東方四季物語   作:KO鬼塚

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初めに言っておきます。
今回かなり積み込みました。
文章におかしな所が多々あると思いますので発見しだい訂正していきます。
では、本編をどうぞ。


第六夜~自由の道と異変の終わり~

「ふふ じゃあ四季は掃除ばかりしてて暇だったから、今回の『異変』に首を突っ込んできたってわけね?」

 

「まぁな」

 

夜の森で楽しそうに声を弾ませているのは、今回の『紅霧異変』の元凶であるレミリア・スカーレットと、それに対し短く返事をする四季。

2人は現在、紅魔館に向かって帰っている途中だった。

ちなみに四季は今だにレミリアをおんぶしたままである。

 

「やっぱり 貴方は面白いわね、四季」

 

「それは どうも…」

 

そんな四季の返事にクスクスと笑うレミリア 

その顔は(四季には見えないが)先ほど四季を殺そうとした吸血鬼の顔ではなく、見た目相応の純粋な少女(歳は割合)の顔だった。

 

「それにしても、四季が外来人だったなんてね…」

 

「ん?意外だったか?」

 

「いえ…そういうわけではないわ

ただ、貴方みたいな『非常識』な人間が、外の世界にも居ることに驚いただけよ」

 

「……まぁ 現世で俺は特殊な方の人間だったしな」

 

「そうなの?」

 

「当たり前だ

俺みたいな『異能力者』が現世で何人もいたら、幻想郷と変わらないじゃないか…」

 

「ふふ それもそうね」

 

 

 

そんな2人の会話の内容は主に四季のことだった。

理由は、レミリアが…

 

「四季…暇よ 貴方のことを教えなさい」

 

暇をもて余し、そう言ってきたからであった。

最初、四季は断ろうとしたのだが…

 

「あ?嫌だよ

なんで教える必要が…」

ギロッ

 

「ッ‼」

 

背中から強大な殺気を感じ…

 

「はい…」

 

素直に話すことにした。

 

それから四季は、自分が外来人であること、今は博麗神社で住んでいること、幻想郷に来てから『異変』が起きるまで掃除ばかりしていたこと等、幻想郷に来てからのことを話した。

現世でのことは、話さずにレミリアから聞かれても曖昧に答えた。

(四季の能力については、バレてしまっているため話したが…)

 

 

 

そんなことを話しているうちに…

 

「おっ? やっと見えてきたか」

 

そう呟いた四季の視線の先には主人の帰りを待つ紅魔館が建たずんでいた…

 

(ふー…流石に少し疲れたな…)

 

そんな事を考えていた四季に…

 

「ねぇ?四季」

 

「あ?」

 

レミリアは、顔を赤らめながら話しかけた。

 

「その…ありがと…」

 

「? なんだよいきなり」 

 

「…むぅ……さっき…狼から助けてもらったことに感謝してるの!」

 

直に御礼を言って恥ずかしいのか四季の背中に顔をうずめるレミリア…

そんな彼女に四季は…

 

「なんだそんなことか…

今さら気にするなよ、俺が勝手にやったことだ」

 

いつもと変わらぬ顔で言った。

四季の言葉を聞いたレミリアはすぐに顔を上げ…

 

「気にするわよ!

だから…その……助けてもらった御礼として…

私の身体が治り次第、この紅い霧を消してあげるわ」

 

『異変』を終わらせることを告げた。

四季はレミリアの言葉に驚いたが、何か思い付いたらしく…

意地悪そうな顔をして…

 

「あれ?人間の言うことを聞く気はないんじゃなかったのか?」

 

そうレミリアに聞いた。

すると彼女は少し悩んだあと…

 

「ただの気まぐれよ」

 

笑いながら返した。

その言葉を聞いた四季は…

 

「ふ…」

 

小さく微笑んだ。

だが、次の瞬間…

 

ドカーンッ‼

 

紅魔館の一室が爆発するのが見えた…

 

「!な…なんだ?」

 

突然の爆発に驚く四季…

だが、そんな彼とは違いレミリアは…

 

「まさか…あの娘が…」

 

そう呟くと、みるみるうちに顔が青ざめていく…

 

(あの娘?)

 

四季はレミリアの言った、その単語が気になり質問しようとするが…

 

「四季!紅魔館に戻って‼早く!」

 

レミリアの叫びに、聞くのをやめ…

 

「チッ‼しっかり掴まってろよ!」

 

紅魔館まで全力で走り出した‼

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館の一室が爆発する数分前…

紅魔館では…

 

「はぁ…はぁ…」

 

「まったく…手間とらせないでよね」

 

銀髪の髪にメイド服を着た十六夜咲夜に、霊夢は勝利していた。

 

「くっ…私はここまでですね…申し訳ありません

お嬢様…」

 

そう呟いて、己の無力さを嘆くメイドに…

 

「はいはい 謝るのは後にして、早くあんたのところの主に会わせなさい」

 

霊夢は情け容赦なく命令した。

 

「…わかったわよ」

 

そう言ってゆっくりと立ち上がり、主が居る部屋まで案内し始める咲夜…

 

「はぁ~…やっと『異変』の元凶と会えるわね!」

 

そんな彼女に溜め息をつきながら付いていく霊夢は、『異変』の元凶との最後の一戦のため気を引き閉め直した。

そして…

 

「ここよ」

 

「………」

 

元凶が居るであろう部屋の前まで来た。

 

コンコンッ!

 

「お嬢様 博麗の巫女がお嬢様に、面会に来ています」

 

…………。

 

「?」

 

 

コンコンコンッ!

 

…………。

 

「お嬢様?」

 

「居ないんじゃないの?」

 

「いや そんなはずないんだけど…」

 

コンコンコンッ!

