東方堅軟録   作:こたつ@ミカン

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はい!初のコラボ企画!!生きる死神さんの「東方無集録」全無真也君と古明地こいしちゃんです。

真也「よろしくねー」

こいし「よろしくー!」

神楽「それはそれでいいんだけどさ……何?一万文字はさっておかしくない?」

おかしいです。設定とか色々な事を気にしてたらこうなりました。因みにコラボをする場合は一話完結の一万文字超える物になってしまうかもしれません……分割にしようか迷ったんですけどね……

真也「まぁ、何でもいいけどねー」

こいし「書きやすいようにかけばいいんだよ!」

ありがとう……こいしの優しさが身に沁みる。えーっとそういえばですが今回のコンセプトは「こいしちゃん可愛い」です。今回の砂糖成分は普段の砂糖成分の+十してから×百倍したぐらいの甘さです。

神楽「この小説は甘くないからな……」

それでは前書きはこれぐらいにして本編の方へどうぞ!


〜コラボ〜 ユメカウツツカ

幻想郷

 

 

そこは外界から切り離された不思議な世界

 

 

魔法使いもいれば妖怪だっている。ここは外界の人間にとって種族や常識の敷居を飛び越えた所にある普通では有り得ない世界だ。

 

 

 

 

 

そんな幻想郷では例え何か不思議な出来事が起こったとしてもそれは日常の一コマに過ぎないのである。

 

 

 

 

 

「ねぇねぇこいしー、今日も楽しい一日だったねー」

 

「うん!初めて衣玖さんとお話してみたけれどいい人だったし、天子も私も、勿論真也も楽しかったでしょう?」

 

「まぁね。じゃあ明日は何処へ行こうかなー」

 

二人はくるくると笑いながら夜道を浮かんでいた。二人の周りには楽しげな雰囲気が満ちていて、月の光がお互いの顔を照らすとお互いのニコニコとした笑顔が見えて更に笑顔を溢している。

 

「うーん……今日は天子に会ったし、昨日は紅魔館に行ったよね。一昨日は小傘や慧音先生にも会った気が……」

 

「確かにそうだねー、その前の日は確か永遠亭で輝夜や妹紅とかとも遊んだよねー」

 

「…………そう考えるとさ、次どこへ行こうか迷わない………?」

 

「あー………うん、どうしよっかね」

 

二人は顔を見合わせると苦笑いを浮かべた。彼等は別に毎日毎日同じ人間にあったとしても面白ければ気にしないだろう。しかし、人里や命蓮事にいけば妖怪を見る様な人間の視線が、紅魔館にいけば彼を見る様なレミリアや咲夜の視線が、だからといって地底に籠もると化物を見る様な妖怪の視線が彼等には突き刺さるのだ。

 

「うーん……じゃあ明日は永遠亭に行く?」

 

「それでもいいけどねー、仕事の邪魔になったらやだなー……」

 

「だよね………」

 

気まずい様な雰囲気が流れ始めると彼女は何かを思いついた様な顔でパァァっと明るくなった。

 

「じゃあさ、探検してみようよ!!」

 

「探検……?」

 

「そうそう!!そしたらさ誰か面白い人とかさ、楽しい場所を見つけれるかもしれないでしょ!?」

 

「……成程、いいかも。面白そうだねー!」

 

「でしょう!?」

 

彼女の提案で暗い雰囲気が一気に吹っ飛び和やかなムードに変化した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、一つ彼は気付いた事があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇこいしー……もしかして今日は野宿かなー……?」

 

「え………?」

 

辺りを見渡してみると木々が生い茂っており、建物や明かり一つ見つける事は出来なかった。しかも夜は深くなっていて一体何処にいるのかの判断をする事が出来ず、二人は困り果ててしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

要は迷子である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ど、どうしよっか。お姉ちゃんも心配してるだろうし、困ったなぁ………」

 

「僕とかこいしの能力だけで解決しようっていうのはちょっと無理があるよねー。場所も分かんないのに無意識に彷徨うって危険行為極まり無いだろうしー」

 

「どうする………?」

 

「うーん………」

 

長時間悩んだ結果、この森の中で野宿する事に決定した。二人は遊び疲れて眠くなり始めたというのもあり、比較的目が冴えている内に寝る準備をしようという話だった。でも、唯野宿をするのも危ないので彼は能力を使い、妖怪達は二人に「無干渉である」という様にした。

