新年一発目はこちらの作品をあげようと思ってたのですが……書く日に気分が悪くなるという事件が発生した為かけませんでした……
神楽「迷惑をかけてしまった方もいるかもしれないので謝罪します。本当に申し訳ございません。」
それでは本編へどうぞ
「それにしてもよく一人でもここまでこれたわね。」
「んん、そうか?私からしてみればよく霊夢をここまで連れてくる事が出来たなって思うぞ?」
「私を何だと思ってるのよ……」
「貧乏で自堕落な巫女。」
「妖怪の賢者が歴代の博麗の巫女の中で一番人間性が駄目と言っていたわね。」
「あのスキマ……今度あったらぶん殴ってやる。」
霊夢は彼女達の話をきいて歯ぎしりをしながら手に拳を作った。
「そういや霊夢。こんな大雪の中その妖怪の賢者様は一体何をしてるってんだ?」
「言われてみれば幻想郷の大きな異変だと言えるのに……奇妙ね。」
「あー、大した事じゃないわ。」
霊夢は手を横に振った。
「アイツは冬眠をするのよ。何の妖怪かはよく分からないけれど寝てるの。何時もは今の時期頃にだいたい目を覚ますけど……この雪じゃね。」
「へぇ、アイツも冬眠すんのか。だとしたらとんだ寝坊だな。」
「考えてみるとあの式は冬眠しないで大丈夫なのかしら……?でも主人から力を供給してると考えると何も問題はないという事なのでしょうね。」
魔理沙と咲夜は口々にそう言った。
「あら?紫の話をしているの?」
彼女達は少し遠くの方から聞こえてくる女性の声に気がついた。すぐ様階段を登りきるとそこには桃色の髪をした女性がニコニコとしながら立っていた。
「お前は誰だ?」
魔理沙は彼女を見るやいなや指をさした。
「私?私の名前は西行寺幽々子。冥界にある白玉楼の主よ。」
「冥界……というのは死後の世界という事で私達はもう死んでいるのですか?」
咲夜は先程からニコニコした表情を崩さない幽々子にそう聞いた。
「いえ、まだ大丈夫よ。このまま真っ直ぐにここから出れば何も問題は無いわ。」
「そういう訳にもいかないわよ。アンタ、幻想郷の冬を長引かせてる張本人なんでしょ?」
「えぇそうよ。」
「……そこはあっさり認めるのか。でも一体どうして?」
「どうして……か。それは少し好奇心があったからかしらね。」
幽々子はそう言って後ろを向いた。それに伴って三人は目線を幽々子の向けた方へと動かした。
彼女達の視界には禍々しい妖気を放った一本の桜の木が生えていた。その桜は何もかもを寄せ付けない雰囲気を放ち、春度を常に吸収していた。
「この桜の名前は西行妖。何時もは春になっても花を咲かせることは無いのだけれども今回はあと一歩という所までいってるじゃない?」
「成程……ではその桜を咲かせるために幻想郷中の春を集めたという訳ですか。」
「そういう事よ。」
咲夜がこう呟くと幽々子は再び三人の方を向き笑顔を見せた。
「ねぇ二人とも。」
「あぁ、霊夢の言わんとしてる事は分かる。アレは相当ヤバイ。」
魔理沙は霊夢の問いかけに苦しそうな表情を浮かべながら答えた。
「そうね、アレを開花させたらきっと幻想郷がどうにかなってしまうわよ。」
「ならちからずくでやるしかないみたいね。」
咲夜はナイフを用意した。
「さて、いっちょ暴れてやるか!」
魔理沙はそう言って箒に跨り、霊夢はお祓い棒を前へと突き出した。
「ふふふ、それじゃあ始めましょうか。」
幽々子は三人の様子を見て、センスを広げて口元を隠すと体から蝶の形をした弾幕を繰り出していった。
「小町!今頃帰ってきたんですか!?」
「えぇ!これでも急いだつもりなんですけど……」
「言い訳無用!!」
「まぁまぁ、取り敢えず落ち着いて下さい。」
神楽は怒りを露にしている映姫を制止した。
「……ふぅ、そうでしたね失礼しました。それで小町。例の物は持って来てくれましたか?」
「え?は、はい。こちらに……」
小町は心無しかほっとしてからおずおずと映姫に真っ白な本を渡した。映姫はパラパラと中身を確認して、そうそうこれですよこれ。と言って彼へと近づいて手に持っていた本を差し出した。
「小町が持ってきたこの本こそ先程まで話していた転生者について詳しく載っている物です。ただ貴方の場合は少し不具合が生じてしまった部分や知っておかなければならない事などを他の方よりは多めに書いたので厚くなってしまいました。」
「あ、はい。御丁寧にありがとうございます。」
神楽は本を受け取ると姿勢を改めて正し深々とお辞儀をした。
「それにしてもいいんでしょうか?」
「何か問題でもありますか?」
「いえ……こんなにも様々な罪を重ねてきたのにも関わらずお咎めなしというのはどうなんでしょう……それで本当にいいのでしょうか?」
彼は頭を下げたままぽつりぽつりと言葉を出した。
「それについてはもう終わった事です。その上貴方の善行はきちんと私も他の神々達も見ていましたから。」
「は、はぁ……」
「それに最高神である貴方に私程度の者が物言いなんて出来るはずがありませんし……」
「えっ……?最高神?」
映姫の漏らした言葉を聞いた神楽は疑問を浮かべた。
「えぇ、そうです。貴方は転生して最高神となったのですよ。」
彼は彼女の言葉を聞いて咄嗟に手に持っていた厚い本をパラパラとめくった。その本のある部分には確かに最高神と書いてあった。
「ちょっと待ってくれよ……つまりどういう事なんだ?」
彼は目の前に突きつけられた違和感を拭うため必死で考えを張り巡らせた。
どうして……僕が最高神……?そんな訳が無い……だって僕は……
ふと彼は本に書かれた最高神の名前を目にした。
…………っっ!!!ちょっと待ってくれ!これはもしかして……!!!