 

…………。

 

「おじょ」

 

「もう入りなさいよ!」

 

何度も扉を叩いて返事を待つ咲夜に苛立ちを覚えた霊夢は、彼女を押し退けて、扉の前まで行き…

 

「勝手に入るわよ?」

 

そう言うと…

 

バコーンッ‼

 

扉をおもいっきり蹴り開けた‼

 

「ちょっと!蹴って開けないでよ

この扉、傷みかけてるんだから!」

 

乱暴に扉を開けたことに怒る咲夜に対し霊夢は…

 

「うるさいわね

仕方ないじゃない、だいたい、あんたのとこの主人が返事しないのが悪いんじゃない!」

 

悪びれもせずに、そう言いながら部屋に入っていく…

きっと四季がこの場にいたら、こう言うだろう…

 

「何が仕方ないんだよ…」

 

と…

しかし、そんな四季は現在レミリアとイチャイチャ?していたりする。

 

そんな事を知るよしもない霊夢は、大きな部屋の中央まで歩き…

ふいに…

 

「…!」

 

異様な気配を感じ…

足を止めた…

 

「あんたが今回の『異変』の犯人かしら?」

 

そう言った霊夢の視線は、少し離れた位置にある玉座に、ちょこんと座っている少女に向いていた…

玉座に座る少女の顔は闇夜に隠れてよく見えない…

 

「『異変』ってなあに?」

 

玉座に座る少女は、ニヤリと笑みを浮かべながら呟いた…

 

「とぼけないで!

今、幻想郷を覆っている、この紅い霧は、あんたが生み出したんでしょ‼」

 

「違うよ?だって私、そんなこと知らないもん」

 

少女は玉座から立ち上がり霊夢に近付く…

 

「ねぇそれより…貴女ってもしかして人間?」

 

「…!?……そうよ…それがどうしたのよ?」

 

霊夢は少女の突然の質問に少し驚いたが、直ぐ様冷静になり答えた…

 

「そうなんだ!へー…『生きてる』人間なんて咲夜以外で初めて見た!」

 

そう言いながらも霊夢に近付く少女の姿が…

次第に…窓から差し込む月明かりに照らされて露になっていく……

 

「……!どう…して…?!」

 

少女の顔を見るや否や、扉の側で立ち止まっていた咲夜が突然呟いた…

その顔はみるみるうちに青ざめ…身体も少し震えていた…

しかし霊夢は、そんな咲夜を気にせず眼の前まで来た少女を睨み付ける…

 

(この子供…ただ者じゃないわね…)

 

そう感じていた霊夢の瞳には…

赤を基調にした服とフリルのついた帽子を被っている幼い可愛らしい女の子を写していた…

だが、そんな外見とは裏腹に、その子の背中には木の枝に宝石を吊り下げたような羽が生え…

見るものを今にも殺そうとする…

紅い瞳が輝いていた…

 

「あれ咲夜?私が此処に居るのがそんなに不思議?」

 

少女は、霊夢の睨み付ける視線を気にせず、後ろにいた咲夜に声をかける…

 

「いえ…ですが…妹様…お部屋にお戻り下さい…

お嬢様に怒られてしまいますよ?」

 

咲夜は、震える身体をなんとか静め…

『妹様』と呼んだ少女の元に近付く…

 

「部屋に戻る?嫌よ!

せっかく楽しそうな音が上から聞こえて此処まで来たんだから!

それに今、お姉様は何処かに行って居ないよ?」

 

少女は楽しそうに咲夜に言った。

そんな少女の言葉に咲夜は…

 

「お嬢様が居ない?」

 

自らの主が、居ないことに疑問を抱く…

 

「うん!私が此処に来た時にはもう居なかったよ?

窓が開いてるから外に出て行ったのかも知れない…」

 

そう言って、開きっぱなしになっている窓を指差しながら少女は…

 

「だから今は私を縛るモノは何もないんだよ?咲夜」

 

「!」

 

狂喜に溢れる瞳を霊夢に向けた…

 

「ねぇ?貴女の名前はな~に?」

 

「……霊夢…博麗…霊夢よ」

 

「ふ~ん…霊夢ね

ねぇ霊夢?私ね すっごい退屈してたんだ~」

 

「……それがどうしたのよ…」

 

霊夢は次の少女の言葉に嫌な予感を感じる…

そして…

 

「だからね…私と遊ぼうよ!」

 

バンッ!

 

少女は突然、霊夢に向けて弾幕を放った!

 

「くッ!」

 

霊夢は、常に少女の行動を警戒していたため、なんとか弾幕を回避する。

 

「ちょっと!危ないじゃない‼」

 

「? 弾幕ごっこって、こうやって遊ぶんじゃないの?」

 

バンッ!バンッ!バンッ!

 

そう言いながら続けて霊夢に弾幕を放つ少女。

 

「チッ‼」

 

霊夢は少女から放たれる弾幕を回避し…

 

「あんたがその気なら…こっちだってやってやるわよ!」

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

 

お返しにとばかりに弾幕を放つ!

 

「あは…」

 

霊夢の弾幕を回避しながら少女は…

 

「あははははははははははははははは!

楽しいね霊夢!

もっと遊びましょう!」

 

狂ったように笑っていた…

 

「妹様!お止めください‼」

 

そんな少女を止めようと咲夜は叫ぶ…

だが…

 

「うるさいな~!咲夜は!

今、いいところなんだから…

邪魔…しないでよ!」

 

少女は咲夜の言うことを聞かず、そう言って…

ふいに咲夜の足元に手のひらを向けて…

 

「『きゅっとしてドカーン!』」

 

そう叫んだ‼

その瞬間…

 

ドカーンッ‼

 

咲夜の足元が派手に爆発した!

 

「きゃあッ!」

 

爆風の風圧を直に受けた咲夜は壁際まで吹き飛ばされ…

 

ドカッ!