 

「ねぇねぇ真也……ちょっと寒くない?」

 

「んーそう?じゃあこうすればいいんじゃない?」

 

「ちょ、ちょっと!いきなり抱きつかないでよ!!」

 

「Zzz……」

 

「ってもう寝ちゃったし……真也のばかぁ」

 

こいしは彼の行動に顔を赤らめながらも頬を緩ませて目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチパチと火花が散る中で二人は深い眠りに落ちていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュンと小鳥が囀りを始める頃、こいしは意識を取り戻し始めた。夜で見えなかった周りの木々は青々と茂っているのが間近で感じ取れ、彼女は目を擦りながら小さな欠伸を漏らす。

 

「ふぅ……もう朝になっちゃったんだね。真也はまだ起きてないのか…………な?」

 

こいしの視界をはっきりとなり、彼がいる方向を見てみると彼女が彼に膝枕をしてあげている状態となっているのに気がついた。

 

「うわぁぁぁぁ!な、何で真也が!?」

 

彼女は興奮のあまり急に立ち上がって辺りを右往左往しながら昨日までの記憶を必死で思い出そうとした。

 

「…………あっ、そういや真也の方から抱きついて来ちゃってそれでそのまま………」

 

記憶が鮮明になっていくに連れて、彼女の顔はみるみるうちに赤く染まっていった。一方真也はこいしに振り落とされたというのに気持ち良さそうにスヤスヤと寝息をたてている。

 

「もう……真也ったら」

 

彼女はふにふにと彼の頬を柔らかく突く。

 

 

「ふにゅう、んん……ふわぁぁ……あれぇ?こいし。もしかして朝かなー?」

 

「え、えぇ。もう朝になったよ。」

 

「そっかー、じゃあちょっと眠いけど起きないといけないねー……」

 

いきなり目を覚ました彼はそう言って大きな欠伸をしながら腕を天へと伸ばす。因みにこいしはというと急に動き出した彼の頬から指を引っ込めると内心ドキドキしながら顔を背けている。

 

「あれ、こいしー。一体どうしたのー?」

 

「えぇ!いや……特に何でもないかな……」

 

「ふうん……そっかー」

 

「べ、別に本当に何でもないんだからね!ちょっとここは何処かなって思ってただけだから!」

 

「あー、そういえば場所も分からずに野宿してたからねー。ちょっと散策してみようよー」

 

彼は彼女に訝しげな視線を送っていたがニコニコとした顔で彼女の手をとった。彼女は少し驚いていたが、心を落ち着かせて彼へとついて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「迷ったね……」

 

「迷ったみたいだねー」

 

二人はそんな事を口にしつつ森の中をふわふわと浮いていた。こいしは顔を曇らせていたが真也の方は相変わらずニコニコと笑顔を絶やさない。それでもこいしの不安そうな顔を見る時は何となく笑顔が固まっている様にも見える。

 

「どうしよう、このまま私達………ってあれ?もしかしてあそこに見えるのって人里なんじゃない?」

 

「……ん、あっ本当だー、良かったー迷わないですみそうだよー」

 

木々の間から見える木造の建物を幾つか見つけると彼女達は飛行速度を上げた。

 

 

 

 

 

 

二人が人里に着くにはそう時間がかからなかったのだが一つ奇妙な感覚を感じ取れていた。

 

「ねぇ真也……なんか変だよ」

 

「こいしの言いたい事は分かるよー、なんかおかしいよねー………でも何が起きてるからは僕にも分かんないよー」

 

 

 

何時も訪れている人里とは何かが違う

 

 

そんな雰囲気を彼等は感じていた。しかし明確な理由や原因を突き止める事が出来ず、人里の外から眺める事しか出来ないでいた。

 

「うーん……取り敢えず入ってみよっか」

 

「そうだねー、そうしようかー」

 

二人は地に降り立ち、手は離さずそのままで人里の中へと進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

二人がまず最初に感じた明確な違和感は何時もこいしへと向けられている蔑んでいる様な視線が一つも無い事だった。確かに二人へと向けられる視線は多かったがそんな種類の視線ではなかった。この視線はまるで………

 

 

 

 

 

 

 

「何だか皆、僕達を目新しい物を見る様な感じだよねー」

 

「目新しい……?」

 

