東方四季物語   作:KO鬼塚

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今回も、東方四季物語をよろしくお願いいたします。


第二夜~新たな出会いと異変の始まり~

「はぁ…。」

 

溜め息を吐いたのは白い髪を肩まで伸ばし、青い着物をだらしなく着た美青年、四季だった。

 

「今日の掃除もやっと終わった…。」

 

そうして箒を片付けに移動を始める四季。

なぜ彼が、こんなことをしているのかと言うと、一週間前に遡る。

 

現世で親友に殺された(理由は割合するが…)四季は、何処かわからぬ白い空間で目覚める。

そこで最愛の妹の(幼い頃の)姿をした女の子と出会う。

何が起きたか判らぬ四季は女の子にいくつかの質問をした。

質問の回答はどれも四季の予想を超えたものであり、四季は女の子に対して警戒を始める。

だが、女の子の話を聞いていく四季は次第に微かな信頼を寄せるようになる。

そして…四季がさらに質問しよう女の子に近づいたところで…別れが訪れた。

四季の身体が光に包まれ、白い空間から姿が消えたのだ。

次に目を覚ましたら幻想郷…詳しくは霊夢の家である博麗神社に居た。

起きた際に側にいた、博麗霊夢に幻想郷や自分の状況について教えてもらった。

そして、これからについて会話をした結果、博麗神社で一時的に住むことになり今の状況にいたる。

 

「まったく…こんなことなら野宿生活すれば良かったかもな…」

 

そんなことを四季は愚痴っていた。

理由は簡単だ。四季が住むにあたって霊夢は四季に毎日神社の掃除をするように言いつけたのだ。

初めは

 

「掃除のやり方なんかわからない」

 

そう言って断ろうと思い、翌日の朝に早速霊夢に伝えた結果…

見事に鉄拳制裁をくらい、反撃する間もなくボコボコにされた…

それから、仕方なく(霊夢に習いながら)掃除を始めたのだ。

そして、現在では四季1人で掃除が出来るようにまで成長していた。

 

「おーい…霊夢!掃除終わったぞ」

 

そう言って家の中に入り霊夢がいる居間まで行くとそこには…

 

「zzzzz」

 

だらしなく昼寝をしている霊夢がいた。

 

「はぁ…。」

 

四季は本日何度目かの溜め息を吐いた。

四季が博麗神社に住みだしてからわかったのだが、霊夢は基本的に寝てるかお茶を飲むかのどっちかしかしない。

そんな霊夢に四季が

 

「やることないのか?」

 

っと質問した結果

 

「異変が起きるまでやることなんてあるわけないじゃない!」

 

っと返された。

 

(まったく…

巫女ってのは皆して暇なのかね…)

 

それは大いなる勘違いなのだが現世でも世間知らずだった四季には、巫女=暇人の方程式が確立しつつあるのだった。

 

(仕方ない…

俺も縁側で休むか)

 

そう考えた四季は、縁側に移動する。

四季は掃除の後はこうして縁側でくつろぐのが日課となっていた。

 

(しかし…幻想郷に来て一週間か…なんか掃除しかしてない気がする…退屈だ…)

 

そう思い、いつも通りに空を見上げていた四季だったのだが…

 

「おーい‼」

 

「あ?」

 

空から声をあげて何かがこっちに近付いてくるのが見えた。

 

「なんだありゃ?

鳥にしちゃでかいしな…いや声をあげながら空を飛ぶ鳥も珍しいか…」

 

「おーい‼」

 

そんなどこかズレた感想を四季は呟いていたが、その間にも空から謎の物体は近づいてきて。

四季の前まで降りてきた。

 

「おーい…ありゃ?

霊夢かと思ってたんだが…あんた誰だ?」

 

「(なんだ…この女…?)

いやお前こそ誰だよ」

 

「私か?

私は霧雨魔理沙!霊夢の友人の普通の魔法使いさ!」

 

そう言って魔理沙という少女は、ニヤッと笑って手に持った箒を見せつけてきた。

 

「魔法使い…」

 

「ん?どうしたんだ?」

 

魔法使いという単語に、四季は無意識に反応してしまった。

現世では魔法使いは珍しい存在だと聞いていたので身構えたが…ここが幻想郷だったことを思いだし、居ても当然か…と1人納得した。

 

「いや…なんでもない。」

 

「ん?