 

壁に叩きつけられた衝撃で気絶してしまった…

その光景を目の当たりにした霊夢は…

 

(なによ…あれ…)

 

得たいの知れない少女の『能力』に恐怖を感じた…

 

「あはは これで本当に邪魔者はいなくなったね」

 

そう呟いて、霊夢に手を向けた少女は…

 

「さぁ、遊びの続きをしましょ?

あは…あはははははははははははは!」

 

狂ったように笑った…

次の瞬間…

 

ドカーンッ!

 

紅魔館には再び爆音が響いた…

 

 

 

 

 

その頃、四季達は…

 

「よし!着いたぞ」

 

紅魔館の門まで来ていた…

四季はレミリアをおんぶしたまま、紅魔館に入ろうと急ぐ…

が…

あることに気がつき足を止めた…

 

(ん?門番をしていた美鈴が居ないじゃないか…)

 

門番が居ないことを不思議に思い周りを見渡していたら…

 

「四季!何をしているの!

早く走りなさい‼」

 

背中からレミリアに注意された。

 

「あぁ わかってるよ」

 

そう短めに返事した四季は、再び走り出した。 

 

 

 

 

ちなみに美鈴は…

 

「Zzzz」

 

門から少し離れた場所で寝ていた…

 

 

 

 

「爆発が見えた部屋って、レミリアが最初に居た部屋だよな?」

 

「えぇ…そうよ」

 

そう返事をしたレミリアは無意識に四季の服を握る…

そんなレミリアの行為に四季は…

 

(こいつは何をそんなに焦ってるんだ…?)

 

疑問を浮かべていた…

 

 

 

数分後…

四季達は部屋の前に辿り着く…

 

バンバンッ!

 

ドカーンッ!

 

「ここだよな?」

 

バンッ!

 

何やら中が騒がしい…

 

ドカーンッ!ドカーンッ!

 

「四季、早くなかに入るわよ」

 

「あぁ」

 

そう言って扉を開け、中に入った四季の瞳に写ったのは…

 

バンッ!

 

「きゃあッ!」

 

弾幕を受けて、派手にふっ飛ぶ霊夢の姿だった…

 

「霊夢!」

 

四季は、そんな霊夢に急いで駆け寄ろうとするが…

 

「咲夜!」

 

レミリアの声に一旦足を止めた。

レミリアは壁に項垂れるように気絶した咲夜を見つけると、直ぐ様 四季の背中からから飛び下り、彼女の元に向かって行った。

それを確認した後、四季は再び霊夢の元に向かった。

 

 

 

 

 

「咲夜!しっかりなさい!」

 

自らのメイドに向けて、心配するように話しかけるレミリア…

 

「……お嬢…様?」

 

そんな彼女の声に反応し意識を取り戻した咲夜は…

 

「すみ…ません…ご心配…おかけし…て…ゴホッ…」

 

自分の不甲斐ない姿を主に見せたことを、真っ先に謝罪をした…

 

「いいのよ…貴女が無事ならそれで…」

 

そう言って静かに安堵するレミリアに…

 

「あれ?お姉様 もう帰ってきたの?」

 

咲夜を気絶させた張本人が喋りかけた…

そんな少女の声にレミリアは…

 

「やっぱり、あの爆発は…

貴女だったのね

フラン…」

 

振り返り…

自分の妹の名を呼んだ…

 

 

 

 

「霊夢!大丈夫か?」

 

四季は霊夢の元に駆け寄ると意識の有無を確認した…

 

「ぐ…え?

四季!なんで…あんたがこんなところに?」

 

霊夢は神社でお留守番している筈の四季がいることに驚いた

 

「あ?それは、暇だったから走って追いかけてきたんだよ」

 

「追いかけてきたって…ぐッ…ゴホッゴホッ!」

 

「無理するなって」

 

そう言って霊夢を、壁にもたれさせる

 

「しかし…あのガキは誰なんだ?」

 

次に四季は、先ほどまで霊夢と戦っていた少女(今は何やらレミリアと会話しているみたいだが…)を見ながら霊夢に質問した…

 

「さぁ…いきなり私に弾幕ごっこを仕掛けてきて…ゴホッ…ワケわかんないわよ…」

 

そう言いながら霊夢は立ち上がろうとするが…

 

「グッ‼」

 

身体が痛みで思うように動かせず、すぐに座り込んでしまう…

そんな彼女に四季は…

 

「だから無理するなって…

あとは…」

 

そう言って…

 

「俺がやってやるよ」

 

少女に向かって歩いていった…

 

 

 

 

「フラン…

部屋に戻りなさい!」

 

レミリアは妹であるフランに叫んだ。

だがフランは…

 

「嫌よ

こんな楽しい遊び…

お姉様達だけで楽しもうなんて…

ユルサナイ!」

 

そう言って…

 

バンッ!

 

姉であるレミリアに弾幕を放った!

 

「!」

 

四季との戦いで受けた傷が今だに完全には回復していないレミリアは、突然のフランの弾幕に反応出来なかった…

 

「お嬢様!」

 

そんなレミリアを見て…

今だ動けずにいた咲夜は、叫んだ…

 

ドゴーンッ!

 

が…

 

無情にも弾幕はレミリアに直撃…

 

「くッ…」

 

「え…?」

 

してはいなかった…

 

「し…四季?」

 

そう呟いたレミリアの眼の前には、彼女を弾幕から守るよう四季が立っていた…

 

「大丈夫かよ?」

 

そんな四季の言葉にレミリアは…

 

「な…なんで貴方はまた…」

 

なぜまた自分を助けたのか聞こうとしたが…

 

「お前が動けなかったのは、俺がつけた傷のせいだろ?

