東方四季物語   作:KO鬼塚

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今回は、四季が幻想郷に行って1人の幻想郷メンバーと会話する所までです。
戦闘描写がまだなくて、話ばかりでつまらないかもしれないですが、どうか読んでくだされば嬉しいです。
では、面汚しかも知れませぬが、楽しんでください。


第一夜~混血が迷い込んだ幻想郷~

「あ~…疲れたわね…」

 

そう呟いたのは、脇を強調した紅白の巫女服を着た、幻想郷の素敵な巫女こと…

博麗霊夢だ。

 

「まったく…わざわざ人里に来てまで暴れなくてもいいじゃない…」

 

なぜ、こんなに霊夢が疲れているのかと言うと、数時間前に起きたちょっとした事件(規模が小さかった為、異変ではなく事件として扱った)を解決していたからだ。

解決していた…と聞こえはいいがただの鉄拳制裁に他ならないのだが…。

 

「しかし…妖怪が大勢で人里を襲うなんて…おかしいわね」

 

霊夢は先ほどの事件について疑問を感じていた。

事件の内容は、人里に妖怪の群れ(と言っても5匹ほどなのだが)が現れ人間を襲ったというもの。

別段、妖怪が人里に現れ襲うのなんて多くはないが過去にも何回かあり、不思議なことではない。

ただ、霊夢が疑問に思ったこと、それは妖怪が群れで現れたことである。

先ほども述べたが、妖怪が人里に現れ襲うのは珍しくはない、ただその時妖怪は毎回、単独で現れて人里を襲うのだ。

なぜなら、妖怪たちは、自由意思が強く基本群れで行動しないからである。

だから、今回のように妖怪が群れで人里を襲うことは今までに無く霊夢は疑問を浮かべた。

 

「まぁ…考えたところで仕方ないわよね。

人里の人たちにも大した怪我はなかったし、妖怪も全員懲らしめたから問題はないわ。」

 

考えたところで疑問しか出ない結果から霊夢は先ほどの事件を忘れることにした。

 

「日も大分暮れてきたから、早く帰らなきゃ。」

 

そう言った霊夢の現在地は、妖怪の森の上空、つまりは空を飛んでいた。

普通の人間が空を飛べるわけないのだが、霊夢の能力「空を飛ぶ程度の能力」にかかれば造作もないのだ。

 

「帰ってお風呂に入って…ん?」

 

帰ってからの予定を考えていた霊夢だったのだが、考えるのを止め、妖怪の森のある一点を見つめていた。

霊夢が見ていたのは、木が少なく空からでも見える森の中の小さな広場のような場所だった。

普段なら気にもとめない場所なのだが今日はそう思ってはいられないようだ。

なぜなら、そこには遠くからでもわかるように人間が倒れていたからだ。

 

「はぁ…今日は厄日ね。

どうしてこう次から次へと問題がおきるのかしら…」

 

そう呟いた霊夢は急いで広場まで降りていった。

 

 

 

 

少女移動中…。

 

 

 

 

スタッ!

 

森の小さな広場まで降りた霊夢は、人間が倒れている場所まで近づく…。

そこに倒れていたのは、肩まで伸びた白髪で、青い着物をだらしなく着た美青年だった。

 

(生きてるのかしら?)

 

死んだように倒れている人間に対して霊夢は素直にそう思った。

さらに近づき脈を確認しようと手をだした霊夢だったのだが…

 

(…‼)

 

何か悪寒を感じその手を途中で止めてしまった。

そして何か怪しむような眼をして青年の顔をみた霊夢は…

 

「こいつ…人間じゃない?」

 

そう呟いていた…。

霊夢は、青年からうっすら感じる妖怪の気配を元に、青年が妖怪と仮定し、この青年を助けるか否か迷った。

良い妖怪なら即座に助けるが、間違って悪い妖怪を助けたりした場合、博麗の巫女として、あるまじき失敗と考えたからだ。

 

(………)

 

そうして、しばし考えた様子の霊夢だったが、やがて、止まっていた手を青年の方に伸ばし脈を確認し始めた。

青年が生きているのが解るや否や、霊夢は青年を肩に担ぎ、家に帰るため再び空を飛び始めたのだ。

 

(こいつが良い妖怪じゃないにしても、あんな場所に放っておくわけにもいかないでしょ!)