嫌な視線では無いが向けられて良いものでは無い。物凄くモヤモヤとした心持ちでいると奥の方から一人の女性が歩いて来た。

 

「あー、慧音だー」

 

「本当だー、こんにちは慧音」

 

二人は彼女に擦れ違う時、笑顔で手を振った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むっ?君達はここでは見ない顔だな…………君達、もしかして妖怪か?」

 

「「えっ……?」」

 

しかし彼女の一言で二人の笑顔が凍り付いた。

 

「な、何だ!もしかして君達とは以前会っていたのか!?す、済まない!」

 

いきなり話し掛けられたとは言え、そんな反応されるとは思っていなかったらしく彼女はあたふたと慌てだした。

 

「いいやー、初対面だよー。僕達新参者だからさー、挨拶くらいした方がいいと思ったんだー」

 

「そ、そうか。これは突然取り乱して済まない。私は人里で寺子屋の教師をしている上白沢慧音という者だ」

 

「僕はねー全無真也だよー。こっちはこいしー」

 

「は、初めまして古明地こいしです」

 

こいしはあたふたとしているが真也は笑顔を取り戻しニコニコとしている。が、何となく笑顔は硬いままだ。

 

「真也にこいしだな、ここは何も問題を起こさなければ幻想郷でも珍しく平和な所だ。もし困った事があれば私や卵屋の店主を訪ねるといい」

 

「卵屋の店主………?」

 

こいしは慌てるのも忘れ、首を傾げて慧音の方を見ている。

 

「あぁ、彼も妖怪だしな。一度訪ねてみるといいかもしれないな……」

 

彼女は顎に手を当て暫く思案すると来た道を指差した。

 

「ここを真っ直ぐ行って左折するとその卵屋が見えるだろう。そこに彼が居る」

 

「分かった、ありがとー。それじゃあねー」

 

「あぁ、またな」

 

彼等はニコニコと手を振ると彼女の方もに笑顔で手を振り返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慧音が去った後、二人は顔を見合わせて顔を引きつらせた。

 

「ね、ねえ……おかしいよ!!慧音が知らないなんておかしいよ!!皆してどうしちゃったの!?」

 

「分からないよー、これからどうしようかなー……」

 

真也は力無く笑い、こいしは今にも泣きそうでいる。彼は何とかしてこいしを笑顔にしてあげたいのだがどうにもこうにもうまくいきそうに無い。

 

そこで二人に追い打ちをかけるように腹の虫が鳴った。

 

 

「……取り敢えずその卵屋さんの所に行ってみようよー。僕はもうお腹空いたー」

 

「そ、そうだね………お金無いけどご馳走してくれるといいね………」

 

「あはははー……」

 

彼ももう既に泣きそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼が目を覚ますと微妙な違和感を感じた。

 

明確な言葉で表す事が出来ないが何となく幻想郷がふわふわとしている、という漠然とした物だった。

 

何が原因か、何が起きているのか正確な事は彼にも理解していない。けれども問題が起きたら直ぐに対処する事を念頭に置いて店を開いた。

 

 

 

 

「今の所は何も無いか……」

 

昼過ぎになって彼は彼に感じている違和感が勘違いや気のせいなのでは無いかと思い始めた。それは彼以外にその違和感を感じ取っている者がいないからである。慧音も鈴仙も気づいている素振りを見せていない。もしかしたら見せていないだけかもしれないが彼は察知出来ないでいた。

 

「神楽、そろそろお昼にしましょうよ」

 

「ん?あぁ、そうしようか」

 

 

(悩んでてもしょうがないか、元々何かが起きた時に対処するって決めたんだしな)

 

彼は鈴仙にそう言われると昼飯の準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

「うー……お腹空いたぁ」

 

「あー、あそこに卵屋があるよー」

 

 

 

「アイツらは………?」

 

彼はトボトボと元気の無い足取りで歩み寄って来る二人を見据えて何が起こっているかの理解をした。

 

「ん?どうしたの神楽……何を見ていたの?」

 

「いや、何も?」

 

鈴仙は彼が暫く誰もいない道に何らかの視線を送っている様に見えたので不思議に思って疑問を投げかけた。しかし神楽は何でも無さそうにフライパンに油を敷いて鶏肉を入れた。

 

 

 

 

「どうしよう……ねぇ真也。お腹空いたって言えばタダでご飯食べさせてくれると思う?」

 