だから、気にするなって」

 

彼はそう言って彼女の言葉を遮り…

続けて…

 

「あとは任せろ」

 

そう呟いてフランの元に近付いて行った。

 

 

 

「すごーい!私の弾幕を受けて立ってるなんて!

ねぇ?貴女も人間なの?」

 

眼の前の少女が四季に聞いてくる…

それに対し…

 

「まぁな、ちょっと変わった人間だ」

 

肯定した。

 

「あはは あなた面白いね

名前はなんて言うの?」

 

「俺は四季

お前は?」

 

「私はフラン

フランドール・スカーレットよ」

 

(スカーレット…

なるほど…レミリアの姉妹か…

道理でよく似ているわけだ…)

 

お互いに自己紹介をし、そんな事を思った四季は次に…

 

「なぜ霊夢たちを攻撃したんだ?」

 

そう質問した。

 

「なぜって…退屈だったからだよ…?」

 

「退屈?」

 

「うん、あのね?四季

私ね、地下でずっと閉じ込められていたの…」

 

フランは、自分の境遇を語りだした…

 

「暗い暗い地下に…495年間ずっと…」

 

そう呟くフランの顔は…とても悲しそうにしていた…

 

「私には『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』があるの…」

 

「………」

 

四季は黙って聞いていた…

 

「その能力のせいで、私はそこにいるレミリアお姉様に『バケモノ』と見なされて幽閉された…

地下はね…何にもなくて…

怖くて!寂しくて!悲しくて‼」

 

そんなフランの心からの叫びを初めて聞いたレミリアは、後悔するように彼女から瞳をそむけた…

 

「でもね…」

 

だが次の瞬間フランは…

 

「今は退屈じゃないよ?

だって貴方が私の『玩具』になってくれるんだもん」

 

不気味なほど優しく彼女は微笑み…

 

スッ…

 

四季に手のひらを向け…

 

「ねぇ…そうだよね?」

 

ゆっくりと…

 

「四季?」

 

手のひらを閉じた…

 

ドカーンッ!

 

その瞬間、四季の右腕が…

 

「ぐ…あぁ…」

 

千切れるように吹き飛んだ!

 

「あぁぁ…ッ!」

 

「あはははははははははははははははは!」

 

四季は突然の痛みに顔を歪め膝を着きながらも、腕を吹き飛ばしたフランを憎しみを込めて睨みつけた…

だが…

 

ガクガク…

 

四季は気付いた…

彼女の身体が微かに震えているのを…

そして四季は…フランの本当の心を理解した…

 

(……『バケモノ』か…)

 

四季は直ぐ様、自分の能力『不死』により自らの身体を、『右腕が元々ない身体』へ作り替え、千切れた傷口を疑似修復し、痛みを抑え立ち上がった…

そんな四季を見たフランは…

 

「へー…すごいね

私が吹き飛ばした腕の傷口が、もう塞がってる…

ねぇねぇ?いったい何をしたの?」

 

驚いて質問した。

 

「…これは俺の『能力』の1つだ

俺は普通の人間より『死ににくい身体』だからな」

 

四季はそう答えた…

 

「あははは

やっぱり貴方は面白いね

それに『死ににくい身体』なら…

まだまだいっぱい遊べるよね!」

 

そう言ってフランは四季に…

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

 

弾幕を放っていく…

 

「………」

 

四季はその弾幕を…

 

「ぐッ!」

 

スタッ!

 

避けようとはせずに…

 

「ぐぇ…」

 

スタスタッ!

 

1歩ずつ…

 

「がっ…」

 

スタッ!

 

フランへと…

 

「ぎ…」

 

スタスタスタッ!

 

近付いて行く…

 

「え…?」

 

そんな四季の不気味な行為にフランは足を竦め…

 

(な…なに?…この人間は?

なんで私の弾幕を避けようとせずに…近付いてくるの?

バカなの…?

…な…なんで避けないの…!?)

 

恐怖を感じた…

四季は、自らの身体が弾幕で傷付きながらも足を止めず真っ直ぐフランを見ていた…

 

(やっぱり…)

 

四季は先ほどからフランが、弾幕を放つ度に、身体を震わせるのに何か確信を抱きながら近付いて行く…

 

(怖い…なんで…止まらないのよ…

来ないでよ…避けてよ…これ以上、私に攻撃させないでよ…ねぇ…お願い…)

 

フランはそう思いながらも弾幕の数を増やしていく…

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

 

もはや四季の姿は弾幕の光で見えなくなっていた…

 

「はぁ…はぁ…」

 

一気に大量の弾幕を放った疲れでフランは、弾幕を放っていた手を下ろし…

 

「これで…」

 

座り込んだ…

だが…

 

「…!」

 

背中から気配を感じ…フランは、すぐに振り向き…

 

ドカーンッ!

 

『能力』で背後に立つものを破壊した…

 

「ぐはッ!」

 

そこには…

 

「ゴホッ…その『力』…

凄まじい能力だな」

 

身体は弾幕で全身に火傷をおい、千切れた右腕からは再び血が吹き出していて…更には先ほどのフランの振り撒き様の一撃で脇腹の肉が吹き飛んだ四季の姿があった…

 

 

 

 

数秒前…

四季は、フランが大量の弾幕を放つと同時に先ほど『不死』で作り替えた身体を元の『両腕がある身体』に作り戻し、右腕の傷を開いた…

そして直ぐ様、右腕を振り回し、眼の前に大量の血を飛ばした…

更に、その血を硬質化・変形させて『血壁』を作り上げ弾幕を防いだ…

それがうまく行くと四季は、素早く横から回り込みフランの背後をとった…

 

そして今に至る…

 

 

「……ど…どうしたの?