そうか、なぁ あんたは何て言うんだい?」

 

「俺は四季だ。」

 

「へー…四季か

よろしくな!四季!」

 

そう笑顔で言ってくる魔理沙。

それに対して四季も…

 

「あいよ、よろしくな魔理沙」

 

ぶっきらぼうにだが、しっかりと答えた。

 

「しかし、四季はこんなところで何してんだ?

ここは霊夢の家なのに。」

 

「あー…ちょっとな、一時的にだが霊夢の家に居候させてもらってんだよ。」

 

「へっ?そうなの?うーん…

って言うことは四季は外来人か!?」

 

そういった魔理沙の眼は若干輝いて見えた。

 

「あ?そうだが、なんでわかったんだ?」

 

「そりゃ、幻想郷の住民なら好き好んで駄巫女の霊夢の家になんかに、住むもんか」

 

「なるほどな」

 

魔理沙の霊夢に対する暴言入りの根拠を聞いた四季は、一週間の間の霊夢の行動を思いだし納得してしまった。

 

「それより、外来人なら今度でいいから、外の世界について教えてくれよ!」

 

「ん?あぁ、いいぜ。

俺も退屈してたからな。

いつでも話してやるよ」

 

「やったー‼」

 

子供のように、はしゃぐ魔理沙を四季は微笑ましく見ていた。

 

「まぁ、喜んでるところ悪いんだが魔理沙。

お前は何しに来たんだ?」

 

そう言われ魔理沙は思い出したかのように用件を話始めた。

 

「あっ そうだった!

霊夢に用があったんだ!

なぁ四季、霊夢はいるか?」

 

「あー…霊夢なら…」

 

そう言って家の中に眼を向けた四季は苦笑いしながら…

 

「いるにはいるが…

昼寝中だ。」

 

現在の霊夢の近況を答えた。

 

「はぁ~また寝てるのか…」

 

そう言って落ち込む魔理沙。

 

「なんの用だったんだ?」

 

そう聞いてきた四季に、よくぞ聞いた!と言わんばかりに魔理沙は…

 

「新しいスペルカードが出来たから弾幕ごっこをしようと思ってきたんだ!」

 

カードらしき物を四季に見せて本日の用件を言ってきた。

 

「スペルカード?弾幕ごっこ?なんだそりゃ?」

 

聞いたこともない単語に四季は疑問を浮かべた。

 

「あれ?四季は霊夢に弾幕ごっこについて聞いてないのか?」

 

「あぁ…聞いてないな」

 

「そっか、なら私が教えてやるよ」

 

そう言って魔理沙はコホンッと咳をして説明を始めた。

その魔理沙の行動に、四季は一週間前に霊夢に幻想郷の説明を受けた時のことを思い出したりしていた。

 

「弾幕ごっこってのは霊夢が考えた、もっとも無駄で平等な遊びなんだ。弾幕ごっこのルールとしては、先に弾幕を当てて倒すか全ての弾幕を攻略したら勝ちなんだ。

負けは、その逆で先に倒されたり、弾幕を攻略されたら負け。

ここまでは大丈夫か?」

 

「あぁ、なんとなくルールはわかったんだが、1ついいか?」

 

「ん?なんだい?」

 

そう聞いた四季は少し間をあけて…

 

「弾幕ってなんだ…」

 

そう聞いた…。

 

「…そういや四季は外来人だったんだよな。

弾幕を知らなくても仕方ないか。」

 

そう言った、魔理沙はスペルカードを1つだして空に向かって飛んでいってしまった。

少し博麗神社から離れた場所で停止して魔理沙は、四季にそこで見ているようにと指示を出していた。

 

(あんな空の上で何をするつもりなんだ?)

 

魔理沙の今から行う行為に興味があった四季は大人しく魔理沙の指示に従い見ていた。

 

「魔符『スターダストリヴァリエ!』」

 

そう魔理沙が叫ぶと、スペルカードが光だし色とりどりの星形の光の光弾が魔理沙の前に出現して、晴天の空に星を飾った。

 

(これは…すごいな)

 

四季はその光景に見とれていた。

夜でもない晴天の青空に緑に黄色、紫に赤色など様々な星が輝くように放たれたそれはまるで流星群のような神秘的な印象をあたえた。

 

(弾幕ってのが、これほど綺麗なものだとはなぁ…)

 

四季がそんなことを思っていると、魔理沙がもとの位置まで戻って来た。

 