「うーん……無理じゃないかなー」

 

二人は「無意識」を利用して卵屋に到着するとコソコソと話を始めた。依然として二人自身に能力がかかっている為、道行く人や目の前にいる鈴仙にさえ見つかっていない。

 

「じゃあどうする……?」

 

「どうしようかー……」

 

そんな二人の元に無情にも鶏肉のいい香りが漂ってくる。彼等は匂いのする方を見ると神楽は焼いた鶏肉を卵でとじて甘辛ダレ、要は照り焼きに仕立てている。

 

「……この店の人には悪いけど、勝手に食べさせもらおうかなー」

 

「…………ちょっとくらい、ほんの一口だけならいいよね……?」

 

真也はニコニコと笑っているがこいしに関して言えばもう神楽の作った料理しか見えていない。

 

「あはは、こいしったら仕方ないなー。しょうがないから無意識を操ってもう何人分か作ってもらおうよー」

 

「そうだよ!何で気が付かなかったんだろう!!」

 

こいしは気を取り戻して神楽へそう仕向ける様に能力をかけた。すると彼は直ぐに鶏肉の卵とじを皿に盛り付けると何処からともなく幾つかの重箱を召喚し、その中へと即興で作った卵焼きを詰めていった。

 

「凄い………」

 

「神業だねー」

 

二人が感嘆とする中、神楽は重箱や料理の盛りつけられた皿を持つと店の外へと出た。

 

「鈴仙、さっき出前の注文が入ったから送ってくる。悪いが今日は昼ご飯を食べれなさそうだから」

 

「出前の注文……そんなの来てた?私気が付かなったんだけど………」

 

「そりゃ幸せそうな顔で弁当の中の漬物を食べてたからなぁ」

 

「むぐっぅ!!」

 

鈴仙はそれを聞いて喉を詰まらせ、必死に水筒の中のお茶を流し込んだ。

 

「……まぁ、そういう事だよ、行って来ます」

 

「ぷはぁ!………うぅ、行ってらっしゃい」

 

神楽は店から出るとふわっと浮き上がって人里の外へと飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一体何処に出前に行ったんだろうな……」

 

彼女は彼が飛び去った空を見て一人箸を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、こいしと真也はというと彼を追いかける様に彼が飛び去った方向へと一目散に向かった。最初は二人共、人里では無意識を働かせているが旗からみたら卵焼きが消えてる様に見えるのを危惧して人里の外へと飛んでいるものだと思っていた。しかし、神楽が中々地上に降り立たないのを疑問に思うと彼に不信感を覚え始めた。

 

「あの人、何処まで飛んでると思う?」

 

「僕には分かんないかなー。もしかしたら無意識の能力掛かって無いんじゃない?」

 

「そうなのかなぁ……じゃあ今度は真也が掛けてみてよ」

 

「分かったー、やってみるよー」

 

彼はえいっと掛け声を出して手を降ってみると神楽はどんどん下降し始め、暫くすると地上に降り立った。

 

「やっぱり能力が掛かって無かったんだよー」

 

「えぇ……そうなのかなぁ?」

 

二人はそう言って彼へと近づいて行くととある一件の家を見つけた。こんな森の中にどうして……?と思っていると彼はその家へと入っていった。

 

「………どうしよっか?」

 

「どうしようねー」

 

二人は予想外過ぎる彼の行動に呆然とし、立ち尽くした。

 

「まぁ、ここまで来たなら引き返せないよねー」

 

「えっ……?入るの?」

 

「大丈夫。もしこいしに敵対する様であれば容赦しないからさー」

 

「う、うん。じゃあ入ろう」

 

二人はそーっとゆっくり、そして静かに不思議な家の扉へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼等が最初に入って目の当たりにしたのは大量に積み重ねられた本の数々であった。部屋の中にはランプの火が幾つか灯っていて若干不気味な感じを醸していた。

 

「ようこそ、僕の家に」

 

その小さくは無い家の奥の方から男の人の声が聞こえてきた。その男はさっきまで二人が追いかけていた男で傍らには彼が運んでいた料理の盛りつけられた皿や重箱が置いてあった。

 

「……どうもこんにちは」

 

「あははー、もしかして僕達嵌められちゃったかなー?」

 

こいしは不安そうな表情を浮かべ、真也は笑顔でいるものの目の光は失いつつある。

 

