東方堅軟録   作:こたつ@ミカン

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今回は若干のグロ注意です。次はもうちょいグロくなる予定です。それでは、本編へどうぞ。


日常は平然と音を立てて崩れる(中)

ついに、今日、ロケットの発射日を迎えた。

 

「遂にこの日が来たのね。」

 

「そうだな。今日限りでこの地とはお別れだな。」

 

「そうね……」

 

と永琳は椅子から立ち上がり、真司の座っているソファーに寄り添って、こう呟いた。

 

「真司……私、月でやりたいことがあるの……」

 

へぇー、それは知らなかった。何をするのだろうか。

 

「勿論。僕は手伝うよ。」

 

と僕は反射的に答えると、永琳は微笑みながら、顔を横に振った。

 

「フフッありがと。それで、貴方にお願いがあるの。」

 

なんだろうと思い、永琳の方に顔を向けると、彼女は顔を赤らめながらこう言った。

 

「貴方を執事ではなく。夫として、家に迎えたいの……だ、だから、……!!」

 

僕は顔を真っ赤にして答える永琳の唇を奪ってから、こう答えた。

 

「あのさ……こういう事は、僕の方から言いたいんだけど……駄目かな?」

 

永琳は少しびっくりしたような顔をしたあと、声をあげて、笑い出した。何故だ。

 

「な、何か変なこと言ったかよ……無理してかっこよく言って損したわ。」

 

僕はそっぽむいて、窓の外を見たが、永琳は僕の背中に抱きついてきた。え、ちょっと辞めてくれませんか、永琳さん?ガチでドキドキするんだけど……そんな事構わず、永琳は耳元で囁いて来た。

 

「貴方は充分かっこいいわ真司……真面目で謙虚で、当たり前の事を淡々と文句も言わずに仕事をこなし、50年間も仕えてくれるなんて、私を思っていてくれたとしても、よくやってくれたと思うわ。そんなあなたを私は尊敬し、敬愛するわ。」

 

好きな人からそんなこと言ってくれるなんて、もう死んでもいいよ……僕は耳元から離れた永琳の方を向いた時に更にこう言われた。

 

「それにしても……貴方って奥手よね?」

 

「じゃあ……行ってくるわ。」

 

僕はすぐに上着を着て、バックを提げて、小走りで玄関に向かいながら答えた。その様子を見て、永琳は慌ててソファーから立ち上がって、僕を追った。

 

「ちょっと!待ってよ!ごめんって「いってきまーす。」ちょっとってばぁ!」

 

まぁ会議で帰ってくるから。昼前には帰ってくるんだけどねー。まぁそういう問題じゃないか……。と言うか僕が永琳好きってバレてた?いつから?

 

 

 

 

 

軍部に顔合わせに行き、ミーティングを行った後、僕達は、ロケットの発射場に向かった。ロケットは全部で十二台全て発射するのに一時間は掛かるらしい。最初のロケットの発射時間は十時、今の時間は七時半である。僕はその時、永琳とロケットの中で待機していた。ちなみに、このロケットの発射は四番目だ。

 

「しかし、随分の早く中に入ったな。」

 

僕が欠伸しながら言うと、

 

「重要な役職についている人は、早く入っていないといけないみたいなのよ。」

 

と、永琳が答えた。ちなみに、一番目にはツクヨミ、二番目には、依姫と豊姫、三番目は鋼輝と瞳、四番目は僕と永琳と部隊長が一人、五番目からは十八個ある部隊の部隊長が二人から三人乗っている。

 

「にしても何でこんな早いんだ?」

 

「それは、想定外の事があったら困るからに決まっているわ。」

 

と永琳が言うとロケットにある、赤いランプがいきなり点滅しだして、ブザーがなりだした。そして、スピーカーから男性の声が聞こえてきた。

 

「緊急事態発生!緊急事態発生!妖怪の大群が押し寄せて来ています!数は補足できません!」

 

「想定外の事ってこのことか?」

 

「噂をすればなんとやらね……大丈夫かしら……」

 

「まぁ、何とかなるだろ。」

 