 

霊夢はそう心のなかで叫ぶのであった。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「ん…」

 

男は眼をさました。

 

「俺は…」

 

そう呟いて、上半身を起こしてみる。

そして、寝ぼけた頭を覚醒させ、周りに眼を向けた…。

 

「…!?」

 

男は驚いた。なぜなら見渡す限りに何もない白い空間にいたのだから。

 

「なんだ…ここは…」

 

今、男がいる場所は不気味なほどに白い空間で他には何もなかった。

だが、不思議と男は悪い気はしないと感じていた。

不気味以上に暖かな雰囲気さえ漂わせていた白の空間に安心と安らぎさえ感じていたのだ。

 

「…俺は…確か…」

 

周りを見渡したあと自分の手を見つめながら男は呟いた…。

少し前に起きた自分の出来事を思いだすかのように…。

 

「そうだ…俺は確か…8年前に身体を奪われて…それから…ナナヤに…殺されたはずじゃ…」

 

そういいながら、男は自分の身体に手を当てた。

身体に異常は…ない。怪我も…ない。

 

(どういうことだ?)

 

今起きている出来事に理解が追い付かず疑問ばかりが浮かぶ。

ただ、わかったのは、なぜか自分は生身の肉体(少なくとも幽霊のような霊体ではなく)をもって生きていて(もしかしたら、既に死んでいて一時の夢のようなものかもしれないが)この不気味なほどに居心地のいい白い空間にいるということだけだった。

 

「……………」

 

しばし、自分の今の現状を整理していると…ふいに…。

 

『こっちだよ?』

 

声が聞こえた…。

 

「!?」

 

男は驚き、素早く飛び起きると声のした方へ顔を向けた。

するとそこには…腰まで伸びた黒髪で赤い服を着た小さな女の子が男に背を向けて立っていた。

 

『こっちだよ?』

 

再びそう言った女の子は、そのまま真っ直ぐ前に向かって走っていった。

 

「あ…ちょっと待てよ…お前は誰だ!」

 

男は女の子を呼び止めるために叫んだ。

だが、女の子は男の質問に答えることなく再び…

 

『こっちだよ?』

 

と言いながら、走るのを止めない。

 

「くそ…おい!待てって!」

 

そう言って男も女の子の後を追うため走った。

 

(…!?)

 

走り出した男は身体に違和感を感じた。

 

(身体が…軽い…?)

 

その違和感とは、自分の身体が異常に軽く感じることだった。

さらには、周りの風景が白一色の場所のため男は気づいていないが、男の走る速度は明らかに人の出せる速度を越えていた。

 

(おいおい…身体が軽いってことは…やっぱり俺は死んだってことなのか?)

 

自分の身体が軽いことを不信に思い、やはり自分は死んで幽霊になってしまったのかと男は思い始めていた。

 

(ってことは此処はさながら死者の来る場所ってことか…クハハ…笑えねぇぜ)

 

さらには、此処が死後行き着く場所だと考え始め、このまま女の子についていけば自分は地獄に行くんじゃないかと考えていたところ…ふいに…

 

『貴方は死んでなんかないわ』

 

前を走る女の子の方から声がした。

 

「なに…?」

 

男はなぜ、今自分が考えていたことに対しての答えを、女の子が聞いてもいないのに答えたことを不思議に思った。

 

『貴方は死んでなんかないわ…いや…正しくは一度は殺されたんだけど、今の貴方は確かに生きてるのよ、四季』

 

「…!?どうして俺の名前を…それになんで俺が殺されたことを知っている‼」

 

『貴方のことなら何でも知ってるわよ』

 

そう言ってクスクスと笑いながらも走るのを止めない女の子。

さらには、

 

『貴方の疑問に1つずつ答えてあげるわ。

まず、貴方の身体が軽く感じるのは、貴方の中に眠る『鬼の血』を貴方自信が支配しているからよ…四季』

 

「…!?」

 

男は…否、四季は驚愕した。

この小さな女の子が四季を混血と知っていたこと…。

そして、『鬼の血』を支配していると言ったことである。

 