「あれが、弾幕さ。

本当は単発で撃つもんなんだけど、次の説明の為にスペルカードを使ってみたんだ。

どうだった?」

 

そして説明を再開すると同時に感想を聞いてきた。

それに対して四季は…

 

「俺が思っていた以上に、綺麗だった」

 

そう短めに返した。

だが、その顔は嬉しそうに笑っていた。

そんな言葉を言われた魔理沙は…

 

「あ…ありがと…」

 

っと恥ずかしそうにしていた。

 

「…とっ…とにかく今のが弾幕だよ。

それで、さっきも言った通り、弾幕は基本単発なんだ。

でも、さっきみたいにスペルカードを使用すると相手が避けにくいように弾幕が一斉に出せるんだ」

 

「なるほどなぁ」

 

なんとか平常に戻り、魔理沙は説明を再開した。

 

「あとは、スペルカードを使うには、使うスペルカードの名前…まぁ技名見たいのを叫ばなきゃ使えないからね」

 

「わかった」

 

「それぐらいかなー」

 

そう言って魔理沙は説明を終えた。

 

「ありがとな魔理沙

弾幕ごっこについて色々わかったぜ。」

 

「いやいや、いいって。

その代わりに今度でいいから、ちゃんと外の世界について教えてくれよ!」

 

「わかってる」

 

「約束だからな!」

 

苦笑いしながら四季は

 

「あぁ」

 

と一言返した。

 

「んー…霊夢も起きないみたいだし、今日はもう帰るよ」

 

「ん?そうか」

 

「うん、霊夢が起きたら私が来たって伝えといてくれよ」

 

「わかった、今日は色々と助かったぜ」

 

「何度もいいって、困った時は、お互い様だからさ」

 

ニシシッと笑いながら魔理沙は箒に跨がり空を飛び始めた。

 

「じゃあな!四季!また来るからな!」

 

「おう、またな魔理沙」

 

そう言って魔理沙は空の向こうに飛んでいった。

魔理沙が見えなくなるまで四季が空を見ていると…

 

「ん~…しき~…誰か来たの~…」

 

家の中から寝起きの霊夢が現れた。

四季はそんなタイミングのいい霊夢に若干溜め息をつきながら…

 

「お前の友人…魔理沙がさっきまでいたんだが、お前が寝てたから今さっき帰っちまったよ」

 

言われた通りに魔理沙が来たことを伝えた。

 

「ふーん…用事はなんだって?」

 

「お前を弾幕ごっこに誘いに来たらしいぞ」

 

「ならいいわ」

 

そう言って再び居間に戻っていった霊夢。

四季はその背中を見ながら…

 

(巫女の職業って本当にあれでいいのか…?)

 

なんて思っていた。

 

 

 

 

 

数日後…

 

 

 

 

 

 

魔理沙が訪ねてきてから早一週間がたち、四季が幻想郷に来てから換算すると二週間がたった。

 

サッサッサッ

 

いつものように四季が掃除をしていたのだが、霊夢が今日は珍しく縁側で空をずっと見ていた。

 

「…?」

 

気になった四季は霊夢と同じように空を見てみた。

すると、いつもの青空とは違い、少し紅く変色していたことに気がつき、四季は霊夢に、この空について聞いてみた。

 

「なぁ霊夢、幻想郷の空は昼間なのに紅く染まるときがあるのか?」

 

「あるわけないでしょ…」

 

そう答えながらも霊夢は空を見ていた否、睨んでいた。

 

「じゃあなんで今日は空が紅いんだよ」

 

「それは、この紅い霧のせいよ」

 

そう言われ四季は驚いた。

 

「霧って言ったってよ、幻想郷全体を覆うような霧が自然で発生するのかよ?」

 

四季はこの霧が自然にできるにしては、あまりにも不自然なため霊夢に聞いてみた。

 

「自然…?いいえ、これは人工的に作られたものよ!」

 

そう言って霊夢は、空から四季に向けて視線を動かした。

 

「人工的?」

 

「えぇ…この霧は何のためにか知らないけど人工的に誰かが生み出してるのよ!」

 

そう言った霊夢は若干怒っているように感じられた。

そんな、霊夢に四季が次の質問をしようとしたところ…

 

「おーい‼霊夢!四季!」

 

