東方堅軟録   作:こたつ@ミカン

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はーい今回は永夜抄最終話です。ぶっちゃけ永夜抄とは全然関係ありません。元々ゆかりんのお話ですから。

神楽「永琳や輝夜や鈴仙がこちらを見ているぞ」

後妹紅ね…妹紅出る機会な……しかも昨日今日で気がついたんですが華扇さんどうしよ……すっかり貴女の事忘れてました。いなくてもいいんだけど……出番はあった方がいいよね?

華扇「も、勿論!あるのなら是非とも下さいよ!!」

心得た!でも暫く後ね!!

華扇「……分かりました。宜しくお願いします」

神楽「(それでいいのか?)取り敢えず本編へどうぞ」



永夜異変

永夜異変が解決すると妙な雰囲気をもっていた夜は明けて朝になった。異変が起きた次の朝であっても神楽はいつもの様に卵を店に並べ、鶏肉を店内に用意して、そしていつもの様に卵焼きを作っていた。

 

そんな時、一匹の兎が彼の前に姿を見せた。

 

 

 

 

「おや……これは珍しいお客さんだ。いらっしゃいませ、卵でも買いに来たのかな?」

 

彼はそう声を掛けるとその兎は彼の元へ近づくとジャラジャラ音をたてながら一つ封筒を彼へと渡した。彼が封筒を覗くと中にはその何枚かのお金と一枚の便箋が入っていた。

 

「……あぁ、君は喋れないんだっけ?はいはいどれどれ………」

 

彼は中に入っていた手紙を広げて読み上げ始めた。

 

 

 

「『神楽へ

 

 

何日もお店を開けてしまってごめんなさい。後、異変も起こしてしまったので貴方にも迷惑が掛かってしまったのだと思います。明日、もしかしたら明後日からになってしまうかもしれないけどお店に戻ります。慧音さんにもそう伝えておいてください。

 

 

 

忘れていましたが、永遠亭で開かれる宴会の為この封筒に入ってるお金で店の卵を買いたいので使いの兎に卵を渡しておいて下さい。

 

 

 

鈴仙より』……成程、取り敢えずこの内容を元に卵を君に渡せばいいんだね?」

 

彼の応答にその兎はコクコクと頭を縦に振った。彼はそれを見るとひいふうみい……とお金を数えてから端に寄せ、籠の中に代金分の卵を入れてお客に籠を背負わせた。そしてその兎に重箱を持たせた。

 

「代金は丁度、お釣りはありません。後、これを鈴仙や永琳さん達に渡して下さい。忙しくてご飯を作るのすら億劫になってしまうかもしれないので気持ちとしてお願いします……つまみ食いはいけませんよ?」

 

その兎は彼の話を聞き終わると再びコクコクと頭を縦に振るとすぐに去っていった。

 

 

 

 

「………んー、さてとこの時間はお客も少ないし少しゆっくり出来るかな……」

 

「その言葉の後に話しかけるのは多少気が引けるが……済まないが少し話し相手として付き合ってもらえないか?」

 

彼は手足の筋を伸ばしてから椅子に座ろうとするととある妖怪が話しかけて来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おやおやいらっしゃいませ……ではありませんかね。話し相手として付き合って下さいと言われた場合では」

 

「まぁ、そうなるな。お前と個人的に話がして置きたくなった……それだけだ」

 

「それで藍さん。お話とは何でしょうか?」

 

彼女は名前を呼ばれると一つ溜息を吐き、彼の方を呆れた顔で見つめて口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前からさん付けで呼ばれるのは違和感があるから前に藍と呼べと言っただろう?」

 

彼は彼女の言葉を聞いて少し眉をひそめたが、すぐに怪訝そうな表情は徒労を感じている表情へと変化した。

 

「紫さんがまた何か言ったんですか」

 

「その通りだ。今日の夜に泣きながら帰ってきたから何事かと思ったぞ……」

 

「そうでしたか……それで僕に聞きたい事とは何ですかね?」

 

彼女は苦笑して手を振る。

  

「別に聞きたい事がある訳じゃないさ。唯、お前に二言三言程言っておきたいことがあったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

司、久し振りだな。私はこの時を迎える事が出来て嬉しい。幻想郷を見守り、本当に陰ながらではあったが紫様や私の事の力になってくれた事に感謝する。もし時間があれば酒の席にでも顔を出したりして楽しませてくれ。私は……私達はそんな機会を心待ちにしている」

 

「………ほーい」

 

唐突に告げられた言葉に少し驚きながら彼は返答した。紫が紫だった為、神楽は藍の思いを少し不安に思っていた所があった。しかし、彼女の気持ちは変わらず昔の懐かしいまま。もしかしたら紫の気持ちは昔からこうだったかもしれないな……と彼は思ったが藍の気持ちが変わっていない事に安心を覚えていた。