私を…殺しに来たんじゃないの?」

 

フランは、自分を殺すために四季が接近して来たと思い、そう聞いた…

だが四季は…

 

「お前が本気でやれば いつでも俺を爆発させる事ぐらい…

容易いだろうな…」

 

フランの質問に答えることなく…

 

「けれど、お前はそうしなかった…

こわい…か?」

 

続けて…

 

「そんな事をすれば 本当の『バケモノ』になってしまう」

 

そう言うと…

 

シャキンッ!

 

自らの血で『血刀』を作り、片手で器用にフランに握らせた…

そして…

 

「すまない」

 

「あ…」

 

四季は短く呟くと、フランに握らせたままの『血刀』の切っ先を…

自らの身体に…

 

ズズ…

 

「く…ふ…ぐ…」

 

刺した…

 

「あ…」

 

カタカタカタカタカタカタ…

 

「…震えているんだな

なら…お前は違う…」

 

そう言って四季は『血刀』を身体から…

 

ズボッ!

 

引き抜き…

 

「お前は『バケモノ』なんかじゃない…」

 

そう優しく呟きフランの頭を撫でた…

 

「…!う…うぅ…」

 

そんな優しさの感じる四季の言葉にフランは…

 

「うわぁぁぁぁぁぁん‼」

 

四季に抱きつきながら泣いた…

 

 

 

フランは悲しかったのだ…

今まで誰一人…それこそ唯一の肉親の姉にさえ、怖がられ『バケモノ』として見られることが…

フラン自身は、誰かを傷付けるのが怖くて怖くて仕方なかった…

なぜなら、そんなことをしてしまえば、自分が本当の『バケモノ』になってしまうと思ったから…

だが、長い幽閉期間が次第にフランの心を壊し、自らを『バケモノ』と思い込むように変えていった…

それでも、フランの本心は、傷付けるのが嫌だと訴えていた。

それに四季はフランの震える身体を見て気づいたのだ。

 

 

 

「スー…スー…」

 

数分後、フランは泣き付かれたのか寝てしまっていた…

その間、四季はずっとフランの頭を撫でていた…

 

「寝ちまったな…」

 

フランが寝たことを確認すると四季は…

 

「レミリア!こっちにきてくれ!」

 

レミリアを呼んだ…

 

「え…わかったわ!」

 

直ぐ様、レミリアは走って四季の元まで来た。

どうやら四季に受けた傷は完治したようだ。

 

「レミリア…フランをベッドに…」

 

そう言って、器用に片手でフランを抱き上げた四季はレミリアに渡す…

フランを渡されたレミリアは恐る恐る手を伸ばし…

 

「フラン…」

 

自らの腕に妹の温もりを確認すると…

 

「ごめん…ごめんなさいね…フラン」

 

最愛の妹を抱き締め泣きながら呟いた…

そんなレミリアを見ながら四季は…

大切だった妹と義弟の顔を思い出していた…

 

「姉妹仲良くな」

 

そう言って四季はレミリアの頭に手をのせる

そんな四季にレミリアは…

 

「えぇ…本当に…本当にありがとう…四季」

 

今までと比べ物にならないくらい可愛らしい笑顔を浮かべた。

 

 

そんな2人を遠くから見ていた霊夢は…

 

(ありゃ落ちたわね)

 

何やら意味深なことを思っていた…

 

さらに咲夜に至っては…

 

(あぁ…お嬢様…可愛い過ぎます!)

 

鼻血をたらしながらレミリアを見ていた…

 

 

 

 

それからレミリアは、鼻血をたらしている咲夜にフランをベッドまで連れていくように命令し、続いて四季たちに今夜は泊まって帰るように提案してきた。

どうやら2人に話があるらしい。

四季も霊夢も身体がボロボロ(特に四季に至っては、現在身体を作り替えているためなんとか生きているが…

右腕は切断されており、全身火傷、身体には『血刀』で刺した際できた傷、更には右脇腹破損という普通の人間ならば明らかに死ぬような怪我をしていた)

で疲れも溜まっていたため、その提案に甘えることにした。

 

四季達が泊まることが決まると、レミリアは夕食が出来るまで部屋で休むよう言いわたし、雑用メイドを呼んで部屋まで案内させた。

 

 

 

そして四季は今、案内された部屋で休んでいる。

 

 

ちなみに部屋に着くまでに霊夢が四季の身体(能力)について聞いてきたため、四季が素直に話したところ…

 

「そういうことはさっさと言いなさい!」

 

そう言って、ぶん殴られた…

哀れである…

 

 

 

 

「はぁ…霊夢のやつ、ぶん殴らなくてもいいじゃねぇか…」

 

殴られた左頬を擦りながら、そう呟いた四季は…

 

ボフッ!

 

ベッドに横になった…

 

「………」

 

しばらくボーッと天井を見ていた四季だったのだが…

疲れからか段々と瞼が重くなり…

 

「すぅ…すぅ……」

 

寝てしまった…

 

それから数分後…

 

コンコンッ!

 

「四季?」

 

コンコンコンッ!

 

「四季いないの?」

 

コンコンコンコンッ!

 

「……………」

 

ガチャッ!

 

「ん?居るじゃな…って寝てたのね」

 

そう言って入って来たのは霊夢

 

「すぅ…すぅ…すぅ…」

 

「ふーん、普段は生意気な癖に寝てる顔は可愛いのね

でも…」

 

そこまで言って霊夢は視線を四季の身体に向けた…

 

「一体どうやったら、こんな身体でも生きていられるの?」

 

「すぅ…すぅ…すぅ…」

 

「……本当にこいつは何者なの?…

外来人にしては異様すぎる存在…

こいつの存在が幻想郷にとって…

どんな影響をもたらすのか…」

 

「…すぅ…すぅ…すぅ…すぅ…」

 

「はぁ…こっちの気も知らないで寝ちゃって…」

 

溜め息をこぼしながらも、優しく四季を起こそうとするのだが…

 

「四季!起きなさい!夕食が出来たみたいよ」

 

「すぅ…すぅ…」

 

「四季!レミリア達が待ってるみたいだから早く起きなさい!」

 

「すぅ…すぅ…すぅ…」

 

イラッ!