「……どうかしましたか?」
映姫はいきなり血相を変えた神楽に声をかけた。彼は視線も変えずにこう返した。
「映姫……最高神ってのは確か一人って訳じゃないんだよな?」
「えっ?え、えぇ西欧神、北欧神、インド神などがいて、日本の神で最高神と言われるのは太陽神である天照大御神ですし……それが何か?」
彼の身に纏う雰囲気が変わった事に驚きながら彼女は質問に答えた。
「……何でもない。ただ俺にはやらなくてはいけない事が山ほどあるということを自覚しただけだ。」
彼は彼女の言葉を聞いて手が真っ赤になるほどの拳を作って一人呟いた。
「悪い……急用が出来たから俺はちょっと行くわ。ありがとうな映姫。」
「あの!少し待ってください!!」
「……あんだよ。」
「一つ……貴方に頼みがあります。」
彼女は彼から発せられた冷たい言葉と刺さる様な視線に怯みながらあることを告げた。
「くっそ!!何だよあいつ!三人がかりでも全然攻め込めないぞ!」
「確かに……このままだと競り負けてしまう可能性があるわね。」
「まだまだこれからよ?『反魂蝶 -八分咲-』」
魔理沙や咲夜が苦言を呈す中、幽々子は新たなスペルカードを発動させた。
「濃い弾幕な上に……面倒な動きね。」
霊夢はそう言いながら彼女に迫る弾幕を叩き落としたりしていった。
そんな中、繰り広げられる激戦を間近で見ていたように佇んでいた西行妖が一層強い妖気を発した。よくよく見ると桜の花は今にも咲きそうだった。
「ふふふ……残念ながらもう終わり。西行妖はもうすぐに咲く。貴女達の頑張りも無意味になったという事ね。」
ふふふ……あはははは!!と幽々子は高らかに笑い声を上げると彼女達は苦しそうな悔しそうな表情を浮かべた。
………………?
「……あれ?」
霊夢は幽々子の弾幕を避けている最中にあることに気がついた。
「西行妖の妖気が弱まっている……?」
彼女がそう気がつく頃には西行妖は雄叫びの様な轟音を上げて枝をしならせていた。するとあろう事か西行妖に流れ込んでいた春度が逆流して、西行妖の体内から春度が放出していっていた。
「な、何が起きてるんだ……?」
異変に気がついた魔理沙は呆然と西行妖を見上げていた、幽々子も振り返って見てみると驚きを隠す事が出来ていなかった。
「幻符『殺人ドール』ッ!!」
しかし咲夜はこの好機を見逃すこと無く自身の持てる最後の力を振り絞ってスペルカードを叩き込んだ。幽々子はそれに反応する事が出来ずに直撃してしまい異変の主犯を倒すことが出来た。
一方冥界で異変が解決している頃、無縁塚では神楽が西行妖の集めた春度を非常に強い魔力で引きずり出していた。神楽の周りの雪は魔力がもつ大き過ぎる熱のあまり一気に昇華して水蒸気に姿を変えた。西行妖から引きずり出した春度は冥界から放たれると一目散に広がり渡っていき、春をもたらしていった。
「し、四季様。彼は一体……?」
「小町……ここで見た事は他言無用ですよ。」
「は、はい!」
二人が心を落ち着かせる時にはもう既に幻想郷に春が訪れていた。
「ありがとうございます。貴方のお陰で幻想郷の危機を回避することが出来ました。」
「いいって……まぁ西行妖が関わってたって言うなら博麗の巫女だけに任す事はいけないよな。それじゃあ急いでるからこれで失礼するから。」
彼は頭を下げてきた彼女に何でもないように手を横に振り、すぐ様飛び去っていった。
彼女は暫くして顔を上げると彼が飛び去った空を眺めていた。
次は間髪入れずに萃夢想かなぁ……タブンネ。今年も東方堅軟録は頑張っていきますので見守ってくれると幸いです。それでは最後まで読んでくれてありがとうございます。質問、感想、批評……などなどあれば常時受付中です!
あ、皆さんあけおめ!!
神楽「丁寧にやれよ。」