 

「……さて、私からは以上だ。もしかしたら紫様から何か働き掛けがあれば応じて欲しい」

 

 

 

紫様はあれでいて不器用な方はであるからな。

 

彼女はそう告げるとスタスタと歩き去って行った。

 

 

 

 

「全く面倒な話しだよ……」

 

彼は彼女の言葉を頭で何度か繰り返した後、複雑な思いと共に溜息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその夜、彼は通常業務を終えると何時も様に店を片付けるのでは無く、下の扉から一升瓶を取り出した。この瓶は他でも無い彼の作った物であり外界の物とよく似ている。その上中身も彼自身が作った酒である為普段では飲まないような代物だった。

 

彼は吊るしてあった鶏肉を乱雑に千切って机の上の皿にのせると店のカウンターにある席に座った。

 

「どうせ家に帰っても本と寝床しかないからな……久し振りに月見酒と風情がある事をしてもいいかもな……」

 

彼は能力で干し肉を引き寄せ、半分に裂いた。一つは手元に置いてもう一方は元あった机に再び能力で置き直した。そして湯呑みに酒を注いで口に運ぶ。

 

「ふぅ……今日は雲が無い十六夜月。時間取って一人で見るのは何時ぐらい前だったか………もしかしたら初めてかもしれないが………」

 

彼は感慨深そうに月を見ながら干し肉を千切る。千切っると直ぐに口の中へと運んでいった。それを繰り返している内に彼は空になった湯呑みに気がついて再び酒を注いだ。

 

 

 

 

 

「…………まぁ今回ばかりも一人では無いようで、それもまた気にならないしいいんだけど好かれる奴のする行動では無いよな」

 

彼がそう言ってゴクリと酒で喉を鳴らすとガタッと何かが落ちる音がした。振り向くと先程まで机に置いてあった干し肉は何故か床に落ちていた。

 

「驚き過ぎだろうに、全く………ほら、徳利でも猪口でも出せよ」

 

彼は一升瓶の蓋を開けながら誰かがいる様な振る舞いでそう言った。それから数秒後、何処からか手が出てきて彼の視界の端に映った。彼はそこへ少しだけ自前の酒を注いだ。

 

「うぉ……閉めるのはや。まぁいいんですけど………」

 

彼が失笑するとまた直ぐに、今度は彼の目の前に手が現れた。

 

「………驚かせんなよ、欲しかったら注いでやるからさ。」

 

すると先程まで見えていた手は再び消えて無くなった。

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあお酒を貰いに来たわ、貴方の事は………何て呼んだらいいかしら?」

 

その代わりに一人の女性が時間外に来店した。

 

「いらっしゃいませ……当店店主の神楽です。司って呼びたい場合は他にお客様が居ない時にして下さい。勿論鈴仙の前でも駄目だから」

 

「あらあら……それじゃあ状況は限られてくるわね」

 

彼女には笑顔こそあるが覇気がある様では無かった。昨日の今日で起きた事を受け止めれる程、彼女にとってはとても重要だったという事なのだが……

 

「お前が落としたその肉、持っていっていいから。干し肉だから傷んでもいないだろうし汚いって思っても洗えるからさ」

 

「え?えぇ……分かったわ。ありがとう」

 

しかし彼は何事も無く話を進め、無かった事の様に振る舞っている。

 

 

「「………………」」

 

そのせいで彼女自身気不味い雰囲気に飲み込まれそうになって黙り込んでしまうという状況が続いた。それでも彼女は何とか背を向けず何とか逃げ出さず何とか前を向いて彼へ向き合おうとした。

 

 

 

 

 

「かぐ……いえ、司。貴方には本当に謝らなくてはいけないの」

 

 

 

 

 

 

 

「昨日の夜中は本当にごめんなさい。私はあんなにも感情的になって一方的に切り上げてしまった。貴方と話がしたいと言って、貴方の話を聞かせてと言って逃げ帰ってしまった事は本当に申し訳無いと思ってるわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けれど……今はそんな事を言いに来た訳ではないの」

 

「………ふぅん?」

 

彼は湯呑みをカウンターに置いて立ち上がると彼女のきちんと向き合った。

 

 

 

 

 

神楽は紫の真の思いに動かされたのだ。

 

 

 

 

「……元々貴方に幻想郷を紹介する為に此処に呼んだの。それなのに……幻想郷の説明や案内なんて出来なかった。しかも貴方を幻想郷から外界に帰す事さえしなかった……数百年も貴方の生活を縛ってしまった事について正式に謝りたい…是非謝らせてほしいの。勿論他にも貴方へ謝らなくてはならない事は多くあるわ。天狗の事、弾幕ごっこの事、きちんとお礼を言わなくては行けなかったのにこんなにも遅れてしまって本当にごめんなさい。許しを乞うつもりではないのだけれども頭を下げさせて下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 