 

「す…」

 

ボゴッ!

 

「ぐはッ!」

 

やはり霊夢には無理だった。

しかし、今回は起きない四季もいけないため自業自得である…

 

「早く!起きなさい!夕食が出来たみたいだから行くわよ!」

 

痛みに悶絶している四季にそう言ってさっさと部屋から出ていく霊夢に彼は…

 

「……なんで殴るんだよ…」

 

不満を口にしながら付いていった…

 

 

 

四季達が食堂に行くと、既に皆、席に座っていた

その中には四季の知らない人が2人いた

一人は紫の髪に眠そうな眼が印象的で何やら本を読んでいる少女

もう一人は秘書のような服を身につけ、悪魔のような羽が生えた少女、紫髪の少女の後に立っているため四季は、その少女の召し使いだとあたりをつけた。

 

 

「悪いわね、このバカを起こすのに時間がかかったわ」

 

そう言って、自分の用意された席につく霊夢

 

「あら?ふふ 四季は寝てたの?」

 

「あぁ どうやらボーッとしてる間に寝ちまったみたいだ」

 

そう言って霊夢の隣の席へ着く四季…

そして彼はあることに気付く…

 

(? 寝ているフランはまだしも、なんで美鈴がいないんだ?)

 

食事の席に美鈴が居ないことに…

(居ない理由は単純に皆が美鈴のことを忘れて、誰も食事だということを彼女に伝えていないからだ。)

 

そんな四季の考えを遮るようにレミリアは…

 

「では、客人も来たことだし食事にしましょう」

 

食事の合図をした。

 

夕食を食べながら四季は、知らない2人に話しかけ名前を聞いた。

紫髪の少女はパチュリーといって、地下の大図書館に居候しているらしい。

その後ろにいる秘書のような少女は、小悪魔といって、パチュリーの使い魔だったようだ。

 

名前を聞いた後、四季はふと、霊夢と一緒に紅魔館に来ていたはずの魔理沙が居ないことに気が付き、霊夢に魔理沙は何処にいったのか聞いた。

聞かれた霊夢は、今の今まで魔理沙のことを忘れていたらしく、紅魔館を探索する際に別れたっきり知らないと言った…

そんな2人の会話にパチュリーが参加し、魔理沙はとっくの前に帰ったことを伝えた。

驚いた霊夢は、パチュリーに詳しく話を聞くと、どうやら魔理沙は、霊夢と別れた後、地下の大図書館に行ったようで、そこにいたパチュリーと弾幕ごっこをし、その後、図書館の本を数冊盗んで逃げたらしい…

まさかの友人の行動に霊夢は怒りながらも、目の前の食事を堪能していた。

 

魔理沙の行方について話が終わると、今度はレミリアが今回の『異変』とフランのことに対しての謝罪をしてきた。

霊夢は『異変』の真相を知らなかった為、レミリアにいくつか質問したが…

わかったことといえば、『異変』を起こした理由と四季とレミリアが戦って彼女が負けたこと、そして結果的に四季が『異変』を解決したこと。

(ちなみに、紅い霧はレミリアが既に消している)

 

それを知った霊夢は、驚きながら四季を見たが…

 

プルプル…

 

彼は今…馴れない左腕でスプーンを握り、頑張ってスープを飲んでいた…

そんな四季の姿をレミリアは…

 

「ふふふ」

 

どこか楽しそうに見ていた。

 

『異変』の話が終わると、他愛もない世間話が始まり、楽しい食事が進められた。

 

食事が終わると、パチュリーと小悪魔は大図書館に戻ってしまった…

何やら、頼みごとをやらなければならないとかなんとか…

霊夢と四季も、部屋に戻ろうと席を立ったのだが…

レミリアに、まだ話があると言われ、再び席についた。

こうして、食堂に残ったのは、霊夢に四季、そしてレミリアと従者の咲夜の4人だけだった。

 

「なぁ レミリア 話ってなんなんだ?」

 

四季はレミリアの言っていた『話』が気になり聞いた。

 

「そうね、単刀直入に言うわ」

 

「……………」

 

レミリアの次の言葉を、真剣な表情で待つ霊夢と四季に対して彼女は…

 

「四季、紅魔館で暮らさない?」

 

真面目な顔で言った…

 

「は…?」

 

「…………」

 

四季は思わず驚いたが、霊夢は依然真面目な顔をしていた…

 

「あら?聞こえなかったかしら?」

 

そう言ってもう一度言おうと口を開くレミリアに…

 

「どうして、四季を住まわそうと思ったのよ?」

 

霊夢は真面目な顔で聞いた。

 

「それは…」

 

レミリアは四季の顔を見て…

 

「四季のことが気に入ったからよ」

 

顔をほんのり赤らめながら言った。

そんなレミリアの言葉に…

 

(ふーん…)

 

霊夢は何やら考えた後…

 

「四季 あんたが決めなさい」

 

四季の方を向き、彼に委ねた。

 

「あ?俺が?