「嵌める……か、確かにそう思われるかもしれないね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、その予想はあながち間違ってないな……」

 

 

その言葉を聞くとこいしの表情は一気に凍りついて行き、真也の目の光はより一層淡くなっていった。

 

「それで……何が目的かなー?」

 

真也はこいしを後ろに下げ、彼へと近づいて行く。すると彼は近くにある鶏肉の卵とじの乗った皿と二組の箸を真也へ差し出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お腹空いているんでしょう?冷めかかっているけれど食べなさい」

 

神楽は少し歯を見せる様な笑顔を作った。その様子を見るとこいしは目を丸くし、真也の方は目に心無しか光は戻っていた。

 

「ど、どうして……?」

 

「どうしてって?そんな顔で何が疑問なのかよく分からないし正確には何を伝えたいか僕には分からない。けれど君達とは鼻塩……いや、取り敢えず昼ご飯を食べて欲しいんだ。お腹空いているんじゃないのかい?」

 

「どうしてそう思ったのかなー?」

 

「単純な話、物欲しそうな顔で僕の料理を見ていたじゃないか」

 

「おっかしいなぁー、僕は能力を掛けて僕達の姿を見えない様にしてたんだけどさー、何故貴方には見えてたのかなー?」

 

真也は目の光が少し強くなったとは言え、相変わらず彼を警戒して気を許そうとしていない。

 

 

一方こいしの方はというと………

 

 

 

 

 

 

 

「ん〜!美味しいー!!冷めてるのにこの鶏肉絶品だよー!!真也も食べよう!!この人の料理美味しいからさー!!」

 

空腹のあまり神楽の作った料理に手を出している。その上、神楽への警戒心は解けて笑顔で今度は卵焼きを頬張っている。

 

「ん〜この卵焼きはあったかいんだねぇ!おいひぃ……」

 

「あれ……こいしー?食べちゃって大丈夫なのー?毒とか入ってないー?」

 

「全っ然!!美味しくてびっくりしちゃった!!真也も食べよう!!まだまだいっぱいあるからね!!はい!あーん!!」

 

「あ、あはは……じゃあ貰っちゃうね。…………んむぅ、確かにこいしがここまでテンションが上がるのも分かるよー、この卵焼きすっごく美味しいからねー。分かるけどさー……」

 

「それでも何かおかしい事でもある?」

 

真也は困った笑みを浮かべながらこいしに卵焼きを食べさせられていると、何処からか持ってきた酒瓶とコップを三個程手に持ちながら神楽は二人がいる場所へと戻ってきた。

 

「今少し僕達の身の回りに不思議な事が起きてて大変なんだー。聞いてくれないかなー?」

 

「そちらから話があるのは非常に助かるよ。こっちも少し君と話があってね

 

 

 

 

 

まぁ、卵焼きでも食べながら話し合いをしないかい?」

 

「…………分かったよー」

 

真也はまだ神楽への不信感を完全に拭い切れた訳では無いが話し合いに応じる事認め、卵焼きを口の中へと運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……成程、二人は何故か分からないけれどこの世界に来た。しかも幻想郷という同じ名前の世界だから困惑している……そして出来る事なら早く元の世界へと戻りたい……大方こんな所でいいかな?」

 

「うん、お兄さんの言う通りだよ」

 

「そっか……何故そうなったかは正確には分からないけれど何が起こったかは分かった」

 

「本当に!?」

 

こいしは身を乗り出して神楽へと迫っていった。神楽は苦笑しながら彼女の両肩をポンポンと軽く叩いて座っていた位置へと戻させた。

 

「うぅ……興奮しちゃってごめんなさい」

 

「別に気にしなくてもいいよ。そりゃあどうすればいいか分からない、自分を知っていた筈の人から忘れられているというのは心が痛くなるし、苦しくて吐きそうなくらい辛い物だから」

 

「……もしかしてお兄さんもそういう経験とかある?」

 

語調が強かった為かこいしは心配そうに彼へと声をかけるが、まさか?と彼は笑い飛ばした。

 

「それはそうとして君達に一体何が起こっているかというと………

 

 

 

 

 

 

二人が生きていた幻想郷と今ここにいる幻想郷の境目が完全にとは言わないけれど無くなったんだ。」

 

「境目が無くなった……?」

 

