキニートめ!」

 

「何か文句あるの!?少なくともアナタみたいに品が無い野蛮人には言われたくないわ!」

 

「野蛮だとっ!輝夜!貴様!!」

 

「あのー、何でもいいので永琳さんには迷惑をかけないように気を付けて下さい。」

 

「「はい…………。」」

 

などと様々な話しをして参加者は月が見えなくなり始めるぐらいまで騒ぎ楽しんでいた。ある者は笑いまくり、ある者は食べまくり、またある者は踊り、永琳や鈴仙が持ってきた酒で更に騒がしくもなった。

 

 

 

そして明け方が近づいてくる頃には皆、部屋に寝転がり寝息をたてていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………これはまた随分とはしゃぎ回ったんだな。」

 

彼はもう随分前に食べ終わって何ものってない皿を積み重ねながら言った。彼の周りには幸せそうな顔をして寝ている兎が大勢いた。

 

「あれ?神楽は寝てなかったのか?」

 

彼が声のする方を向くと白い髪を揺らしながら妹紅が近づいてきた。

 

「ん?あぁ、まぁね。そう言えば妹紅は何処にいたの?」

 

「……輝夜とちょっとな。」

 

彼の問いかけに彼女は少しうなりながら曖昧に言葉を濁した。

 

「あぁ、それで永琳さんも……。」

 

しかし彼はその様子を見ると瞬時に状況を把握してこう呟いた。

 

「……昔から私達はあんな仲だからな。よく喧嘩をするんだ。」

 

「でもいいんじゃない?そんな友達がいるってのはさ。」

 

「バカ言うなよ。…………あんなのは友達なんかじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

復讐相手だ。」

 

彼女は感情のままそう言うと、それを失言だと思ったのかぎこちない表情を浮かべた。

 

 

 

 

 

「ふうん……あっそ。」

 

彼はそんな彼女の様子を気にせずに笑いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まるでお前の方がマシじゃねぇかと言いたげな笑顔で……。

 




次の次で妖々夢……かな?いつも宛になってないのであまり気にせずに……。あと、萃夢想と妖々夢は今回みたいな閑話を挟まず続けて書くかもしれません。それでは最後まで読んで下さってありがとうございました。感想、質問、批評……などなど常時お待ちしています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。