『鬼の血』の支配は、混血の一族…遠野が遥か昔より成そうとしている最大にして絶対の目標だった。

しかし、それは叶わぬ目標だった…それもそのはず、人の身でありながら、妖魔の王ともいえる鬼を従える術など持っていなかったからである。

しかし、遠野はそれでも諦めずあらゆる観点から支配を目指した。

しかし、結果は失敗だ。

どんなに手を尽くしてもどんな方法をためしても、支配できなかった。

そればかりか、人は鬼に支配されるという現実を突きつけられたのだ。

血の薄いものは、人として問題なく暮らしていける…だが、血の濃いものは例外なくバケモノになってしまう。

ただ、それだけがわかり遠野は絶望し自らの過ちを認めて支配することを止めた。

それからの遠野は『鬼の血』による『反転衝動』を恐れ、自らの衝動を抑える術だけを求めるようになった。

それが、遠野の歴史。

 

そんな歴史を知る四季は、自分が『鬼の血』を支配していると言われても納得できるはずがなかった。

 

「嘘をつくなよ…クソガキ…『鬼の血』が支配できるのなら…あのとき…」

 

そう呟いて、四季は8年前のことを思いだし、その顔には悲しみと後悔の色が浮かんでいた。

 

 

『あのとき…とは…貴方が唯一親友と認めた少年を…殺した時のこと?』

 

そう言った少女は、やっと走るのを止め、四季に背を向けたまま立ち止まった。

 

「…!!」

 

四季は女の子が止まると同時に走るのをやめて、女の子から数メートル離れた位置で止まった。

そして、怒りをぶつけるように女の子の背中を睨みつけた…が…。

 

(このクソガキにあたった所で…俺がアイツを殺したことに変わりはしない…か…)

 

そう思うと、先ほどまでの怒りの感情を抑え過去の過ちを思いだし無意識に視線を下に向けた。

その四季の行動に合わせるかのように女の子は…

 

『あれは貴方のせいではない』

 

と静かに言った。

 

『確かに貴方が彼を殺したのは間違いない真実、でもあれは仕方ないのよ。

あの時の貴方には『反転衝動』を制御できる力なんてなかったのだから…でも…。』

 

女の子から次に出る言葉を聞くため四季は、視線を女の子の方へ向けた。

 

『今の貴方なら制御できる。

その証拠に今の貴方は、人間以上の身体能力を有し『鬼の血』による『反転衝動』の痛みも感じていないはずよ?』

 

そう言われた四季は自分の身体に再び手を当てた。

そして今になって気付いた。

身体能力向上に関しては確認できないが、自分の身体を苦しめていた『反転衝動』の痛みがないことに…。

 

「確かに…痛みはないな…だがまだ信じられない…。」

 

そう呟いた四季は少し考え、女の子に質問をした。

 

「仮に俺が『鬼の血』を支配しているとしよう…。

それでもなぜ、俺は急にこの力を支配できるようになったんだ?」

 

四季は、自分が『鬼の血』を支配できていると半分理解したが、それでも自分がなぜ支配できるようになったのか解らなかったのだ。

だから、この、女の子ならなにか知っている違いないと思った四季は、その疑問を投げ掛けてみた。

すると女の子は、四季が思ってもみなかった答えを言った。

 

『それは簡単よ、貴方は一度死んでから…生き返ったのだから。』

 

そう言った女の子は、またもやクスクスと笑いだした。

 

「一度死んだ人間が生き返っただと?

冗談だろ?」

 

女の子の発言が現実味がないことから、からかわれていると考えた四季は、女の子に言った。

しかし、女の子は冷静に…

 

『あら?冗談じゃないわよ?だって貴方を生き返らせたのは私なんだから』

 

そう言った。

 

「は…馬鹿らしい…死者の復活なんて魔法使いにもできない…きっと無理だろ。

なのにお前みたいなガキに生き返らせたのは私ですって言われて信じるとでも思ってんのか?」

 

四季は、女の子がさっきから冗談を言っていると思い呆れたように返答した。

すると…

 

『貴方が信じようが信じまいがどっちでもいいわ。

ただし、これは真実よ。

貴方は一度死んで生き返った、その際に貴方は『鬼の血』を支配できる力を手に入れたのよ』

 