貴方とこうして向き合う事を恐れてしまって……本当にごめんなさい

 

 

 

 

 

 

彼女はそう言って頭を下げた。怒るかもしれない、失望されるかもしれない。それでも彼女は拒絶される事を恐れずに彼へと向き合った。

 

 

 

 

 

向き合う事が出来たのだ。

 

 

 

 

 

「阿呆らし……」

 

「…………え?」

 

「阿呆らしいって言ってるんだよ。いつまで過去の司に囚われてるんだよ。妖怪の賢者と名乗るのが情けない、藍の方がよっぽど…………いやでもアイツはアイツで惚れた男に………まぁこれは過去の話か」

 

しかし彼はそんな彼女の態度なんて歯牙にもかけずに嘲笑う様な顔をした。

 

「終わった事ばかり気にして本当に妖怪かよ?過ぎた事はいいんだよ、細かい事は気にするなよ。大体、文句あったら紫本人に直接言ってるって」

 

「そ、そんなの………分からないじゃない!!貴方の考えてる事なんて異質よ!どうかしてるんだから!!口で言ってくれないと分からないわよ!!」

 

「直接言わないと分からないだと?そういう言い方するけど俺は昔さお前に直接言ったよな!お前に面と向かって言ったよな!」

 

 

 

 

 

 

 

ここはいいところですね、僕は気に入りました……って!!

 

「………ッ!!」

 

「その言葉を勝手に疑って信じないで避けてたのはお前の方じゃないか!確かに俺だって知らばっくれたぞ?なるべく勘付かれない様に気にしたぞ?でもさ…………

 

 

 

 

 

 

お前だったらその気になれば記憶でも弄って俺の記憶を改ざんしたりして聞く事出来たんじゃねぇのかよ!!そこまで本気じゃなかったって事じゃねぇのかよ!!なぁ!?」

 

 

「だ、だってそんなの……そんなの私には出来ないわよ。私は……貴方にどれだけの事を」

 

ガクンと膝から泣き崩れた紫を彼は困った様に頭を書きながら見つめ続けた。

 

「そこが妖怪らしくないんだっての……思い詰め過ぎなんだよ一人で……過去の事はもう気にするなよ、俺だって過去の話をするのは疲れる。真面目にやってらんねぇよ。だからさ……

 

 

 

 

 

 

 

 

今は前向けよ。一人で後ろ向いてないでさ、それこそ迷惑だ。ここに卵買いに来い、ここで世間話してけ。不安ならまた聞きに来いよ」

 

 

 

どうかしら?私の幻想郷は……って

 

 

 

 

 

 

 

彼女は下へ向けた顔を彼の方へと戻すと涙を拭いた。

 

「……いいのそれで?」

 

「認めるのは俺じゃない、受け入れるのは幻想郷じゃない。お前自身だ」

 

「そう……」

 

彼女はゆっくり立ち上がるとスキマを開いた。そしてそこへ一歩踏み出し、口を開いた。

 

「ねぇ神楽………どうかしら?私の作った幻想郷は」

 

「ん……良い所ですね紫さん」

 

「でしょう?此処はなんて言ったって私が……私達が作り出した場所なんだから」 

 

彼女は顔を真赤にしながらも心からの笑顔を彼へと向けるとスキマへと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………はぁ、ったく何だってんだか」

 

彼は湯呑みの中にある酒の残りを喉に流し込み終えると何ということもなく口から悪態が吐かれた。

 

「別にこれについてはいい事なんだろう……アイツは褒めて伸びるタイプじゃないからな………だが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分で言ったとはいえ……本当に耳の痛い言葉だよ、全く……」

 

彼はモヤモヤとした気分を胸に感じながら店を閉めた。




最近、コラボなる物が周りでは流行っているという情報を聞きつけ(←思い込み)コラボなるものを書いてみようかと思いました。再来週頃投稿する予定です。

神楽「因みに来週は何するんだ?」

書き直し手直し等々です。取り敢えずひっどい所は書き直ししないとなぁ……そうそう忘れていましたが暫くはコラボを募集しています、上記から分かる人もいるでしょうがもう既に何人か募って頂いております。記念すべき第一回目は『生きる死神』さんの作品『東方無集録』から『全無真也』君です。

神楽「もし、俺も私もコラボしたいという方がいらっしゃったら一報下さい。詳しくは活動報告を参照して頂ければ幸いです」

それでは最後まで読んで下さってありがとうございました。質問、感想、批評……等々常時お待ちしています。
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