俺は別にどっちでも…」

 

いい、と言おうとした四季の視界に、不安そうな顔をするレミリアが写った…

 

「……はぁ…

(どうもダメだな…あの顔は…)」

 

そう思うや否や四季は霊夢に振り向き…

 

「……霊夢 俺、紅魔館に住んでいいか?」

 

許可を貰おうとたずねた。

その言葉を聞いたレミリアは不安そうな顔から一転し、花のような笑顔になる。

そして霊夢は…

 

「別にあんたのしたいようにしなさい」

 

別段、止めることもなく承諾した。

だが一言…

 

「でも、残念ね

これからは、また私が神社の掃除をしなきゃならないわ」

 

そう笑いながら言った。

それに対して四季は…

 

「悪いな」

 

短く呟き微笑んだ。

そして、四季は再びレミリアに視線を戻し…

 

「そういうことだ、これから宜しくなレミリア

…と咲夜だっけ?」

 

彼女とその後ろに立つ従者に挨拶をした。

その言葉にレミリアは…

 

「ふふ 宜しくね四季」

 

嬉しそうに返した。

ちなみに咲夜は…

 

(お嬢様が、こんなにも嬉しそうにするなんて…

この男…お嬢様に何かしたの?)

 

何やら四季を警戒していた…

 

「さて、話はこれで終わり?

私はもう疲れたから部屋に戻らせてもらうわよ」

 

そう言って席を立つ霊夢にレミリアが…

 

「霊夢 感謝するわ」

 

いきなりお礼をいった。

 

「「?」」

 

四季と咲夜は、なぜレミリアがお礼をいったのかわからなかったが…

 

「別にかまいわしないわ

後は頑張んなさい」

 

霊夢はなんのことか理解してるらしく素直に感謝の言葉を受けとると同時にレミリアに激励の言葉を送った。

 

「わ…私は…別に…!」

 

何やら霊夢の言葉に顔を赤らめだすレミリアを…

 

「はいはい、おやすみ~」

 

適当に流して部屋に戻って行った霊夢。

 

「なぁ レミリア、霊夢は何を頑張るように言ったんだ?」

 

四季は先ほどレミリアが霊夢の言った言葉の意味を聞いたのだが…

 

「し…四季が気にすることではないわ!

さぁ、話も終わったのだから、さっさと部屋に戻りなさい!」

 

上手いこと誤魔化された。

 

「…わかったよ じゃ、おやすみ」

 

そう言って四季は席を立ち部屋に戻った。

四季が居なくなるとレミリアは咲夜に…

 

「咲夜 私も、もう休むから貴女も休みなさい」

 

そう言って部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

四季は部屋に戻るとベッドに横になり、先ほどの事を考えていた…

 

(成り行きとはいえ、まさかこの館に住むことになるとはな……

まぁ…悪くわないか…

この館…遠野の屋敷に似てるし…)

 

懐かしい、帰ることの出来なかった家を思い出す…

自分の父に数人の使用人…父が連れてきた双子の赤髪の少女に妹の秋葉…そして義弟のナナヤと暮らしていた家…

辛いことも多かったけど、その分、楽しく過ごしていた…きっと…その時、四季は…

人並みの幸せの中にいたのだろう…

でもその幸せは…8年前…急に終わりを告げた…

 

 

 

 

 

 

 

コンコンッ!

 

「ん…」

 

いつの間にか四季は寝てしまっていたようだが…

扉の音に反応し眼を覚ました…

 

(誰だ…こんな時間に…)

 

そう思い、部屋にあった掛け時計に眼を向けると時刻は夜中の午前1時…四季が部屋に戻ってから1時間ほど経っていた。

 

「し…四季?起きてるかしら?」

 

扉の奥から聞き覚えのある声が聞こえ…

 

「レミリアか?」

 

四季は確かめるように声の主の名前を呼んだ…

 

「あ…起きてたのね そうよ私よ

えと…部屋に入ってもいいかしら?」

 

そうレミリアが言ってきたため…

 

「あぁ 別に構わないが…」

 

素直に部屋に入れた。

 

ガチャッ!

 

「寝れないの?」

 

入るや否や、四季が起きていた事を不思議に思ったらしく、彼女は聞いた。

そんな、彼女は何やら濡れたタオルと服を持っていた

 

「いや、寝ていたんだが…ノックの音で起きた…」

 

四季の言葉に少し申し訳なさそうな顔をしてレミリアは…

 

「それは悪いことをしてしまったわね…」

 

そう言った。

 

「いや助かった、どうも嫌な夢を見ていたみたいだからな」

 

「嫌な夢?」

 

「あぁ…」

 

呟いた四季はどこか浮かない顔をして俯いていたが、直ぐ様レミリアの方に顔を向けると…

 

「ところで、どうしたんだ?こんな時間に?」

 

用件を聞いた。

 

「いえ、四季の服が汚れてしまっていたから、明日着る服を持ってきただけよ」

 

そう言って四季に服を渡すレミリア

その服は、現在四季が来ている着物に似てはいるが、所々に微かな魔力を感じる…

 

「その服は、パチェに頼んで魔力を通して作ったものよ

だから、ちょっとやそっとのことじゃ、破れたりしないし、ある程度の弾幕も防げるわ」

 

そう説明したレミリアは「着てみる?」と聞いてきた。

それに対して四季は…

 

「そうだな、さっきの夢のせいで汗もかいたみたいだし…

早速着てみるよ」

 

おもむろに服を脱ぎ出した。

 

「ちょ!四季!何をやってるのよ!」

 

そんな四季の行動に、顔を真っ赤にして背中を向けるレミリア…

 

「なにって…着替えるんだよ」

 

レミリアの行動に気にする様子もなく普通に答える四季…

ちなみに現在四季はパンツ1枚装備だ。

 

「き…着替えるにしても、せめて私に見えないように服を脱ぎなさいよ」

 

そう言いながら四季から背中を向けたまま、服と一緒に持ってきていた、濡れたタオルを渡す…

 

「これは?」

 

タオルの意味がわからず質問する四季。

 

「き…着替えるなら、身体もついでに拭くだろうと思って、持ってきてた濡れたタオルよ」

 

そう説明を受けた四季はタオルを受けとるが、さらに疑問が浮かびさらに質問した。

 

「俺が寝てるかも知れなかったのに、随分準備がいいんだな?」

 

「た…たまたまよ!」

 

「?今一意味がわからないが…」

 

「気にしなくていいの!」

 

「?」

 

レミリアの返答に意味がわからない四季は、それ以上聞くことなくタオルで身体を拭き始めた。

その一方でレミリアは…

 

(…変なところで気にしすぎよ バカ!)