女の子は先ほどと違い神妙な雰囲気で語った。

 

『人はね。希に一度死んで生き返った際に不思議な力に目覚める事例があるのよ。

貴方は、その事例通りに力が目覚めただけよ。

『鬼の血』を支配できる力としてね。』

 

「…」

 

四季は、女の子の話を今まで黙って聞いていたが、ふいに質問した。

 

「ガキの話を無闇に信じるわけじゃないが…。

もし、俺を生き返らせることが出来たのなら…。

そんなことが出来るお前は何者だ?」

 

四季は今までの女の子の言動や雰囲気から、この女の子がただの子供ではないと推測した。

それを踏まえての質問である。

 

『私が何者なのかは、まだ言えないわ。

でも、きっと自ずとわかってくるはずよ』

 

そう言って初めて女の子は、四季の顔を見るために振り向いた。

 

「……‼」

 

四季は驚いた。

なぜなら、その女の子の顔は、(幼き日の姿ではあるが)妹の…秋葉にそっくりだったからだ。

 

「あ…秋葉…。」

 

最愛の家族の名前を確かめる様に呼ぶ。

 

『いいえ…私は貴方の妹の秋葉ではないわ。

ある事情でこの姿になっているだけ。』

 

そう言った女の子は、またクスクスと笑う。

その顔を見ながら四季は…

 

(結局こいつが何者で今の話が本当かどうかもわからなかった…だが、こいつに敵意がないことはわかった。

しかし、こいつが俺を生き返らせたとしても…なんのメリットがあるんだ…)

 

『私はただ、貴方に生きてほしいのよ…四季。

私の世界で…『非常識が常識』になる世界で。』

 

そう言った女の子は女神のような慈愛深い笑みを浮かべた。

 

「……………」

 

四季は女の子の言う言葉の意味がわからなかった。

だが四季の心には、この女の子は信じられると確信めいた感情があった。

そして、さらに質問をしようと四季は女の子に近づいた。

その時…身体に異変が起きた…。

 

「ぐ…な…」

 

四季の身体から眩い光が出始めたのだ。

それを見た女の子は…

 

『さぁ、時間よ…本当はもうちょっと話してたかったんだけどなぁ』

 

そう、寂しそうに呟いた。

 

「…!おい!これはどういうことだ!答えろ!」

 

四季はわけもわからず叫ぶ。

 

『四季には今から第2の人生を歩んでもらうわ。

大丈夫、こっちには貴方みたいな混血や純血種だっている。

だから、きっと上手くやっていけるはず。』

 

「お前…なにを言って…!」

 

そう言う四季の身体は先ほどより更に光が出て直視出来ないほどになっていた。

そんな四季に女の子は近付き…。

 

『四季…聖人になれだなんて言わない。

君は君が正しいと思える『人間』になればいい。

いけない事を素直に認め後悔する優しさがある君なら……。

次会うときには…きっと素敵な男の子になってるわ』

 

そう優しく語りかけ…

 

『だから…皆を助けてあげて?四季』

 

そう女の子は言った。

 

「まて…まだ話は…!」

 

次の瞬間、四季の身体は白い空間から消えた。

残ったのは女の子しかいない…そして…

 

『どうか…私の子供たちを守って…四季』

 

誰もいない場所でそう呟いた…。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

どうやら長い夢を見ていたようだ。

白い世界に自分と少女の二人しか居ない夢。

どんなことを話していたのか…思い出せない…。

 

「※※※※※※※※※※※」

 

「※※※※※※※※※※※※※※※※※」

 

ふいに声が聞こえた…。

次第に意識が戻ってきて、無意識に会話が耳に入る。

 

「あんたがあの外来人を、つれてきたんじゃないの?」

 

「違うわよ…しかしおかしいわね…私が連れてきたわけでもないし、かといって普通に幻想入りしたってわけじゃないみたいだし…結界の方も壊れてなかったのよね」

 

「えぇ…まったくどうやって此処に来たんだか…」

 

(どうやら、人が二人で話しているようだな…。

内容に関しては、よくわからないが…。)

 

「しかも、調べてみた結果この子…現世では死んでいるみたいよ?」

 

「はぁ!?」

 

「ちょっと霊夢…声が大きいわ…彼が起きちゃうわよ」

 