「それってどういう事かなー?」

 

神楽の言葉にこいしだけで無く真也にまで気を引いた。

 

「真也………卵焼き全部食べ終えたの?」

 

「うん、美味しかったよー。えっと卵焼きをありがとー、さっきは疑っちゃってゴメンねー」

 

こいしは真也の反応に少し冷ややかな視線を送ったが、真也はニコニコと笑顔を浮かべながら手と手を合わせてご馳走でしたーと暢気な声を出した。彼の目には光が戻り、神楽への警戒心は消え去っていた。

 

「いやいや、喜んでもらえて嬉しいよ。卵焼きも口に合ってよかったし………と失礼、話を続けるけれどもいいかな?」

 

「あー、うん。続けてー」

 

彼はこいしの視線に気がつくと話を戻した。

 

「二つの幻想郷の境界が何故曖昧になったかは分からない。けれども二人は現に境目を超えてこちらの幻想郷に来てしまった……考えられる可能性として能力や性質、強い思いが惹きつけられたんじゃないかと思うな」

 

「「………………」」

 

二人は顔を見合わせて複雑そうな顔をした。彼等は彼の口から境目が「無くなった」という言葉を聞いて薄々勘付いてはいたのだが、原因がより明確に提示された為責任を感じざるを得なくなった。

 

「えっと……すみませんでした。多分完璧私達のせいですよね……?」

 

「確かに起きた事は君達のせいだろう。でも少し境目や幻想郷の大気が不安定なだけで今の所何も起きてはいないから何の問題ないよ。まぁ、この地に永住したいというなら話は別だけどね?」

 

「はっきり言わせてもらうけどさー、それはないかなー」

 

「それでいい、寧ろそうでも言ってくれないとな……」

 

間髪入れずに返された反論に神楽は笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は古明地こいし

 

私は今日とても不思議な出来事に合ったの

 

 

 

 

 

 

それは私と真也が他の幻想郷に迷い込んじゃったって事。

 

 

最初は森の中を迷ったり、何時もは声をかけると返事をしてくれるのに全く反応してくれなかったりと不安な事がいっぱいあった。

 

でも人里にいた卵売りの人が色々な事を教えてくれたの!

 

 

しかもとっても優しくて物知りな人で、違う世界に迷い込んで困ってた私達に美味しい物を振る舞ってくれた。お金も払ってないのに凄いよね!びっくりしちゃった!それに面白かったり初めて知る話とかもあって本当に楽しかった!

 

 

 

 

え、今はどうかって?

 

それはというと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇねぇ〜こいしぃ〜、このお酒美味しいよぉ〜。口当たりもキツくなくてどんどん飲めちゃうよぉ〜」

 

「ちっ、近いよ!真也近いって!!ちょっと落ち着いてよ!!」

 

卵売りの人が持ってきたお酒をグビグビ飲んじゃって酩酊状態の真也に抱きつかれて困ってます……

 

因みにこのお酒はお兄さんの手作りのお酒みたいで卵から作ってるんだって!卵から作ってるなんて珍しいよね、普通じゃ作れないないから卵に魔法とか掛けてるんだって。よく分かんないけど凄いね。

 

 

 

 

 

 

 

 

って今はそんなのどうでもいいの!!

 

「最初は一口だけで済む予定だったのに……美味しいのは確かだけど、こんな事になるなんて聞いてないよー!」

 

私はもう呆れに呆れてしまいどうする事も出来なかった……確かに何時もの事だから気にしないんだけれど………狙ったかのように想像通りなんて……はぁ

 

「こいしぃ〜どうしたのぉ~?」

 

「別に何でもないよ……」

 

それにここから元の世界に戻る方法をまだ聞いてないし……どうしよう。そんな私の悩みなんて露知らず、真也はニコニコと私のほっぺを突っついている。

 

「そんなつまんなそうな顔しないでさぁ〜もっと楽しんでいこうよぉ〜こいしは笑ってる方が可愛いんだからさぁ〜」

 

「むぅ……」

 

そんな可愛らしい笑顔で言うなんて卑怯だよ……

 

 

私は少しむくれていたかもしれないけど真也の言われた通りにニコッと笑顔を作ってみた。

 

「ん〜♪やっぱりこいしは可愛いんだからぁ〜〜……んむ」

 

「むーっ!!むーっ!!(ちょっ!ちょっと真也ぁ!!)」

 