嘘だ。健介はそこらじゅうから妖怪を連れてくると言っていた。はっきり言ってロケットの半分も飛ばせるか飛ばせないかだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一番目と二番目が時間を速めて打ち上げられた時にはもう妖怪の大群がそこまで来ていた。

 

(こっからは僕も行かないとな……)

 

真司は立ち上がり、永琳に言葉をかけた。

 

「気をつけてね……」

 

と永琳は答えた。

さぁて、いっちょやりますか。僕は永琳から貰った仮面と腕輪を着けてから、ロケットから出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神楽真司の戦い方は至ってシンプルだ。剣に霊力を込めて、衝撃波を出したり、靴を能力で強固にして蹴りを放ったりと相手を翻弄しながら戦っていた。最初は善戦していたが、段々数も増え、疲労もたまってきた。三番目のロケットが発射し、四番目のロケットの準備も何とか終わったみたいだ。

 

「真司速く!速くきてぇ!」

 

と永琳が叫んでいる。ロケットとの距離は約十メートル、前線で戦っていたため、かなり離れている、全力で走って飛び込み、やっとのことで永琳の手を掴んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、真司の足には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十匹を超える妖怪が抱きついていた。

 

 

 

 

 

永琳は驚いて、弓を構えようとしたが片手が空いてない状態では弓の名手でも無理であった。

 

「待ってて!今から妖怪達を!」

 

「永琳……もう駄目だ。この手を離せ。」

 

「いや……いや!あきらめない!私はあきらめない!。」

 

永琳は泣いている。何回目かな……永琳の泣くとこ見たのは

 

「悪いな……一緒に月に行けそうに無くて……」

 

「やめてよ!そんなこと言わないで!私は……まだ……まだあなたと一緒にいたいの!」

 

そんな事言っているあいだにもこんなに湧いて来やがって、全く……

 

「最期に一言言わせてくれ……ありがとう……愛してるよ永琳……」

 

「まだ!最期じゃない!私はこの手を離さない!」

 

全く強情だよな……そこが好きになったんだが……

そこで真司は声を張り上げていった。

 

「そうじゅうしぃぃぃぃぃ!ロケットのハッチをしめろぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「はっ、はいぃぃぃぃ!」

 

真司の咄嗟の言葉に操縦士の男性はボタンを押した。

真司の状態は永琳に腕を掴まれている左腕は肘近くまで入っているが、腕以外はロケットの外だ。その状態でロケットのハッチを閉めると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザシュッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真司の体は外に投げ出され、永琳の手には真司の腕の一部が残っていた。

 

 

 

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

永琳はロケットの中で悲鳴をあげるが、どんなに悲鳴をあげても戻ってこない。こうして四番目のロケットも無事とはいかないが発射に成功した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真司は気を失いかけながら、妖怪達を相手にしていた。何故かというと、四番目のロケットには何匹もの妖怪がしがみついていたからである。

 

(どうすれば……どうすれば!)

 

彼は悔しそうに右手で剣を地面に刺すと、どこからとも無く声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

…………我を従える資格を持つものよ。汝は我を求めるか?…………

 

 

 

お前は何者だ。味方か。

 

 

真司は幻聴の主に問いかけた。しかし、声の主はそれを聞いてかどうか、新たに言葉を発した。

 

 

 

…………与えるは力。求めるは汝の命。汝は我を求めるか?…………

 

 

 

そうだな、求めるよ。だから、早く寄越せ。今は時間が無いんだ!

 

 

そう、真司が答えると声の主は声を前よりも大きく聞こえた。

 

 

 

 

…………承った!汝、我に何を望む?…………

 

 

それに呼応して、真司の声も大きくなった。

 

 

「力だ……俺に力をよこしやがれぇぇぇぇぇぇ!」

 

と叫ぶと、真司の髪の色は青く変色し始めた。




いつもよりちょっと多い、文字数になってしまいました……二千五百は超えないようにしたいです。えっ?前回も超えてた?すいません……それでは最後まで読んでくれてありがとうございました。
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