「む…でもだとしたら、この外来人って死者ってこと?」

 

「さぁ…わからないわ…でも彼の肉体は生者のものよ」

 

(どうやら、話の矛先は俺に向けられているようだ…。

まったく…人が気持ちよく寝てんのに、人を死者呼ばわりするなんて…失礼な奴等だ…。)

 

「余計にワケわかんないわね」

 

「そうね…」

 

(ん?話も終わりみたいだし、俺もそろそろ起きるかな…。)

 

「…?霊夢、彼が目を覚ましたみたいよ。

私はもう帰るから何かあったら、また呼んでちょうだい」

 

「わかったわ」

 

「じゃあね~霊夢」

 

そう言って1人は何処かへ消えた。

それと同時に…話の矛先の主、四季は重い瞼を開けた。

 

「ここは…?」

 

眼を開けたはいいが目に写ったのは知らない天井。

 

「やっとお目覚め?」

 

そう言われ、声がした方へ顔を向ける四季。

 

「お前…誰だ?」

 

「命の恩人になんて口の聞き方よ!」

 

四季としては知らない人がいたため単純に名前を聞いただけなのだが、聞かれた霊夢は、どうやらお気にめさらなかったようだ。

 

「あんたが妖怪の森のど真ん中で倒れてたから、仕方なく家に運んであげたっていうのに…」

 

ため息をつきながらそう呟く霊夢。

 

「(妖怪の森?どこだよそれ…)

そんなのはお前が勝手にしたことだろ…」

 

誰にも聞こえぬように小さく呟く四季だったが…

 

「何か言った?」

 

すごい形相で四季を睨む霊夢。

 

「いえ…なんでもないです…」

 

あまりの恐怖に四季は無意識に敬語になってしまった。

 

「はぁ~…まぁ、いいわ。

私の名前は博麗霊夢、霊夢でいいわ。

それであんたの名前は何?外来人さん」

 

(外来人?)

 

霊夢の言った外来人という言葉に疑問を感じつつも、

 

「俺の名前はとお…いや、四季だ。

漢字でかくと春夏秋冬の四季。」

 

名字は敢えて言わずにしっかり自己紹介をする四季。

 

「(何か言いかけたのが気になるわね)

わざわざご丁寧にどうも、四季」

 

「ところで1つ聞きたいんだがいいか?」

 

「なによ?」

 

「ここは何処なんだ?」

 

四季は先ほどから疑問に思っていることを聞いた。

見た限り今自分が寝ている部屋は木造建築。

それから霊夢の喋っている言語から日本の何処かとあたりをつける…が…

 

「ここは博麗神社よ。」

 

「(博麗神社?

聞いたことないな…どこかの田舎なのか…。)

聞き方が悪かった、此処は日本の何処なんだ?」

 

「日本?

此処は幻想郷よ?外来人さん」

 

「………は?」

 

帰ってきた答えは四季の予想を越えた答えだった。

 

「ちょっと待て…幻想郷ってなんなんだ?

それにさっきから、外来人ってなんのことだ!

第一俺はさっきまで…!」

 

そこまで言って四季は言葉を止めた…。

 

(あれ?俺はさっきまでナニヲサレタンダ?)

 

軽い頭痛を感じ頭を押さえながらも思い出そうとするか、なぜか思い出せない……。

 

「ちょっと大丈夫?」

 

「あぁ…。」

 

そう言って再び霊夢をみる四季。

 

「起きたばかりで、寝惚けたの?

まぁ、2日間も寝てれば仕方ないか…。

大丈夫そうだし質問に答えてあげるわ。」

 

そう言ってコホンッと息を吐いて説明を始めた霊夢。

 

「まず、貴方は、現世からこの幻想郷に迷い込んできた人間よ。

幻想郷に迷い込むことを一般に幻想入りって言われてるの、それで幻想入りした人のことを私たちは、外来人って呼んでるのよ。

ここまではいい?」

 

(幻想郷に…幻想入り…そして、現世から来た奴のことを外来人と呼ぶ…か)

 

四季は霊夢に言われたことを混乱している頭の中で整理して、霊夢の確認に頷いた。

四季が理解したのを確認すると霊夢は続けて説明を再開した。

 

「続けるわね?