 

顔を真っ赤にして、そう思っていた。

実は、四季が寝ていた場合は、レミリアがこっそり四季を着替えさせようと考えていたため、濡れたタオルも一緒に持ってきていたのだが…

それが裏目にでたようだ…

 

そんな事を思っているレミリアには気にせず身体を拭いていく四季は、自分の身体を見て…

 

(こんな身体になっても生きている…

つくづく自分が『バケモノ』だって思えてくるな…)

 

そう思った。

 

(『バケモノ』と言えばそういや…)

 

四季は何か思い出したらしく着替えながらレミリアに声をかけた。

 

「なぁ レミリア

フランをこれからどうするんだ?」

 

「フランを?」

 

「あぁ」

 

そう…四季が思い出したのは、レミリアの妹である、フランのことである。

今までは地下に幽閉していたみたいだった為、これからレミリアがフランをどうするのか気になったのだ。

 

「出来ればフランを普通に生活させてやってほしいんだが…

ダメか?」

 

四季はフランが、遠野の屋敷に閉じ込められて勉強ばかりさせられていた妹の秋葉と重なり、どうにか自由にしてやりたいと思い、レミリアに頼んだのだが…

 

「そんなの貴方に言われるまでもないわ」

 

どうやら杞憂に終わったらしい。

 

「そうか…ならいいんだ」

 

四季は、レミリアの言葉に安心し、着替えを終えた。

 

「?レミリア いつまでそっち向いているんだ?

もう着替えたぞ」

 

四季は着替えが終わった事をレミリアに告げた。

レミリアは、四季の言葉を聞くと振り返り、彼に視線を向ける…

 

「あら、よく似合ってるわよ」

 

「そいつはどうも」

 

レミリアの誉め言葉を素直に受け取り、ベッドに腰かけた四季は…

 

「…着替えは終わったんだが…まだ何かあるのか?」

 

今だ部屋から出ていこうとしないレミリアを疑問に思い聞いた。

 

「えぇ…まだあるわ」

 

そう呟いたレミリアは四季に近づき、彼の左腕を掴み自らの胸に…

 

「ん…」

 

押し当てた…

 

「…何してるんだレミリア?」

 

レミリアの突然の行為に四季は意味がわからず質問する。

 

「……四季…私の身体を『奪い』なさい」

 

「…は?」

 

はたから聞くと明らかに夜の営みに誘っているようにしか聞こえないが、レミリアの言っていることは、そういうことではない…

 

「か…勘違いしないでよ!

貴方の『能力』で私の肉体を『奪って』、その傷だらけの身体を治しなさいって意味よ?」

 

つまりそういうことである。

四季はレミリアの言葉の意味がわかると…

 

「……肉体を『奪ったら』お前が痛い思いをするだけだぞ…

それに、そこまでしてもらう理由がない」

 

そう言って断った。

だがレミリアは…

 

「理由ならあるわ

フランのことに狼の一件…助けられてばかりなのは私の性に合わないの…

それに、私のことなら大丈夫よ

肉体が『奪われても』朝までには再生するし…

もしも…貴方が私に血を飲ませてくれるのなら、痛みを和らげることもできるのだけれどね」

 

そう笑いながら言った。

四季はレミリアの言葉の意味を少し考えると…

 

「なるほど…そう言うことなら…」

 

レミリアの胸に当てられている左腕からレミリアの内部の肉を『奪い』始めた…

 

「ぐ…あぁ…ん…」

 

内側から肉が抉り摂られる不思議な感覚と痛みにレミリアは声を抑え耐える…

レミリアから身体の再生に必要な肉体を『奪い』終えた四季は直ぐ様、能力の『蝕離』によって『奪った』肉体を自らの身体に『還元』し、全ての傷を治した。

その後、四季は指先の血管に小さな『血刀』を作り、内部から外に突き破らせ、血を出してレミリアに与えた…

 

「…ぺろ…んく…はぁ…ん…ぴちゃ…くちゃ…ゴクッゴクッ!」

 

レミリアは四季の血を美味しそうに飲むと、先ほどの苦痛に耐えていた顔から一転して、幸せそうに惚けていた。

 

「はぁ…美味しい…」

 

そう呟いたレミリアは、疲れたのか四季のベッドに倒れて…

 

「Zzzzzz」

 

そのまま寝てしまった…

 

「やっぱり無理させてしまったか?」

 

四季はそう呟き、レミリアをベッドにきちんと寝かせ、自分は、椅子に座り寝るために眼を閉じた…

そして…

 

「ありがとう レミリア」

 

誰にも聞こえないよう四季は呟き、意識を落とした…

 

 

 

 

こうして長い長い1日が終わった…

 

後日、レミリアが、四季の部屋で寝ていたのが咲夜にバレて一騒動あったが、レミリアの一声で解決し一晩泊まっていた霊夢も博麗神社へと帰り、この異変の終幕となった。

 

 




どうでしたでしょうか?
四季さん、なんか毎回ボロボロですが、今回はなかなかひどい…
まぁ、四季が無傷で勝てる勝負なんてないですがね…
それはさておき、レミリア様の四季さんに対する好感度が半端なく上昇しております。
これからどうなることやら。
そして、今回でようやく『紅霧異変』が終わりました!
次回からは何話か日常話を入れますのでお楽しみに…
では、閲覧ありがとうございました!
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