え……え、えぇ!!ちょっとちょっとちょっと!!どういう事!!何でいきなりキスして……あう〜〜……

 

しかも真也の飲んでた酒の匂いが真也から通じて頭や体中に……もうダメかも…………

 

 

私は真也に押し倒される様な形で…意識が、遠くなって……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これはこれは……お互いを愛し合えるなんてとても幸せな光景だな」

 

彼は空になった酒瓶とコップを手に取って一人そう笑った。

 

 

「ごきげんよう、異なる世界の誰かさん」

 

すると彼しかいない筈の部屋からスキマが現れ、一人の女性が顔を覗かせた。

 

「これはこれは……紫さん……正確に言えば別世界の紫さんと言えばいいですかね?要件は………二人さんですか?」

 

「ふふっ、察しのいい方には好感を持てますわね」

 

彼女はニッコリと笑うと酔っ払って寝ている二人を両肩のせた。

 

「それにしても…………急にどうしてこんな事が起きてしまったのかしら?……勝手にこんな事が起きてしまうなんて…本当に彼は非常に手が掛かる子だわ………」

 

「さぁ……正確な事は分かりませんが

 

 

 

 

 

 

 

誰かまた新しい人と関わりでも持ちたかったんじゃないのですか?」

 

「そんな単純な話じゃないと思いますわ……」

 

「どうでしょうねぇ、私は幻想郷に長く住んでいますがそういう物だと思いますよ。それでこそ幻想郷だと思いますし

 

 

 

 

 

 

 

私はそんな幻想郷が大好きです」

 

 

紫は神楽の突然の言葉に不機嫌そうな顔から一変驚いた様な嬉しそうな顔を浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふっ………当たり前ですわ。この世界は、この幻想郷は私達が作ったんですから」

 

それではこれにて失礼、と彼女はそう告げてスキマへと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………んんっ、僕は一体…?」

 

彼は眠そうな目を擦りながら周りをキョロキョロと見渡して、意識が飛ぶ前にしていた事を必死に呼び戻そうとした。

 

 

「……あー、またやっちゃったんだねー、ははは…またこいしに怒られちゃうよー」

 

先日の事を思い出して悪びれた様子を感じられるのだが起きてそうそう作られた笑顔はそのままだった。

 

「そう言えばここは……?」

 

暫くしてようやく彼の視界がはっきりとし始めると周りの景色がよくよく分かってきた。床も壁も天井もゴツゴツとした岩石で出来ていて小奇麗に整えられている。どうやら森の中では無い様でその事実がより一層疑問を加速させた。

 

 

 

「おやおや?どうやら起きたようだね、気分はどうだい?」

 

彼が困惑していると奥の方から一人の……というか一匹の妖怪が彼の前に姿を見せた。

 

「君は……もしかしてヤマメかなー?」

 

「うん?もしかしなくてもヤマメさんだよ、真也は私の事を誰だと思ったんだい?」

 

 

「えっ……いやー、ちょっとぼーっとしてただけかなー」

 

「ん、そうかい?まぁ、こいしが起き次第地霊殿に戻った方がいいだろう。さとりが心配してたからね」

 

「あっ、うん。分かったよありがとー」

 

そんじゃあ私は朝ご飯の用意してくるから少し待っててよ、と彼女は言いながら洞穴から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今まで起きていた出来事は全部夢……?」

 

「ふにゅう…………」

 

(ま、どうでもいっかー……)

 

彼は暫く頭を抑えて思案していたが、こいしの寝言を聞くとどうでも良くなって彼女が目を覚ますまで彼は彼女の顔を間近で見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷は今日も何時も通り、平和である

 

 

 

 




という訳で初のコラボでしたー。お二人ともどうでしたか?

こいし「どうも何も……」

真也「やり過ぎなんじゃないかなー……?」

そ、そうですかね?今回は何時もとはちょっと違うから感じな上に、初コラボという訳で張り切らせて頂きました……もし東方無集録が読んだ事の無い方は是非ともそちらの方も一読して頂けるとより面白く感じれるかもしれません。

真也「待ってるよー」

こいし「来てねー!」

神楽(丸込められてる気が……)

それではここまで読んで下さってありがとうございました。質問、感想、批評……等々常時お待ちしています。


次回は金髪のあの子が登場!お楽しみに!
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