幻想郷は妖怪に妖精、神様に人間が共存する理想郷なの。

まぁ、たまーに馬鹿な妖怪とかが騒ぎを起こすのだけど、それを解決するのが博麗神社の巫女の私の仕事よ」

 

そう言った霊夢の顔はどこか誇らしげだった。

 

「ちなみに、妖怪とかの騒ぎの規模が幻想郷全体に影響する場合は、私たちは『異変』と呼んでいるわ」

 

「なるほど…。」

 

四季は霊夢の話を整理し、理解した。

つまりは、自分は異世界に迷い込んだらしいと、自分なりに解釈して。

 

「あとは、幻想郷に貴方の世界での『常識』は通用しないわ。

此処では『非常識が常識』になる世界なのよ。」

 

そう霊夢は言ったあと、結構重要なことだから覚えておいてね…と付け足した。

そんな言葉を聞きながら四季は…

 

(『非常識が常識』…どこかで聞いた言葉だな…。)

 

霊夢の言った『非常識が常識』という言葉がやけに頭に引っ掛かっていた。

 

「幻想郷については、こんなところかしら…。

何か質問ある?」

 

霊夢がそう聞いてきたので、四季は霊夢の話の中で疑問を抱いたことをきいた。

 

「さっき幻想入りについて言っていたが、なんで俺は幻想郷なんかに迷い込んだんだ?」

 

そう聞かれた霊夢は

 

「それが…わからないのよ」

 

「わからない?」

 

四季の質問に難しそうな顔をして答えた。

 

「幻想郷に来るには大まかに二通りの方法があるの。

1つは、現世で存在が忘れられること。」

 

「忘れられる?」

 

「そう、幻想郷は忘れられた存在が行き着く場所でもあるのよ。

だから、現世で存在が忘れられた人は希にだけど幻想郷に来てしまうの。

ちなみに、これが普通の幻想入りと呼ばれるものよ」

 

「なるほどな」

 

「そして、もう1つは、幻想郷の管理者…名前は言えないけど…そいつが現世から連れてくることよ。」

 

「現世から?そんなことできるのか?」

 

「えぇ…あいつの能力なら出来るわ。」

 

「(能力ねぇ…)

しかし、何のために連れてくるんだ?」

 

「さぁ?本人いわく暇潰しに連れてくるみたいだけど」

 

(えげつないことする奴もいるもんだな…)

 

「まぁ、そいつが連れてくる場合は現世では神隠しって呼ばれてるみたいだけど。」

 

「なるほどな…。

ここまではわかったが…で?

なんで、俺が此処に迷い込んだのかがわからないんだ?」

 

一通り幻想入りについて説明を受けた四季は本題に話を戻した。

 

「実はあんたが寝ている間に色々と調べたのよ。

結果は…あんたはさっき言った二つの方法では幻想郷に来てないのよ」

 

「?どういうことだ」

 

「さらには、四季…あんたは、現世で既に死んでいることもわかったわ」

 

「死んでいる…」

 

そう言われた瞬間、四季は激しい頭痛に襲われた。

 

「ぐ…うがあぁぁぁ‼」

 

突然頭を押さえ叫び声をあげた四季に霊夢は驚き…

 

「ちょっと!大丈夫!?」

 

心配するように言った。

だがそんな言葉を言いながらも、四季のことを只の人間ではないと感じている霊夢は警戒を強めた。

 

「あ…あぁ…」

 

そんな霊夢をよそに四季の頭の中では、さっきまで忘れていた自分の過去…そして…夢の中での女の子との会話が膨大な情報として思い出されていた。

 

 

 

 

 

数分後…

落ち着きを取り戻した四季を見て霊夢は…

 

「どうやら、落ち着いたみたいね。

四季…今度は私から質問よ。

あんたは、自分がどうやって幻想郷に来たか知らない?」

 

「俺は…。」

 

四季は、霊夢にさっき見た夢での出来事を話すか迷ったが、自分の状況がわからない以上、黙っていても仕方ないと思い、自分が夢で出会った女の子に言われたこと(遠野や四季の話は除けて)を霊夢に話した。

 

 

 

 

 

四季説明中…。

 

 

 