空から声が聞こえた。

四季と霊夢は、その声がした方に振り向いた。

そこには、いつものとんがり帽子に白と黒を基調にしたフリルのついた服を着た魔理沙がいた。

 

「あら?魔理沙じゃない」

 

「おう、霊夢。

流石に今日は起きてたみたいだな」

 

「当たり前でしょ‼」

 

四季は内心、霊夢の返答に…

 

(いつも寝ているのに何が当たり前なんだ)

 

と呆れていた。

そんなことを思っていた四季に魔理沙は声をかけた。

 

「おっす、四季」

 

「おう」

 

簡潔な挨拶を交わすと魔理沙は再び霊夢の方を向き話を始めた。

 

「なぁ霊夢…この紅い霧ってまさか…。」

 

「えぇ…人工的に生み出されているものよ。」

 

「やっぱりなぁ…ってことはこれは、い…」

 

「『異変』か?」

 

「!?」

 

魔理沙が決め台詞と言わんばかりに『異変』であると告げようとしたところ、先に四季が言ってしまったのだ。

 

「四季~そこは私が言うところだろ!」

 

「言うのが遅いのが悪い」

 

少し拗ねたように言う魔理沙に意地悪そうな顔をして答える四季。

そんな二人に霊夢は…

 

「あんたら仲良いわね…」

 

そう言って溜め息をついた。

 

「まぁ、いいわ。

魔理沙行くわよ。

確かに四季が言った通り、これは『異変』よ

早くなんとかしなくちゃ…」

 

四季は、いつもより張り切っている霊夢に少し感心しながら眼を向けた。

 

「洗濯物が乾きゃしないわ‼」

 

その霊夢の言葉に四季は、

 

(こんな奴に幻想郷を任せて大丈夫なのか?)

 

っと不安を積もらせると同時に先ほどまで霊夢がなぜ怒っていたのかを理解した。

ちなみに横にいた魔理沙も霊夢の言葉に肩を落としていたりする。

 

「?何してるのよ魔理沙

早く行くわよ」

 

そう言って霊夢は空に浮かんだ。

 

「あっ 待ってくれよ霊夢」

 

魔理沙も箒に跨がり霊夢に続くように空に浮く。

 

「…!?」

 

四季は驚いた。魔理沙は魔法使いだから飛べるぐらいは当たり前だと不思議に思いはしなかったが、まさか霊夢まで飛べるとは思っていなかったからだ。

 

「霊夢…お前も飛べたのかよ」

 

徐々に浮上していく霊夢に向けて言った。

 

「当たり前でしょ。

博麗の巫女が飛べなくて、どうやって『異変』を解決するのよ

それに幻想郷じゃ力のあるものは大体が飛べるわよ?」

 

さも当たり前のように、霊夢に言われた四季は改めて『非常識が常識』という言葉を実感した。

 

「まぁ、私の場合『空を飛ぶ程度の能力』を持っているからなんだけど…。」

 

「『程度の能力』?」

 

「えぇ…まぁ、幻想郷において能力を持つものは大概そんな感じで自分の力について呼んでいるわね」

 

そういいながらも霊夢は空に上がり続ける。

そして…

 

「あっ そうそう!四季あんたはお留守番よ」

 

「なんだと!」

 

「この世界じゃ飛べない貴方は役に立たないんだから仕方ないでしょ」

 

「ぐっ…」

 

霊夢の指摘に四季は苦い顔をした。

 

「じゃ!残りの掃除もしっかりやっておくのよ」

 

そう言って霊夢は加速して空を飛んでいった。

 

「あっ 待てって霊夢!

まったく…んじゃ四季またな~。

すぐ帰ってくるからよ」

 

魔理沙も霊夢の後を追い行ってしまった。

1人残された四季は大人しく掃除の続きを…

 

「面白そうだな…」

 

するはずもなく…急いで箒を片付けると、霊夢と魔理沙が飛んでいった方角へ走り始めた。

 

「空を飛べないなら、別に走って付いていけば問題ないだろ?」

 

そう一人呟いた四季はどこか楽しそうにしていた。

 

 

 




今回の東方四季物語はいかがでしたでしょうか?
魔理砂との出会い、弾幕ごっこの説明、紅霧異変冒頭と詰め込みました。
話ばかりでつまらないかもしれませんが、次回からは戦闘もいれていきますので、よろしくお願いいたします。
では、今回は閲覧いただきありがとうございました。
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