 

 

「ってことを夢で言われた。」

 

「………」

 

数分かけて夢の中で出会った女の子と話した内容を霊夢に説明した結果…霊夢は、かわいそうな人を見るような眼で四季を見ていた。

 

「おい…なんか言えよ…」

 

その視線に耐えきれず四季は霊夢に返答を求めた。

その結果…

 

「四季…あなた疲れてるのよ…」

 

心配された。

 

それから数十分、四季は霊夢が信じてくれるまで夢の中で出会った女の子との会話について話したが、説明する度に四季の心が崩れていったのは言うまでもあるまい…。

 

 

 

 

「まぁ、四季の言う女の子の話が本当だとすると…

その子は何者なんでしょうね?」

 

「…さあな」

 

数十分の死闘の末、やっと霊夢は、四季の話を(半分だけ)信じるようになった。

 

「その子が言うには、あんたは、現世で一度死んで、なぜかその子が四季を生き返らせ幻想郷に連れてきたってことよね?」

 

「そういうことになるな。俺にもよくわからんが。

アイツはそう言っていた…。」

 

「はぁ…なんか謎ばかりが増えていくわ…」

 

「お前も大変だな」

 

「あんたのせいよ!」

 

そう言って霊夢は頭を押さえた。

そんな霊夢をよそに四季は既に布団から出て縁側に腰かけて夜空に浮かぶ綺麗な満月を眺めていたりする。

ちなみに現時刻は夜の12時である。

 

(まぁ…この際、四季のことはもういいわ。

どうせ、現世に戻せないから幻想郷で暮らすしかないわけだし、その謎もいずれ解ることよね…)

 

そう結論付けた霊夢は縁側にいる四季に近付き最後の質問をした。

 

「四季、あなたはこれから、どうするつもりなの?」

 

「ん?とりあえずは、どっかで野宿して暮らすしかないだろな」

 

四季は別段迷いもせず答えた。

 

「野宿ってねぇ…はぁ…仕方ないわね…。

あんたさえよかったら、此処に居てもいいわよ?」

 

そう霊夢は四季に提案した。

 

「?いいのか」

 

四季は霊夢の方に顔を向け言った。

 

「仕方ないでしょ。あんたを一番初めに見つけたのは私なんだし、それに、下手にあんたみたいなのを野放しにするよりかは、目の届くとこに置いとく方がいいでしょ」

 

「確かに…そうだな。」

 

霊夢の皮肉じみた理由に、納得してしまう四季であった。

さらに霊夢は…

 

(それに…こいつからはあきらかに人間以外の気配がする…。

今回は色々ありすぎて聞く機会がなかったけど…。

後々面倒なことになる前に私が監視しておけば大丈夫よね)

 

四季から感じる人間以外の気配を不信に思いながらも、自らの手元に置き監視する算段をたてていた。

 

一方四季は…

 

(なんか変なことになったが…まぁいいか…あのガキは第2の人生とか言ってたが…なかなか楽しめそうな場所じゃないか…)

 

なんて呑気なことを考えていた。

 

「じゃあ、これからよろしくね。四季!」

 

そう言って手を差し出してくる霊夢。

 

「…あいよ」

 

めんどくさそうに、それでも顔に笑みを浮かべ四季は、

霊夢の差し出した手を握り軽い握手を交わした。

そして…

 

「あっ 家で暮らす以上は、働いてもらうからね!

明日から神社の掃除は任せたわよ」

 

「あ?」

 

「それじゃあ…今日は、もう遅いからゆっくり休みなさい。

あっ 部屋はあんたが寝てた部屋使っていいから。

じゃ!おやすみ~。」

 

「ちょ…おい!」

 

そう言った霊夢はそそくさと歩いて行ってしまった…。

縁側で満月に照らされた四季は1人…

 

「なんでだよ…」

 

世の中の理不尽を知るのだった。




いかがでしたでしょうか?
四季らしさが出ていればいいんですが…。
ちなみに今回でた遠野歴史は少しオリジナル設定となっています。
今回のように少しだけオリジナル設定に変える場面もありますが、ご了承ください。
また、詳しいキャラ説明などは、また別であげますので、ぜひそちらを見てください。
閲覧ありがとうございました。
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